厚木市で 相続手続 支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続 の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
身近な人を亡くしたとき、遺族にとっては精神的な負担だけでなく、経済的負担も重いものとなります。そうした遺族を支援する制度の一つが「弔慰金(ちょういきん)」です。
この言葉を聞いたことはあっても、実際にどんなお金なのか、誰がもらえるのか、かかる税金はどうなるのか――詳しく知らない方も多いでしょう。ここでは、弔慰金の意味や種類、相続税との関係について、わかりやすく説明します。
弔慰金は慰謝の意味を込めた金銭の支給
弔慰金とは、誰かが亡くなった際に、その遺族へ支払われる金銭のことです。このお金には、慰謝の気持ちや、遺族の生活を少しでも支えようという配慮が込められています。
弔慰金は大きく分けて、以下の2つのケースで支給されます。
例:戦没者遺族に対する弔慰金(戦傷病者戦没者遺族等援護法に基づく)や、災害弔慰金の支給(災害弔慰金の支給等に関する法律)など。
なお、弔慰金はあくまで「任意で支払われるお金」であり、企業や団体の取り決めによって支給の有無や金額が異なります。
弔慰金と香典の違い
混同されがちなのが「香典」との違いです。
- 香典:個人として葬儀に参列した人が持参する金銭です。会社の代表者が社員一同の香典を取りまとめて持参する場合もありますが、これは会社の制度ではなく個人のお気持ちになります。
- 弔慰金:会社や団体が、規定に基づいて正式に支給する慰謝金です。制度化されていることが特徴です。
つまり、「香典」は個人の善意、「弔慰金」は制度として設けられた金銭支援、という点で大きく異なります。
弔慰金と相続税の関係は?
相続が発生したときに気になるのが「税金」、特に相続税の問題です。
弔慰金は原則として相続税の対象外とされています。これは「相続や遺贈によって取得した財産」ではなく、「第三者から遺族への慰謝と支援のために支払われる金銭」と見なされるからです。
ただし、すべての弔慰金が非課税になるわけではありません。金額が「社会通念上、妥当な範囲を超える場合」には、超過分に相続税がかかることがあります。
相続税法や所得税法では以下のように規定されています。
- 非課税となる上限
- 業務上の死亡(労災など):給与の3年分までが非課税
- 業務外の死亡(病気・事故など):給与の6か月分までが非課税
これは「通常支払われると認められる弔慰金の額」として定められている基準です。
・業務外の死亡:30万円 × 6か月 = 180万円まで非課税
・業務上の死亡:30万円 × 36か月 = 1,080万円まで非課税
この上限を超える支給があった場合、超えた部分は「相続財産」としてカウントされ、相続税が課せられます。
死亡退職金との違い
弔慰金とよく比較されるのが「死亡退職金」です。
死亡退職金とは故人が生前に勤めていた会社から支給される退職金のうち、亡くなったことで発生する(遺族に渡される)お金です。これは法律上「みなし相続財産」とされ、相続税の対象となります。
ただし、「500万円 × 法定相続人の数」までは非課税という特例があります。
一方で、弔慰金は任意の慰謝金であり、前述の範囲内であれば相続税の対象にはなりません。
まとめ
弔慰金は、遺族に対して会社や団体が慰謝の気持ちを込めて支給する制度です。原則として相続税の対象にはなりませんが、社会通念上妥当とされる金額を超える部分には課税される可能性があります。
死亡退職金とは法的な性質も税務上の取り扱いも異なります。相続の際は、二つの違いをきちんと理解し、正しく相続税の申告をしましょう。
参考:国税庁「No.4120 弔慰金を受け取ったときの取扱い」
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人が亡くなれば、遺族はさまざまな対応に追われます。中でも大きな出費となるのが葬儀です。通夜や告別式の準備、火葬、埋葬、寺院へのお礼など多岐にわたって費用が発生します。一般的な相場としては、葬儀一式で200万円前後かかるといわれています。
ではこの葬儀費用は、法律上どのように扱われ、誰が負担することになっているのでしょうか? この記事では、葬儀費用と相続税との関係や、法的な位置づけ、費用負担をめぐるトラブルと対策について解説します。
葬儀費用は相続税の計算時に控除できる
被相続人の遺産についてはその総額に相続税が課されますが、この遺産総額を計算する際に、葬儀費用は差し引くことが認められています。
これは国税庁の公式見解であり、「相続税法基本通達」にも明記されています。
- 控除対象となる費用の具体例:
- 通夜、告別式、火葬、埋葬などにかかる費用
- 遺体・遺骨の移送費用(搬送車、遠方からの回送等)
- 仏式葬儀における寺院へのお布施など(ただし戒名料の扱いには注意が必要)
- 死亡の確認や捜索、搬送にかかる費用(災害・事故死の場合など)
つまり、これらの費用を差し引いた上で相続税を計算できるので、葬儀費用を正しく申告することで節税効果が期待できます。
ただし、次のような費用は控除対象になりません。
- 香典返しや法要の費用
- お墓の購入代(墓地・仏壇などは「祭祀財産」に該当し、非課税だが控除対象ではない)
葬儀費用の「負担者」は法律で決まっていない
多くの人が「喪主=費用を払う人」と認識していますが、実は誰が葬儀費用を負担するかについて、明確に定めた法律は存在しません。
