厚木市で 相続手続 支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続 の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
遺言書では遺言内容を執行してくれる人=「遺言執行者」を指定することができます。執行者は相続開始時点で未成年者や破産者でなければ誰を指定しても構いません。
遺言者の家族や親族でも良いですし、友人や税理士等でも問題ありません。
しかし、執行者の業務は多岐に渡り、専門知識を要します。
よって、人によっては「忙しくて執行業務をする時間が取れない」場合や「手続きの方法がわからない」等々の問題が起きる可能性があります。そういった観点から、あまりやりたくないと思う方も多いのです。
実を言うと、遺言執行者に選ばれたからといって、必ず就任しなければならないわけでもありません。つまり、就任は個人の意思で自由に辞退できます。辞退したからといって、罰則があるわけでもないので、安心してください。
ただし、一度執行者に就任してしまうと、辞めることが難しくなります。
遺言執行者とは
遺言執行者は遺言内容を執行する方です。故人の意思である遺言に従い、各種の手続きをする権限が与えられます。そのため、必要な範囲内で相続人や受遺者の代理人として動けるのです。
遺言書は作成者の死亡後に効力を持ちますが、遺言者は相続に直接参加できないので、その内容が本当に実現されるか心配になるでしょう。
自分の意思通りに相続財産の分割がされるかどうかわかりません。また、遺言で隠し子の認知をする場合だと、届け出をする必要がありますし、相続人以外への財産の遺贈や、不動産の相続登記などもあります。
これらの事項が正しく手続きされるために、遺言執行者がいるのです。遺言執行者は遺言内容を実現するための権限を持つので、不動産登記の放置や、他の相続人の財産処分も抑止できます。
なお、相続人が複数の場合は、書類の収集や署名押印などに手間がかかりますが、遺言執行者は「相続人の代表」として手続き可能なため、それらの労力が軽減されるのです。
執行者の業務とは
遺言執行者は相続開始後の就任承諾をした後に、以下の業務をします。
- 相続関係者へ執行者就任の事実を通知する
- 相続人確認のために戸籍等の証明書を収集する
- 相続財産の調査
- 財産目録作成・交付
- 法務局に対して登記申請手続きをする
- 各金融機関に対する解約手続きをする
- 株式等の名義変更手続きや換価手続きを行う
遺言執行者は相続の関係者に対して報告義務があります。法定相続人や受遺者が必要とすれば、執行業務の進捗状況を各人に伝えなくてはなりません。
また、本来、他の相続人や受遺者に渡すべき遺産を使った場合はその日以後の利息を支払うこと、もしくは損害が発生した場合は賠償をする補償義務もあります。
なお、手続きに必要な交通費、郵送料金、移転登記費用などの実費は相続人全員が負担するべき費用です。実費としてかかったお金は全て領収書を残しておき、後に請求しましょう。
遺言執行者の辞退は自由にできる
もし、遺言書の中で遺言執行者に指定されていても、自由に辞めることができます。
指定されていても、就任は強制ではありません。指定された人が承諾しないのであれば、執行者にはなりません。
そして、就任はご自身の都合で辞退できます。「忙しい」、「手続きができるか不安」といった理由で辞退しても問題ありません。ペナルティもありません。
もし、執行者を辞退する場合は相続関係者に書面で伝えましょう。口頭や電話で伝えると、後々に「言った・言わない」でトラブルとなる可能性があります。
遺言執行者に一度就任してしまった場合
執行者就任前の「辞退」は簡単です。理由についても、なんでも良いです。
しかし、一度就任を承諾してしまうと、辞めることが難しくなります。就任した後に辞めることは「辞任」と言いますが、辞任は簡単には成立しません。
辞任となると正当な事由が必要となり、可否判断も家庭裁判所に委ねられるからです。
ここで言う「正当な事由」とは、「病気」「怪我」「長期の出張」等々があります。これらの理由であれば、家庭裁判所の許可をもらうことで辞任が成立します。
辞任と辞退ではハードルが全く異なります。「執行者の業務が面倒なことに後から気づいた」等の理由では辞任ができないのです。
そのため、執行者に指定されていた場合、就任前に引き受けるかどうか慎重に検討するべきでしょう。無理だと判断したら、他の相続人に代わってもらうようにお願いした方が良いでしょう。
なお、相続人は執行者就任予定の方に、就任するかどうかの催告ができます。
これは執行者に指定されている人がいつまで経っても承諾の意思を示さない場合、相続手続きに遅れが生じてしまうからです。
相続人や利害関係人(受遺者等)は、遺言執行者に就任するかどうかを聞きます。もし、期間内に回答がない場合は、就職を承諾したものとみなします。
