厚木市で 相続 の手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続 の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
相続税納税後に申告内容を見直すと、実際よりも多く納めすぎていたことに気づく場合もあります。
相続財産の評価方法を間違えていた、特例適用の控除を見落としていた等々で、本来よりも多く納税してしまうことはよくあるのです。相続税の手続きは、人生の中で数えるほどしか機会がありませんから、間違えてしまうケースは本当に多いのです。
もし相続税を払いすぎていたなら、申告期限から5年以内であれば「更正の請求」という手続きを取ります。過払いの事実が税務署に認められれば、納めすぎた税金は返還されます。これを「相続税還付」といいます。
本コラムでは、相続税還付の事例や手続きの方法について紹介いたします。
相続税を払いすぎる主な事例
相続税を払いすぎるケースには、次のようなものがあります。
(1)不動産の評価が過大だった
土地の形状、使途などが考慮されずに土地が本来より高く評価されている場合があります。
正しい評価をし直すことで税額が下がることがあります。
実は土地は知識や経験がないと、適切な評価が難しい財産といえます。そのため、不動産に詳しい税理士などに評価を依頼しないと、評価額を大きく見積ってしまうことは多いのです。
(2)債務控除や葬式費用を計上し忘れた
被相続人の借入金や未払い税金など、債務を相続税計算から控除できるのに漏れてしまった場合、当然ながら相続税は本来よりも高くなります。
また、葬式費用も控除対象の費用(通夜や告別式の費用など)なので、正しく計上されていなければ、相続税は高くなります。
(3)未確認の借金が後から判明した場合
相続税は、被相続人の死亡時点の正味財産(=プラスの財産−債務等)に基づいて課税されます。
当初申告のときは存在を知らずに申告していた借金が、実際には被相続人が死亡した時点で負っていたものであると分かった場合は、その借金が正味財産に新たに含まれるわけなので、相続税は減額されます。
還付申告の期限と流れ
更正の請求には期限があります。期限は「相続税の法定申告期限(被相続人の死亡を知った日から10ヶ月)から5年以内」とされており、この間に手続きをする必要があります。
手続きの流れはおおむね次のようになります。
- 必要書類の準備
- 書類の確認・整理
- 最寄りの税務署に提出
- 税務署による審査(数週間〜数ヶ月かかることも)
- 還付額の決定と通知
還付申告に必要な書類
申請にはいくつかの書類が必要です。
- 更正の請求書
- 申告又は通知に係る税額及び更正の請求による課税標準等又は税額等(相続税)
- 財産の評価明細書
- 初回の相続税申告書の写し
財産の正確な評価や還付の可能性については、できれば相続税に詳しい税理士のサポートを受けることが望ましいです。
税理士は評価の見直し、特例の適用可否、書類作成や税務署とのやり取りまでサポートしてくれるため、手間やリスクを大幅に減らすことができます。
記載ミスや添付書類の不足があると、申請が通らないことがありますから、その点でも税理士に依頼する方がスムーズです。
なお、税理士に依頼する際には、相続税申告の実績と経験が多い事務所を選びましょう。豊富な実績はノウハウの多さに直結しているからです。
実績が多い税理士事務所であれば、適正かつ説得力のある意見書を作成するので税務署に認められやすいでしょう。
まとめ
相続税は一度申告・納税すると完了した気持ちになりがちですが、実際には過払いが生じているケースも少なくありません。申告後に財産の評価や特例適用の見落としに気づいた場合は、還付申告を行うことで大きな金額が戻ってくる可能性があります。
還付申告の機会を逃さないために相続税の申告内容を見直し、必要に応じて専門家の力を借りながら期限内に適切な手続きを行い、納めすぎた税金をしっかり取り戻しましょう。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
行政書士、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。
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厚木市で 相続 の手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
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遺産の中に自宅等の不動産がある場合、誰が固定資産税を払うのかといった疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
この記事では、不動産の相続に伴って発生する固定資産税の支払い義務、また未払いがある場合の対応などについて、順を追って分かりやすく解説していきます。
固定資産税の基本ルール
固定資産税とは、土地や建物などの不動産を所有している人に対して、市町村が毎年課税する地方税です。課税対象者は、毎年1月1日時点で登記簿に記載されている「所有者」と定められています。
たとえば、ある方が1月2日に亡くなった場合、その年の固定資産税は「1月1日時点の所有者=被相続人」が本来の納税者となります。
しかしながら、被相続人が亡くなっているので、納税義務は相続人が引き継ぐことになります。
遺産分割前は相続人全員が連帯して納税義務を負う
相続が発生しても、すぐに不動産の所有者が決まるわけではありません。誰がどの財産を引き継ぐか相続人同士で協議する必要があります。
この遺産分割協議が終わるまで、相続財産は法定相続人全員の共有物と見なされます。
この理論で考えれば、固定資産税についても相続人全員が負うことになります。
支払い代表者を決めるには?負担割合の決め方
固定資産税の支払いは実際には相続人の代表者が払います。
相続人の中から1人を「代表相続人」として市区町村に届け出ることで、その人に納税通知書が届くようになります。
通知書が代表者に届くからといって、その人が税額のすべてを負担するわけではありません。後から他の相続人に自分の負担分を請求します。
なお、各人の配分については、法定相続分(例:配偶者1/2、子ども各1/4など)に従って決めるのが一般的です。ただし、全員の合意があれば、別の割合でも構いません。
協議後に実際の所有者が決まった場合の取り扱い
遺産分割協議がまとまり、相続人のうちの誰かが不動産を単独で取得した場合、その人が翌年以降の固定資産税を支払う義務を負うことになります。