実際には、葬儀は亡くなって数日以内に行われるため、遺産相続前に支払わなければなりません。そのため、喪主や遺族の誰かが「一時的に立て替える」ことが多くなります。
問題になるのはその後で、「立て替えた人に他の相続人が応じてくれるかどうか」がトラブルの火種になります。
そもそも葬儀費用は「相続開始後に発生する支出」であるため、相続財産(=被相続人の債務)そのものではありません。
となれば、「当然に相続人全員が負担すべき債務」には該当しないのです。
葬儀費用をめぐる4つの典型的なトラブル
(1)費用負担の不公平
たとえば長男が喪主として200万円を支払ったのに、他の相続人が「知らなかった」「払いたくない」と主張するケースは非常に多くあります。
不公平感が原因で遺産分割協議がこじれることもあります。
(2)相続財産からの支出を巡る対立
相続財産に現金が多ければ精算しやすいですが、不動産や株式しかない場合はすぐにお金を用意できません。その結果、喪主だけが損をしたように感じてしまうこともあります。
(3)事前の話し合い不足
葬儀の形式や費用を誰が決めるか、どの程度の規模にするかなどが事前の話し合いが不十分なまま葬儀を行うと、後で「こんなに豪華にするとは思わなかった」と不満の声が上がることもあります。
また、遠方に住む相続人が葬儀に参加しなかった場合、費用を支払う意識が低くなり、負担を巡る対立が生じます。
(4)祭祀承継者との意見の食い違い
仏壇や墓を誰が継ぐか、管理するのかが決まっていないと、今後の管理費や納骨費用の負担で揉めることがあります。
伝統的に「長男が継ぐ」とされてきた一方で、現在は「兄弟平等に負担すべき」という考え方も増えており、対立するケースが目立ちます。
相続財産からの支払いを遺言に書いても効力はないが、「想い」を伝える手段になる
葬儀費用について「遺言に書けば遺産から払ってもらえる」と思われがちですが、実はそうではありません。
法的に有効な遺言は、「死亡時点の財産に関する指示」が対象です。葬儀費用のように「死亡後に発生する支出」は、遺言の法的効力の及ぶ範囲外です。
とはいえ、遺言書に「葬儀費用は遺産から支払ってほしい」などと書いておくことは無駄ではありません。これは「付言事項」だからです。
付言事項には法的拘束力はありませんが、故人の遺志として相続人が尊重してくれる可能性が高いからです。遺産から葬儀費用が支払われれば、負担についての争いは起きないでしょう。
トラブルを防ぐための3つの具体策
(1)被相続人の生前に葬儀について話し合いをしておく
葬儀に関する希望や、費用の負担方法などは、本人が元気なうちに家族で共有しておくのが理想です。前述したように遺言書の付言事項に記すのも効果的です。
(2)喪主の負担を記録で残す
誰がいくら支払ったか、明細や領収書を保管し、相続時に明確に説明できるようにしておきましょう。支払いの証拠がないと後の精算で揉めやすくなります。
(3)相続財産の中から支払う前提で協議する
遺産に現金がある場合は、葬儀費用をそこから優先的に支払うように家族間であらかじめ合意をとっておきましょう。
不動産や株式しかない場合は、何を売却して支払いに充てるかもあらかじめ検討しておきましょう。
まとめ
- 葬儀費用は相続財産から払って良い
- 誰が費用を負担すべきかは法律で明確に決まっていない
- 相続人間の認識のズレにより、トラブルに発展しやすいので争いを防ぐ工夫が必要
- 喪主が立て替えた場合、領収書を保存しておくこと
- また事前に清算ルールについて明確化しておくこと
葬儀費用負担については、相続の中でよく見られる問題の一つです。
トラブルを避けるためにも、本記事で述べた対策をしておきましょう。
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相続は、ある日突然やってくることが多く、準備不足のまま対応を迫られるケースも珍しくありません。
相続には大きく分けて「単純承認」「限定承認」「相続放棄」という3つの選択肢がありますが、実は何もしないまま過ごしていると、自動的に「単純承認」したとみなされてしまいます。
故人の財産はプラスの財産だけでなく、借金等のマイナスの財産もあります。単純承認となれば、それもすべて相続することになります。もし、借金が高額の場合、相続によって多大な返済に追われることになる可能性もあります。これが「相続の怖いところ」です。
単純承認とは?
まずは基本的なところから確認しておきましょう。
相続には以下の3つの方法があります。
- 単純承認:故人(被相続人)のプラスの財産もマイナスの財産(借金など)もすべてそのまま引き継ぐ方法です。
- 限定承認:プラスの財産の範囲内でマイナスの財産も相続する方法。マイナスが多くても、それ以上は背負わなくて済みます。
- 相続放棄:一切の相続権を放棄する方法。財産も借金も一切引き継ぎません。
単純承認は「そのまま全部引き継ぐ」という方法ですが、実は自分が望んでいなくても一定の行動をとると自動的に単純承認とされてしまうことがあります。これが「みなし単純承認」と呼ばれるものです。
単純承認とされると、相続人はすべての財産と債務を引き継ぐことになります。
もし故人に多額の借金や滞納税金などがある場合、それもすべて相続することになり、借金返済の義務も生じることになります。たとえば、遺産に預貯金が100万円、借金が500万円ある場合、限定承認や相続放棄をしていれば損害を避けられますが、単純承認してしまうと、差額の400万円を自分で払うことになります。
どんなときに「単純承認」とみなされるの?
