厚木市で 相続 の手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続 の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
「3年前に父が亡くなって、ようやく落ち着いたと思ったら、今度は母が…。立て続けに不幸があって、気持ちの整理もつかないのに、また相続税の心配をしないといけないなんて…」
ご両親のご年齢が近い場合、短い期間で両名ともお亡くなりになるケースは珍しくありません。ご家族を相次いで亡くされるお気持ち、お察しいたします。そして、連続で相続手続きと相続税の納付をしなければならないので、かなりの負担となるでしょう。
ですが、安心してください。
日本の相続税法には、このようなケースにおいて「ご遺族の負担を軽減するための控除制度」が用意されています。
今回は、この控除制度について解説していきます。知っているといないとでは、納税額に大きな差が出るので、是非覚えておいてください。
「相次相続控除」とは?
「相次相続控除」とは、10年以内に2回以上の相続が起きた場合に、2回目の相続で納める相続税から、一定額を差し引ける制度です。
この制度が設けられたのはご遺族(法定相続人)の負担を減らすためです。
例えば、最初の相続(第一次相続)でお父様が亡くなり、お母様が財産を相続。→この時、お母様は相続税を納めました。
その3年後、お母様が亡くなり、2回目の相続(第二次相続)でお子さんが財産を相続。→この時は、お子さんが相続税を納めます。
この場合、お子さんが相続する財産には、「3年前にお父様からお母様へ引き継がれた財産」が含まれています。それは、相続税の対象になっていたはずです。
つまり、「短い間に同じ財産に2回も税金がかかる」わけです。それは酷だということで、「1回目の相続で課税された相続税の一部を、2回目の相続税から引いてあげましょう」というのがこの制度の趣旨です。
なお、この制度は「財産を減額する(課税価格の控除)」のではなく、「税額を直接差し引く(税額控除)」なので、節税効果が非常に大きいのです。
相次相続控除を使える「4つの条件」
(1)今回の相続(第二次相続)の相続人であること
これは当然ですが、控除を使えるのは財産を受け取る相続人であることが大前提です。
なお、遺言書によって財産を遺贈された人(受遺者)は、相続人ではないため、相次相続控除は適用できません。
(2)前の相続から「10年以内」に起きていること
1回目の相続開始日(お亡くなりになった日)から、2回目の相続開始日までの期間が10年以内である必要があります。1日でも過ぎてしまうと、適用対象外となります。
相続税の申告期限(相続開始の翌日から10ヶ月以内)ではないので、ご注意ください。
(3)前の相続で、今回の被相続人が財産を取得していること
最初の相続(第一次相続)でお父様が亡くなり、お母様が財産を相続。その後、お母様が亡くなり、2回目の相続(第二次相続)でお子さんが財産を相続。
前述のこの例で考えると、お父様が亡くなった時に、お母様が、実際に何らかの財産(預貯金、不動産など)を相続している必要があります。
(4)前の相続で、今回の被相続人に「相続税が課税され、納税をした」
ここが最も重要なポイントです。もし、一次相続で財産を取得していても、相続税を納めていなければ、二次相続で相次相続控除を適用できません。
通常の相続ではお父様が亡くなった時、お母様は「配偶者の税額軽減(配偶者控除)」という特例を使っている可能性が高いです。これは、配偶者が相続した財産のうち「1億6千万円」または「法定相続分」のどちらか多い金額まで、相続税がかからないという制度です。
この特例を使うと、申告は必要ですが、実際に払う相続税は0円となるケースが多いです。そうなれば、残念ながら「相次相続控除」は使えません。
相次相続控除は、あくまで「1回目の相続で払った税金を、2回目で少し取り戻す」という制度です。そのため、1回目に払った税金がゼロなら、取り戻せる額もゼロ、というわけです。
相次相続控除はこのように「納税の有無」が重要であり、「申告の有無」は関係ないのです。
相次相続控除が使える他のパターン
相次相続控除が使えるパターンは、今回例を挙げた「父→母→子」のケース以外にもいくつかあります。
ポイントは2回目の相続が「10年以内」に起きること、「1回目で財産を取得し、相続税を納めた人」が被相続人であることです。
(1)パターン1:子が親より先に亡くなる(子→親→別の子)
ご長寿の家族で、お子様が先に亡くなるケースです。
- 一次相続:子(長男)が死亡。独身で子もいない場合などは親である父が財産を相続し、相続税を納税する。
二次相続(10年以内):父が死亡。母や別の子(長女)が財産を相続する。
控除を受けられる人:母や長女
お父様が一次相続で払った税金の一部を、二次相続の税金から引けます。
(2)パターン2:兄弟姉妹間での相続
お子様がいないご夫婦や、独身の兄弟姉妹間で発生するケースです。
- 一次相続:兄が死亡。両親は他界、子もいない場合は弟が財産を相続し、相続税を納税する。
二次相続(10年以内):弟が死亡。弟の妻や、甥・姪が財産を相続する。
控除を受けられる人:弟の妻や甥・姪
弟さんが一次相続で払った税金の一部を、ご自身が払う二次相続の税金から引けます。
(3)パターン3:祖父(母)からの相続が続く
世代をまたいだ相続が短期間で続くケースです。
- 一次相続:祖父が死亡。祖母は既に他界しているので、息子である父親が財産を相続し、相続税を納税する。
二次相続(10年以内):父親が死亡。母親と子供が財産を相続する。
控除を受けられる人:母親と子供
お祖父様が一次相続で払った税金の一部を、ご自身が払う二次相続の税金から引けます。
まとめ
相次相続控除について仕組みを簡単に解説いたしました。相次相続控除はご遺族の負担を少しでも軽くするために作られた制度ですので、要件に該当する場合は、積極的に活用しましょう。
次回は、控除の計算方法や他の注意点について述べていきます。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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厚木市で 相続 の手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続 の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
