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厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
相続人資格を自ら手放す「相続放棄」は相続財産に借金等が多い場合に利用される手続きです。
相続開始から一定期間内に家庭裁判所へ申し立てを行い、受理されることで手続きは成立しますが、ケースによっては不可となる場合もあります。
どんなケースが該当するのか、このコラムで詳しく解説いたします。
相続放棄とは
相続放棄とは、故人が遺した財産について一切相続をしない=相続人としての権利を手放すことです。
前述したように相続財産の中に借金が多くプラスの財産を上回る場合に利用されます。
- マイナスの遺産(借金)を放棄できる
- 面倒な不動産を引き継がなくて良い
- 遺産分割協議などの手続きから解放される
などのメリットもありますが、
- 一部の遺産を引き継げない
- 原則、取り消しができない
などのデメリットもあるので、慎重な判断が求められます。
相続放棄ができないケース
(1)熟慮期間を過ぎている
相続放棄はその相続人が相続開始を知ってから3ヶ月以内に行うというルールがあります。
この期間は「熟慮期間」と言い、相続手続きをするかどうかを考えるものです。
熟慮期限を過ぎてしまえば、単純承認をした=相続財産を取得したとされ、相続放棄の申し立てができなくなってしまいます。
熟慮期間は延長することもできますが、
- 被相続人が多重債務をしていて、整理に時間がかかる
- 所在不明の相続人がいて話し合いや調整に時間がかかる
などの理由が必要です。
なお、延長の申し立て自体も熟慮期間内にしなければならないので、手続きは余裕を持って進めるべきです。
(2)書類不備
提出書類に不備があり、期限内に再提出できなかった場合も不可です。
特にご自身で手続きをする際は、申述書の記入ミスや必要書類の不足等が起こりやすいので注意しましょう。
申立ての手続きは専門家が代行できますが、申し立て後に家庭裁判所から相続人本人の意思に基づいているかどうか確認されます。
(3)財産を処分してしまっている
被相続人が所有していた不動産や自動車等を売ったりした場合、財産を処分した=相続したとなるので、単純承認が成立します。
そうなれば相続放棄もできなくなります。
預貯金の払い戻しや、携帯電話等の解約も財産処分になるので、くれぐれも注意してください。
また、少額でも債務の精算を行うと、相続を行ったと判断されてしまいます。
債権者もあの手この手で返済を迫ってきますが、催促があっても返済に応じてはいけません。
まとめ
相続放棄ができないケースについて解説いたしました。特に注意すべきなのは、財産処分のパターンです。
財産整理をして、遺産の全容を把握するまでは、財産に関する契約の締結や解除、債務の精算をしないように気をつけましょう。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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相続人に障害者がいる場合、相続税額について一定額を控除できる制度があり、これを「相続税の障害者控除」と言います。
対象となるのは障害者手帳を持っている人や要介護認定を受けている方の他、一定条件に当てはまる方です。
本コラムで解説いたしますので是非、参考にしてください。
相続税の障害者控除とは
障害者控除とは、相続人が障害者の場合に相続税額から一定の金額が差し引かれる制度です。
控除は障害者本人のみでなく、その親や兄弟の相続税額の控除も可能です。
また障害者控除の場合は、基礎控除のように遺産総額から控除額を差し引くのではなく、「課税対象額に税率をかけて算出された相続税額自体から差し引く」仕組みになっています。
具体的な計算式で表すと以下のようになります。
控除額の仕組み
控除額は、相続人の年齢と、「一般障害者」か「特別障害者」かで異なります。
特別障害者は、日常生活に常時の介護が必要な重度の障害を持つ方として区分されるもので、一般の障害者よりも控除額は高額に設定されています。
特別障害者の場合…(85歳-相続開始時の満年齢)×20万円
なお、相続人の年齢は満85歳までなので、相続人の年齢が若い分だけ控除額も高くなっていきます。
例えば、対象の相続人が特別障害者で20歳である場合、控除額は(85-20)×20=1,300万円となります。
制度要件
- 取得した財産が相続もしくは遺贈によるものである
- 相続人本人が障害者であること
- 相続人本人が法定相続人であること
- 財産を取得した時点で日本国内に住所を持っていること