遺言執行者の業務は他の人に委任可能
遺言執行者を辞任することは困難ですが、職務を第三者に委任することは問題ありません。現行法では特別な事由がなくても委任できるようになりました。
業務の全部を委任しても良いですし、一部だけでも構いません。
他の相続人から同意を得なくても大丈夫です。
就任後に業務が難しいと感じたら、他の相続人や専門の税理士に業務のサポートをお願いしましょう。
まとめ
遺言書で遺言執行者に指定されている場合、就任前に辞退するのと就任後に辞任するのとでは、大分違います。
就任後の辞任では、正当な理由をもって家庭裁判所の許可が必要です。
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相続では、しばしば認知症のリスクなどについて語られることがあるかと思います。
現代では、65歳以上の高齢者のうち認知症および予備軍の数は全体のおよそ1/4を占めるというデータもあります。認知症になってしまうと日常生活が困難になることはもちろん、法的な手続きについても様々な問題が出てきます。
というのも、法的な手続きについては、意思能力がない方だと法律行為の効力要件を満たさないからです。
そういった点から考えると、相続における遺産分割協議や相続放棄等の手続きにも認知症は大きな影響を及ぼします。
相続人が認知症の場合もある
相続では被相続人の方が認知症を患っていたというケースがよくあります。しかし、残された遺族である相続人のうちの誰かが認知症であるパターンもあります。
例えば、被相続人の配偶者。
被相続人が高齢の場合、その配偶者も高齢であることが多いので、認知症の可能性も高くなります。
また、認知症は、40歳から64歳の初老期段階で発症するパターンもあるので、年齢がある程度離れていても認知症になっていることもありえます。それを考慮すると、被相続人の子供であっても、認知症の場合があります。
相続人が認知症や精神疾患等で判断能力に問題がある場合、遺産分割協議書に署名捺印しても、法的には無効とされてしまいます。
ただし、「軽度」にあたる認知症患者の中には、判断能力がある程度しっかりした人もたくさんいるため、認知症=遺産分割協議に参加できないというわけではないので注意しましょう。
相続人が認知症だった場合の問題点
(1)遺産分割協議ができない
遺言が残されている場合、相続財産の分割は遺言内容に従って進めることになります。しかし、遺言書がなく、相続人が数名いる場合、遺産の分割は相続人間の話し合いで決めることになります。
遺産分割協議を完了させるには相続人全員が協議内容に合意しなければなりません。合意がなければ、法律上の効力がありません。一部の相続人が参加していない場合も協議内容は無効となります。
そして、相続人の誰かが重度の認知症等で判断能力が著しく低下していると見られる場合も、同様です。前述したように判断能力のない状態では法的な手続きができず、遺産分割協議での合意が無効となるからです。
遺産分割協議ができずにいると、預貯金の凍結解除ができません。また、被相続人名義の不動産も変えることができません。
これらの手続きには遺産分割協議の完了が条件となっているため、認知症の相続人がいれば手続きはストップしてしまいます。
(2)代筆は罪に問われる可能性も
被相続人の配偶者が重度の認知症だった場合、その子供が代わりに遺産分割協議書への署名をすれば良いのでは?と思う方もいるかもしれませんが、これはできません。
たとえ、家族であっても代理権を有していない場合、勝手に署名をすると、私文書偽造罪に問われる可能性があるからです。
(3)判断能力が欠けた相続人は相続放棄できない
重度の認知症の方は法律行為ができなくなるので、相続放棄も自分ではできません。
他の相続人が代理で申し立てをしようとしても、家庭裁判所が受理しないのです。
法的手続きをするには成年後見制度の利用が必要
認知症患者で重度の方は、判断能力が低下しているため、自らの意思で遺産分割協議に参加することも、相続放棄をすることもできません。
それらの手続きを進めるには成年後見制度の利用が必須です。
成年後見制度とは、認知症などで自身の財産管理が困難な方に代わり、後見人が財産管理や重要な契約などを行います。
同制度を利用すると、遺産分割協議では、本人の代理人として後見人が参加して、協議を進めます。相続放棄についても、後見人が手続きをします。
成年後見制度の問題点
(1)家族が後見人になれるわけではない
成年後見人が誰になるかは裁判所の判断に委ねられます。よって、家族を成年後見人候補者として希望したとしても、第三者の専門家が選任される可能性も大いにあります。
実際のところ、現在の家庭裁判所での運用では、親族よりも専門職(司法書士や弁護士等)を後見人とする傾向が強いです。
