こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
被相続人が保有していた建物を引き継ぐ場合は、土地と同様に評価額を算出しなければなりません。
土地の評価額は前回のコラムでご説明した通り、「路線価方式」か「倍率方式」どちらかの計算方法を使って算出します。
対して、建物の評価は被相続人の生前の利用方法によって変わってきます。
利用方法とは
- 個人で利用していた
- 第三者に貸していた
- 賃貸物件として運用していた
です。
建物の相続税評価額算出方法
建物の相続税額の評価方法は固定資産税評価額を基準に、各利用状況に設定された利率を掛けます。
各計算式は以下の通りです。
- 個人利用…固定資産税評価額×1.0
第三者に貸していた…固定資産税評価額×(1-借家権割合)
賃貸物件として運用していた…固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
※借家権は賃借人が建物を利用する権利で借家権割合は全国一律30%
※賃貸割合は貸し出されている部屋の床面積の割合
被相続人が住宅として建物を利用しているなら、相続税評価額は固定資産税評価額と同じになります。
別荘やセカンドハウスとして利用していた場合も同じです。
なお、固定資産税評価額は毎年4月頃に市区町村役場から送られてくる固定資産税の納税通知書を参考にしましょう。
納税通知書が見当たらない場合は各役所に置いてある固定資産税台帳を調べてください。
友人に貸していたり、賃貸アパートを運用していた場合は借家権割合や賃貸割合で評価額が安くなります。
借家権割合が全国一律で30%ということを踏まえると、少なくとも固定資産税評価額よりも3割は価格が下がります。
ただし、無償で貸している場合(固定資産税程度の賃料しかもらっていない場合も含む)は使用貸借として扱われるので、借地権も認識しません。
そのため、評価額は個人利用と同じになります。
建設中の建物の評価方法
建設中の建物の場合、固定資産税評価額が未決定です。
そのため、相続開始までにかかった費用原価(建築費用)を基準に評価額を計算します。
建物の費用原価は以下の通りになります。
工事進捗率の確認は工事担当の建設会社から「進捗率証明書」を発行してもらえば良いでしょう。
土地同様に建物も相続税評価額は安い
土地と同じく、建物の相続税評価額は買った時よりも低くなります。
これは、売り手を探したり、整備したり、現金化するのに多くの手間が必要になることや、経年劣化を考慮しているからです。
不公平性を無くす・納税者の負担を軽くする点で、評価が安くなるのです。
前述したように、賃貸物件であればもっと評価額は下がるので、節税対策のために持っている現金でアパート運営を始めるという方法もあります。(ただし、取得後の登記変更や、管理の手間、運用のリスク等がかかってしまうことに注意が必要です。)
まとめ
相続によって取得した建物の評価方法について説明いたしました。
建物の評価は利用方法によって大きく変わること、建築中である場合は工事進捗率によって変わることを覚えておきましょう。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。
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相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
相続では預貯金や現金だけでなく、土地や建物といった不動産が引き継がれることもあります。
不動産は買った時の価格が相続税評価額になるのではなく、決められた数式によって評価を行います。
土地の相続時の評価方法については「路線価方式」と「倍率方式」の二つになりますが、本コラムにて各評価方法を説明いたします。
土地の相続税評価額算出方法
相続で取得する土地の評価方法は、「路線価方式」と「倍率方式」の二つがあります。
(1)路線価方式
路線価とは、国税庁が独自ルールで決めた土地の価格です。
毎年1月1日に評価がなされ、8月頃にHP内で公表されています。
この方式による相続税の評価額は以下の数式で算出できます。
例えば、路線価が30万円で、奥行価格補正率が1.0、土地の面積が300㎡なら、
30万円×1.0×300㎡=9,000万円となります。
(2)倍率方式
土地によっては路線価が設定されていない場合もあります。
そんな時は倍率方式によって評価額を算出します。