上記が障害者控除の主な要件です。
財産取得の時点で、日本国内に住所がないとダメですが、
- 日本国籍を持っている
- 被相続人と相続人のどちらかが、相続開始前5年以内に日本国内に住所を持っている
の二つの条件を満たす場合は適用対象となります。
また、相続開始時に障害者手帳の交付を受けていない場合でも、以下の条件を満たせば制度利用が可能です。
- 相続税の申告書を提出する際に、障害者手帳の交付を申請している
- 障害者手帳の交付を受けるための医師の診断書や精神障害を支給事由とする給付を現に受けていることを証明する書類を持っている
- 相続開始時に医師の診断書通りの障害がみられる
障害者ではない他の相続人の相続税も軽減可能
控除額が自身の相続税額を超えて高額である場合、超過分を他の相続人の相続税から差し引くすことも可能です。
ただし、適用には障害者との関係が扶養義務者であることが条件です。
(扶養義務者は、配偶者・直系血族・兄弟姉妹・3親等内の親族)
例えば、25歳の一般障害者Aさんが、遺産を取得した際の障害者控除は(85-25)×10=600万円です。BさんはAさんの扶養義務者だったとします。
Aさんに300万円、Bさんに500万円の相続税がかかっていたとすると、障害者控除を活用することで、Aさんの税額を0円、Bさんの税額を200万円まで減額できます。
まとめ
相続税の障害者控除についての要件や控除額等を解説いたしました。
相続税の障害者控除は相続税の軽減効果が大きい他、他の相続人の税額を減らすことも可能な点にメリットがあります。
適用要件に当てはまる場合は、積極的に活用しましょう。
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遺言書がなければ、遺産分割協議によって財産の配分内容を決定します。
この遺産分割協議は上手くまとまらないケースもあり、中には数年経っても終わらないこともあります。
ここで問題となるのが相続税の申告と納付です。遺産分割協議が長引いても、原則として期限は変わらないからです。
申告期限を過ぎると、加算税などの罰則を受ける羽目にもなります。
また、遺産分割協議が決着しないまま、相続税を申告することにはデメリットもあります。
このページではそれらの事項について解説していきます。
相続税の申告と納付期限は変わらない
相続税は、相続人が相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告と納付を行います。
前述した通り、この期限は原則として延期されません。
そのため、遺産分割協議が決着していなくても守らなくてはなりません。
なお、「相続人の異動」や「相続人としてカウントしていた胎児が生まれた」などの特別な事由がある場合に限り、最大2ヶ月間の期限延長ができますが、かなり稀なケースなので基本的に延長は考えないほうが良いでしょう。
遺産分割協議が決着しない場合のデメリット
遺産分割を完了せずに相続税の申告と納付を行うと、以下のデメリットが生じます。
(1)相続税は法定相続分の割合で算出する
納める相続税は一旦、法定相続割合に応じた割合で納めることになります。
法定相続割合は下記の通りです。
・配偶者は1/2
・子供は1/2(全員で分割)
②配偶者と親が相続人の場合
・配偶者は2/3
・子どもは1/3(全員で分割)
③配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合
・配偶者は3/4
・兄弟姉妹は1/4(全員で分割)
④相続人に配偶者がいない場合
・相続人全員で均等に配分
法定相続割合に応じた税額で納付を行うとなると、遺産分割で法定相続分より少ない財産を取得する予定でも、一旦は高い相続税を納めなければなりません。
納め過ぎた場合は後に還付の手続きをしなければ取り戻せないので、少々手間が増えてしまいます。
(2)一部の特例制度が適用不可
相続税には要件を満たすことで活用できる特例の控除制度がありますが、遺産分割が決着している必要があります。
- 配偶者の取得財産について1億6千万円まで非課税になる配偶者控除
- 自宅や貸付用の土地評価額が最大80%減額になる小規模宅地等の特例
- 金銭で納付が困難な場合に、不動産等で相続税を支払う物納制度
遺産分割が終わっていなければ、上記の様な特例制度を使えなくなり、控除できた税金を支払うことになります。
ただし、申告書と一緒に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添えて提出した場合には、遺産分割を終えた後に再度申告書を提出すれば、特例制度が適用可能となります。