ご家族が亡くなられた後、遺産相続の手続きを進める上で初期に行うべきことが「相続人の確定」です。
誰が法的な相続人となるのかを正確に把握しなければ、遺産分割協議や相続税申告に進むことができません。
複雑そうに思える相続人調査ですが、手順を追って進めればご自身でもできるでしょう。
「相続人」の確定は最初の重要ステップ
ご家族が亡くなられ、遺産相続の手続きを進めようとするとき、多くの方が故人の口座の手続き口座解約や不動産の名義変更といった手続きを思い浮かべるかもしれません。
しかし、その前に必ずクリアしなければならない、最も重要で、すべての手続きの土台となるステップとして「法的な相続人を確定させる」作業があります。
「相続人は家族だけなんだから、分かりきっている」と思われるかもしれません。しかし、いざ蓋を開けてみれば、「会ったことのない隠し子が出てくる」といったケースはあります。
もし、相続人を確定させていないと、後々、遺産分割協議のやり直しが生じる等、相続手続きが停滞するリスクがあります。
相続人を確定させる方法は「戸籍の収集と解読」
相続人を確定させる方法は、被相続人の「出生から死亡までの一連の戸籍」をすべて集め、内容を正確に読み解くことです。ご自身の記憶や家族間の認識ではなく、戸籍という公的な書類だけが、法的な相続人を証明してくれるのです。
戸籍の収集と解読のプロセスは、下記の3つのステップに分かれます。
(1)死亡時の戸籍を取得する
まずは、亡くなられた方の「死亡の記載がある戸籍(法律上は『除籍謄本』)」を、最後の本籍地があった市区町村役場で取得します。ここが、過去へと遡る旅の出発点となります。
(2)遡る作業
取得した戸籍には、「いつ、どこの戸籍から移ってきたか」という履歴が書かれています。その情報を頼りに、一つ前の本籍地の役所へ、さらにその前の役所へと、まるで巻物を遡るように戸籍の請求を繰り返します。
結婚や転籍、法改正による戸籍の作り替え(改製)などを経て、最終的に亡くなられた方の「出生」の記載がある戸籍(通常はご両親の戸籍)にたどり着くまで、この作業を続けます。
(3)相続人の洗い出し
集めたすべての戸籍謄本を時系列に並べ、内容を丁寧に読み解きます。そこから、配偶者の有無、すべてのお子さん(養子や認知した子を含む)、ご両親、ご兄弟姉妹といった、民法で定められた「法定相続人」の範囲に当たる方を一人残らずリストアップしていくのです。
これが、相続人確定のための、プロセスです。
被相続人の出生まで遡らないと一部の相続人の存在を見落とす
なぜ戸籍を「死亡時から出生時まで」切れ目なく遡らなければならないのか。それは、ご家族が把握していない「隠れた相続人」の存在を明らかにするためです。
例えば、離婚歴のある故人だと、前の配偶者との間にお子さんがいる可能性があります。そのお子さんも、現在の家族のお子さんと全く同じ権利を持つ法定相続人です。
また、婚姻関係にない女性との間に生まれたお子さんを認知している場合、そのお子さんも法定相続人となります。認知の事実は、戸籍に記載されています。
もし、これらの法定相続人の誰か一人でも見落としたまま遺産分割協議を進めてしまうと、その協議は法的に無効となり、すべての手続きが一からやり直しになってしまいます。時間も労力も無駄になり、新たなトラブルの原因ともなりかねません。
戸籍取得に便利な広域交付制度
戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場で取得します。本籍地が遠方の場合は、郵送で請求もできますが、2024年に始まった便利な「広域交付制度」も利用できます。
広域交付制度は本籍地以外の最寄りの市区町村役場窓口で、まとめて戸籍謄本等を請求できる制度です。複数の役所に郵送請求する手間が省け、一括で取得できるため非常に便利ですが、請求できる人は本人、配偶者、直系尊属(父母、祖父母)、直系卑属(子、孫)のみです。
つまり、相続開始時に被相続人の戸籍を取り寄せる場合は配偶者・父母・祖父母・子ども・孫が窓口に行かなければなりません。兄弟姉妹は請求できません。
請求には顔写真付きの本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)が必須であり、代理人や郵送での請求はできません。
相続の専門家に依頼してもOK
相続人調査は時間と手間がかかる作業です。また、相続関係が複雑な場合や、ご自身での調査に不安がある場合は、専門家に依頼することを検討しましょう。
戸籍集めとなると、司法書士や行政書士の仕事かなと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、「相続税の申告」が関わる相続においては税理士でも戸籍収集を代行できます。
弁護士や司法書士、税理士を含む法律で定められた8つの専門家(八士業)は、「職務上請求」という特別な権限を持っていて、それぞれの専門業務を遂行するために不可欠な場合に限り、依頼者の委任状がなくても戸籍謄本などを請求できるからです。
専門家の中でも、特に相続財産が一定額を超え、「相続税の申告」が必要になる可能性がある場合には、最初から税理士に依頼することが非常に合理的です。
税理士に依頼すれば、相続人を確定させた後、相続財産の調査・評価、遺産分割のアドバイス、相続税の申告書の作成・提出まで、ワンストップで対応できます。
まとめ
「相続人の確定」は、最初の重要ステップです。ですが、戸籍の収集と解読には時間も手間もかかります。
もし、時間がない、手間をかけたくないといった場合には、この最初のステップを専門家に任せましょう。
専門家に依頼すれば、その後のすべての手続きもスムーズに進められます。手続きが滞りなく進めば、安心と安全の二つを得られるでしょう。
相続に関する不安や疑問は、一人で抱え込まずに、まずは専門家にご相談ください。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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厚木市で 相続 の手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続 の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