一度選任された後見人の変更は余程の理由がない限り認められていません。家族は裁判所から選任された後見人と長く付き合っていくことになります。
なお、家族が後見人になれたとしても、遺産分割には参加できません。これは、後見人が相続人である場合、遺産分割の場では被成年後見人と利益相反関係になるという理由からです。
そのため、遺産分割協議の場では再び家庭裁判所に申し立てをして、特別代理人を選任しなければなりません。
(2)成年後見人に対する報酬を支払う必要がある
成年後見人は裁判所が決めるので、外部の専門家が選任された場合には、報酬を払う必要があります。
これは一生涯続くので、今後収入が増える見込みがなく、貯金から医療費や生活費が毎月目減りしてしまうご高齢の相続人にとっては重い負担にもなるでしょう。
まとめ
相続人に認知症の方がいる場合は、成年後見制度を利用すれば、遺産分割協議ができます。しかし、成年後見制度は色々と家族にも負担がかかるものであり、問題も多いと言えます。
そのため、前もって遺言を用意しておくことが相続手続きをスムーズにする方法だと言えます。
遺言があれば、遺産分割協議をしなくて良いので、ご家族に認知症の方がいても問題ありません。口座凍結の解除や不動産名義変更も進めやすくなりますので、作成しておいた方が良いのです。
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遺言書は死後に遺族に発見されてこそ効力が出ます。また、相続人が遺言書に沿って諸々の手続きをスムーズにできるように、相続開始後速やかに遺言書が遺族の手に渡るようにしておく必要があります。
実は法務局が実施する「自筆証書遺言保管制度」では、遺言者が亡くなった後に指定の遺族に通知がされるシステムがあります。
この通知制度は、公正証書遺言にはありません。よって、自筆証書遺言保管制度の大きなメリットといえる部分なのです。
自筆証書遺言の保管制度とは
自筆証書遺言の保管制度は法務局管轄の遺言保管所で遺言書の原本を預かってもらう制度です。2020年7月10日より実施されています。
原本は保管所にて管理されるので、紛失することはありませんし、第三者によって内容を改ざんされる怖れもありません。
また、遺言の預かりの手続き時に保管所担当官が形式の確認をしてくれるため、自筆証書遺言の大きなデメリットだった形式不備の心配もなくすことができます。
「署名や押印がされてない」「日付が書いていない」といったことで、遺言書が無効になることがありません。
制度利用のメリットと注意点
保管制度のメリットと注意点は以下の通り。
(1)メリット
- 紛失や改ざんのリスク回避
- 担当者が不備を確認してくれる
- 閲覧が容易である
- 検認が不要となる
法務局には遺言書の原本が保管されるので、紛失はもちろん第三者による改ざんの心配がなくなります。
また、手続きの過程で遺言書が方式に従って作成されているかどうかを担当者が確認してくれるので、形式不備による無効のリスクも回避できます。
なお、法務局で預かってもらう場合、通常の自筆証書遺言とは違ったルールが出てきますので注意しましょう。具体的には以下の項目があります。
- 遺言を書く紙はA4用紙を用いること
- ページ番号をつける
- 記載は片面のみ
- 上は5ミリ以上、下10ミリ以上、左は20ミリ以上、右は5ミリ以上の余白を設ける
- 記入はボールペン・万年筆等の消えにくいものを用いる
- ホッチキスでとじないこと
遺言書は死亡後に相続人が自由に閲覧可能で、写しの交付を請求することもできます。もし、相続人の誰かが遺言書情報証明書の交付を請求、原本の閲覧等した場合は、ほかの相続人にも遺言書保管の事実が通知されます。
そして、保管制度を利用すると、裁判所での検認手続きも不要になります。通常の自筆証書遺言だと必要なので、その手続きが減る分、遺族にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
(2)注意点
- 遺言書1通につき申請手数料3,900円が必要
- 代理申請は不可
- 申請のために遺言書保管所に出向く必要がある
- 内容まではチェックされない
申請はただではありません。手数料がかかります。(公正証書遺言が概ね2万~5万円程度と考えると、それよりは安いですが。)
保管制度を利用する場合、遺言者本人が申請しなければなりません。
出張サービスなどはしておらず、体の不自由な方でも窓口まで行かなくてはなりません。
管轄の法務局は以下の3つなので、事前に予約をしましょう。
- 遺言者の住所地を管轄する遺言書保管所
- 遺言者の本籍地を管轄する遺言書保管所
- 遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所