ただし、固定資産税は「1月1日時点の登記上の所有者」に課されるため、たとえば1月10日に登記を移したとしても、その年の税金はまだ前年度の所有者(故人)負担となるので、相続人全員で払います。
新たな所有者がその年の固定資産税をすべて支払っても良いのですが、相続人全員の合意の上で払うことが望ましいでしょう。
固定資産税の納期と未払いの扱い
固定資産税は、多くの自治体で年4回(おおむね6月・9月・12月・翌年2月)に分けて支払う「分割納付制」が取られています。
そのため、相続が発生したタイミングによっては、すでに数回分は支払い済みで、残りが未納の状態になっていることがあります。たとえば、7月に相続が発生した場合、その年の9月・12月・翌年2月分は未納になっている可能性が高いです。
未払い分については相続人全員が支払う必要があり、原則として法定相続分に基づいて分担されます。納期限を過ぎると延滞税が課される場合もあるので、早めに対応しましょう。
遺言書がある場合の取り扱い
遺言書があり、固定資産税の納税義務者について明記されていれば、原則として遺言書内容が優先されます。
例えば、遺言書で特定の相続人に不動産を相続させ、固定資産税もその相続人が支払うと定められていれば、その相続人が納税義務者となります。
まとめ
不動産を相続した場合、固定資産税は誰が払うのかを解説いたしました。原則としては、相続人全員の負担となりますが、全員の合意があれば取得者が払っても良いのです。
なお、相続人の数、相続時期、未納の有無によっても負担分が異なるため、早い段階で状況を整理しておきましょう。納期限までに固定資産税を払わないと、延滞税が生じるので注意してください。
固定資産税の支払いの他、不動産相続で不明な点がある場合は、専門の税理士へ相談してください。節税のアドバイスや相続税申告の代行も可能ですので、是非検討ください。
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相続の手続きを進めている最中に、相続人の一人が亡くなってしまう——。そんなケースが実際には少なくありません。たとえば、父親の遺産を手続きしている途中で、相続人である母親が他界してしまった場合などです。
このように、1つの相続が終わる前に次の相続が発生してしまう状態を、「数次相続」と呼びます。
この記事では、数次相続が起こることで遺産分割や相続税にどのような影響が出るのか解説します。
数次相続が起きるとはどういうことか
数次相続とは、ある相続がまだ終わらないうちに、相続人の1人が死亡し、新たな相続が始まってしまうことを指します。
たとえば、父親の相続手続きをしている途中で母親が亡くなると、母親が相続するはずだった父の遺産について、その相続権が母の相続人に引き継がれます。つまり、子どもたちは父親の遺産分割協議だけでなく、母親の遺産についても協議しなければならない、という状況になるのです。
数次相続が起きやすい条件
数次相続が発生しやすいのは、両親がともに高齢である場合や、相続手続きに時間がかかってしまっているときです。
たとえば、遺産分割について相続人同士の意見がなかなかまとまらず、協議が長期化すると、その間に誰かが病気などで亡くなってしまうこともあり得ます。その結果として、さらに新しい相続が始まり、事態が複雑になることもあるのです。
数次相続により遺産分割協議が複雑化する
数次相続が発生すると、最初の相続(一次相続)の遺産分割協議に、二次相続の相続人が加わることになります。これにより、相続人の人数が増え、話し合いがまとまりにくくなるケースが出てきます。
たとえば、母親に前夫との子(父と養子縁組していない子ども)がいた場合、一次相続では母と実子だけが相続人ですが、母が亡くなるとその連れ子も法定相続人となります。このように、関係者が増えることで、協議がさらに複雑になる可能性があるのです。
なお、数次相続が何度発生するかについて、法律上の回数制限はありません。理屈のうえでは、三次、四次と続くことも可能です。ただし、現実には何度も相続が重なることはありません。
必要以上に不安になることはないのです。
相続税への影響
(1)基礎控除の計算には影響なし
相続税の基礎控除は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で算出されますが、これは被相続人が亡くなった時点での法定相続人の数を基にしています。
数次相続によって相続関係者が増えたように見えても、各相続の基礎控除額には影響しません。
(2)法定相続分も変わらない
法定相続分の割合も、数次相続によって変動することはありません。
たとえば、母親が亡くなり、その相続人である子どもたちが父親の相続分を引き継いでも、それは母親の1人分の法定相続分を複数人で分ける形になります。
(3)相次相続控除の対象になる可能性
数次相続が10年以内に発生していれば、「相次相続控除」を受けられることがあります。これは、先に相続税を納めた財産について、後の相続の時に一定額が控除される仕組みです。
(4)相続税の申告期限は延長
相続税の申告期限は被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内です。ですが、相続税を申告するはずだった人が申告前に亡くなった場合の申告期限は、その人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内にまで延長されます。
ただし、1回目の相続における申告期限が延長されるのは「2回目の相続の相続人のみ」です。存命の一次相続人については従来通りの期限内に手続きしなければなりません。
(5)遺産分割協議はまとめても良い
数次相続における遺産分割協議は、一次相続と二次相続で別々にしても良いですが、まとめても問題はありません。
初めの相続で父が亡くなり、次の相続で母が亡くなった場合、相続人が完全に重複していれば、1回にまとめてする方が手間も省けます。
逆に相続人が重複していない場合は分けて行った方がよいケースもあります。
まとめ
数次相続は、突然起こることもあり、手続きや話し合いが思いがけず煩雑になる原因となります。関係者が増えたり、相続税の計算が複雑になったりするため、放置しておくと後々トラブルになる可能性もあります。
だからこそ、相続が始まったらできるだけ早く、関係者全員で協議を進めることが大切です。相続税の申告期限が近づいてくると、未分割のまま申告せざるを得ず、税負担が重くなる場合もあります。
また、次の相続が始まってしまえば、さらに関係者が増えて収拾がつかなくなることもあります。そうならないためにも、早めの行動が重要です。
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高齢になると、介護が必要になる可能性は高くなります。老人ホームに入居するケースもありますが、自宅での介護となった場合は、家族の誰かにお願いすることになるでしょう。