倍率方式による相続税評価額は以下の数式で算出します。
固定資産税評価額が5,000万円で、倍率が1.1の土地の相続税評価額は
5,000万円×1.1=5,500万円となります。
なお、路線価と評価倍率は国税庁の公式HPから確認できます。
土地の相続税評価額は時価よりも安い
土地の時価は、実際の売買における金額ですが、前述した路線方式か倍率方式で算出した相続税評価額はこの時価よりも低いものとなります。
土地によって違いますが、およそ20~30%は安くなります。
この理由に関しては、土地は売り手を探す・整備する等、売るのにも手間を要するからです。
手間がかかるのに時価と同じ評価にしてしまうと、相続財産の内容や分割によっては相続人間で不公平が生じてしまいます。
そのため、土地の評価額は安く評価されるのです。
なお、このような土地評価が相続時に安くなる仕組みを利用した相続税対策もあります。
現金を土地に変えるため多少の手間やリスクは付きますが、「小規模宅地等の特例」といった特例の控除制度も使えるので、大幅に税金を安くすることもできます。
まとめ
相続によって取得した土地の評価方法を説明いたしました。
ご自身で評価を行うのも良いですが、土地評価は専門性もあるので少々面倒です。
そのため、不動産に詳しい相続専門の税理士に相談しても良いでしょう。
専門の税理士であれば、土地評価だけでなく建物の評価や、その他面倒な相続手続きを任せられるメリットもあります。
初回は無料相談を受けている事務所も多いので、一度ご検討ください。
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相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
ご家族が亡くなると相続が発生しますが、その相続によって一定額の財産を取得する場合には、相続税の申告と納付が必要になってきます。
これらの期限は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内となっていますが、もしその10か月以内に申告や納付をしなかったり、申告額が間違えてしまった場合はどうなるのでしょうか?
申告や納付に関するペナルティは状況によって異なる
相続税の申告や納付を正しく行わない場合、罰則がつきます。
罰則というのは、具体的に「加算税」と「延滞税」という追徴課税です。
これらの追徴課税はケースごとによって課せられますが、場合によってはとんでもなく高い税金を支払わなければならなくなることもあります。
申告が無かった場合
期限までに申告を行わなかった場合、「無申告加算税」が課されます。
たとえ、1日遅れただけでもかかるので期限には十分注意してください。
課税率は以下の通りです。
- 税務調査の事前通知前に期限後申告書を自主的に提出…一律5%
税務調査の事前通知以後に期限後申告書を提出…50万円まで10%、50万円超の部分に15%
調査による更正など予知以後に期限後申告書を提出…50万円まで15%、50万円超の部分に20%
税務調査の通知が入る前、事前通知があり税務調査が入る前、税務調査を受けた後と、どのタイミングで期限後申告を行うかで税率が変わってきます。
申告額が少なかった場合
期限内に申告を行っても本来の納税額より低かった場合は、「過少申告加算税」がかかります。
過少申告加算税は、正しい税額と最初に支払った税額との差分についてかけられます。
課税率は以下の通りです。
- 税務署から事前通知を受けて調査前に修正申告をする…当初の納税額と50万円のいずれか多い方以下の部分に5%、それらを超える部分に10%
税務調査を受けてから修正申告をする…当初の納税額と50万円のいずれか多い方以下の部分に10%、それらを超える部分に15%
一度提出した申告が誤りだと気づき、法定期限までに修正申告を行えば、過少申告加算税はかかりません。
相続税の納付期限を守らなかった場合
相続税を申告期限までに納付できず、申告期限後に納付した場合、納付期限の翌日から納付した日までの日数に応じて、利息に相当する金額が延滞税として課税されます。
支払う税額は以下の通りとなります。
税率は、相続税の納付期限の翌日から2ヶ月までは年2.6%でそれを過ぎると年8.9%が課されます。(税率は平成30年1月1日から令和2年12月31日までの期間のものです。)
2ヶ月という括りは
- 期限内に申告された場合には法定納期限
- 期限後申告又は修正申告の場合には申告書を提出した日
- 更正・決定の場合には更正通知書を発した日から1月後の日