民法の規定により、以下のようなケースでは、たとえ本人にそのつもりがなくても「単純承認した」と見なされてしまいます。
(1)相続財産を処分した場合
もっともよくあるのがこのケースです。
遺産の処分は「財産を自分のものとして扱った」行為とされるため、結果としてすべての財産・債務を引き継ぐことになります。
(2)熟慮期間(3か月)を過ぎた場合
相続の開始を知った日から3か月以内に「相続放棄」や「限定承認」の手続きをしなければ、自動的に単純承認したことになります。
この3か月間を「熟慮期間」といいます。
(3)相続財産を隠した場合
民法では、次のような行為も単純承認とみなすと規定しています。
- 相続財産を隠していた
- 相続財産目録に一部の財産を故意に記載しなかった
このように「こっそり財産を操作する」行為は、自分のものとして扱っているとみなされ、単純承認が成立します。
単純承認とみなされる「相続財産の処分」の具体例
「相続財産の処分」とは、単に売ったり、消費したりするだけでなく、「相続財産を自分の意思で動かした」と判断されるような行為全般を指します。
以下に、実際に単純承認と判断された主なケースを紹介します。
(1)故人の預金を引き出して使った
例:相続人が、故人の通帳から生活費を支払った
→「ちょっとくらい…」と思ってしまう人も多いですが、金額の大小に関係なく単純承認とされます。なお、葬儀代を相続財産から払っても、社会通念上相当な範囲であれば財産の処分には該当しません。ただし、葬儀規模によっては認められない可能性もあります。
(2)故人名義の車を売却した
例:「不要だから」と故人の車を売却した
→名義変更や売却は「処分」にあたります。他にも故人の家具・家電をリサイクル業者に引き取ってもらった場合も処分行為とされます。
(3)不動産を貸した・売った・改築した
例:故人の自宅を第三者に貸した、売った、リフォームした
→こうした行為も、自分の所有物として扱っているとされ、単純承認につながります。
(4)相続財産の一部を他の相続人や親族に譲った
例:「兄弟の取り分だから」と勝手に現金や物品を分けた
→正式な手続きを経ないで分配することは、処分行為になります。
(5)故人が加入していた保険の解約返戻金を受け取った
例:契約者・受取人が被相続人である保険を解約して返戻金を受け取った
→積立式の生命保険の場合、契約者死亡によって保険契約が解約され、解約返戻金が支払われることがあります。これは相続財産ですから、相続人が受け取れば財産処分として扱われます。
なお、被相続人が被保険者・契約者であり、相続人が受取人である生命保険金(死亡保険金)では、「受取人の固有の財産」となるので、単純承認には該当しません。
財産処分にあたらない行為の例
次のような行為は、基本的には「処分」とはされず、単純承認には該当しないとされています。
- 相続財産の調査・目録作成
- 相続財産の保管(例えば故人の自宅の封鎖・鍵の管理など)
- 不用品の一時的な仮置き・保管目的の移動
- 一般的な葬儀費用の支出
中には微妙なケースも多いため、不安なときは必ず専門家に相談しましょう。
まとめ
単純承認が成立すると、相続人にとって不都合なケースもあります。
不利益を被らないためにも相続が始まったら以下の点に注意しましょう。
- 被相続人の財産や借金の有無をできる限り早く、詳細に調べる
- 借金が多いことがわかったら、「相続放棄」または「限定承認」の判断をし、期間内に手続きをする
- 判断がつくまでは被相続人の財産に手を付けない
とくに、預金の引き出しや不動産の売却は、気軽にやってしまいがちですが、これが命取りになります。「ちょっとした行為が取り返しのつかない結果になる」ということに十分留意しましょう。
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「生前贈与」は単なる財産移転ではなく、相続税の節税対策としても有効活用されます。生前贈与は1年間で税金がかからない「基礎控除枠」が設けられており、この金額内だと贈与税が発生しないからです。
逆に基礎控除を超えれば、受贈者に贈与税が課せられます。
基礎控除額を超えない点も大事ですが、他に注意したい点として「みなし贈与」があります。これは双方に意思がなくとも税務署に贈与だとみなされる行為です。
みなし贈与に該当すると、金額次第で贈与税が生じてしまいます。
生前贈与とは
まず、生前贈与とは、生きている間に財産を特定の誰かに渡すことです。渡す相手は配偶者や子供や孫はもちろん、友人等でも構いません。(贈与者の自由です。)
生前のうちに財産の一部を渡しておくことで相続される遺産も減るので、相続税を抑えることができます。
ただし、生前贈与でも一定の金額を超えると贈与税が課税されてしまいます。贈与税は相続税とは税率も違うので、場合によっては多額の税金を払うことになります。
そのため、節税対策として活用するのであれば、想定される相続税と贈与税を実際に算出し、贈与する金額・回数を調整した方が良いでしょう。
なお、贈与税申告の期限は、贈与がされた翌年の2月1日〜3月15日の間です。納付期限も同じで、どちらも贈与を受けた方が行います。(申告場所は、受贈者の住所地の所轄税務署です。)
みなし贈与とは
「みなし贈与」とは税務署が「実質的に贈与」と判断する取引や行為を指します。
本人たちは「贈与したつもりはない」と思っていても、結果的に相手に経済的な利益が渡ったと判断されれば、それは贈与とされるのです。
みなし贈与に該当すると、基礎控除(年間110万円)を超える場合に贈与税が課されます。
みなし贈与に該当する代表的な例
(1)時価よりも極端に安い価格での売買(低額譲渡)
- 例1:不動産の低額売買…親が持っているマンション(時価3,000万円)を、子供に1,000万円で売却。
この場合、通常の取引であれば3,000万円の価値があるものを大幅に安く売っているので、差額の2,000万円分が子供に対する「贈与」とみなされます。この2,000万円が基礎控除の110万円を超えているため、贈与税の対象になります。
- 例2:高級腕時計の格安売却…時価200万円の高級時計を、親が知人に50万円で譲渡。
差額の150万円は「経済的利益を無償で受け取った」と見なされ、贈与税の対象となる場合があります。
低額譲渡について「どのくらい安いと課税対象になるのか?」という基準はありませんが、目安として時価より2割以上安い場合は、課税される可能性があるとされています。
(2)借金の肩代わり
- 例1:住宅ローンの肩代わり…息子がマンションを購入するために2,000万円のローンを組んだが、返済が苦しくなったので親が残りの返済額1,500万円を一括返済した。
この場合、息子は現金を直接受け取ったわけではありませんが、「借金がなくなった」ことで1,500万円分の利益を得ています。この金額が贈与とみなされ、贈与税の対象になります。