「相続税」と聞くと、「うちは資産家じゃないから関係ない」と思う方も多いかもしれません。確かに国税庁のデータによれば日本国内で相続税が課税されるのはおよそ10件に1件です。
しかし、裏を返せば10%の確率で相続税がかかるのです。相続税がかかるかどうかは計算してみなければ分かりませんが、相続税計算は、いざやってみると戸惑うポイントが多いのです。
ご自身がどれくらいの相続税を支払う可能性があるのか、あらかじめ知っておくことは、円満な相続と安心に繋がります。
最近では相続税を簡単に試算するサイトも多くありますが、計算の仕組みと流れを把握しておかないと、細かい計算はできません。
このコラムでは、相続税額の計算方法について、5つのステップに分けて具体例を交えながら、できるだけ分かりやすく解説していきます。
ステップ1:誰が相続人で、財産はいくらあるのかを把握する
相続税計算の第一歩は、「誰が相続人なのか(法定相続人の確定)」と「相続財産の総額はいくらか」を正確に把握することから始まります。
(1)法定相続人の確定
民法では故人(被相続人)の財産を相続できる方について、「範囲と順位」が定められています。
第1順位:子(子が既に亡くなっている場合は孫)
第2順位:父母(父母が既に亡くなっている場合は祖父母)
第3順位:兄弟姉妹(兄弟姉妹が既に亡くなっている場合は甥・姪)
順位の高い人が一人でもいる場合、下の順位の人は相続人になれません。例えば、子がいる場合は、父母は相続人になれません。
なお、第1順位の子供に子供がいる(被相続人にとって孫)場合、もし子供が相続開始前にすでに亡くなっていたり、相続権を失っていると、その子供が代わりに法定相続人となります。これを代襲相続といいます。
(2)相続財産の確定と評価
被相続人が遺した財産を調査し、全てリストアップします。全ての財産は、個別に相続税評価額を算出します。
相続税対象の財産には、預貯金、不動産、有価証券(株式・投資信託など)、自動車等がありますが、これらのプラスの財産だけでなく、借入金や未払金などのマイナスの財産もリストアップしておかなければなりません。
マイナスの財産は相続財産の総額から差し引くことができますし、相続放棄を検討する上でも重要になります。
ステップ2:課税対象となる遺産の総額(課税遺産総額)を計算する
全ての財産評価額が分かったら、次に課税対象となる金額を計算します。
まず、プラスの財産の合計額から、非課税となる財産(墓地や仏壇など)、先ほどのマイナスの財産(債務など)、葬式費用を差し引きます。これで「課税価格」が算出されます。
次に、この課税価格の合計額から「基礎控除額」を差し引きます。この基礎控除額を引いた後の金額が、最終的に相続税の計算の基となる「課税遺産総額」です。
基礎控除額の計算式は非常に重要なので、ぜひ覚えておきましょう。
もし、課税価格の合計額が基礎控除額よりも少ない場合、相続税はかからず、原則として申告も不要です。
ステップ3:相続税の総額を計算する
課税遺産総額が算出できたら、いよいよ相続税額の計算です。ここで注意したいのは、「課税遺産総額に直接税率をかけるわけではない」という点です。
まず、課税遺産総額を、法律で定められた相続割合(法定相続分)で各相続人が取得したと仮定して分けます。
次に法定相続分で分けた各人の金額に、下の速算表に応じた税率を掛けて、控除額を差し引き、各相続人ごとの「仮の相続税額」を計算します。

最後に、全員の「仮の相続税額」を合計します。これが「相続税の総額」となります。
ステップ4:各人が実際に納める税額を計算する
ステップ3で計算した「相続税の総額」を、今度は実際に財産を取得した割合に応じて、各相続人に割り振ります。これにより、各人が実際に納めるべき相続税額が算出されます。
例えば、相続税の総額が1,000万円で、配偶者が60%、長男が40%の割合で財産を相続した場合、それぞれの納付税額は配偶者が600万円、長男が400万円となります。
ステップ5:税額控除を適用して最終的な納税額を決める
最後に、各人の納付税額から、適用できる税額控除を差し引きます。代表的な税額控除には以下のようなものがあります。
- 配偶者の税額軽減…配偶者が相続した財産額が、1億6,000万円か配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、配偶者に相続税はかかりません。
- 未成年者控除:相続人が未成年者の場合に適用されます。
- 障害者控除:相続人が障害者の場合に適用されます。
これらの控除を適用した後の金額が、最終的に税務署に納める相続税額となります。
計算シミュレーション
ここで、簡単なモデルケースで一連の流れを確認してみましょう。
- 計算モデル
被相続人:父
相続人:母、長男、長女(計3名)
相続財産:1億円(債務・葬式費用等控除後)
実際の取得割合:母 1/2、長男 1/4、長女 1/4
基礎控除額:3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円
課税遺産総額:1億円-4,800万円=5,200万円
相続税の総額の計算
法定相続分:母 1/2(2,600万円)、長男 1/4(1,300万円)、長女 1/4(1,300万円)
母:2,600万円×15%-50万円=340万円
長男:1,300万円×15%-50万円=145万円
長女:1,300万円×15%-50万円=145万円
相続税の総額:340万円+145万円+145万円=630万円
実際の取得割合も法定相続分と同じなので、相続税の総額を按分します。
母:630万円×1/2=315万円
長男:630万円×1/4=157.5万円
長女:630万円×1/4=157.5万円
母は配偶者の税額軽減を適用できるため、納税額は 0円 となります。
長男と長女はそれぞれ157.5万円を納税します。
まとめ
相続税の計算は、一見複雑に見えますが、以下の5つのステップで全体の流れを掴むことができます。
- ステップ1:誰が、何を相続するかを把握する
ステップ2:課税対象額(課税遺産総額)を計算する
ステップ3:相続税の総額を計算する
ステップ4:各人が実際に納める税額を計算する
ステップ5:税額控除を適用する
大きなポイントとして相続財産の課税価格が基礎控除額以下なら相続税はかかりません。基礎控除を超えたとしても、特例制度を適用して相続税をなくすこともできます。