一番想定されるのは、本人の配偶者や、子供ですが、「子供の奥さん」が介護をされるケースもあります。場合によっては、献身的に面倒を見てくれる場合もあるでしょう。
介護を頑張ってくれた分、恩返しという形で遺産をあげたいと思うのも当然です。しかしながら、子供の配偶者は法定相続人ではないので、遺産を相続できません。財産を渡したいのであれば何かしらのアクションが必要です。
子供の配偶者は相続人ではない
息子さんの奥さんは被相続人にとっての法定相続人ではありません。そのため、何もしなければ通常は遺産を受け取ることができません。
そもそも相続では誰が法定相続人になるかは、被相続人との関係性で決まります。
法定相続人の範囲は「配偶者相続人」と「血族相続人」の二種類に区分され、被相続人の配偶者は必ず法定相続人となります。血族相続人は以下の順位により相続権を取得します。
- 第1順位…被相続人の子供(直系卑属)
- 第2順位…被相続人の親(直系尊属)
- 第3順位…被相続人の兄弟姉妹
もしも、上の順位の方がいない場合、次の順位の人が法定相続人になります。子供のいない夫婦の場合、夫が亡くなった時の法定相続人は妻と夫の両親です。両親が他界しているのであれば、第3順位の兄弟姉妹が法定相続人となります。
法定相続人以外に遺産を渡すには遺言で指定する
息子の奥さんは、法定相続人にはなれないことがわかったと思いますが、だからといって遺産が全くもらえないかというとそうでもありません。
法定相続人以外に遺産を渡す方法として、「遺言書で指定する」という方法があります。
法定相続人以外の人にも、財産を渡すことを遺贈と言いますが、遺贈は遺言書で指定することによりその効力が生じます。遺贈する相手は遺言者が自由に選べます。
遺産の受け渡しを指定された方は「受遺者」と言います。
受遺者に指定された方は遺産をどう受け取るかによって「特定受遺者」か「包括受遺者」かに区分されます。包括受遺者はさらに細かく四つに分類されます。
遺留分に注意する
遺言書で遺贈をする場合、「遺留分」に注意しなければなりません。遺留分とは、被相続人の兄弟姉妹を除く法定相続人が「最低限の遺産を取得できる」権利のことです。
遺留分の金額は、「(相続手続き開始時の遺産+生前贈与された財産−債務)×割合」で算出します。
遺産総額:6,000万円
生前贈与:4,000万円
債務:1,000万円
上記の場合のケースだと
基礎となる財産:6,000万円+4,000万円-1,000万円=9,000万円
子ども全員の遺留分:9,000万円×1/2=4,500万円
子供1人あたりの遺留分:4,500万円×1/2(法定相続分割合)=2,250万円
となります。
遺留分がある以上、被相続人の配偶者や子供は、必ず遺産を受け取れるわけであり、その最低限の取り分を侵害するような「偏りのある遺贈はできない」ということです。
つまり、「妻も子供も介護を全くしてくれなかったので、遺産は全て息子の奥さんに渡す」といった内容の遺言は基本的にはできないということです。
ただし、遺留分は自動的に保証されるわけではなく、遺留分の権利者が遺留分の返還を請求しなければなりません。(この請求は「遺留分侵害額請求」と言います。)
遺留分侵害額請求には時効がある
- 相続の開始および遺留分を侵害する贈与や遺贈について知った時から1年間
- 相続開始から10年
いずれかを過ぎると請求ができなくなります。
よって、厳密に言えば、他の相続人が何もしない場合に限り、偏った遺贈も通ります。
しかしながら、遺留分を侵害するような遺贈は確実にトラブルの原因になるので、避けるべきです。そもそも、法定相続人以外に遺贈すること自体が争いの火種になり得る事項なので、事前に家族に話をして、納得してもらっておくべきです。
遺贈は相続税が高くなる
遺贈によって受け取った財産も相続税の対象となります。そのため、相続財産の総額が基礎控除よりも大きくなる場合、受けとった遺産について相続税を負担しなければなりません。
受遺者が払う相続税額は通常よりも多くなります。これは、配偶者や一親等の血族、代襲相続人以外の方が相続財産を得た場合、相続税が2割増となるルールがあるからです。
従って、受遺者が高額の相続税を負う可能性もあります。
生前贈与という手段も
生前贈与とは生きているうちに財産を贈与する方法です。贈与する相手は、贈与者が自由に選べます。
そのため、遺贈でなくとも子供の配偶者に財産を渡すことは可能です。
また、生前贈与では年間110万円までの贈与が非課税で行えるので、節税としても有効です。
まとめ
子供の配偶者に遺産を渡したい場合には、遺贈か生前贈与が良いでしょう。遺贈は遺言で指定するだけで良いですが、相続税が2割増になる点に注意です。また、他の相続人と揉めないように事前に話し合いをしておくのも大事です。
生前贈与では年間110万円までの贈与が非課税となるので、うまく活用すれば無税で財産を渡せます。
今回、解説した以外にも方法はありますので、詳しく聞きたい方は、弊所までご相談ください。
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身近な人を亡くしたとき、遺族にとっては精神的な負担だけでなく、経済的負担も重いものとなります。そうした遺族を支援する制度の一つが「弔慰金(ちょういきん)」です。
この言葉を聞いたことはあっても、実際にどんなお金なのか、誰がもらえるのか、かかる税金はどうなるのか――詳しく知らない方も多いでしょう。ここでは、弔慰金の意味や種類、相続税との関係について、わかりやすく説明します。
弔慰金は慰謝の意味を込めた金銭の支給
弔慰金とは、誰かが亡くなった際に、その遺族へ支払われる金銭のことです。このお金には、慰謝の気持ちや、遺族の生活を少しでも支えようという配慮が込められています。
弔慰金は大きく分けて、以下の2つのケースで支給されます。
例:戦没者遺族に対する弔慰金(戦傷病者戦没者遺族等援護法に基づく)や、災害弔慰金の支給(災害弔慰金の支給等に関する法律)など。
なお、弔慰金はあくまで「任意で支払われるお金」であり、企業や団体の取り決めによって支給の有無や金額が異なります。
弔慰金と香典の違い
混同されがちなのが「香典」との違いです。
- 香典:個人として葬儀に参列した人が持参する金銭です。会社の代表者が社員一同の香典を取りまとめて持参する場合もありますが、これは会社の制度ではなく個人のお気持ちになります。
- 弔慰金:会社や団体が、規定に基づいて正式に支給する慰謝金です。制度化されていることが特徴です。
つまり、「香典」は個人の善意、「弔慰金」は制度として設けられた金銭支援、という点で大きく異なります。
弔慰金と相続税の関係は?