- 例2:奨学金の返済支援…大学卒業後、子供が抱える奨学金の残額300万円を親が一括で返済。
これも「実質的に財産の贈与を受けた」と判断される可能性が高く、贈与税が発生する可能性があります。
ただし、返済能力がまったくないなど、特別な事情があれば贈与税が免除されることもあります。
(3)無利息での貸し付け
- 例:無利息で多額のお金を貸す…親が子に2,000万円を無利息で貸し付けた。
通常であれば年利1~2%程度の利息が発生するため、本来であれば得られるはずの利息分(例えば年間40万円程度)を子に無償で渡していると見なされる可能性があります。その利息分が贈与とみなされ、繰り返すと課税対象になりうるのです。貸すお金が大きな金額になる場合は注意が必要です。
(4)保険料を負担していないのに保険金を受け取った場合
- 例:親が払った保険の受取人が子供だった…親が毎月3万円の保険料を10年間支払い、契約者は親、受取人は子供とする養老保険を契約。
満期時に子供が500万円を受け取った場合、保険料を払っていないのに多額の現金を得たことになるため、500万円全体が贈与税の対象となります。
親が保険料を払い、満期時に子供が保険金を受け取るケースでは、保険金は親から子供への贈与と見なされます。保険金額によって贈与税が発生します。
(5)不動産や株式などの名義変更を無償で行った場合
- 例1:土地の名義を子供に変更…親が所有する土地(評価額2,500万円)を、生前に無償で子供名義に変更した。
この場合、子供は対価を支払っていないにも関わらず2,500万円分の資産を手に入れたため、贈与と見なされ、その全額が贈与税の対象になります。
- 例2:親名義の株式を無償で譲渡…親が所有していた上場企業の株式(評価額1,200万円)を、贈与契約書もなくそのまま子供名義に変更。
このケースでも、子供は1,200万円分の財産を得たことになり、みなし贈与として課税されます。
(6)親が生活費や学費を過剰に援助している場合
- 例:子供に高額の生活費を渡している…社会人になった子供が独立せず、家賃、光熱費、通信費、さらには車のローンまですべて親が支払い、年間で300万円を超えている。
生活費としての支援は一般的に贈与税の対象外ですが、金額が大きすぎたり、明らかに生活の範囲を超えるような支援をしていたりする場合には、その一部がみなし贈与に該当する可能性があります。
(7)名義預金
- 例:子供名義の口座を親が管理している…親が子供名義で銀行口座を作り、毎年100万円ずつ貯金をしていたが、通帳や印鑑は親が保管し、子供は存在を知らなかった。
このようなケースでは、贈与として成立しておらず、「贈与していない」と判断されることもありますが、逆に贈与が成立しているとみなされて課税される可能性もあります。「名義だけ子供」という状況は、税務調査でよく問題になるポイントです。
まとめ
生前贈与は相続税対策として非常に有効ですが、贈与税に注意しましょう。
そして、税務署が「贈与」と判断するケース、「みなし贈与」にも注意が必要です。金銭の援助や名義変更など、ある行為が思わぬ課税につながることもあります。
非課税枠(110万円)をうまく活用しながら、計画的に生前贈与を行いましょう。
不安な場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
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相続財産には自動車が含まれる場合があります。
相続で自動車を引き継ぐ場合には、所有者の名義変更をしなければなりません。
今回は自動車の名義変更の手続き方法について解説いたします。
自動車の名義変更の手続き期限
自動車の所有者変更に関する手続き期限は、原則として15日以内となっています。
これは、「道路運送車両法」第13条で定められています。
よって、相続でも自動車を受け継いだら15日以内に手続きをします。
もし、申請を怠ると「50万円以下の罰金」に科される可能性があります。(あくまで可能性ですが、早急に手続きをしておいた方が良いでしょう。)
名義変更しない場合のデメリット
自動車の所有者名義が故人のままだと、売却できませんし、廃車(抹消登録)にすることもできません。
売却や廃車には自身が正式な所有者であることを法的に証明しなければならないからです。
そのほか、事故にあった場合、自賠責保険の範囲内でしか補償を受けられなくなってしまいます。(自動車保険の名義が変更されていないので、十分な補償が受けられないのです。)
また、車検も受けることもできません。
自動車の名義変更の手続きの流れ
(1)必要書類を準備
相続の状況に応じて、以下の書類が必要です。
- 基本的な必要書類
- 申請書(運輸支局でもらうか、国交省・運輸局のHPからダウンロード可能)
- 手数料納付書
- 車検証(原本)
- 車庫証明書(使用本拠が変わる場合に必要、証明日から40日以内のもの)
- 亡くなった方の戸籍謄本(出生から死亡までのもの)
- 相続人の戸籍謄本(現在のもの)
- 相続人の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
- 委任状(代理人が手続きする場合)
相続人が複数で特定の相続人が遺産を取得するケースの場合、遺言書がある場合は遺言書を、遺産分割協議によって取得人を決めた場合は遺産分割協議書が必須となります。
なお、自動車価格が100万円以下の場合、簡単な書式の「遺産分割協議成立申立書」に代用可能です。
この申立書では記載項目が少なく、自動車を取得する相続人だけ署名・押印すれば大丈夫です。
ただし、自動車価格が100万円以下である事実を証明する査定証、もしくは査定価格を確認できる資料等を添えなければなりません。
(2)管轄の運輸支局へ行く
名義変更は、自動車が登録されている地域を管轄する運輸支局で行います。
場所は国土交通省のホームページで確認できます。
手続きに必要な費用は以下の通りです。
- 手数料納付書に貼る検査登録印紙代…500円程度
- ナンバープレート変更(必要な場合)…2,000〜4,000円
- 車庫証明費用(名義変更で住所が変わる場合)…2,500円~3,000円
ナンバープレートの変更は、管轄の運輸支局が変わる場合に必要となります。
軽自動車は軽自動車検査協会で手続きをする
相続する自動車が軽自動車の場合、名義変更手続は、取得人が軽自動車を使用する場所を管轄する「軽自動車検査協会」の事務所で行います。
軽自動車では、遺言書や遺産分割協議書など相続に関する書類提出が不要となります。
必要書類が少なく、手続きは簡単になっている理由は、普通自動車に比べて軽自動車の価値が低く、遺産争いの起因になりにくいからです。