ただし、特例を適用するためには申告が必要になるので注意です。
もし、相続税の計算や申告で不安な点があれば、専門家である税理士にご相談ください。税理士であれば皆様の状況に合わせて最適な節税アドバイスも可能です。弊所でも初回相談無料なので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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相続 の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
相続は、どのご家庭でも必ず起きる出来事です。大切な人を失った悲しみの中で、手続きを進めなければならないのは遺族にとっても負担となりますが、そもそも相続では、遺産分割協議や相続税申告、不動産等の名義変更など、やるべきことが数多くあります。
そのため精神的な部分だけでなく、様々な部分でも負担がかかります。
ただし、相続の前に準備をしておくことで、それらの負担を軽くできます。
遺産分割の準備
まず大切なのは「遺産分割で相続人同士が揉めないようにしておくこと」です。
遺産分割での争いが発生すると遺族の関係に深い溝を残すことになります。さらに長期化してしまうと精神的な負担も益々大きくなります。
そのため、事前の工夫が欠かせません。
(1)遺言書を作成しておく
遺産分割において最も良い対策は、生前に「遺言書」を残しておくことです。
遺言書があることで、誰にどの財産を取得させるかが明確になるため、相続人同士での話し合いが不要、あっても最小限で済みます。従って、相続人同士で言い争うことはなくなります。
特に、不動産のように分けにくい財産がある場合には、遺言書によって方向性を示しておくことが重要です。
ただし、遺言には「不公平が生じない」遺産分割内容を記しましょう。特定の相続人を極端に優遇する内容だと、争いの火種になってしまいます。
(2)財産を整理しておく
生前に財産を整理しておき、リスト化して相続人が把握できるようにしておくことも役立ちます。預金口座、不動産、株式、保険、借入金など、すべてを一覧にしておけば、遺族が探し回る手間を省けるでしょう。
(3)分けやすい財産にしておく
遺産では特に不動産が分割しづらいものです。相続人同士で公平に分けるのが難しいので、可能であれば一部を現金化したりしておくと、相続人の負担を減らせます。
相続税対策
相続税は遺産総額によっては相続人にとって大きな負担となる可能性があります。
そのため、生前に相続税の節税対策をしておくと良いでしょう。
(1)生前贈与の活用
相続税対策で代表的な方法が生前贈与です。年間110万円までの贈与であれば贈与税がかからない(暦年贈与)ため、長期間にわたって少しずつ財産を移転すれば、相続での課税対象が減るので、相続人の負担を抑えられます。
また、住宅取得等資金の贈与に関する非課税制度等、特例要件を満たすことで大きな金額を非課税にする制度もあるので、活用を検討しましょう。
(2)墓地・仏具の生前購入
墓地・仏具などを生前に購入しておけば、相続税を節税することができます。
被相続人所有の財産は相続税の課税対象になりますが、墓地・仏具といった祭祀に関わるものは非課税であり相続税は課されません。
お墓を建てることを予定している場合などは生前に購入した方が、その代金分の相続税を節税できることになります。
(3)生命保険の非課税枠を利用する
生命保険には「500万円×法定相続人の数」まで非課税となる特例があります。これを利用すれば、相続税の負担を軽減できます。
また、遺族がすぐに使える現金を確保する手段にもなります。
納税資金や生活費の確保に役立つため、実務的にも大変有効な方法です。
手続き負担の軽減
相続では、数多くの事務手続きも大きな負担になります。口座の解約、名義変更、役所への届出など、やるべきことは多岐にわたります。これらをスムーズに進めるための準備も欠かせません。
(1)財産目録の用意
既に遺産分割の項目でも述べましたが、財産の所在や契約関係を一覧化したリストを残しておくと、遺族が手続きを進めやすくなります。
特に、ネット銀行やネット証券などオンラインサービスを利用している場合は、IDやパスワードの管理方法を含めて記録しておくと安心です。
(2)専門家に依頼する
相続税申告や不動産の名義変更などは専門知識が必要です。相続専門の税理士等に依頼することで、相続人自身の負担を軽くでき、ミスやトラブルを防ぐことにもつながります。
専門家に支払う報酬は発生しますが、それ以上の安心を得られるケースが多いでしょう。
まとめ
- 遺産分割の準備(遺言書・財産整理・一部の財産を現金化等)
- 相続税対策(生前贈与・特例の活用・生命保険等)
- 手続き負担の軽減(財産目録の準備・専門家相談)
相続で遺族の負担を減らすためには、今回述べた項目を意識することが大切です。
相続は「亡くなった後のことだから関係ない」と考えがちですが、準備をしておけば遺族が大きな負担を抱えることもありません。
大切な家族のために、早めに準備を始めておくことこそ、最良の思いやりといえるでしょう。
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相続が起きた時、遺言書の中に「遺産を一定期間分割してはならない」という文章が書かれている場合があります。これは「遺産分割禁止の指定」と呼ばれるもので、遺言の効力として法律的に認められている仕組みです。
ただ、相続人の立場からすれば、「遺産を分けられないとなると、相続財産の管理はどうなるのだろう?」と不安に思う方もいるでしょう。
本コラムでは、この遺産分割禁止の制度について、根拠となる法律や具体的なケース、相続人がとるべき対応について詳しく解説します。
遺産分割の禁止とは
民法では、被相続人は遺言により、最長で5年間は遺産を分割しないように指定することができると定められています。
遺産分割禁止が有効とされるケースはいくつかあります。
例えば、相続人に未成年者が含まれる場合です。未成年の子が相続人となると、法定代理人や特別代理人を通じて分割協議を進めなければなりません。
被相続人が「子どもが成人してから自分の意思で話し合ってほしい」と考える場合、この制度が役立ちます。
また、相続人同士の感情的対立を回避したい場合にも遺産分割の禁止は有効です。