そして、内容については自己責任です。記載内容が特定の相続人の遺留分を侵害しているか、不動産情報がきちんと書かれているかは確認されません。
遺言書が有効かどうか不安な場合は、事前に専門家の確認を受けておいた方が良いでしょう。
遺言保管制度の通知システム
保管制度では、「死亡時通知」のシステムが利用可能です。これは、遺言者が死亡した際に推定相続人など遺言者が指定した任意の方へ「遺言書が法務局にあること」を通知してもらえる制度です。
法務局は戸籍の担当部署と連携しているため、遺言者の死亡事実が戸籍に反映されれば通知が送られるようになっています。通知相手は推定相続人の他、受遺者や遺言執行者でも構いません。
従来は1名までの指定でしたが、令和5年10月から3名になりました。
関係者が遺言書を閲覧すると他の関係者にも通知される
遺言書保管所に保管されている遺言書は、遺言者が亡くなった時に、相続人や受遺者・遺言執行者等が閲覧可能となります。
この時、遺言書の閲覧もしくは遺言書情報証明書の交付を受けると、他の関係者に対して、法務局から遺言書が保管されていることが通知されます。
これによって、他の関係相続人等への連絡が円滑になります。ただし、関係者の誰かが閲覧しない限り、この通知は実施されません。
先に述べた遺言者指定自動通知システムで通知を受け取った方が速やかに遺言書の閲覧をしにいくと、その後の連絡がスムーズです。
まとめ
通知制度のおかげで、遺言者の死亡後にすぐに遺言内容が遺族に渡るようになりました。
もし、遺族の方で法務局からの通知を受領した場合には最寄りの遺言保管所において、すぐに確認しましょう。
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配偶者居住権は2018年の相続法改正によって創設され、2020年から施行されている新制度です。
この配偶者居住権は、被相続人所有の建物に住んでいた配偶者について、原則、家賃などの支払いをせずに、その住宅に住み続けられる権利を保障するものです。
以前では、遺産分割の中で住宅が売却され配偶者が住む場所を失うといったケースもありましたが、同制度の新設によりこれらの問題が解消されることでしょう。
配偶者居住権とは
配偶者居住権は相続開始時に、被相続人が所有していた自宅やマンションに住んでいた配偶者は、原則、家賃などを払わずに終身まで住み続けられるというものです。
- 居住権の適用対象は建物全体におよぶ
- 居続けられるのは原則として配偶者が亡くなるまで
- 建物の利用方法を相続開始前と同じにする
配偶者居住権の存続期間は対象者の終身までですが、遺産分割協議で存続期間を一定期間にすることもできます。
対象建物の利用については相続開始前と同じにしなければならないので、建物の一部を賃貸として利用していた場合、その状態を継続する必要があります。
居住権には長期と短期がある
同制度は「長期居住権」と「短期居住権」の二つに分かれます。
異なる点としては、住める期間・対象建物の範囲・適用要件があります。
配偶者短期居住権では、居住可能期間が「相続開始から6ヶ月間」もしくは「遺産分割が終了し住宅取得が決まった日」のいずれか遅い方となります。また、対象となる範囲は建物の居住部分のみとなります。
短期居住権は、相続開始後に自動的に権利が認められます。
また、居住権が相続分にカウントされない=課税対象とならないこと、難しい制度要件がない点があります。
制度要件について
前述したように配偶者短期居住権は、法律上当然に認められる権利であり、相続開始後に対象の建物に自動的に一定期間は住み続けられます。
長期居住権については、自動的なものではなく、遺言に記載されるか、遺産分割協議で全ての相続人が同意しないと認められません。
それらを踏まえると、長期居住権の制度要件は以下の通りとなります。
- 被相続人の配偶者であること
- 相続財産に該当する不動産に相続開始前から住んでいた
- 遺言書に配偶者居住権を与える記述がある
- 遺言書に記述がない場合は、遺産分割協議での決定がある
短期居住権と違ってハードルが高く設定されていますが、要件を満たすことで無償かつ終身まで住むことが可能になります。
配偶者居住権とは建物を使う権利
配偶者居住権は所有権ではなく使用権です。
配偶者が自宅の所有権を相続できなくてもその家に住み続けられることが重要な点です。
配偶者が自宅を相続した場合は、所有権を持っているため居住権を行使する必要はありません。配偶者居住権の適用をお勧めするのは、「住んでいた不動産の所有権を相続しなかった場合」です。
以下はお勧めしたいケースの一例です。
相続人:妻と子供の2人
相続開始前から夫婦は対象住宅に住んでいたとします。
法定相続分に従うと、4,000万円を半分ずつ分ける形になります。
妻は自宅に住み続けたいので住宅のみ(2,000万円)を相続しますが、現金を相続できない分、今後の生活が苦しくなる可能性があります。