となります。
故意の隠蔽や詐欺など悪質だと見られる場合
重加算税とは、相続財産を隠したり、故意に相続税を低く見せようとする悪質な場合に課されます。
課される税率も以下のように相当に重いものとなります。
- 相続税の申告書を提出していた場合…35%
相続税の申告書を提出していなかった場合…40%
罰則の対象は相続財産を意図的に隠して申告しなかった場合等です。
申告をうっかり忘れていた場合には基本的には、この「意図的に」と言う部分に該当しないため重加算税はかかりません。
まとめ
相続税がかかる財産の範囲はとても広く、加えて評価の方法も異なるので、ただしい相続税を算出するのも大変です。
そのため、誤った税額で相続税申告を行ってしまい、結果的に加算税や延滞税を課せられるというケースも多いのです。
場合によっては高額の税金を払うリスクもあるので、不安な場合は相続税専門の税理士へご相談ください。
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前回のコラムで概要をご紹介しましたが、相次相続控除とは10年以内に相続が立て続けに起こった際に一定の相続税を控除する制度です。
短期間での二重の税負担を軽減し、遺族が困窮しないようにする目的があります。
本コラムでは同制度の手続き方法や留意事項について解説していきます。
※前回のコラムも是非一読ください。
相次相続控除の手続き方法
(1)手続き期限
相次相続控除の手続きは、2次相続の相続税申告のタイミングで行います。
よって、通常の相続税申告と同じく「相続開始を知った翌日から10か月以内」に手続きを行います。
場所も2次相続における被相続人の住所地を管轄する税務署にて行います。
なお、相次相続控除の適用で相続税が0円となるなら、申告は要りません。(他の特例制度を利用している場合は、申告が必要になります。)
(2)提出書類
2次相続における書類に加え1次相続で提出した書類も必要になります。
《2次相続の書類》
- 相続税の申告書
- 相次相続控除額の計算書
《1次相続の書類》
- 相続税の申告書
- 相続税が課税される財産の明細書
- 相続時精算課税適用財産の明細書
- 相続時精算課税分の贈与税額控除額の計算書
- 純資産価額に加算される暦年課税分の贈与財産価額及び特定贈与財産価額出資持分の定めのない法人などに贈与した財産特定の公益法人などに寄附した相続財産・特定公益信託のために支出した相続財産の明細書
- 相続財産の種類別価額表
1次相続の書類は申告時に使用した書類のコピーを添付すればOKです。
留意事項
(1)特例の適用額は各相続人で選択不可
控除額は1次相続で取得した財産によって決まるので、各相続人が控除額を振り分けるといったことは不可能です。
(2)更正の請求や修正申告で適用可能
前述した通り、相次相続控除の申請は2次相続の相続税申告のタイミングで行いますが、修正申告や更正の請求の際に申請しても大丈夫です。
(3)遺産分割が未完了でも適用できる
相次相続控除は遺産分割協議が未完了でも適用可能です。
その場合は、法定相続分に従って一時的に相続税を算出します。
まとめ
相次相続控除の手続き方法や留意事項について解説いたしました。
相次相続控除は要件や控除額計算が少し難しいですが、とてもお得な制度です。
しっかり理解しておいて、いざ相続が発生した際に適用出来るようにしておきたいですね。
万全を期すなら相続税専門の税理士に相談する方が確実です。
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父親が他界した数年後に母親が亡くなる等、相続手続きが短期間で発生するのも珍しくありません。
この一定期間内(10年以内)に相続が起きることを「相次相続」と言います。
相次相続には、税金を安くするお得な控除制度が設けられています。
相続財産を取得すれば相続税が課せられるので、本来なら起きた相続の分だけ税金を支払わないといけません。
しかし、短期間での二重の相続税支払いは、遺族の生活に多大な負担を及ぼす可能性もあります。
そのため、救済措置として「相次相続控除」という制度が認められているのです。
相次相続とは
冒頭で述べたように、相次相続とは10年以内に立て続けに起きる相続のことです。
最初に起きた相続は1次相続、その後起きた相続は2次相続となります。
なお、同時に亡くなった場合は、相次相続には該当しません。
相次相続控除とは
(1)制度概要
この制度は相次相続について2次相続で課税される相続税から一定額を控除するものです。