遺産分割はお金の問題ですから、親族間での争いになることも少なくありません。禁止期間を設けることで、落ち着いて冷静に話し合える環境を整える狙いがあります。
また、思いがけない相続人が現れる場合、例えば認知されていなかった子どもが後から相続人として加わるケースなどでは、いったん分割を禁止することで、冷却期間を置いてからの協議となりますから、これも有効と言えます。
遺産分割を禁止する方法
遺産分割禁止を有効にする方法はいくつかあります。
(1)遺言書に記載する方法
被相続人が遺言の中で「遺産の分割を〇年間禁止する」と明記すれば有効になります。分割対象は遺産全体でも一部でも構いません。
また、遺言指定でなくても、相続人全員の合意があれば遺産分割禁止は可能です。この場合、遺産は相続人全員の共有状態で保有することになります。
(2)家庭裁判所の審判による方法
特殊な事情があるときは、相続人が家庭裁判所に申立てを行い、審判を受けて分割禁止を認めてもらうことができます。
特別な事情とは、相続欠格や死後認知の裁判等で相続人の資格に争いがある場合や、相続財産の範囲について争いがある場合です。
遺産分割禁止と相続税の関係
遺産を分けられないからといって、相続税の申告と納付の期間が延びるわけではありません。申告・納付期限は相続開始から10ヶ月以内と決まっています。
(1)分割できないと困る理由
相続税の制度には、分割協議の完了が前提のものもあります。代表的なのは以下です。
- 配偶者控除
- 小規模宅地等の特例(居住用や事業用の土地の評価額を最大80%減額)
遺産が未分割の状態では、これらの特例を使うことができません。
また、期限内に申告と納付をしないと、加算税と延滞税といったペナルティが課されてしまいます。
(2)救済措置
まず、相続税の申告期限までに遺産分割が終わっていない場合、一旦は法定相続分で財産を相続したことにして、とりあえずの申告と納税をします。
そして、遺産分割が確定した後に、実際に分割した財産額に基づいて申告をやり直します。
また、特例についても救済策が用意されています。相続税の申告時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出すれば、後に分割が済んだときに特例を適用できます。
相続人の対応
遺言書に遺産分割の禁止が指定されている場合、基本的に相続人はその指示に従う必要があります。
ただし、相続人全員の合意があれば遺産分割を実行することができます。もし、遺言に遺言執行者が指定されており、受遺者もいる場合は、その方々の同意も必要です。
遺産分割禁止のデメリットと注意点
遺産分割の禁止をすると、その期間は相続財産が共有のままになってしまうというデメリットがあります。
共有状態では不動産の売却・修繕・固定資産税の支払いなど、あらゆる場面で全員の合意が必要になり、面倒です。
また、すでに述べたように相続税の申告期限は変えられないので、一旦申告をした後、再度申告をやり直すなど、税務関連での手続きが煩雑になるデメリットもあります。
まとめ
遺言で遺産分割禁止が指定されている場合、相続人は法律上その期間を守らなければならず、勝手に遺産を分けることはできません。
遺産分割禁止の制度は、相続人に冷静な判断を促す効果もありますが、同時に財産管理や税務面で複雑さを増す側面もあります。
遺言の内容をどのように設定すべきか、相続が始まった際にどう対応すべきかについては、相続の専門家に相談して進めるのが安心でしょう。
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厚木市で 相続 の手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続 の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
相続税納税後に申告内容を見直すと、実際よりも多く納めすぎていたことに気づく場合もあります。
相続財産の評価方法を間違えていた、特例適用の控除を見落としていた等々で、本来よりも多く納税してしまうことはよくあるのです。相続税の手続きは、人生の中で数えるほどしか機会がありませんから、間違えてしまうケースは本当に多いのです。
もし相続税を払いすぎていたなら、申告期限から5年以内であれば「更正の請求」という手続きを取ります。過払いの事実が税務署に認められれば、納めすぎた税金は返還されます。これを「相続税還付」といいます。
本コラムでは、相続税還付の事例や手続きの方法について紹介いたします。
相続税を払いすぎる主な事例
相続税を払いすぎるケースには、次のようなものがあります。
(1)不動産の評価が過大だった
土地の形状、使途などが考慮されずに土地が本来より高く評価されている場合があります。
正しい評価をし直すことで税額が下がることがあります。
実は土地は知識や経験がないと、適切な評価が難しい財産といえます。そのため、不動産に詳しい税理士などに評価を依頼しないと、評価額を大きく見積ってしまうことは多いのです。
(2)債務控除や葬式費用を計上し忘れた
被相続人の借入金や未払い税金など、債務を相続税計算から控除できるのに漏れてしまった場合、当然ながら相続税は本来よりも高くなります。
また、葬式費用も控除対象の費用(通夜や告別式の費用など)なので、正しく計上されていなければ、相続税は高くなります。
(3)未確認の借金が後から判明した場合
相続税は、被相続人の死亡時点の正味財産(=プラスの財産−債務等)に基づいて課税されます。
当初申告のときは存在を知らずに申告していた借金が、実際には被相続人が死亡した時点で負っていたものであると分かった場合は、その借金が正味財産に新たに含まれるわけなので、相続税は減額されます。
還付申告の期限と流れ
更正の請求には期限があります。期限は「相続税の法定申告期限(被相続人の死亡を知った日から10ヶ月)から5年以内」とされており、この間に手続きをする必要があります。
手続きの流れはおおむね次のようになります。
- 必要書類の準備
- 書類の確認・整理
- 最寄りの税務署に提出
- 税務署による審査(数週間〜数ヶ月かかることも)
- 還付額の決定と通知
還付申告に必要な書類
申請にはいくつかの書類が必要です。
- 更正の請求書
- 申告又は通知に係る税額及び更正の請求による課税標準等又は税額等(相続税)