しかし、現金も相続すると、法定相続分に足りないので住宅を分割相続する必要があります。この場合、住宅を売却して分割になる怖れがあります。
このような場合に居住権適用がお勧めです。
住宅に配偶者居住権を設定すれば、2,000万円の住宅を居住権分1,000万円、負担付き所有権1,000万円に分けることが可能です。
そうなれば、妻は現金を半分の1,000万円取得して、住宅に住み続けられるようになります。
(子供は1,000万円の負担付き所有権と現金1,000万円を相続します。)
負担付き所有権は、その家に住む権利はありません。配偶者が建物を使用しているうちは売却もできません。
配偶者居住権は対象者が亡くなると消滅するので、負担付き所有権を相続していた人が、権利を全て持つようになります。
そうなれば、自分で住むことや、売却、取り壊し、建て替えが自由にできます。
まとめ
配偶者居住権は、今までの相続ルールの問題点を解決する有効な手段となります。
長期の配偶者居住権の利用は決して強制ではなく、権利を取得するには遺言書によって権利を与える事を明記してもらうか、あるいは遺産分割によって権利を獲得する必要があります。
配偶者居住権の利用をした方が良いのかは人によって異なりますので、迷う場合は専門家に相談してください。
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相続が発生すると、被相続人の遺産は相続人に引き継がれます。
その遺産取得の過程で相続税が発生しますが、この相続税は誰にでもかかるわけではありません。むしろ、年間に起こる相続において実は相続税が生じないケースの方が多いのです。
しかし、相続税の申告と納税が必要かどうかは、税務署はいちいち通知してくれません。期限までに「ご自身で判断して」手続きをする必要があります。
では、その判断はどうやってやれば良いのでしょうか。本コラムでまとめてみました。
遺産総額が基礎控除を超えているか
相続税発生の大前提は、遺産総額が基礎控除額を超えているかいないかです。
「基礎控除」とは、ある金額までは相続税が課税されないボーダーラインです。被相続人の遺産総額がこのラインを超えた時に、超過分に適応した税率が課税されるのです。

上表が相続税の税率表です。
ご覧のとおり、遺産が高いほど税率が高くなる累進課税制度が採用されています。
もし、遺産総額が基礎控除額以下であるならば、相続税は生じず、申告も納付も不要となります。
基礎控除の金額は一定ではなく、法定相続人の数によって変動します。計算式で表すと以下になります。
「3,000万円+法定相続人の数×600万円」
法定相続人とは民法で定められた相続人です。
故人の遺族の中で配偶者は必ず法定相続人となり、他の子供や両親については、故人との関係性によって順位付がされています。
死亡や相続放棄などで上の順位の相続人がいない場合は下の順位の人が法定相続人となります。
ただし、代襲相続が起きる場合には順位は変わりません。
被相続人の子供に子供=故人の孫がいて、子供が被相続人より先に死亡していても、孫が代襲相続すれば、次の順位の(被相続人の)両親は法定相続人にならないということです。
第2順位…(被相続人の)両親
第3順位…(被相続人の)兄弟姉妹
相続に参加していなければ相続税の申告は不要
相続税の申告義務者は相続に参加して遺産を受け取った方です。
よって、相続放棄などで法定相続人にならなかった方は相続税の申告は不要になります。
逆に法定相続人でない人でも、遺言書などで被相続人から遺産を受けとった場合は相続税の申告が必要になります。
受遺者以外にも以下のようなケースで遺産を受け取る場合もあります。
- 法定相続人がおらず、特別縁故者として遺産をもらった
- 法定相続人でない親族で特別寄与者として相続人から遺産をもらった
このようなケースでも相続税申告が義務となります。
相続税の申告期限は、「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」なので、忘れずに手続きをしましょう。
なお、相続人や受遺者が複数いる場合、各人が個別で税務署に申告をしても構いませんが、相続人の代表者が一括で申告しても良いです。
ただし、相続税申告をまとめて行う場合は、相続人たちが協力し合わないと、手続きがスムーズに進みません。
相続税が0円だから申告も不要とはならない
相続税には特定要件をクリアすれば、税額控除となる特例がいくつかあります。
「配偶者控除」や「小規模宅地等の特例」がそれに該当し、遺産額によっては相続税額を無税にすることも可能です。
ただし、これらの特例の要件として、「相続税の申告書を提出すること」とされています。
つまり、相続税が0円になったからといって、申告が不要になるわけではありません。相続税申告書を提出しなければ、特例も適用できないので注意しましょう。