相続が発生したときに気になるのが「税金」、特に相続税の問題です。
弔慰金は原則として相続税の対象外とされています。これは「相続や遺贈によって取得した財産」ではなく、「第三者から遺族への慰謝と支援のために支払われる金銭」と見なされるからです。
ただし、すべての弔慰金が非課税になるわけではありません。金額が「社会通念上、妥当な範囲を超える場合」には、超過分に相続税がかかることがあります。
相続税法や所得税法では以下のように規定されています。
- 非課税となる上限
- 業務上の死亡(労災など):給与の3年分までが非課税
- 業務外の死亡(病気・事故など):給与の6か月分までが非課税
これは「通常支払われると認められる弔慰金の額」として定められている基準です。
・業務外の死亡:30万円 × 6か月 = 180万円まで非課税
・業務上の死亡:30万円 × 36か月 = 1,080万円まで非課税
この上限を超える支給があった場合、超えた部分は「相続財産」としてカウントされ、相続税が課せられます。
死亡退職金との違い
弔慰金とよく比較されるのが「死亡退職金」です。
死亡退職金とは故人が生前に勤めていた会社から支給される退職金のうち、亡くなったことで発生する(遺族に渡される)お金です。これは法律上「みなし相続財産」とされ、相続税の対象となります。
ただし、「500万円 × 法定相続人の数」までは非課税という特例があります。
一方で、弔慰金は任意の慰謝金であり、前述の範囲内であれば相続税の対象にはなりません。
まとめ
弔慰金は、遺族に対して会社や団体が慰謝の気持ちを込めて支給する制度です。原則として相続税の対象にはなりませんが、社会通念上妥当とされる金額を超える部分には課税される可能性があります。
死亡退職金とは法的な性質も税務上の取り扱いも異なります。相続の際は、二つの違いをきちんと理解し、正しく相続税の申告をしましょう。
参考:国税庁「No.4120 弔慰金を受け取ったときの取扱い」
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人が亡くなれば、遺族はさまざまな対応に追われます。中でも大きな出費となるのが葬儀です。通夜や告別式の準備、火葬、埋葬、寺院へのお礼など多岐にわたって費用が発生します。一般的な相場としては、葬儀一式で200万円前後かかるといわれています。
ではこの葬儀費用は、法律上どのように扱われ、誰が負担することになっているのでしょうか? この記事では、葬儀費用と相続税との関係や、法的な位置づけ、費用負担をめぐるトラブルと対策について解説します。
葬儀費用は相続税の計算時に控除できる
被相続人の遺産についてはその総額に相続税が課されますが、この遺産総額を計算する際に、葬儀費用は差し引くことが認められています。
これは国税庁の公式見解であり、「相続税法基本通達」にも明記されています。
- 控除対象となる費用の具体例:
- 通夜、告別式、火葬、埋葬などにかかる費用
- 遺体・遺骨の移送費用(搬送車、遠方からの回送等)
- 仏式葬儀における寺院へのお布施など(ただし戒名料の扱いには注意が必要)
- 死亡の確認や捜索、搬送にかかる費用(災害・事故死の場合など)
つまり、これらの費用を差し引いた上で相続税を計算できるので、葬儀費用を正しく申告することで節税効果が期待できます。
ただし、次のような費用は控除対象になりません。
- 香典返しや法要の費用
- お墓の購入代(墓地・仏壇などは「祭祀財産」に該当し、非課税だが控除対象ではない)
葬儀費用の「負担者」は法律で決まっていない
多くの人が「喪主=費用を払う人」と認識していますが、実は誰が葬儀費用を負担するかについて、明確に定めた法律は存在しません。
実際には、葬儀は亡くなって数日以内に行われるため、遺産相続前に支払わなければなりません。そのため、喪主や遺族の誰かが「一時的に立て替える」ことが多くなります。
問題になるのはその後で、「立て替えた人に他の相続人が応じてくれるかどうか」がトラブルの火種になります。
そもそも葬儀費用は「相続開始後に発生する支出」であるため、相続財産(=被相続人の債務)そのものではありません。
となれば、「当然に相続人全員が負担すべき債務」には該当しないのです。
葬儀費用をめぐる4つの典型的なトラブル
(1)費用負担の不公平
たとえば長男が喪主として200万円を支払ったのに、他の相続人が「知らなかった」「払いたくない」と主張するケースは非常に多くあります。
不公平感が原因で遺産分割協議がこじれることもあります。
(2)相続財産からの支出を巡る対立
相続財産に現金が多ければ精算しやすいですが、不動産や株式しかない場合はすぐにお金を用意できません。その結果、喪主だけが損をしたように感じてしまうこともあります。
(3)事前の話し合い不足
葬儀の形式や費用を誰が決めるか、どの程度の規模にするかなどが事前の話し合いが不十分なまま葬儀を行うと、後で「こんなに豪華にするとは思わなかった」と不満の声が上がることもあります。
また、遠方に住む相続人が葬儀に参加しなかった場合、費用を支払う意識が低くなり、負担を巡る対立が生じます。
(4)祭祀承継者との意見の食い違い
仏壇や墓を誰が継ぐか、管理するのかが決まっていないと、今後の管理費や納骨費用の負担で揉めることがあります。
伝統的に「長男が継ぐ」とされてきた一方で、現在は「兄弟平等に負担すべき」という考え方も増えており、対立するケースが目立ちます。
相続財産からの支払いを遺言に書いても効力はないが、「想い」を伝える手段になる
葬儀費用について「遺言に書けば遺産から払ってもらえる」と思われがちですが、実はそうではありません。
法的に有効な遺言は、「死亡時点の財産に関する指示」が対象です。葬儀費用のように「死亡後に発生する支出」は、遺言の法的効力の及ぶ範囲外です。
とはいえ、遺言書に「葬儀費用は遺産から支払ってほしい」などと書いておくことは無駄ではありません。これは「付言事項」だからです。
付言事項には法的拘束力はありませんが、故人の遺志として相続人が尊重してくれる可能性が高いからです。遺産から葬儀費用が支払われれば、負担についての争いは起きないでしょう。