- 財産の評価明細書
- 初回の相続税申告書の写し
財産の正確な評価や還付の可能性については、できれば相続税に詳しい税理士のサポートを受けることが望ましいです。
税理士は評価の見直し、特例の適用可否、書類作成や税務署とのやり取りまでサポートしてくれるため、手間やリスクを大幅に減らすことができます。
記載ミスや添付書類の不足があると、申請が通らないことがありますから、その点でも税理士に依頼する方がスムーズです。
なお、税理士に依頼する際には、相続税申告の実績と経験が多い事務所を選びましょう。豊富な実績はノウハウの多さに直結しているからです。
実績が多い税理士事務所であれば、適正かつ説得力のある意見書を作成するので税務署に認められやすいでしょう。
まとめ
相続税は一度申告・納税すると完了した気持ちになりがちですが、実際には過払いが生じているケースも少なくありません。申告後に財産の評価や特例適用の見落としに気づいた場合は、還付申告を行うことで大きな金額が戻ってくる可能性があります。
還付申告の機会を逃さないために相続税の申告内容を見直し、必要に応じて専門家の力を借りながら期限内に適切な手続きを行い、納めすぎた税金をしっかり取り戻しましょう。
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遺産の中に自宅等の不動産がある場合、誰が固定資産税を払うのかといった疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
この記事では、不動産の相続に伴って発生する固定資産税の支払い義務、また未払いがある場合の対応などについて、順を追って分かりやすく解説していきます。
固定資産税の基本ルール
固定資産税とは、土地や建物などの不動産を所有している人に対して、市町村が毎年課税する地方税です。課税対象者は、毎年1月1日時点で登記簿に記載されている「所有者」と定められています。
たとえば、ある方が1月2日に亡くなった場合、その年の固定資産税は「1月1日時点の所有者=被相続人」が本来の納税者となります。
しかしながら、被相続人が亡くなっているので、納税義務は相続人が引き継ぐことになります。
遺産分割前は相続人全員が連帯して納税義務を負う
相続が発生しても、すぐに不動産の所有者が決まるわけではありません。誰がどの財産を引き継ぐか相続人同士で協議する必要があります。
この遺産分割協議が終わるまで、相続財産は法定相続人全員の共有物と見なされます。
この理論で考えれば、固定資産税についても相続人全員が負うことになります。
支払い代表者を決めるには?負担割合の決め方
固定資産税の支払いは実際には相続人の代表者が払います。
相続人の中から1人を「代表相続人」として市区町村に届け出ることで、その人に納税通知書が届くようになります。
通知書が代表者に届くからといって、その人が税額のすべてを負担するわけではありません。後から他の相続人に自分の負担分を請求します。
なお、各人の配分については、法定相続分(例:配偶者1/2、子ども各1/4など)に従って決めるのが一般的です。ただし、全員の合意があれば、別の割合でも構いません。
協議後に実際の所有者が決まった場合の取り扱い
遺産分割協議がまとまり、相続人のうちの誰かが不動産を単独で取得した場合、その人が翌年以降の固定資産税を支払う義務を負うことになります。
ただし、固定資産税は「1月1日時点の登記上の所有者」に課されるため、たとえば1月10日に登記を移したとしても、その年の税金はまだ前年度の所有者(故人)負担となるので、相続人全員で払います。
新たな所有者がその年の固定資産税をすべて支払っても良いのですが、相続人全員の合意の上で払うことが望ましいでしょう。
固定資産税の納期と未払いの扱い
固定資産税は、多くの自治体で年4回(おおむね6月・9月・12月・翌年2月)に分けて支払う「分割納付制」が取られています。
そのため、相続が発生したタイミングによっては、すでに数回分は支払い済みで、残りが未納の状態になっていることがあります。たとえば、7月に相続が発生した場合、その年の9月・12月・翌年2月分は未納になっている可能性が高いです。
未払い分については相続人全員が支払う必要があり、原則として法定相続分に基づいて分担されます。納期限を過ぎると延滞税が課される場合もあるので、早めに対応しましょう。
遺言書がある場合の取り扱い
遺言書があり、固定資産税の納税義務者について明記されていれば、原則として遺言書内容が優先されます。
例えば、遺言書で特定の相続人に不動産を相続させ、固定資産税もその相続人が支払うと定められていれば、その相続人が納税義務者となります。
まとめ
不動産を相続した場合、固定資産税は誰が払うのかを解説いたしました。原則としては、相続人全員の負担となりますが、全員の合意があれば取得者が払っても良いのです。
なお、相続人の数、相続時期、未納の有無によっても負担分が異なるため、早い段階で状況を整理しておきましょう。納期限までに固定資産税を払わないと、延滞税が生じるので注意してください。
固定資産税の支払いの他、不動産相続で不明な点がある場合は、専門の税理士へ相談してください。節税のアドバイスや相続税申告の代行も可能ですので、是非検討ください。
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相続の手続きを進めている最中に、相続人の一人が亡くなってしまう——。そんなケースが実際には少なくありません。たとえば、父親の遺産を手続きしている途中で、相続人である母親が他界してしまった場合などです。
このように、1つの相続が終わる前に次の相続が発生してしまう状態を、「数次相続」と呼びます。
この記事では、数次相続が起こることで遺産分割や相続税にどのような影響が出るのか解説します。
数次相続が起きるとはどういうことか
数次相続とは、ある相続がまだ終わらないうちに、相続人の1人が死亡し、新たな相続が始まってしまうことを指します。
たとえば、父親の相続手続きをしている途中で母親が亡くなると、母親が相続するはずだった父の遺産について、その相続権が母の相続人に引き継がれます。つまり、子どもたちは父親の遺産分割協議だけでなく、母親の遺産についても協議しなければならない、という状況になるのです。
数次相続が起きやすい条件
数次相続が発生しやすいのは、両親がともに高齢である場合や、相続手続きに時間がかかってしまっているときです。