もし、申告期限の3年以内に遺産分割がまとまっていないのであれば、申告期限後3年を経過する日の翌日から2ヶ月までの間に、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出する必要があります。
やむを得ない事由とは、遺産分割に関する訴訟がある場合、調停、審判の申立てがされている、または遺言で遺産分割が禁止されているケースです。
やむを得ない事由が解消したら、その日の翌日から4か月以内に遺産分割を完了しなければなりません。
(3)遺産分割の決着後に相続税申告書の再提出が必須
遺産分割が終わったら、実際に相続した財産額に基づいて相続税の申告と納付を行います。
つまり、申告書をもう一度提出しなければなりません。
期限は、遺産分割協議が完了してから4ヶ月以内となっています。
前述しましたが、相続税を多く支払っている場合は還付の手続きをしないとおさめすぎた税金は返って来ないので注意しましょう。
まとめ
相続人にどんな事情があろうが税務署は待ってはくれないので、遺産分割がまとまらなかったとしても相続税申告を行う必要があります。
期限までに相続税申告ができない場合には、特例や控除が使えなくなるリスクがあるので、どんな事情があっても、とりあえずは法定相続分の割合での相続税申告を期限までに行うようにしましょう。
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前回のコラムでは相続税がかからないケースをご紹介しました。
実は生前贈与についても贈与税がかからないケースがあります。
基本的なケースとしては贈与額が年間の非課税枠(110万円)内におさまったり、特例制度を利用して税額を0円にするケースがありますが、そもそも贈与税の対象でないケースもあります。
控除制度の使用で無税となるケース
(1)年間の贈与額が110万円以内の場合
生前贈与の場合、1年間の贈与額が110万円以下の場合、贈与税は課せられません。この場合、申告も不要です。
なお、110万円を超える場合は、超過分の金額に応じて贈与税が課税されます。
(2)特例制度を利用して税額を0円とした場合
生前贈与にも、各要件を満たすことで高額の控除が可能となる特例制度があります。
- 居住用の不動産もしくはその購入資金であれば2,000万円まで非課税にできる「配偶者特別控除」
- 教育費用の贈与なら、最大1,500万円まで非課税になる「教育資金一括贈与の特例」
- 結婚や子育て資金の贈与なら1,000万円まで非課税となる「結婚・子育て資金の一括贈与」
などがあります。
各制度には細かい要件があるので注意してください。
また、税額が0円になったとしても申告が必要なことにも注意しましょう。
離婚時の慰謝料や交通事故等での損害賠償金
離婚した際に発生する慰謝料や子供の養育費・財産分与には贈与税がかかりません。
また、交通事故等の際に被害者に支払う損害賠償金も同じです。
ただし、金額が高額になるケースにおいては贈与税が課税されることもあります。
公益・社会福祉を目的とするもの
公益や社会福祉を目的とした事業(ボランティア活動や慈善事業)を受贈者が行っていて、贈与資金が該当事業に充てられる場合は非課税となります。
法人から受けた贈与や法人が受けた贈与
贈与税は、そもそも個人の間で取引された財産が対象です。よって、「法人と個人」の間でやりとりされた財産は対象外です。
しかし、別の税金が課されます。
(1)法人から個人への贈与には所得税
法人から個人へ贈与があった場合は、所得税が課税されます。
例えば、会社から所属社員へ贈与をすれば、扱いは給与所得となり所得税が課税されます。
個人が所属社員でない場合でも、一時所得とみなされ、同じように所得税が課税されます。
(2)個人から法人への贈与には法人税
個人から法人へ贈与された場合は贈与税ではなく、法人税が課税されます。
法人側が無償で財産を受けた場合は「受贈益」として処理します。
利益が増えると所得が増え、結果的に法人税が多くなるわけです。
扶養義務者からの必要な贈与
贈与者が受贈者の扶養義務者にあたる場合において、生活や教育を目的とした贈与には基本的に贈与税はかかりません。
扶養義務者とは受贈者の配偶者や両親、祖父母、曽祖父母の他、兄弟姉妹の他、三親等内の親族で生計を一にする人です。
つまり、夫から妻へ必要な生活費を渡すこと、祖父母から孫へ入学費などを渡しても贈与税は課税されないのです。(ただし、都度必要な場合にのみ限る。)
詳しくは下記のリンク先を一読下さい。
まとめ
贈与税がかからないケースについてご紹介いたしました。
生前贈与を行うには贈与税に注意しなくてはなりません。
贈与税は財産額によっては高額にもなるため、可能な限り安く抑えて受贈者の負担を軽くしてあげたいものです。