トラブルを防ぐための3つの具体策
(1)被相続人の生前に葬儀について話し合いをしておく
葬儀に関する希望や、費用の負担方法などは、本人が元気なうちに家族で共有しておくのが理想です。前述したように遺言書の付言事項に記すのも効果的です。
(2)喪主の負担を記録で残す
誰がいくら支払ったか、明細や領収書を保管し、相続時に明確に説明できるようにしておきましょう。支払いの証拠がないと後の精算で揉めやすくなります。
(3)相続財産の中から支払う前提で協議する
遺産に現金がある場合は、葬儀費用をそこから優先的に支払うように家族間であらかじめ合意をとっておきましょう。
不動産や株式しかない場合は、何を売却して支払いに充てるかもあらかじめ検討しておきましょう。
まとめ
- 葬儀費用は相続財産から払って良い
- 誰が費用を負担すべきかは法律で明確に決まっていない
- 相続人間の認識のズレにより、トラブルに発展しやすいので争いを防ぐ工夫が必要
- 喪主が立て替えた場合、領収書を保存しておくこと
- また事前に清算ルールについて明確化しておくこと
葬儀費用負担については、相続の中でよく見られる問題の一つです。
トラブルを避けるためにも、本記事で述べた対策をしておきましょう。
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相続は、ある日突然やってくることが多く、準備不足のまま対応を迫られるケースも珍しくありません。
相続には大きく分けて「単純承認」「限定承認」「相続放棄」という3つの選択肢がありますが、実は何もしないまま過ごしていると、自動的に「単純承認」したとみなされてしまいます。
故人の財産はプラスの財産だけでなく、借金等のマイナスの財産もあります。単純承認となれば、それもすべて相続することになります。もし、借金が高額の場合、相続によって多大な返済に追われることになる可能性もあります。これが「相続の怖いところ」です。
単純承認とは?
まずは基本的なところから確認しておきましょう。
相続には以下の3つの方法があります。
- 単純承認:故人(被相続人)のプラスの財産もマイナスの財産(借金など)もすべてそのまま引き継ぐ方法です。
- 限定承認:プラスの財産の範囲内でマイナスの財産も相続する方法。マイナスが多くても、それ以上は背負わなくて済みます。
- 相続放棄:一切の相続権を放棄する方法。財産も借金も一切引き継ぎません。
単純承認は「そのまま全部引き継ぐ」という方法ですが、実は自分が望んでいなくても一定の行動をとると自動的に単純承認とされてしまうことがあります。これが「みなし単純承認」と呼ばれるものです。
単純承認とされると、相続人はすべての財産と債務を引き継ぐことになります。
もし故人に多額の借金や滞納税金などがある場合、それもすべて相続することになり、借金返済の義務も生じることになります。たとえば、遺産に預貯金が100万円、借金が500万円ある場合、限定承認や相続放棄をしていれば損害を避けられますが、単純承認してしまうと、差額の400万円を自分で払うことになります。
どんなときに「単純承認」とみなされるの?
民法の規定により、以下のようなケースでは、たとえ本人にそのつもりがなくても「単純承認した」と見なされてしまいます。
(1)相続財産を処分した場合
もっともよくあるのがこのケースです。
遺産の処分は「財産を自分のものとして扱った」行為とされるため、結果としてすべての財産・債務を引き継ぐことになります。
(2)熟慮期間(3か月)を過ぎた場合
相続の開始を知った日から3か月以内に「相続放棄」や「限定承認」の手続きをしなければ、自動的に単純承認したことになります。
この3か月間を「熟慮期間」といいます。
(3)相続財産を隠した場合
民法では、次のような行為も単純承認とみなすと規定しています。
- 相続財産を隠していた
- 相続財産目録に一部の財産を故意に記載しなかった
このように「こっそり財産を操作する」行為は、自分のものとして扱っているとみなされ、単純承認が成立します。
単純承認とみなされる「相続財産の処分」の具体例
「相続財産の処分」とは、単に売ったり、消費したりするだけでなく、「相続財産を自分の意思で動かした」と判断されるような行為全般を指します。
以下に、実際に単純承認と判断された主なケースを紹介します。
(1)故人の預金を引き出して使った
例:相続人が、故人の通帳から生活費を支払った
→「ちょっとくらい…」と思ってしまう人も多いですが、金額の大小に関係なく単純承認とされます。なお、葬儀代を相続財産から払っても、社会通念上相当な範囲であれば財産の処分には該当しません。ただし、葬儀規模によっては認められない可能性もあります。
(2)故人名義の車を売却した
例:「不要だから」と故人の車を売却した
→名義変更や売却は「処分」にあたります。他にも故人の家具・家電をリサイクル業者に引き取ってもらった場合も処分行為とされます。
(3)不動産を貸した・売った・改築した
例:故人の自宅を第三者に貸した、売った、リフォームした
→こうした行為も、自分の所有物として扱っているとされ、単純承認につながります。
(4)相続財産の一部を他の相続人や親族に譲った
例:「兄弟の取り分だから」と勝手に現金や物品を分けた
→正式な手続きを経ないで分配することは、処分行為になります。
(5)故人が加入していた保険の解約返戻金を受け取った
例:契約者・受取人が被相続人である保険を解約して返戻金を受け取った
→積立式の生命保険の場合、契約者死亡によって保険契約が解約され、解約返戻金が支払われることがあります。これは相続財産ですから、相続人が受け取れば財産処分として扱われます。
なお、被相続人が被保険者・契約者であり、相続人が受取人である生命保険金(死亡保険金)では、「受取人の固有の財産」となるので、単純承認には該当しません。
財産処分にあたらない行為の例
次のような行為は、基本的には「処分」とはされず、単純承認には該当しないとされています。
- 相続財産の調査・目録作成