よって、相続人が複数いても、分割協議書を出す必要はなく、相続人単独で自由に名義変更できるようになっています。
自動車にかかる税金
(1)自動車税
車には、自動車税というものがかかります。
自動車税は毎年4月1日時点の所有者に課せられます。納付書が自宅へ届くので5月末日までに所定の金額を納付します。
(2)相続税
相続した自動車は相続財産ですので、預貯金や土地建物と同様、相続税の対象です。
よって、個別に相続税評価額を算出します。自動車は一般動産として評価するため、売買実例価格や精通者の意見価格などを参考に評価します。
実際には、中古車販売業者の買取価格や査定額を基に評価額を出します。
まとめ
相続で取得した自動車についても名義変更などの手続きが必要です。手続きを怠ると、売却や廃車ができないので、注意しましょう。
手続きに不安がある方は、専門家に代行を依頼することもできます。
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自身が被相続人となる相続のことを考えて、遺言書を作成する方も多いでしょう。
遺言書はその形式によって作成方法が異なります。自筆証書遺言は紙とペンさえあればすぐにでも作成できますが、公正証書遺言は公証役場でしか作成できず、2名の証人の立ち会いも必要です。
この証人は、誰でも良いわけではありません。
必要な資格や欠格事由、証人になったときの役割を考慮して適切な人を選ぶべきです。
証人が必要な二つの遺言方法
(1)公正証書遺言
公正証書遺言は公証役場で公証人に作成を代行してもらう遺言であり、二名の証人の立会が必要となっています。
特徴は以下の通り。
- 公証役場で公証人と遺言内容を打ち合わせた後、公証人が代理で遺言書を作成する
- 作成にお金がかかる
- 二名以上の証人の立会が必須
- 公証人作成のため、作成不備に起因する遺言書の無効化は起こらない
- 相続開始時に裁判所での遺言の検認は不要となる
- 遺言書原本は公証役場にて保管されるので、紛失・改竄も起こらない
公正証書遺言のメリットは不備による遺言書の無効化と紛失や第三者による改竄のリスクがないことです。このメリットが非常に大きいため、広く利用されているのです。
デメリットはお金と手間がかかる点です。公証人との打ち合わせや証人の手配をしなければならないので、自筆証書遺言のような手軽さはありません。
(2)秘密証書遺言
秘密証書遺言とは、遺言書の中身を誰にも知られないまま、存在だけを公証役場で証明してもらう方法です。
特徴は以下の通り。
- 署名を除いて、中身の代筆が認められている
- 手書きでもパソコンでも作成が可能
- 作成した遺言を公証役場へ持参し、その際に証人が二名必要
- 遺言の内容については公証人にも証人にも見られない
- 遺言書原本の保管は遺言者自身でする
- 公証役場はその遺言が存在することだけを証明する
- 相続では検認手続きが必要
検認が終わるまでは遺言書を開封できません。誤って開封した場合、罰則として過料が課せられる可能性もあります。
また、公正証書遺言と同じように、公証役場での手続きが必要かつ証人も集めなければならないので、手間やお金がかかる点がデメリットです。
加えて、原本管理は遺言者がするため、当然ながら紛失や改竄のリスクは高くなります。実は遺言の制度が見直された現代では、メリットはほとんどありません。(そのため、利用者も少ないです。)
証人としての基本要件
証人には欠格事由があります。以下の項目に該当する方は証人になれません。
- 未成年者(現行法では18歳)
- 推定相続人、受遺者、それらの配偶者や直系血族
- 公証人の配偶者、4親等内の親族、書記および使用人
まず、証人は成人でなければなりません。未成年は十分な意思能力を有さないためです。
遺言者の配偶者やその子供も相続における利害関係に該当するので不可です。親族はほとんど証人になれないと考えましょう。
公証人に近しい人が証人になることも、チェック機能の観点から不適切とみなされます。
証人に求められること
遺言作成の手続きにおける証人の役割は以下です。
- 遺言者が本人であるかの判断
- 遺言者が正常な判断力をもっているかの判断
- 遺言が遺言者の真意を正しく反映したものとなっているかの判断
証人がこれらの事項を確認することで、遺言の客観性が証明され、確実で信頼できるものとなります。(秘密証書遺言では内容が確認できないため、意味合いが変わります。)
なお、証人は遺言の有効性が裁判で争われた場合に、証言を求められる可能性があります。出頭を求められた際は、基本的に拒絶できません。
証人を選ぶ際のポイント
(1)親族
相続における利害関係の観点から、親族はほとんど証人になれません。しかし、ケースによっては、親族を証人にすることもできます。
例えば、遺言者本人に配偶者と子供がいる場合、遺言者の兄弟は推定相続人とならないので、証人になれます。(遺言者に子供がおらず、両親も亡くなっている場合は、不可。)
親族が証人の場合、基本的には遺言者と近しい関係ですから頼みやすいというメリットがあります。お金もかからない場合がほとんどでしょう。
ただし、親族を証人とすると、遺言内容次第で遺族間の争いのきっかけになる可能性があります。
(2)友人
友人を証人として選ぶメリットについて、遺言者および相続人との直接的な利害関係がないので、相続トラブルの起因になる可能性は低いでしょう。
また、長い付き合いがある友人であれば頼みやすく、証人として適切に行動してくれるでしょう。
ただし、その友人が相続トラブルに巻き込まれる可能性はあります。裁判で遺言書の有効性を争う場合、証言を求められることもあります。
(3)専門家(税理士や弁護士等の士業)
専門家を証人に選ぶことも可能です。専門家であれば中立性は保証されます。また、士業であれば、守秘義務があるので、遺言内容を第三者に漏らす心配もありませんし、内容に対してアドバイスを受けることも可能です。
専門家に依頼するデメリットはお金がかかる点です。公証役場で証人を紹介してもらう手数料よりも、高い費用がかかります。
(4)公証役場での紹介
証人が見つからない場合、公証役場で証人を紹介してもらえます。1人につき6,000~7,000円ですので、自分で専門家に依頼するよりは安価と言えます。
ただし、金額は遺言書に記載する財産の価額によって変動する可能性があります。
まとめ
遺言書証人選びは慎重に行う必要があります。
手軽さから親族に依頼するのも良いですが、信頼性と公正性を重視するのであれば、利害関係の全くない友人や専門家を選ぶ方が良いでしょう。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