短期間での二重の税負担によって遺族が困窮しないように設けられた制度と言えます。
(2)制度要件
- 被相続人の相続人であること
- 1次相続と2次相続の間が10年以内であること
- 1次相続では被相続人が相続税を課されている
制度適用には上記全てを満たします。
1次および2次での相続人が対象のため、相続放棄や相続廃除・欠格があった場合は適用外です。
また、被相続人の血縁関係者以外が遺贈で財産を取得しても、相次相続控除を利用できません。
相次相続控除の計算方法
控除額は以下の計算式で算出します。
※A×C/(B-A)で算出した割合が100/100を超える時は、100/100とする。
- A:2次相続の被相続人が1次相続で課税された相続税額
※相続時精算課税等の贈与税額控除後の金額で、延滞税などの加算税額は含まない。
B:被相続人が1次相続で取得した純資産価額
※「取得財産の価額+相続時精算課税適用財産の価額-債務および葬式費用の金額」で計算。
C:2次相続で財産を取得した相続人全ての純資産価額合計
※遺贈・相続税課税対象の贈与も含む。
D:2次相続におけるその相続人の純資産価額
E:前の相続から今回の相続までの年数 ※1年未満は切り捨てること。
計算式からわかる通り、1次相続と2次相続までの年数の短さによって控除額は変化します。
そもそもが短期間での税負担を軽減するための控除制度なので、当然ですね。
まとめ
医学の進歩によって現代人の寿命も延びましたが、人の死は予測できないものです。
短期間のうちに家族の死が相次いで、相続手続きが重なることも多いでしょう。
相次相続控除はそのような状況にとても役立つ制度なので、是非覚えておいてください。
なお、相次相続控除以外にも相続税の控除制度は何点かあるので、少しでも多くの財産を残したいのであれば、相続専門の税理士への相談もご検討ください。
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遺言書は相続財産について亡くなった方の意思が書かれたものであり、相続手続きにおける重要書類です。
ただし、そのままでは使うことはできず、家庭裁判所で検認という手続きをする必要があります。
検認とは、相続人に遺言書の存在と記載内容を認知させる手続きで、偽造や変造を防ぐ目的があります。
このコラムでは、検認の手続き方法について紹介いたします。
検認が必要な遺言書
検認が必要な遺言書は以下の通りです。
- 自筆証書遺言(法務局の保管制度を利用しない)
- 秘密証書遺言書
逆に不要なのは以下です。
- 公正証書遺言
- 自筆証書遺言(法務局の保管制度を利用)
不要かどうかは、偽造や変造のリスクの有無によります。
公正証書遺言や保管制度を利用すれば、原本は役場や法務局に保管されるので、検認も不要となるのです。
なお、遺言書には特別方式遺言というものもありますが、こちらでは裁判所での「確認」が必要になります。
確認とは、その遺言が「遺言者の真意に出たものである」か否かを判断する手続きです。
期限内に証人または利害関係人から、家庭裁判所に対して申立てを行います。
遺言書の開封はしないこと
前回のコラムでも述べていますが、遺言書を勝手に開封するのは民法で禁じられています。
開封した場合は、5万円以下の過料を支払わなければならない可能性も出てきます。
偽造や変造を疑われることもあり、リスクが高いので絶対に開かないでください。
検認の手続き
まず、検認手続きは
- 遺言書に遺言書保管を任されていた方
- 遺言書の発見者
のどちらかが行います。
申し立てには以下の書類を用意します。
- 遺言書
- 検認申立書(800円分の収入印紙を貼付すること)
- 連絡用の郵便切手
- 遺言者の出生から死亡までの戸籍謄本
- 相続人の戸籍謄本
- 申立書(家事審判申立書・当事者目録)
- 免許証やパスポートの写し等の身分証明書(申立人が相続人や受遺者に該当しない場合)
申し立ては遺言者が最後に住んでいた住所地を管轄する家庭裁判所に行います。
まとめ
検認が必要な遺言書が見つかったときは、速やかに裁判所での手続きをしましょう。
検認には1か月程度かかるので、その間は相続手続きが止まってしまいます。他の手続きの期限は延長されないので十分に注意してください。
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「故人の家で遺品を整理していたら、遺言書が出てきた」というのはよくあるケースです。