- 相続財産の保管(例えば故人の自宅の封鎖・鍵の管理など)
- 不用品の一時的な仮置き・保管目的の移動
- 一般的な葬儀費用の支出
中には微妙なケースも多いため、不安なときは必ず専門家に相談しましょう。
まとめ
単純承認が成立すると、相続人にとって不都合なケースもあります。
不利益を被らないためにも相続が始まったら以下の点に注意しましょう。
- 被相続人の財産や借金の有無をできる限り早く、詳細に調べる
- 借金が多いことがわかったら、「相続放棄」または「限定承認」の判断をし、期間内に手続きをする
- 判断がつくまでは被相続人の財産に手を付けない
とくに、預金の引き出しや不動産の売却は、気軽にやってしまいがちですが、これが命取りになります。「ちょっとした行為が取り返しのつかない結果になる」ということに十分留意しましょう。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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厚木市で 相続手続 支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続 の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
「生前贈与」は単なる財産移転ではなく、相続税の節税対策としても有効活用されます。生前贈与は1年間で税金がかからない「基礎控除枠」が設けられており、この金額内だと贈与税が発生しないからです。
逆に基礎控除を超えれば、受贈者に贈与税が課せられます。
基礎控除額を超えない点も大事ですが、他に注意したい点として「みなし贈与」があります。これは双方に意思がなくとも税務署に贈与だとみなされる行為です。
みなし贈与に該当すると、金額次第で贈与税が生じてしまいます。
生前贈与とは
まず、生前贈与とは、生きている間に財産を特定の誰かに渡すことです。渡す相手は配偶者や子供や孫はもちろん、友人等でも構いません。(贈与者の自由です。)
生前のうちに財産の一部を渡しておくことで相続される遺産も減るので、相続税を抑えることができます。
ただし、生前贈与でも一定の金額を超えると贈与税が課税されてしまいます。贈与税は相続税とは税率も違うので、場合によっては多額の税金を払うことになります。
そのため、節税対策として活用するのであれば、想定される相続税と贈与税を実際に算出し、贈与する金額・回数を調整した方が良いでしょう。
なお、贈与税申告の期限は、贈与がされた翌年の2月1日〜3月15日の間です。納付期限も同じで、どちらも贈与を受けた方が行います。(申告場所は、受贈者の住所地の所轄税務署です。)
みなし贈与とは
「みなし贈与」とは税務署が「実質的に贈与」と判断する取引や行為を指します。
本人たちは「贈与したつもりはない」と思っていても、結果的に相手に経済的な利益が渡ったと判断されれば、それは贈与とされるのです。
みなし贈与に該当すると、基礎控除(年間110万円)を超える場合に贈与税が課されます。
みなし贈与に該当する代表的な例
(1)時価よりも極端に安い価格での売買(低額譲渡)
- 例1:不動産の低額売買…親が持っているマンション(時価3,000万円)を、子供に1,000万円で売却。
この場合、通常の取引であれば3,000万円の価値があるものを大幅に安く売っているので、差額の2,000万円分が子供に対する「贈与」とみなされます。この2,000万円が基礎控除の110万円を超えているため、贈与税の対象になります。
- 例2:高級腕時計の格安売却…時価200万円の高級時計を、親が知人に50万円で譲渡。
差額の150万円は「経済的利益を無償で受け取った」と見なされ、贈与税の対象となる場合があります。
低額譲渡について「どのくらい安いと課税対象になるのか?」という基準はありませんが、目安として時価より2割以上安い場合は、課税される可能性があるとされています。
(2)借金の肩代わり
- 例1:住宅ローンの肩代わり…息子がマンションを購入するために2,000万円のローンを組んだが、返済が苦しくなったので親が残りの返済額1,500万円を一括返済した。
この場合、息子は現金を直接受け取ったわけではありませんが、「借金がなくなった」ことで1,500万円分の利益を得ています。この金額が贈与とみなされ、贈与税の対象になります。
- 例2:奨学金の返済支援…大学卒業後、子供が抱える奨学金の残額300万円を親が一括で返済。
これも「実質的に財産の贈与を受けた」と判断される可能性が高く、贈与税が発生する可能性があります。
ただし、返済能力がまったくないなど、特別な事情があれば贈与税が免除されることもあります。
(3)無利息での貸し付け
- 例:無利息で多額のお金を貸す…親が子に2,000万円を無利息で貸し付けた。
通常であれば年利1~2%程度の利息が発生するため、本来であれば得られるはずの利息分(例えば年間40万円程度)を子に無償で渡していると見なされる可能性があります。その利息分が贈与とみなされ、繰り返すと課税対象になりうるのです。貸すお金が大きな金額になる場合は注意が必要です。
(4)保険料を負担していないのに保険金を受け取った場合
- 例:親が払った保険の受取人が子供だった…親が毎月3万円の保険料を10年間支払い、契約者は親、受取人は子供とする養老保険を契約。
満期時に子供が500万円を受け取った場合、保険料を払っていないのに多額の現金を得たことになるため、500万円全体が贈与税の対象となります。
親が保険料を払い、満期時に子供が保険金を受け取るケースでは、保険金は親から子供への贈与と見なされます。保険金額によって贈与税が発生します。
(5)不動産や株式などの名義変更を無償で行った場合
- 例1:土地の名義を子供に変更…親が所有する土地(評価額2,500万円)を、生前に無償で子供名義に変更した。
この場合、子供は対価を支払っていないにも関わらず2,500万円分の資産を手に入れたため、贈与と見なされ、その全額が贈与税の対象になります。