行政書士、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。
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厚木市で 相続手続 支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続 の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
ゴルフ会員権とは、ゴルフ場の施設を優遇された条件で利用できる権利です。会員であれば、非会員よりも安い料金でプレーできる他、優先枠の予約も可能となります。
近年では、ゴルフ会員権を資産として保有する人も増えています。そのため、相続の際にどのように取り扱うべきかが重要な課題となっています。
本コラムでは、ゴルフ会員権の相続について、その基本的な考え方や手続き、注意点を詳しく解説します。
ゴルフ会員権の種類と特性
(1)預託金制
ゴルフ場に一定額の預託金を支払い、その対価として会員権を取得する形式です。会員が退会すると、ゴルフ場から預託金が返還される仕組みですが、近年では返還が困難な場合もあります。
(2)株主制
ゴルフ場を運営する会社の株式を購入し、株主としての権利を持つ形です。この場合、ゴルフ会員権は株式の一種とみなされ、株主総会での議決権などを有することがあります。
(3)社団法人会員制
ゴルフ場の組織が社団法人で、団体の構成員が会員となる形です。古くからある名門と言われるゴルフ場に多く採り入れられている会員制度です。
相続の対象となるゴルフ会員権
ゴルフ会員権は、相続財産として扱われるため、相続税の課税対象となります。
ただし、ゴルフ会員権には名義人固有の権利があるため、相続時にはゴルフ場の規約を確認する必要があります。
一般的には、ゴルフ場の定める条件を満たした相続人が会員権を引き継ぐことが可能ですが、一定の審査や手続きが必要となる場合があります。
相続手続きの流れ
(1)ゴルフ会員権の有無の確認
まず、被相続人(亡くなった人)がゴルフ会員権を所有していたかを確認します。会員権証書やゴルフ場からの会費請求書などが手がかりになります。
(2)ゴルフ場への問い合わせ
次に、ゴルフ場の会員規約を確認し、相続による会員権の継承が可能かどうかを問い合わせます。規約によっては、相続が認められない場合や、追加の手数料が発生する場合があります。
(3)相続税の申告・納税
ゴルフ会員権の価値は市場価格や相続税評価額に基づいて算出され、相続税の課税対象となります。相続税の申告期限(相続開始後10か月以内)までに申告・納税を行う必要があります。
(4)名義変更手続き
ゴルフ場が定める手続きを行い、相続人の名義に変更します。通常、以下の書類が必要となります。
- 被相続人の死亡証明書(死亡届の記載事項証明書や戸籍謄本)
- 相続人の戸籍謄本
- 遺産分割協議書(必要に応じて)
- ゴルフ会員権証書
- ゴルフ場指定の申請書
(5)名義変更料の支払い
多くのゴルフ場では、名義変更の際に一定の手数料がかかります。費用はゴルフ場によって異なり、数十万円以上かかるケースもあります。
相続時の注意点
(1)ゴルフ場の規約を確認する
ゴルフ場によっては、相続人が会員になるための条件を厳しく設定している場合があります。特に株主制のゴルフ会員権では、相続人が一定の資質を満たす必要があることもあります。
(2)相続税評価額の把握
ゴルフ会員権の評価額は、ゴルフ場の経営状況や市場の需給バランスによって変動します。
評価額が高い場合、相続税負担が大きくなるため、適正な評価を行うことが重要です。
(3)売却の検討
ゴルフをしない相続人にとって、会員権を維持することは経済的な負担となる場合があります。
その場合、会員権を売却することも一つの選択肢です。ただし、市場価値が低下している場合、期待する価格で売却できない可能性もあります。
まとめ
ゴルフ会員権の相続は、通常の資産とは異なり、ゴルフ場の規約や相続税の問題が関係するため、慎重な対応が求められます。
相続人が引き継ぐ場合は、必要な手続きを迅速に行い、名義変更を済ませることが重要です。また、利用予定がない場合は、売却を含めた選択肢を検討し、相続税負担を最小限に抑える工夫が必要となります。
ゴルフ会員権の相続で不明な点がある場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
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相続が発生すると、引き継いだ相続財産に対して相続税が課されることはよく知られています。
しかし、相続財産の種類やその取得方法によっては、相続税だけでなく所得税がかかるケースもあります。
本コラムでは、相続人に所得税が発生する主なケースについて詳しく説明します。
相続財産に対する基本的な課税関係の整理
相続財産には現金、預貯金、不動産、有価証券などさまざまな種類があり、それぞれの課税関係が異なります。
通常、相続によって取得した財産には金額に応じて相続税が課されるだけです。所得税とは給料やビジネスで得た利益に対してかかる税金ですから、それらと関係のない遺産相続では基本的に所得税はかかりません。
しかし、相続した財産を処分したり、特定の条件を満たしたりする場合には所得税が発生することがあります。
相続人に所得税が発生するケース
(1)収益を生む財産を相続した場合
相続財産の中には、定期的に収益を生み出すものがあります。これらの財産を取得すると、相続後に発生する所得に対して所得税がかかります。
- 賃貸不動産…相続した不動産が賃貸物件である場合、その不動産から得られる家賃収入は相続人の所得とみなされ、所得税の対象となります。家賃収入に対する課税は、相続人の他の所得と合算して総合課税の対象となります。
- 株式の配当金…相続した株式から配当金が発生する場合、配当所得として所得税が課されます。配当所得は原則として総合課税の対象ですが、一定の上場株式等に関しては申告分離課税を選択することも可能です。
(2)不動産を売却した場合
相続した財産を売却すると、その売却益に対して所得税が発生します。
相続した土地や建物、株式などを売却すると、取得費と売却価額の差額が譲渡所得となり、所得税・住民税が課されます。譲渡所得は「所得税+住民税」の税率で課税され、長期保有(取得後5年超)の場合は税率が軽減される特例もあります。
譲渡所得は以下の計算式で求められます。
(3)被相続人の所得に関する申告義務
被相続人が亡くなった年の所得については、相続人が「準確定申告」を行う必要があります。
被相続人が生前に得た給与所得や事業所得、不動産所得などに対して、死亡後4か月以内に相続人が申告を行います。所得税が発生する場合、相続人が納税義務を負います。