気をつけたいケース
今まで述べた基準で相続税の申告義務があるかどうかの判断がある程度つくことでしょう。
しかし、例外的に間違えやすいケースもあります。
(1)死亡退職金や保険金を受け取った
相続に参加していなければ相続税の申告は不要と説明しましたが、これには例外があります。
遺産を相続していなくても、死亡退職金や保険金を受け取っていれば相続税の申告をしなければならない可能性があるからです。
死亡退職金や保険金は、民法では被相続人の財産ではなく受取人固有の財産とされています。
よって、相続放棄をしていても、受け取れるのです。
しかし、税法上ではその仕組みが相続財産と同じである点から、「みなし相続財産」として相続税課税の対象となっています。
前述したように相続税には基礎控除があり、遺産額の合計が基礎控除の範囲内であれば、税金はかかりません。しかし、みなし相続財産が含まれることで合計額が基礎控除の範囲を超えてしまう可能性があるのです。
なお、死亡退職金や保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。この範囲分には相続税はかかりません。
しかし、相続人以外や相続放棄者が受取人の場合は、この枠を適用できないので注意しましょう。
(2)家族名義の預金がある
名義が家族のものであっても、被相続人自身が管理しており、名義人が自由にできないお金を名義預金といいますが、この名義預金は、被相続人の遺産として相続税の課税対象になります。
よって、名義預金を含めた遺産総額が基礎控除額を超えれば相続税の申告義務が生じます。
まとめ
相続税の申告と納税は期限までにご自身で手続きをする必要があります。
税務署は教えてくれません。(相続税を申告するよう促す書類が送られてくる場合はありますが。)
申告及び納付をしないままでいると、期限後に延滞税や加算税といった追徴が行われます。
判断に迷う場合は税理士に相談してください。
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遺言書は故人の意思を相続に反映させる書類であり、内容が偏っていなければ、相続人間の争いを避けることや、相続手続きをスムーズにするという効果も期待できます。
しかし、時には「全く違う遺言書が複数見つかった」ということもあります。このように二つ以上の遺言書が出てきた場合、どの遺言書が優先されるのか、解説いたします。
遺言書の種類
まず遺言書は、「普通方式」と「特別方式」の2つに分かれます。普通方式遺言は私たちがイメージする一般的なものです。特別方式は作成できる条件が限定されるため、作成件数は多くありません。
(1)普通方式遺言
一般的な遺言書であり、遺言者が存命であれば、いつでも作成することができます。形式によって「自筆証書遺言」・「公正証書遺言」・「秘密証書遺言」の3つに細かく分類されます。
- ①自筆証書遺言
- 遺言者が目録を除く全文を自筆で書く(代筆不可)
- 日付・署名・押印をして作成となる
- 紙とペンさえあれば作成が可能、作成費用および手続きは不要
- 自身だけで作成すれば、遺言内容を秘密にできる
- 内容を専門家に確認してもらわないと、形式不備になりやすい
- 相続までに紛失するリスクあり
- 第三者に偽造・隠匿されるリスクもある
- 紛失のリスクを抑えるために原本を法務局の遺言保管所で預かってもらう制度もある
- ②公正証書遺言
- 作成は公証役場にて公証人と共に行う
- 形式不備が起きない
- 原本は公証役場保管となり、紛失や偽造のリスクがない
- 作成に費用と手間がかかる
- 証人も用意しなければならない
- 相続時の検認が不要
- ③秘密証書遺言
- 遺言の作成は遺言者がする
- 原本保管は自分で(公証役場は作成の事実しか記録しない)
- 遺言内容は公証人にすら知られない
- 遺言内容について専門家のチェックを受けないので、無効になる危険性あり
- 手続きに費用がかかり、証人を用意する手間も生じる
(2)特別方式遺言
普通方式遺言が残せない特殊な状況下にある場合、作成できます。
特殊な状況下とは、病気やけがなどで死亡の危機が迫っている、乗っている船が遭難し、死の危険に瀕している、伝染病などで遠隔地に隔離され、通常の遺言方式を利用するのが難しいなどです。
それぞれの状況下に応じて、作成方法はやや異なりますが、証人の立ち会いが必要です。
遺言書の優先順位はあるのか
遺言書にはたくさんの種類がありますが、これらの中では優先順位は決められていません。
では、複数の遺言書が出てきた場合にどうするのかというと、新しい日付の遺言書を優先することになります。
もし、公正証書遺言の後に古い日付の自筆証書遺言書が出てきた場合、公正証書遺言の内容が優先となります。
日付が1日違いだったとしても、新しい方が優先となるのです。