たとえば、遺産分割について相続人同士の意見がなかなかまとまらず、協議が長期化すると、その間に誰かが病気などで亡くなってしまうこともあり得ます。その結果として、さらに新しい相続が始まり、事態が複雑になることもあるのです。
数次相続により遺産分割協議が複雑化する
数次相続が発生すると、最初の相続(一次相続)の遺産分割協議に、二次相続の相続人が加わることになります。これにより、相続人の人数が増え、話し合いがまとまりにくくなるケースが出てきます。
たとえば、母親に前夫との子(父と養子縁組していない子ども)がいた場合、一次相続では母と実子だけが相続人ですが、母が亡くなるとその連れ子も法定相続人となります。このように、関係者が増えることで、協議がさらに複雑になる可能性があるのです。
なお、数次相続が何度発生するかについて、法律上の回数制限はありません。理屈のうえでは、三次、四次と続くことも可能です。ただし、現実には何度も相続が重なることはありません。
必要以上に不安になることはないのです。
相続税への影響
(1)基礎控除の計算には影響なし
相続税の基礎控除は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で算出されますが、これは被相続人が亡くなった時点での法定相続人の数を基にしています。
数次相続によって相続関係者が増えたように見えても、各相続の基礎控除額には影響しません。
(2)法定相続分も変わらない
法定相続分の割合も、数次相続によって変動することはありません。
たとえば、母親が亡くなり、その相続人である子どもたちが父親の相続分を引き継いでも、それは母親の1人分の法定相続分を複数人で分ける形になります。
(3)相次相続控除の対象になる可能性
数次相続が10年以内に発生していれば、「相次相続控除」を受けられることがあります。これは、先に相続税を納めた財産について、後の相続の時に一定額が控除される仕組みです。
(4)相続税の申告期限は延長
相続税の申告期限は被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内です。ですが、相続税を申告するはずだった人が申告前に亡くなった場合の申告期限は、その人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内にまで延長されます。
ただし、1回目の相続における申告期限が延長されるのは「2回目の相続の相続人のみ」です。存命の一次相続人については従来通りの期限内に手続きしなければなりません。
(5)遺産分割協議はまとめても良い
数次相続における遺産分割協議は、一次相続と二次相続で別々にしても良いですが、まとめても問題はありません。
初めの相続で父が亡くなり、次の相続で母が亡くなった場合、相続人が完全に重複していれば、1回にまとめてする方が手間も省けます。
逆に相続人が重複していない場合は分けて行った方がよいケースもあります。
まとめ
数次相続は、突然起こることもあり、手続きや話し合いが思いがけず煩雑になる原因となります。関係者が増えたり、相続税の計算が複雑になったりするため、放置しておくと後々トラブルになる可能性もあります。
だからこそ、相続が始まったらできるだけ早く、関係者全員で協議を進めることが大切です。相続税の申告期限が近づいてくると、未分割のまま申告せざるを得ず、税負担が重くなる場合もあります。
また、次の相続が始まってしまえば、さらに関係者が増えて収拾がつかなくなることもあります。そうならないためにも、早めの行動が重要です。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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高齢になると、介護が必要になる可能性は高くなります。老人ホームに入居するケースもありますが、自宅での介護となった場合は、家族の誰かにお願いすることになるでしょう。
一番想定されるのは、本人の配偶者や、子供ですが、「子供の奥さん」が介護をされるケースもあります。場合によっては、献身的に面倒を見てくれる場合もあるでしょう。
介護を頑張ってくれた分、恩返しという形で遺産をあげたいと思うのも当然です。しかしながら、子供の配偶者は法定相続人ではないので、遺産を相続できません。財産を渡したいのであれば何かしらのアクションが必要です。
子供の配偶者は相続人ではない
息子さんの奥さんは被相続人にとっての法定相続人ではありません。そのため、何もしなければ通常は遺産を受け取ることができません。
そもそも相続では誰が法定相続人になるかは、被相続人との関係性で決まります。
法定相続人の範囲は「配偶者相続人」と「血族相続人」の二種類に区分され、被相続人の配偶者は必ず法定相続人となります。血族相続人は以下の順位により相続権を取得します。
- 第1順位…被相続人の子供(直系卑属)
- 第2順位…被相続人の親(直系尊属)
- 第3順位…被相続人の兄弟姉妹
もしも、上の順位の方がいない場合、次の順位の人が法定相続人になります。子供のいない夫婦の場合、夫が亡くなった時の法定相続人は妻と夫の両親です。両親が他界しているのであれば、第3順位の兄弟姉妹が法定相続人となります。
法定相続人以外に遺産を渡すには遺言で指定する
息子の奥さんは、法定相続人にはなれないことがわかったと思いますが、だからといって遺産が全くもらえないかというとそうでもありません。
法定相続人以外に遺産を渡す方法として、「遺言書で指定する」という方法があります。
法定相続人以外の人にも、財産を渡すことを遺贈と言いますが、遺贈は遺言書で指定することによりその効力が生じます。遺贈する相手は遺言者が自由に選べます。
遺産の受け渡しを指定された方は「受遺者」と言います。
受遺者に指定された方は遺産をどう受け取るかによって「特定受遺者」か「包括受遺者」かに区分されます。包括受遺者はさらに細かく四つに分類されます。
遺留分に注意する
遺言書で遺贈をする場合、「遺留分」に注意しなければなりません。遺留分とは、被相続人の兄弟姉妹を除く法定相続人が「最低限の遺産を取得できる」権利のことです。
遺留分の金額は、「(相続手続き開始時の遺産+生前贈与された財産−債務)×割合」で算出します。
遺産総額:6,000万円
生前贈与:4,000万円