- ○準確定申告が必要な所得の例
- 事業を営んでいた場合の事業所得
- 不動産賃貸収入
- 株式の売却益や配当所得
- 年金収入
(4)退職金や未支給給与の課税
- 死亡退職金
- 未支給給与の扱い
被相続人が生前に勤務していた会社から死亡退職金を受け取る場合、これは「みなし相続財産」として相続税の対象となります。ただし、非課税枠(500万円×法定相続人の数)があり、これを超えた部分については相続税が課されます。死亡後3年を経過してから支給が確定した死亡退職金については、相続税の課税価格計算の基礎には算入されず、受取人の一時所得として所得税の課税対象になります。
死亡前に支給期が到来していた給与が死亡後に支給された場合、これは「給与所得」として被相続人の所得税の対象となります。死亡後3年を経過してから支給が確定した給与については、相続税の課税価格計算の基礎には算入されず、受取人の一時所得として所得税の課税対象となります。
(5)相続財産の運用による所得税
- 相続財産を活用した事業収益
- 仮想通貨や金融資産の運用
相続した現金や不動産を元手に事業を行った場合、その収益は当然ながら所得税の対象となります。例えば、相続した資産を元に投資を行い、運用益が発生した場合は、事業所得や投資所得として課税されます。
相続した仮想通貨や外国為替資産を売却した場合、その売却益が雑所得または譲渡所得として課税されます。仮想通貨は特に価格変動が激しく、相続時の評価額と売却時の価格差が大きくなることが多いため、課税額にも注意が必要です。
まとめ
相続財産に対する税金は相続税だけでなく、相続人が所得税を負担するケースも少なくありません。
特に、「収益を生む財産(賃貸不動産、株式)の取得」「相続財産の売却」「準確定申告による被相続人の所得申告」「退職金や未支給給与」「相続財産の運用益」といったケースでは所得税が発生する可能性があります。
相続税と所得税の両面から適切な申告と納税を行うためには、早い段階で税理士などの専門家に相談することが重要です。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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税務署への相続税申告は、相続の発生を知った日の翌日から10ヶ月以内にしなければなりません。(納付についても同期限となっています。)
申告は相続人自身で期限内に実施します。
もし、申告を怠ったり、申告漏れや内容に誤りがあったりすれば、ペナルティとして延滞税や、無申告加算税、追徴課税を課されるため注意が必要です。
期限内に間に合わせる+正しい申告をしなければならないので、相続税の申告はハードルが高い作業です。煩雑で専門知識も必要なため、できれば専門の税理士に申告を任せたほうが安心です。
しかし、税理士に依頼すると『費用が高額なのでは?』『どう依頼すれば良いのか?』と不安に思う人もいるでしょう。
よって、本コラムでは、相続税の申告が必要な人に向けて、税理士報酬の相場や税理士選びのポイントを解説します。是非、参考にしてください。
税理士報酬の設定は自由
税理士の報酬は決まった額が設定されているわけではありません。
かつては報酬に関しての規定は法律で定められていましたが、税理士法の改正により金額は自由化され、現在では個々の税理士事務所によって異なっています。
また、基本の報酬額とは別に、特別料金として追加の報酬(加算報酬)を設定している事務所もあります。
報酬の相場
相続税の申告を税理士に依頼すると、「基本報酬」と「加算報酬」が発生します。これらを合計した一般的な依頼料金の相場は、遺産総額の0.5%から3%程度となっています。
基本報酬とは、依頼する際に必ず発生する費用のことで、遺産総額に対して費用が変動することが一般的です。遺産のトータル金額が多いほど申告に向けての業務量も増えるため、費用も高くなる傾向にあります。
一方で加算報酬とは、各状況に応じて生じる費用のことです。たとえば、遺産に不動産が多い場合や、相続人の数が多い場合、また申告期限が近いといった状況で加算されることがあります。
価格が上がる要素とは
税理士の報酬額が相場よりも高くなる場合があります。具体的には以下の例があります。
- 申告期限までの時間がない
- 相続人が多い
- 土地評価が複雑
(1)申告期限までの時間がない
相続税の申告期限は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月と定められています。
この10ヶ月を長いと感じる人もいるかもしれませんが、実際には必要書類を集めるのに時間がかかり、相続人確定や相続財産の計算等にも手間がかかるため、結果的に時間が足りなくなることが多いのです。
時間がない状態で税理士に依頼する際には「特急料金」が発生する可能性が高いです。
期限までの日数がどのくらいで料金が変わるのかは、各事務所によって異なるので確認しましょう。
(2)相続人が多い場合
相続人が多ければ、必要な書類の数が増え、申告書の作成や手続きが複雑になります。
そのため、相続人数に応じて細かい加算報酬を設定している税理士事務所も多いです。
(3)土地評価が複雑
相続税申告で特に難しいのが、土地の評価と言えます。
相続財産に土地が含まれる場合、その評価額を算出して総額に加える必要がありますが、土地の場所や形状によって、相続税評価は異なります。
例えば、土地がいびつな形をしていたり、間口の狭い旗竿地だったりすると、通常よりも評価額が低くなります。また、自宅として使っている土地よりも、賃貸用マンションなどの貸付地の方が評価額は下がります。
こうしたさまざまな条件を考慮する必要があるので、土地評価は非常に難しいのです。
税理士に依頼した場合でも、土地の形状が複雑だったり、相続した土地の数が多く評価に手間がかかったりする場合には、追加報酬が発生する可能性があります。
税理士選定のポイント
実際に税理士に依頼する場合、どこの事務所にお願いしても良いということにはなりません。相続税申告において適切な税理士を選ぶには以下のポイントに注意しましょう。
(1)相続を専門にしている
税理士の業務は多岐にわたりますが、相続税申告を依頼する場合は、必ず相続を専門にしている税理士を選びましょう。
相続専門の税理士を選ぶことで、次の2つのメリットが得られます。
- 節税の可能性が高まる:専門性の高い税理士は、相続税に関する特例や節税方法に詳しいため、相続財産を効率的に管理し、税額を抑える提案が期待できます。
- 迅速な対応が可能:相続税に特化した税理士は、年間に多くの案件を手掛けており、業務の流れを熟知しているため、申告手続きをスムーズに進められるでしょう。
(2)報酬額を明確にしている