生前贈与で節税を考えるなら、相続専門の税理士に相談することをお勧めいたします。
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相続における被相続人数(死亡者数)は年々増加傾向にあり、2015年では1,290,444人でしたが2018年には1,362,470人まで増えています。
相続件数が増えるに従い、相続税が課税される件数も増えていますが、中には相続税がかからないケースも一定数存在します。
では、相続税がかからないケースとはどのようなケースか。
このページでは該当するケースをまとめていますので、参考にしてください。
ケース1:相続財産の総額が基礎控除を下回る
相続税には「基礎控除」と呼ばれる控除枠があります。
もし、相続財産の総額(課税対象額)が基礎控除の範囲内なら、相続税はかかりません。
基礎控除額は以下の数式で算出されます。
基礎控除=3,000万円+(法定相続人の数×600万円)
例えば、家族構成が父と母と子供2人の合計4人で父が亡くなった場合、基礎控除額は3,000万円+(3人×600万円)=4,800万円となります。
もし、財産総額が4,800万円以下なら相続税はかかりません。
ケース2:配偶者控除(配偶者の税額軽減)の活用
相続税の控除制度には前述した基礎控除の他に、各要件を満たすことで活用できる特例制度があります。
「配偶者控除(配偶者の税額軽減)」はその一つで、配偶者が取得する相続財産については一定額を控除する仕組みになっています。
具体的には「1億6,000万円」か「配偶者の法定相続分額」のどちらか大きい金額まで非課税になるので、かなりの税額を抑えることが可能です。(金額を超えた場合は、控除分を差し引いて相続税が課税されます。)
そのため、同制度を利用すれば高い確率で相続税を無税にできるでしょう。
なお、制度利用の要件としては、戸籍上の配偶者であること以外にも細かい事項が設けられています。
詳細は以下のリンク先を一読下さい。
ケース3:小規模宅地等の特例の活用
小規模宅地等の特例とは、被相続人や生計を共にする親族の事業用や居住用として使用している宅地について、評価額を最大80%減額する制度です。
減額できる面積や割合は土地の種類(居住用や事業用など)によって変わります。
こちらも、ケースによっては相続税を0円にすることも十分にあり得ます。
なお、前述した配偶者控除同様、細かい取り決めがあるので注意しましょう。
注意点
三つのケースを紹介しましたが、相続税が0円になるからと言って申告が不要とはなりません。
申告が不要なのは、相続財産が基礎控除を下回る場合のみで、特例制度を活用する場合は、相続税がかからなくても申告を行わなければなりません。
逆に申告をしなければ制度の利用ができないのです。
相続税の申告期限は「相続人が相続開始を知った翌日から10か月後」となっています。
特例制度を活用する場合は、忘れずに手続きをしましょう。
まとめ
相続税がかからない三つのケースを紹介しました。
繰り返しますが、相続税が0円の場合でも申告が必要なケースがあります。
これを知らずに申告を怠ると、特例制度の活用ができない他、場合によっては申告漏れになる可能性もあります。
十分に注意して、申告や納付の準備を進めるようにしましょう。
不安な場合は、信頼できる税理士に相談することをおすすめします。
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前回、生前贈与における配偶者特別控除の概要について説明しました。
非課税枠が2,000万円と高額なので非常に魅力的に見えますが、利用方法を誤ると無駄な手間がかかったり、税金面で損をする可能性もあります。
つまり、デメリットも多いので同制度の利用には十分な検討が必要なのです。
生前贈与における配偶者特別控除の概要
「生前贈与における配偶者特別控除」とは贈与した財産について、居住用不動産またはその購入資金であれば2,000万円まで非課税となる制度です。
戸籍上で20年以上の婚姻関係にある夫婦が対象となっています。
制度利用における注意点
(1)税務署への申告が必須
制度利用には税務署に申告書を必ず提出します。
(控除によって、贈与税が無税となっても行います。)
期限は贈与があった年の翌年2月1日から3月15日までです。
(2)贈与回数は1回だけ
同制度を利用して行える贈与は同じ配偶者に対して1回のみです。
つまり、住宅の取得資金を数回に分けて贈与した場合、控除適用されるのは初回のみとなります。
控除額をフルに使うには、一括贈与でなければならないということです。
(3)節税効果は低い