債務:1,000万円
上記の場合のケースだと
基礎となる財産:6,000万円+4,000万円-1,000万円=9,000万円
子ども全員の遺留分:9,000万円×1/2=4,500万円
子供1人あたりの遺留分:4,500万円×1/2(法定相続分割合)=2,250万円
となります。
遺留分がある以上、被相続人の配偶者や子供は、必ず遺産を受け取れるわけであり、その最低限の取り分を侵害するような「偏りのある遺贈はできない」ということです。
つまり、「妻も子供も介護を全くしてくれなかったので、遺産は全て息子の奥さんに渡す」といった内容の遺言は基本的にはできないということです。
ただし、遺留分は自動的に保証されるわけではなく、遺留分の権利者が遺留分の返還を請求しなければなりません。(この請求は「遺留分侵害額請求」と言います。)
遺留分侵害額請求には時効がある
- 相続の開始および遺留分を侵害する贈与や遺贈について知った時から1年間
- 相続開始から10年
いずれかを過ぎると請求ができなくなります。
よって、厳密に言えば、他の相続人が何もしない場合に限り、偏った遺贈も通ります。
しかしながら、遺留分を侵害するような遺贈は確実にトラブルの原因になるので、避けるべきです。そもそも、法定相続人以外に遺贈すること自体が争いの火種になり得る事項なので、事前に家族に話をして、納得してもらっておくべきです。
遺贈は相続税が高くなる
遺贈によって受け取った財産も相続税の対象となります。そのため、相続財産の総額が基礎控除よりも大きくなる場合、受けとった遺産について相続税を負担しなければなりません。
受遺者が払う相続税額は通常よりも多くなります。これは、配偶者や一親等の血族、代襲相続人以外の方が相続財産を得た場合、相続税が2割増となるルールがあるからです。
従って、受遺者が高額の相続税を負う可能性もあります。
生前贈与という手段も
生前贈与とは生きているうちに財産を贈与する方法です。贈与する相手は、贈与者が自由に選べます。
そのため、遺贈でなくとも子供の配偶者に財産を渡すことは可能です。
また、生前贈与では年間110万円までの贈与が非課税で行えるので、節税としても有効です。
まとめ
子供の配偶者に遺産を渡したい場合には、遺贈か生前贈与が良いでしょう。遺贈は遺言で指定するだけで良いですが、相続税が2割増になる点に注意です。また、他の相続人と揉めないように事前に話し合いをしておくのも大事です。
生前贈与では年間110万円までの贈与が非課税となるので、うまく活用すれば無税で財産を渡せます。
今回、解説した以外にも方法はありますので、詳しく聞きたい方は、弊所までご相談ください。
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身近な人を亡くしたとき、遺族にとっては精神的な負担だけでなく、経済的負担も重いものとなります。そうした遺族を支援する制度の一つが「弔慰金(ちょういきん)」です。
この言葉を聞いたことはあっても、実際にどんなお金なのか、誰がもらえるのか、かかる税金はどうなるのか――詳しく知らない方も多いでしょう。ここでは、弔慰金の意味や種類、相続税との関係について、わかりやすく説明します。
弔慰金は慰謝の意味を込めた金銭の支給
弔慰金とは、誰かが亡くなった際に、その遺族へ支払われる金銭のことです。このお金には、慰謝の気持ちや、遺族の生活を少しでも支えようという配慮が込められています。
弔慰金は大きく分けて、以下の2つのケースで支給されます。
例:戦没者遺族に対する弔慰金(戦傷病者戦没者遺族等援護法に基づく)や、災害弔慰金の支給(災害弔慰金の支給等に関する法律)など。
なお、弔慰金はあくまで「任意で支払われるお金」であり、企業や団体の取り決めによって支給の有無や金額が異なります。
弔慰金と香典の違い
混同されがちなのが「香典」との違いです。
- 香典:個人として葬儀に参列した人が持参する金銭です。会社の代表者が社員一同の香典を取りまとめて持参する場合もありますが、これは会社の制度ではなく個人のお気持ちになります。
- 弔慰金:会社や団体が、規定に基づいて正式に支給する慰謝金です。制度化されていることが特徴です。
つまり、「香典」は個人の善意、「弔慰金」は制度として設けられた金銭支援、という点で大きく異なります。
弔慰金と相続税の関係は?
相続が発生したときに気になるのが「税金」、特に相続税の問題です。
弔慰金は原則として相続税の対象外とされています。これは「相続や遺贈によって取得した財産」ではなく、「第三者から遺族への慰謝と支援のために支払われる金銭」と見なされるからです。
ただし、すべての弔慰金が非課税になるわけではありません。金額が「社会通念上、妥当な範囲を超える場合」には、超過分に相続税がかかることがあります。
相続税法や所得税法では以下のように規定されています。
- 非課税となる上限
- 業務上の死亡(労災など):給与の3年分までが非課税
- 業務外の死亡(病気・事故など):給与の6か月分までが非課税
これは「通常支払われると認められる弔慰金の額」として定められている基準です。
・業務外の死亡:30万円 × 6か月 = 180万円まで非課税
・業務上の死亡:30万円 × 36か月 = 1,080万円まで非課税
この上限を超える支給があった場合、超えた部分は「相続財産」としてカウントされ、相続税が課せられます。
死亡退職金との違い
弔慰金とよく比較されるのが「死亡退職金」です。
死亡退職金とは故人が生前に勤めていた会社から支給される退職金のうち、亡くなったことで発生する(遺族に渡される)お金です。これは法律上「みなし相続財産」とされ、相続税の対象となります。
ただし、「500万円 × 法定相続人の数」までは非課税という特例があります。
一方で、弔慰金は任意の慰謝金であり、前述の範囲内であれば相続税の対象にはなりません。
まとめ
弔慰金は、遺族に対して会社や団体が慰謝の気持ちを込めて支給する制度です。原則として相続税の対象にはなりませんが、社会通念上妥当とされる金額を超える部分には課税される可能性があります。
死亡退職金とは法的な性質も税務上の取り扱いも異なります。相続の際は、二つの違いをきちんと理解し、正しく相続税の申告をしましょう。
参考:国税庁「No.4120 弔慰金を受け取ったときの取扱い」
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