遺言書とは相続財産の分割や方法について、被相続人の意思が反映されたものであり、相続の手続きにおいて重要なものです。
しかし、遺言書を見つけたからといって、その場で封を開いて中身を確認してはいけません。
遺言書を相続で利用するには、「検認」という手続きをしなければならないからです。
もし、勝手に開封すれば、法律違反として罰則を受ける可能性があります。
遺言書は勝手に開けないこと
民法1004条にて、「遺言書は勝手に開封してはいけない」と決められています。
発見した場合は、遅滞なく家庭裁判所に提出して、検認を受けなくてはなりません。
検認とは遺言書の証拠保全手続きです。
家庭裁判所で遺言書の内容を明らかにして、他の相続人に伝えることで、偽造や変造を防ぐ目的があるのです。
よって、遺言書は検認の手続きをするまで、大切に保管しておくべきです。
なお、検認は遺言書自体が有効であるかどうかを決定するものではありません。
遺言の有効性に疑いがある場合には、遺言無効訴訟等を起こして争います。
開封による罰則
(1)5万円以下の過料
検認手続きをせずに遺言書を開封したり遺言内容を執行した場合、5万円以下の過料を支払わなければなりません。
過料とは、行政上、軽い禁令を犯した際に科される金銭罰です。
(2)破棄や改ざんがあれば相続人資格を剥奪される
もし、遺言書の破棄や改ざんをすれば、更に重いペナルティとして相続人資格が剥奪されます。
相続人資格がなくなれば、分割協議に参加できず遺産はもらえません。
加えて、他の相続人が損害を被る行為であった場合、損害賠償責任を問われる上、5年以下の懲役に罰せられる可能性もあります。
開封を防ぐための対策
(1)二重封筒を使う
検認手続きを知らず、遺族が遺言書を開封する可能性は高いと言えるでしょう。
そのため、遺言書が発見された時のことを考えた上で対策を講じます。
有効なのは、遺言書を入れる封筒を二重にする方法です。
少し大きめの封筒に注意書きのメモと遺言書の入った封筒を入れるのです。
この方法であれば誤って外側の封筒を開いてもメモを見れば、中の封筒の開封を思い留まってくれます。
メモには「遺言書在中」であること、「裁判所で検認を受けるまで開封しないこと」という旨を書いておけばわかりやすいでしょう。
(2)公正証書遺言書を活用する
一般的な遺言書で検認が必要なのは、自筆証書遺言書や秘密証書遺言です。
原本が役場に保管される公正証書遺言書は偽造や紛失のリスクがないので、開封しても問題ありません。そもそも、検認手続きをしなくて良いのです。
そのため、公正証書遺言書を作成するのも有効な方法と言えるでしょう。
ただし、証人の用意や役場の担当者との事前打ち合わせなど、作成自体の手間はかかることは覚えておきましょう。
(3)保管制度を利用する
相続法改正に合わせて、自筆証書遺言が法務局で保管する制度が2020年の7月より開始されています。
この法務局で保管される自筆証書遺言は、検認不要となるので、開封の心配はなくなります。
利用する場合は、生前に家族に遺言書の原本が法務局に保管されていることを伝えておきましょう。
まとめ
検認は、遺言書の偽造・変造を防ぐための証拠保全手続のため、手続きを行う前に中身を開いてしまうことはいけません。
必ず家庭裁判所で手続きを行なってください。
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手軽に作成できる「自筆証書遺言」は利用者の多い遺言書です。ただしその反面、書き間違いで無効になるケースも多いと言えます。
時間をかけて作った遺言書を無駄にしないためにも、作成の際には要件を守らなくてはなりません。
自筆証書遺言とは
自筆証書遺言は一般的な遺言書である普通方式遺言の一種です。
- 紙とペンがあればすぐに作成できる
- 手数料などの費用がかからない
の点から、最も手軽に作れる遺言書です。
ただし、その反面、
- 書き間違いが多く無効になるリスクが高い
- 原本の保管を遺言者自身で行うので、紛失するリスクも高い
といったデメリットもあります。
なお、自筆証書遺言書は、相続が始まると家庭裁判所で「検認」しなければなりません。
検認とは、他の相続人に遺言の存在や記載内容を通知することと、偽造や変造がないか確認するための手続きです。(遺言者が有効か無効かを審査するものではありません。)
検認前に開封してしまうと5万円以下の過料が課されるので注意してください。
自筆証書遺言の要件
自筆証書遺言を有効とするには
- 本文を自筆で記入(財産目録はパソコンで作成可能)
- 日付を入れる
- 署名・押印がしてある
の要件を満たします。