- 例2:親名義の株式を無償で譲渡…親が所有していた上場企業の株式(評価額1,200万円)を、贈与契約書もなくそのまま子供名義に変更。
このケースでも、子供は1,200万円分の財産を得たことになり、みなし贈与として課税されます。
(6)親が生活費や学費を過剰に援助している場合
- 例:子供に高額の生活費を渡している…社会人になった子供が独立せず、家賃、光熱費、通信費、さらには車のローンまですべて親が支払い、年間で300万円を超えている。
生活費としての支援は一般的に贈与税の対象外ですが、金額が大きすぎたり、明らかに生活の範囲を超えるような支援をしていたりする場合には、その一部がみなし贈与に該当する可能性があります。
(7)名義預金
- 例:子供名義の口座を親が管理している…親が子供名義で銀行口座を作り、毎年100万円ずつ貯金をしていたが、通帳や印鑑は親が保管し、子供は存在を知らなかった。
このようなケースでは、贈与として成立しておらず、「贈与していない」と判断されることもありますが、逆に贈与が成立しているとみなされて課税される可能性もあります。「名義だけ子供」という状況は、税務調査でよく問題になるポイントです。
まとめ
生前贈与は相続税対策として非常に有効ですが、贈与税に注意しましょう。
そして、税務署が「贈与」と判断するケース、「みなし贈与」にも注意が必要です。金銭の援助や名義変更など、ある行為が思わぬ課税につながることもあります。
非課税枠(110万円)をうまく活用しながら、計画的に生前贈与を行いましょう。
不安な場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
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厚木市で 相続手続 支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続 の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
相続財産には自動車が含まれる場合があります。
相続で自動車を引き継ぐ場合には、所有者の名義変更をしなければなりません。
今回は自動車の名義変更の手続き方法について解説いたします。
自動車の名義変更の手続き期限
自動車の所有者変更に関する手続き期限は、原則として15日以内となっています。
これは、「道路運送車両法」第13条で定められています。
よって、相続でも自動車を受け継いだら15日以内に手続きをします。
もし、申請を怠ると「50万円以下の罰金」に科される可能性があります。(あくまで可能性ですが、早急に手続きをしておいた方が良いでしょう。)
名義変更しない場合のデメリット
自動車の所有者名義が故人のままだと、売却できませんし、廃車(抹消登録)にすることもできません。
売却や廃車には自身が正式な所有者であることを法的に証明しなければならないからです。
そのほか、事故にあった場合、自賠責保険の範囲内でしか補償を受けられなくなってしまいます。(自動車保険の名義が変更されていないので、十分な補償が受けられないのです。)
また、車検も受けることもできません。
自動車の名義変更の手続きの流れ
(1)必要書類を準備
相続の状況に応じて、以下の書類が必要です。
- 基本的な必要書類
- 申請書(運輸支局でもらうか、国交省・運輸局のHPからダウンロード可能)
- 手数料納付書
- 車検証(原本)
- 車庫証明書(使用本拠が変わる場合に必要、証明日から40日以内のもの)
- 亡くなった方の戸籍謄本(出生から死亡までのもの)
- 相続人の戸籍謄本(現在のもの)
- 相続人の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
- 委任状(代理人が手続きする場合)
相続人が複数で特定の相続人が遺産を取得するケースの場合、遺言書がある場合は遺言書を、遺産分割協議によって取得人を決めた場合は遺産分割協議書が必須となります。
なお、自動車価格が100万円以下の場合、簡単な書式の「遺産分割協議成立申立書」に代用可能です。
この申立書では記載項目が少なく、自動車を取得する相続人だけ署名・押印すれば大丈夫です。
ただし、自動車価格が100万円以下である事実を証明する査定証、もしくは査定価格を確認できる資料等を添えなければなりません。
(2)管轄の運輸支局へ行く
名義変更は、自動車が登録されている地域を管轄する運輸支局で行います。
場所は国土交通省のホームページで確認できます。
手続きに必要な費用は以下の通りです。
- 手数料納付書に貼る検査登録印紙代…500円程度
- ナンバープレート変更(必要な場合)…2,000〜4,000円
- 車庫証明費用(名義変更で住所が変わる場合)…2,500円~3,000円
ナンバープレートの変更は、管轄の運輸支局が変わる場合に必要となります。
軽自動車は軽自動車検査協会で手続きをする
相続する自動車が軽自動車の場合、名義変更手続は、取得人が軽自動車を使用する場所を管轄する「軽自動車検査協会」の事務所で行います。
軽自動車では、遺言書や遺産分割協議書など相続に関する書類提出が不要となります。
必要書類が少なく、手続きは簡単になっている理由は、普通自動車に比べて軽自動車の価値が低く、遺産争いの起因になりにくいからです。
よって、相続人が複数いても、分割協議書を出す必要はなく、相続人単独で自由に名義変更できるようになっています。
自動車にかかる税金
(1)自動車税
車には、自動車税というものがかかります。
自動車税は毎年4月1日時点の所有者に課せられます。納付書が自宅へ届くので5月末日までに所定の金額を納付します。
(2)相続税
相続した自動車は相続財産ですので、預貯金や土地建物と同様、相続税の対象です。
よって、個別に相続税評価額を算出します。自動車は一般動産として評価するため、売買実例価格や精通者の意見価格などを参考に評価します。
実際には、中古車販売業者の買取価格や査定額を基に評価額を出します。
まとめ