報酬を料金表で公開せず、個別見積もりを基本とする税理士事務所は避けた方が良いでしょう。
そのような事務所は、作業量を十分に把握できていない可能性があり、後から追加報酬や手数料が請求されるリスクがあります。
安心して依頼するためにも、ホームページに報酬を明示している事務所や、料金シミュレーションで事前見積もりができる事務所を選びましょう。
(3)実績が豊富である
税理士事務所の実績はとても重要な判断材料です。目安としては、実務経験が5年以上、年間10件以上の相続税申告案件を手掛けている事務所であること。
実績が少ない事務所では、手続きがスムーズに進まず、ミスが発生する可能性もあります。
なんでもそうですが、経験があるとないとでは、大きく違うのです。
(4)評価額の算定ができる
不動産の評価額は、相続財産の中で最も高額になることが多いため、その算定が相続税額に大きく影響します。
「相続税路線価」を基に評価額を算定するだけでなく、土地の現地調査などを行い、節税のためのポイントを見つけられる税理士を選びましょう。不動産に詳しい税理士に依頼することで、適切な評価額算定や節税対策を期待できます。
まとめ
相続税の申告期限は、「申告者が相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」と決められています。「10ヶ月もあるし、余裕があるな」と多くの方が思うでしょうが、実際には申告期限ギリギリになってしまうケースがほとんどです。中には、ご自身での申告が間に合わないケースもあります。
相続税の申告は単純なものではありません。税額の計算にしても、相続財産の把握・法定相続人の確定・遺産分割の決定等々、様々なプロセスが必要になります。
ご自身で全部を処理するとなると大変な負担になりますが、専門家に任せると安心です。
弊所であれば、相続税申告も含めた相続に関する手続きをサポートすることができます。何をすればよいか分からない、忙しくて時間が取れないといった方にお勧めです。無料で相談できるので是非一度問い合わせてください。
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死亡保険金が遺留分に含まれるかどうかは、多くの人が気になる問題でしょう。最初に答えを言いますが、原則として生命保険金は遺留分の対象には含まれません。しかしながら、例外的に含まれるケースが存在します。
そのため、被相続人が契約者および被保険者として保険契約に加入していた場合、その保険金が遺留分に影響を与えるかどうかきちんと理解しておかなければなりません。
今回は、死亡保険金が遺留分に影響する可能性のある具体的なケースについて詳しく解説していきます。
死亡保険金は受取人固有の財産である
まず、前提となる考えですが、死亡保険金は、基本的には「受取人の固有財産」として扱われます。このため、受取人である相続人が相続放棄をしていても、保険金を受け取れます。
これは、死亡保険金が被相続人の財産ではなく、保険契約に基づいて保険会社が指定された受取人に支払うものであるからです。
法律上、相続財産とは「亡くなった人が生前に所有していた財産や権利、義務」に該当します。しかし、死亡保険金は被相続人が所有していた財産とはみなされません。つまり、「死亡保険金は民法上では相続財産ではなく、受取人固有の権利によって取得するもの」とされています。
ただし、税法上では死亡保険金は「みなし相続財産」に該当し、相続税の課税対象となります。
遺留分の基本的な考え方
遺留分とは、法定相続人が最低限確保することができる遺産の割合を指します。この権利は、被相続人が遺言などで財産を特定の相続人や第三者に多く配分した場合でも、他の法定相続人は最低限の取り分を請求できるように保障する制度です。
遺留分は自動的に確保されるわけではありません。遺留分権利者自身が「遺留分侵害額請求」という手続きをする必要があります。この請求には以下の時効が設定されています。
- 相続開始および侵害を知った時から1年
- 相続開始から10年
上記のどちらか早い方が経過すると、請求権は消滅します。遺留分の権利を行使する場合は、できるだけ迅速に手続きを進めることが求められます。
死亡保険金は原則として遺留分の対象外だが…
冒頭でもすでに述べたように死亡保険金は、原則として遺留分の対象になりません。
これは保険金が、保険会社から保険金受取人に対して支払われるものであり、被相続人の財産ではなく、保険金受取人固有の財産として扱われるためです。
しかし、特定の条件下では遺留分の対象に含まれる場合があります。この点については、平成16年10月に下された最高裁判決が参考になります。
この判決では以下のように述べられています:
被相続人を保険契約者および被保険者とし、共同相続人の一部を保険金受取人とする保険契約に基づく死亡保険金は、原則として民法903条に規定する遺贈または贈与には該当しない。しかし、保険金額が遺産全体に対して著しく大きい場合や、受取人と他の相続人との間で極端な不公平が生じる場合には、特別受益に準じて扱われる可能性がある。
この判例から言えることは、死亡保険金が遺産全体の中で非常に大きな割合を占めており、相続人の中で著しい不公平が生じると判断される場合には、遺留分の計算対象となる可能性があるのです。
例えば、被相続人が長男と二男の2人を相続人として残したケースを考えてみます。この場合、被相続人の相続財産が100万円であり、二男が受取人として指定されている保険金が1億円だったとします。
このようなケースでは、保険金の額が遺産全体と比較して極端に大きいため、不公平が生じる可能性が高いでしょう。そのため、生命保険金が遺留分の計算対象として扱われる可能性が出てきます。
ただし、受取人が生前に被相続人の介護を全面的に担っていたなどの特別な事情がある場合には、不公平が認められず、遺留分の対象とならない可能性もあります。
まとめ
死亡保険金は原則として遺留分には含まれませんが、相続財産全体に対して過度に偏った配分が行われた場合には、例外的に遺留分の対象となることがあります。
そのため、保険金が遺留分に含まれるかどうかは、個々の事案に応じた総合的な判断が求められます。
死亡保険金には相続税の非課税枠もあるので、被相続人の立場からすると残される家族のためにも活用したいところですが、分割のバランスを大きく崩すような分配はやめておくべきです。
なお、死亡保険金に「どういった税金がかかるか」「非課税枠は使えるのか」といった判断は、専門的で難しいものです。活用したい場合は、税理士に相談したほうが良いでしょう。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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