ただし、遺言内容が抵触しない項目については、古い日付の遺言の効力が残ります。
例えば、最初の遺言で「預貯金を長男に渡す」と記載され、後の遺言では「不動産は次男に渡す」と記載されていた場合、どちらの遺言の効力も残ります。
ただし、これは不動産と預貯金は別の財産であるからです。日付の新しい遺言書で財産全体の配分割合が指定されている場合は事情が異なります。
日付のない遺言書は無効になる
遺言書には日付が必要ですから、日付のない遺言書は無効です。
なお、年月のみしか書いていない遺言書は無効ですから、作成時には年・月・日を忘れずに書くべきです。
その他、必要項目が抜けていて形式不備となる遺言書は無効です。
無効になれば、新しい遺言書と内容が抵触していなくても、その遺言書の内容は実行されません。
自筆証書遺言で言えば、「全文を自筆で書いていない(別の人が書いた、PCで作成した)」、「署名押印が抜けている」などが形式不備の事項です。
これらはかなり多いパターンなので、遺言作成時には十分注意するべきです。
遺産分割協議結果と遺言はどちらが優先か
遺言は故人が自分の財産の処分について意思決定した書類であり、相続では強い効力を持ちます。
そのため、遺産分割協議結果よりも優先されます。
もし、遺産分割協議がまとまった後に、遺言が発見された場合は、遺言内容に従うことになります。
ただし、遺言でも遺留分(法定相続人が最低限の遺産を取得する権利)を侵害するような内容の場合は、効力を持たない可能性もあります。
そして、仮に法定相続人全員が合意するのであれば、遺言内容と違う遺産分割協議をしても大丈夫です。
ただし、遺言執行者や相続人以外の受遺者がいる場合は、それらの同意も必要です。
新しい遺言書を作成する場合の注意事項
遺言書は新しい日付のものが優先されます。そして、内容が被らない部分については、古い遺言書でも有効となります。
そのため、遺言書が多数存在していると、どの部分が有効かで相続人達が混乱しやすくなります。
よって、新しいものを作る際には、「○年○月○日に作成した遺言は撤回する」という内容を記載して、前の遺言書を撤回しておくとわかりやすいでしょう。
まとめ
遺言書は種類の中での優先順位はありません。日付の新しいものが優先されます。
ただし、内容が抵触しない項目については、古い日付の遺言であっても効力が残ります。
相続時に遺言が複数発見された場合は、まずは日付をチェックし、その後に内容に被りがないかを確認してください。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
相続で取得した不動産について住む人がない、賃貸物件としての活用も難しいのであれば、手放すことも検討しましょう。
というのも、不動産は所有しているだけで年に数回固定資産税が徴収される他、修繕費やメンテナンス費の負担もあるからです。特に人が住まない家は傷みやすいので、そのまま放置していると、多くのお金がかかるでしょう。
不動産を処理するには売却が最もベターな方法ですが、寄付という方法もあります。
実は相続不動産を国へ寄付できる制度も2023年から始まっています。
この制度を利用すれば、国に土地を引き取ってもらえる可能性がありますが、要件が厳しいこと、負担金があるなど、デメリットもあるので注意が必要です。
相続土地国庫帰属制度
(1)概要
相続土地国庫帰属制度は、相続や遺贈によって取得した土地を国庫に返還する制度です。
土地であれば何でも良いというわけではなく、寄付できる土地には条件が決められています。
また、その土地管理に要する10年分の費用を寄付する方が負担しなければなりません。
審査もゆるくはないことと、それなりの負担金があることから、安易に利用できる制度ではありません。
相続土地国庫帰属制度の施行日は2023年の4月27日であり、既にスタートしている状態です。
同制度の創設により、民法に所有権放棄に関する新たな規定は設けないこととなりました。
(2)申請資格者の要件
申請者は相続もしくは遺贈によって、その土地を引き継いだ方です。
生前贈与で土地をもらった方は対象ではありませんし、購入した方も同様です。
また、土地を複数人で共同所有しているのであれば、他の共有者の合意がなければ申請できません。
(3)土地要件
国に寄付できる土地は通常管理・処分するにあたり高い費用や労力がかからないものに限られます。
つまり、草木が生い茂っている荒れ地、産業廃棄物や建材が散乱しているような土地だと、国は引き取りません。
更地にして再利用するために、手間とお金がかかるからです。
具体的に制度の対象にならない土地は以下の項目に該当するものです。
- 土地の上に建物がある
- 人に貸している
- 担保権又は用益権が設定されている
- 通路や水路など、他人による使用がある
- 土壌汚染がある