相続で取得した自動車についても名義変更などの手続きが必要です。手続きを怠ると、売却や廃車ができないので、注意しましょう。
手続きに不安がある方は、専門家に代行を依頼することもできます。
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自身が被相続人となる相続のことを考えて、遺言書を作成する方も多いでしょう。
遺言書はその形式によって作成方法が異なります。自筆証書遺言は紙とペンさえあればすぐにでも作成できますが、公正証書遺言は公証役場でしか作成できず、2名の証人の立ち会いも必要です。
この証人は、誰でも良いわけではありません。
必要な資格や欠格事由、証人になったときの役割を考慮して適切な人を選ぶべきです。
証人が必要な二つの遺言方法
(1)公正証書遺言
公正証書遺言は公証役場で公証人に作成を代行してもらう遺言であり、二名の証人の立会が必要となっています。
特徴は以下の通り。
- 公証役場で公証人と遺言内容を打ち合わせた後、公証人が代理で遺言書を作成する
- 作成にお金がかかる
- 二名以上の証人の立会が必須
- 公証人作成のため、作成不備に起因する遺言書の無効化は起こらない
- 相続開始時に裁判所での遺言の検認は不要となる
- 遺言書原本は公証役場にて保管されるので、紛失・改竄も起こらない
公正証書遺言のメリットは不備による遺言書の無効化と紛失や第三者による改竄のリスクがないことです。このメリットが非常に大きいため、広く利用されているのです。
デメリットはお金と手間がかかる点です。公証人との打ち合わせや証人の手配をしなければならないので、自筆証書遺言のような手軽さはありません。
(2)秘密証書遺言
秘密証書遺言とは、遺言書の中身を誰にも知られないまま、存在だけを公証役場で証明してもらう方法です。
特徴は以下の通り。
- 署名を除いて、中身の代筆が認められている
- 手書きでもパソコンでも作成が可能
- 作成した遺言を公証役場へ持参し、その際に証人が二名必要
- 遺言の内容については公証人にも証人にも見られない
- 遺言書原本の保管は遺言者自身でする
- 公証役場はその遺言が存在することだけを証明する
- 相続では検認手続きが必要
検認が終わるまでは遺言書を開封できません。誤って開封した場合、罰則として過料が課せられる可能性もあります。
また、公正証書遺言と同じように、公証役場での手続きが必要かつ証人も集めなければならないので、手間やお金がかかる点がデメリットです。
加えて、原本管理は遺言者がするため、当然ながら紛失や改竄のリスクは高くなります。実は遺言の制度が見直された現代では、メリットはほとんどありません。(そのため、利用者も少ないです。)
証人としての基本要件
証人には欠格事由があります。以下の項目に該当する方は証人になれません。
- 未成年者(現行法では18歳)
- 推定相続人、受遺者、それらの配偶者や直系血族
- 公証人の配偶者、4親等内の親族、書記および使用人
まず、証人は成人でなければなりません。未成年は十分な意思能力を有さないためです。
遺言者の配偶者やその子供も相続における利害関係に該当するので不可です。親族はほとんど証人になれないと考えましょう。
公証人に近しい人が証人になることも、チェック機能の観点から不適切とみなされます。
証人に求められること
遺言作成の手続きにおける証人の役割は以下です。
- 遺言者が本人であるかの判断
- 遺言者が正常な判断力をもっているかの判断
- 遺言が遺言者の真意を正しく反映したものとなっているかの判断
証人がこれらの事項を確認することで、遺言の客観性が証明され、確実で信頼できるものとなります。(秘密証書遺言では内容が確認できないため、意味合いが変わります。)
なお、証人は遺言の有効性が裁判で争われた場合に、証言を求められる可能性があります。出頭を求められた際は、基本的に拒絶できません。
証人を選ぶ際のポイント
(1)親族
相続における利害関係の観点から、親族はほとんど証人になれません。しかし、ケースによっては、親族を証人にすることもできます。
例えば、遺言者本人に配偶者と子供がいる場合、遺言者の兄弟は推定相続人とならないので、証人になれます。(遺言者に子供がおらず、両親も亡くなっている場合は、不可。)
親族が証人の場合、基本的には遺言者と近しい関係ですから頼みやすいというメリットがあります。お金もかからない場合がほとんどでしょう。
ただし、親族を証人とすると、遺言内容次第で遺族間の争いのきっかけになる可能性があります。
(2)友人
友人を証人として選ぶメリットについて、遺言者および相続人との直接的な利害関係がないので、相続トラブルの起因になる可能性は低いでしょう。
また、長い付き合いがある友人であれば頼みやすく、証人として適切に行動してくれるでしょう。
ただし、その友人が相続トラブルに巻き込まれる可能性はあります。裁判で遺言書の有効性を争う場合、証言を求められることもあります。
(3)専門家(税理士や弁護士等の士業)
専門家を証人に選ぶことも可能です。専門家であれば中立性は保証されます。また、士業であれば、守秘義務があるので、遺言内容を第三者に漏らす心配もありませんし、内容に対してアドバイスを受けることも可能です。
専門家に依頼するデメリットはお金がかかる点です。公証役場で証人を紹介してもらう手数料よりも、高い費用がかかります。
(4)公証役場での紹介
証人が見つからない場合、公証役場で証人を紹介してもらえます。1人につき6,000~7,000円ですので、自分で専門家に依頼するよりは安価と言えます。
ただし、金額は遺言書に記載する財産の価額によって変動する可能性があります。
まとめ
遺言書証人選びは慎重に行う必要があります。
手軽さから親族に依頼するのも良いですが、信頼性と公正性を重視するのであれば、利害関係の全くない友人や専門家を選ぶ方が良いでしょう。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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