もし、どれか一つでも抜けてしまえば無効になります。
また内容においても
- 第三者が見て内容がわかる
- 曖昧な書き方をしない
- 遺言書の効力の範囲外の事項を書かない
という点に注意して記入しましょう。
記入にあたって用いる筆記具等はペンでも筆でも良いですが、長期保管を考慮して、紙は高品質・高耐久、筆記具については消えにくいインクのものを選びましょう。
作成方法の流れ
(1)所有財産の把握
まず、遺言書を書く前に、自身の所有財産について把握しておきます。
遺言書に記す財産内容と実際に相続で取得する財産が違うと、分割もスムーズに行きません。
しっかりと把握したら、財産目録を作っておきます。
(2)財産特定の資料準備
相続人が財産を把握できるように、財産特定が可能な資料を準備します。
土地の場合は登記簿、預貯金なら支店名や口座番号を記載して、誰が見てもわかるようにしておきましょう。
(3)財産の配分内容を決める
相続開始時に法定相続人となる人を確認し、配分内容を決めます。
被相続人の配偶者は必ず法定相続人になり、そのほかは子供、両親、兄弟姉妹と順位にしたがって、法定相続人となります。
気をつけたいのは、各相続人の遺留分です。
遺留分とは、法定相続人が最低限の財産を取得できる権利で、遺言書の効力でも侵害できません。
侵害するような内容にしてしまうと、相続手続きでの手間を増やす他、相続人同士の対立を引き起こしてしまいます。
十分に注意しましょう。
配分内容を決めたら、分割が円滑に進むように遺言執行者を決めることも重要です。
(4)遺言書の作成
本文は必ず自筆で書きます。
- 日付は年月日で書く
- 誰が見ても読めるように明瞭な字体で書く
- 財産の特定は資料に基づいて正確に記入する
- 氏名は戸籍に記されている正確な漢字で書く
上記の点に気をつけて記入してください。
(5)遺言書を封筒に入れて封印する
封をするのは法律上の要件ではないのですが、内容を改ざんされないためにもやっておきましょう。
封筒には遺言書が入っていることと、作成者の名前を書いておきましょう。
「検認を終えるまで封を開かないこと」というメモも添えれば、誤って封をきられることもありません。
自筆証書遺言の保管制度
自筆証書遺言の保管制度が2020年の7月より実施されています。
同制度は、法務局で遺言書の原本を保管できるので、紛失はもちろん偽造・変造のリスクも軽減でき、相続開始時に検認を受けなくても良くなります。
相続人としても、遺言者の死亡後に原本の照会や、閲覧請求が容易にできるので大変便利です。
自筆証書遺言を作成する場合には、是非覚えておきましょう。
まとめ
繰り返しとなりますが、自筆証書遺言は手軽に作成できる反面、書き間違いで無効になるケースの多い遺言書です。
時間をかけて作った遺言書が無駄にならないよう、要件をしっかり守って作成してください。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。
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こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
遺言書がない場合や、遺言書があっても相続人の合意がある場合は、「遺産分割協議」を開いてそれぞれの遺産取得分を決めます。
実はこの遺産分割協議は一定期間禁止にすることもできます。
遺産分割を禁止する意味
民法では、5年以下の範囲で遺産分割協議を禁止できます。
なお、5年経過後には再度5年を超えない範囲で期間を更新できます。
遺産分割を禁止できる理由としては、相続開始直後に分割協議を行うことでトラブルになる可能性もあるからです。
相続には「隠し子の発覚」など予期せぬことも起こります。
被相続人の通夜や葬儀で忙しい中で急な事実を突きつけられると、分割協議も上手くいきません。
遺産分割の禁止は遺族へのクールダウン効果があります。
冷静になってから協議をさせることで、揉めるリスクを軽減する狙いがあります。
また、相続人に未成年者がいる場合、遺産分割協議に直接参加できないので代理人が必要ですが、「本人の判断で遺産分割協議に加わって欲しい」と考える遺言者もいるので、そのような場合は未成年者が成人するまで遺産分割の禁止を指定することもあります。
遺産分割禁止の方法
(1)遺言書に記載する
遺言書には遺産分割を禁止する効力があります。
なお、相続財産の一部を分割禁止にもできるので、不動産のみを分割禁止にしても問題ありません。