同制度における節税効果ははっきり言って低いです。
なぜなら
- 相続時に配偶者の税額軽減を利用すれば1億6,000万円まで相続税が非課税になる
- 小規模宅地等の特例によって、土地の330㎡まで評価額を80%減額できる
- 相続税の基礎控除額は3,600万円以上ある
という理由があるからです。
要するに、相続税の控除制度にもこれだけのものが揃っているので、わざわざ生前贈与を利用して不動産を渡さなくても良いのです。
生前贈与によって配偶者に不動産を渡してしまうと、小規模宅地等の特例が利用できなくなるので損になってしまう可能性が高いです。
また、受贈者が先に亡くなる可能性もあります。
そうなれば、せっかく贈与した不動産が相続によって再び贈与者のものになってしまい、相続税対策として意味をなさなくなってしまいます。
(4)不動産取得税や登録免許税がかかる
配偶者に不動産を贈与する際には不動産取得税や登録免許税がかかります。
不動産取得税は価格の4%(2021年3月31日までに取得した土地・住宅については3%)、登録免許税は価格の2%が課税されます。
これらの税金は相続時だと不動産取得税は非課税で、登録免許税は価格の0.4%に下がるので、手続費用の面からも損だということがわかります。
まとめ
生前贈与における配偶者特別控除は一見節税に有利に見えますが、実は相続税軽減にはほとんど効果がありません。
家族同士の関係や、財産の運用状況によっては効果的な場合もありますが、非常に稀でしょう。
それでも利用するのであれば、制度の特徴をよく理解した上で行ってください。
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生前贈与には、配偶者に自宅や住宅の取得資金を贈与した場合、一定の範囲で贈与税が非課税になる特例制度があります。
非課税枠が最高2,000万円と高額ですが、婚姻期間が20年以上である等、利用にはいくつかの要件をクリアしなければなりません。
生前贈与における配偶者特別控除とは
「生前贈与における配偶者特別控除」とは贈与で渡した財産が、居住用の不動産もしくはその購入資金であれば2,000万円まで非課税となる特例制度です。
婚姻期間が20年以上の夫婦に限定されることから、「おしどり贈与」とも呼ばれます。
なお、同制度が適用されて非課税となった財産は「特定贈与財産」と言います。
特定贈与財産は厳密には、相続開始前年以前の贈与で取得した財産で、配偶者特別控除が適用され、その控除額に相当する部分を指します。
制度要件
(1)夫婦の婚姻期間が20年以上
婚姻歴は20年以上必要です。1年未満の月数は切り捨てとなるので19年7ヶ月のような場合はNGです。
日数は入籍日からカウントされ、1日でも足りなければ制度利用はできません。
また、婚姻関係は戸籍上のものであることが条件です。
内縁の妻のような関係は認められません。
(2)贈与財産は居住用の不動産かその取得資金
贈与される財産は配偶者が住む不動産か住宅を購入する資金に限定されます。
住宅ローン返済のための資金は認められていません。
なお、不動産は一戸建てやアパートの部屋など建物でなく、土地だけでもOKです。
ただし、土地のみの贈与で控除適用を受ける場合は、以下のいずれかに該当する必要があります。
- 夫もしくは妻が居住用家屋を所有している
- 贈与を受けた配偶者と同居する親族が居住用家屋を所有している
(3)居住する期間が決まっている
非課税の対象となるのは居住用不動産なので、住んでいない不動産や賃貸用不動産はダメです。
贈与があった翌年の3月15日までに対象物件に入居を済ませ、居住し続けなければなりません。
居住していなかったり、贈与された後に不動産を売却した場合にはもちろん控除の適用外となります。
生前贈与加算の対象外
通常の贈与なら、相続開始日から3年前までの贈与は無効となり、相続税の課税対象になります。(納付済みの贈与税を控除した上で相続税が課税されます。)
ただし、配偶者特別控除を利用した場合、相続開始日から3年以内のものであっても、相続税の課税対象になりません。
これは大きなメリットと言えます。
まとめ
今回説明した生前贈与における配偶者特別控除は婚姻歴が20年以上の夫婦であれば、利用ができます。
自身が亡くなる前に、長年連れ添った配偶者に住宅を渡したいと考えている方にはぴったりの制度です。
ただし、節税対策として利用するには、いくつかの難点もあるので注意が必要です。
同制度の注意点については、次回のコラムで解説するので、そちらも参考にしてください。
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故人(被相続人)が生前の一定期間内に収入を得ていた場合、相続人が確定申告と納付の手続きを代行する必要があります。