(2)相続人同士での合意
遺言書内で指定されていなくても、相続人同士の合意があれば可能です。
なお、相続財産は共有状態となることに注意しましょう。
(3)家庭裁判所に手続きを行う
家庭裁判所に申立てて分割の禁止を行う場合は特別な事由が必要です。
特別な事由とは
- 相続人が未確定
- 相続財産の全容が明らかでない
- 遺産の対象となる財産の所有権が係争中
- 不動産の境界について係争中
などです。
禁止にあたっての注意点
遺産分割の禁止を行うなら、相続税の納付・申告期限に注意しましょう。
申告期限を過ぎてしまうと、相続税を控除する特例制度も利用できなくなります。
遺産分割禁止を行うなら「やむを得ない事情」として、申告期限後3年を経過する日の翌日から2か月を経過する日までに、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出して承認を得ないと、特例適用を受けられません。
まとめ
遺産分割の禁止は残された遺族へのクールダウン効果があります。
分割協議で揉めそうな場合は、利用するのも良いでしょう。
ただし、禁止によって税務上の手続きも変わってくるので、期限切れにならないように気をつけるべきです。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
遺言書は、遺産分割の内容や方法などを被相続人が指定できるもので、相続において重要な書類となります。
とても強い効力を有していますが、出来ることと出来ないことは決まっています。
このページではそんな遺言の効力についてご紹介いたします。
作成した遺言がしっかりと効果を発揮するよう役立ててください。
遺言書の効力
(1)相続財産の配分指定
各相続人の財産取得分について、遺言者の自由にできます。
配分率は法定取得分と異なっても良いので、配偶者に多めに財産を取得させても問題ありません。
ただし、「遺留分」には注意してください。
遺留分とは、法定相続人が最低限の遺産を取得する権利で、遺言書の力でも侵害することはできません。
遺留分の侵害は相続手続きでの手間を増やすことにもなるので、気をつけましょう。
(2)遺産分割方法と分割禁止の指定
遺産分割の方法を指定したり、第三者に一任させる(遺言執行者の指定)ことも可能です。
また、相続開始から五年以下の条件で遺産分割自体を禁止することもできます。
相続開始直後は感情的になって、遺族同士で衝突しやすいと言えます。
そのため、遺産分割の禁止をクールダウンとして利用するケースもあるのです。
(3)遺贈の決定
法定相続人以外の方(例えば、被相続人の甥や血縁関係のない友人等)に相続財産を渡すことも可能です。
これを遺贈と言います。
ただし、遺贈を行う場合は、法定相続人に対しての配慮が必要です。
相続でのトラブルに発展しないよう、生前のうちから説明を行うなどしておきましょう。
(4)内縁の配偶者との間にできた子の認知
婚姻関係のない女性、いわゆる内縁の妻との間にできた子供について、遺言書内で認知できます。
認知すれば、該当の子供は法定相続人となるので、分割内容にも配慮しましょう。
(5)相続廃除等に関する事項
相続廃除とは、特定の推定相続人が被相続人に対して虐待や侮辱等を行なっていた場合に、相続人資格を剥奪する制度です。
家庭裁判所に「推定相続人廃除審判申立て」を行った後、受理されれば廃除が決まります。
相続廃除の実行には、遺言執行者を指定しておきます。
指定がないと、廃除の申立てが行われない場合があるからです。
(6)後見人の指定
相続人に未成年等がいる場合、相続手続きを行うには代理人を立てなければなりません。
遺言書内で後見人を指定し、該当相続人の財産管理や手続きを一任することができます。
(7)相続人相互の担保責任の指定
取得財産が他人のものであったり、欠陥があった場合、他の相続人は担保責任を負います。
遺言者は、この担保責任の負担者の指定や負担の割合を決めることができます。
まとめ
遺言書の効力について説明いたしました。
遺言書にはいくつかの種類がありますが、作成方法は異なります。
つまり、ルールに従って作らないと無効になります。
せっかく手間をかけた遺言書も無効になると、効力を持ちません。
確実なものを作るのであれば、専門の税理士に依頼する方が良いでしょう。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。
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