この手続きは「準確定申告」と言います。
準確定申告は通常の確定申告と名前は似ていますが、まったく別のものです。
準確定申告が必要なケースや手続き方法について、本コラムで解説いたします。
準確定申告とは
準確定申告とは、被相続人の生前の一定期間内の収入に応じて、税金の申告と納付を行う手続きです。
相続人が代行して行います。
対象となる期間は、被相続人が死亡した(相続が開始された)年の1月1日から死亡日(相続開始日)までです。
被相続人の死亡日が3月15日より以前で、前年の確定申告をしていなかった場合は、前年分も合わせて申告する必要があります。
準確定申告が必要なケース
(1)必要なケース
- 被相続人が個人事業主で事業所得を得ていた
- 給与収入が2,000万円を超えていた
- 年金額が400万円を超えていた
- 副収入(必要経費以外)が20万円を超えていた
- 2つ以上の企業から給与収入を得ていた
- 不動産所得を得ていた
- 株や不動産の売却収入を得ていた
- 保険金をもらっていた(相続税、贈与税対象は除外)
上記項目に当てはまる場合は、必ず準確定申告をします。
(2)した方がお得なケース
下記の場合は準確定申告をすると税金の還付を受けられるのでお得です。
- 年金や配当金から源泉徴収された税金額が本来のものより高額だった
- 高額の医療費負担があり、医療費控除を受ける場合
還付金は自動では返ってきません。
高額のお金が返ってくることもあるので、やっておいた方が良いでしょう。
なお、準確定申告で得た還付金は相続税の課税対象です。
よって、相続税の申告期限にも十分注意して、早めに手続きを行いましょう。
準確定申告の期限
準確定申告の期限は、相続人が相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内です。
還付金が相続税対象となる関係で相続税申告よりも早い期限設定となっています。
期限を過ぎると加算税や延滞税等の罰則が科されるので注意してください。
手続き方法
(1)申告は被相続人住所地管轄の税務署へ
準確定申告は被相続人の住所地を管轄している税務署で行います。
管轄の税務署が遠方にある場合は、郵送で申告を行うと良いでしょう。
なお、通常の確定申告で使える電子システムのe-Tax申告は利用できないので注意しましょう。
(2)申告は相続人全員で署名する
申告の際には確定申告付表に全員で連署します。
各相続人が個別で申告を行うことも可能ですが、その場合は他の相続人に申告内容を通知しなければなりません。
(3)必要書類は通常の確定申告と同じ
必要書類は源泉徴収票や医療費領収書、生命保険等の控除証明書です。
ほかに、申告者のマイナンバーや関係書類など、必要書類は通常の確定申告と同じです。
まとめ
準確定申告の期限は相続税申告よりも早いので、他の手続きに気を取られて期限を過ぎないようにしてください。
相続税同様に期限を破った際にはペナルティがあるので、注意しましょう。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。
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こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
生前贈与には年間で110万円の非課税枠が設けられている「暦年贈与」の他、特定要件をクリアすることで活用できる特例制度があります。
特例制度は、高額の贈与が無税で可能となるものの、やはり要件のハードルが高く、安易に利用できないのが難点です。
では、高額の贈与はできないのかというと、そうでもありません。
実は贈与者と受贈者の関係や資金用途によっては、金額に関わらず贈与税が一切かからない場合があります。
扶養義務者からの都度必要な贈与は無税
贈与者が受贈者の扶養義務者で、受贈者の生活や教育のために行う贈与には税金がかかりません。
これは、国税庁のHPにも贈与税がかからないケースの一例として記載されています。
扶養義務者とは受贈者の配偶者や両親、祖父母、曽祖父母の他、兄弟姉妹の他、三親等内の親族で生計を一にする人です。
つまり、夫から妻へ生活費を渡したり、祖父母から孫へ入学費や授業料を渡しても贈与税は課税されません。
ただし、ポイントとして贈与は「必要な分を必要なタイミング」で渡すこととされています。
要するに一括贈与ではなく、「都度の贈与」でなければなりません。
非課税となる資金の範囲
資金の範囲は大きく分けて生活費と教育費になります。
どちらも具体的な用途が細かく決められています。
(1)生活費
- 仕送り(賃料や食費などの生活費)
- 結婚費用(式場代や料理代、撮影費用等、結婚式を開くための費用)
- 出産費用(病院での検査代や入院費など、出産にかかる費用)
- 新婚生活の費用(家具購入費や引越代等)
が該当します。
生活費を渡す場合、必要な範囲内の金額でなければなりません。
例えば、生活費を過剰に超える仕送りをしている場合は、超過分に対して贈与税が課税されます。
仕送りが30万円で、15万円を生活費として使い、残った15万円を貯金している場合は、その15万円が課税対象となります。
(2)教育費
- 入学費用
- 授業料
- 教科書等の教材費
- 定期券購入代などの通学費
- 修学旅行などの行事参加費
- 塾の月謝
- 受験費用
などが該当します。
生活費と同じく、必要な範囲内を都度贈与すれば税金はかかりません。
なので、祖父が幼稚園に入園した孫に対して大学までの教育費をまとめて渡すのはNGです。
まとまった資金を一括で渡すには生前贈与の特例制度を利用します。
まとめ
生前贈与には様々な非課税枠がありますが、扶養義務者が都度必要なお金を渡すこと自体、税金がかかりません。
無駄な手間をかけずにお得に贈与を行えるので、是非覚えておきましょう。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
今回も「相続登記の義務化」についてとりあげます。
相続登記自体の説明や義務化に至る背景等について知りたい方は前回のコラムをご参照ください。
義務化に伴う罰則について
相続登記の義務化に伴って、適切に手続きが行われなかった際の罰則が設けられることも予測されます。
現行の法律では罰則はなく、不動産登記で表記をしなかった場合に発生する10万円以下の「過料」があるのみです。
「表記をしなかった」とは具体的には以下のケースです。
- 建物を新築した時にする『建物表題登記』
- 建物を取り壊した際にする『滅失登記』
- 埋め立てなどにより土地が新たに生じた場合にする『土地表題登記』
- 土地の地目が変更した際にする『地目変更登記』
- 土地の地積が変更した際にする『地積更正登記』
また過料とは「行政上、軽い禁令をおかしたものに支払わせる金銭罰」で、相続税申告を怠った際に科せられる加算税等よりも処分は軽いと言えます。
相続登記の義務化については、背景にある課題が大きいので、過料よりも重い「罰金」が科せられる可能性が高いと予想されます。
現時点では詳細が協議されている段階なので、罰則が過料なのか罰金になるのか定かではありませんが、留意しておいた方が良いでしょう。
義務化と並行して検討されている項目
所有者不明の土地や建物を減らすための施策として、相続登記の義務化以外にも以下の項目が議論されています。
- 一定期間以内に相続登記を行った場合は手続きを簡素化し、かかる費用も軽減される
- 要件を満たせば、土地の放棄ができるようになる
- 遺産分割をスムーズにするために遺産分割期限を設定する
このほか、土地の共有制限や財産管理制度の見直しも議論されています。
相続登記のみならず、様々な手続きが簡素化されたり、諸経費がかからないようになれば、持ち主不明の土地も少なくなるでしょう。
相続登記を行わないと様々なデメリットが
相続登記の義務化自体は、改正案の実施後に相続される不動産が対象で、現時点で相続登記されていない不動産への適用はないと考えられます。
だからと言って、そのまま何もしないのも良くありません。
実は相続登記を行わないと下記のようなデメリットを被る可能性があります。
- 相続した不動産を売ることができない
- 相続した土地の活用(賃貸物件や駐車場等)ができない
- 他の相続人に不動産を処分される怖れがある
- 共同相続人に債務を抱えている人がいると債権者が不動産を差し押さえる可能性がある
- 時間が経つと登記の費用が高くなる
- 危険な家屋を放置しておくことによる災害リスク
様々なリスクを考えれば、たとえ義務でなくても、不動産を相続した場合は相続登記をすることを推奨します。
手間がかかる・面倒だと言う場合は専門家に手続きを代行する方法もあります。
特に、何代にもわたって相続登記をせずに、権利関係者が多くなってしまったケース等は内容も複雑になるので任せてしまった方が良いでしょう。
まとめ
相続登記の義務化は、相続において重要な事項です。
法改正の発表から1年近くが経ちましたが、まだ詳細は見えていません。
新しい情報が入り次第、当コラムでもご報告致します。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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