- 境界が不明確である、または所有権の帰属等に争いがある
以下のものはケースごとに判断されます
- 崖地
- 車両・樹木等の残置物がある土地
- 地下埋設物等がある土地
- 災害などの危険区域
後に述べた項目に該当しても、一つ一つ整理していけば、審査に合格できる可能性はあります。
(4)費用
同制度には申請手数料と負担金が必ずかかります。
申請手数料は、登記上の土地の個数を表す単位である1筆当たりに1万4000円がかかります。
審査手数料は、申請書に収入印紙を貼って納付します。
このお金は申請を取り下げた時や審査が不合格になった際にも返ってきません。
また、承認された後に、土地の管理費として10年分の負担金を納付しなければなりません。
負担金は、基本的に1筆20万円がベースです。森林や田畑の場合は面積に応じ算定されることになります。
相続土地国庫帰属制度は安易に利用できない
相続土地国庫帰属制度で国に返還できる土地は、通常管理や処分に際し、高い費用や労力を必要としないものに限られます。
面倒な土地を国は引き取ってくれません。
また土地は更地であることが重要です。
崖地や適切な造林などが実施されていない森林など、活用ができないと判断されれば審査落ちとなります。
審査には半年から1年ほどの期間がかかります。
そして、10年分の管理費に相当する額を支払う必要があります。
100m2の住宅地の場合は審査料と合わせて40万円程度かかるので、負担はかなりのものになります。
遺贈寄付
国への返還制度を利用しない場合、国以外の団体に「相続人が寄付をする」か「遺言者が遺言によって寄付を指定する」という遺贈寄付もあります。
寄付を受け付けているのは、学校や公益法人・非営利団体等があります。
しかし、遺贈寄付もハードルが高いといえます。
そもそも、土地の寄付を受け付けている非営利団体はとても少ないのが現状です。
不動産は現金の寄付と比較すると、「団体活動への利用が簡単ではないこと」「換金の手間がかかること(売れないリスクもある)」などが主な理由です。
このような点から、相続不動産の寄付も難しいと言えます。
売却できなかった土地の処理として、寄付を選択するのも良いですが、簡単ではないことは覚えておきましょう。
まとめ
相続で取得した土地の寄付は簡単ではありません。「不要な土地は寄付すれば良い」と考えるのは危険です。
いずれにせよ土地は持っているだけで税金が発生しますので、早期に処理できるように対策をしておくべきです。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
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相続財産の中でも不動産は、分け方が難しいものです。現金のように1円単位で細かく分割できないため、トラブルの元にもなりやすいのです。
不動産の分割では、「代償分割」「換価分割」「現物分割」「共有分割」の四つの方法がありますが、それぞれの方法にはメリット・デメリットが存在します。
相続不動産の種類
相続不動産は被相続人が住んでいた住宅だけでなく、他にも様々なものがあります。
- 戸建ての自宅(土地・建物)
- 自宅用マンション
- 倉庫
- 店舗
- 投資用賃貸物件(マンション・アパート・駐車場など)
- 山・畑・田・空き地(遊休地)
- 別荘
また上記以外にも「不動産にかかわる権利」もあります。地主から土地を借りて建物を建築する借地権、地上権、定期借地権などが該当します。
各不動産については分割方法をどうするか、所有者を誰にするのか決めなければなりません。
相続不動産の分割方法
相続不動産の分割方法には下記の4つがあります。
- 現物分割
- 代償分割
- 換価分割
- 共有分割
不動産は1つしかない財産なので、お金のように細かく分けることはできません。そのため、完全に公平に分けるのは難しいと言えます。
現物分割の特徴
現物分割はそのままの状態で不動産を相続する方法です。
遺産に住宅と現金がある場合、配偶者が自宅を、長男が現金を相続するパターンです。
この分割は、明確かつ簡単な方法ですが、不動産は他の財産と比べて高価なため、バランスが釣り合わず、不公平が生じやすいのがデメリットです。不動産価値と同額の預貯金があれば良いですが、そのようなケースは珍しいでしょう。
もっとも、「不動産は管理も売却も大変なため、現金のみで良い」という相続人もいるので、合意が得られるのであれば、この現物分割はオススメな方法です。
また、現物分割は対象の不動産を処理しなくて良い=そのままの状態で残せることもメリットです。
代償分割の特徴
特定の相続人に法定相続分を超える遺産を相続させ、超過分の代替として他の相続人に金銭等を渡す方法です。不動産は母親が引き継ぎ、子供には代償の現金を母親が払うパターンです。
代償として金銭を渡すので、細かい調整が可能です。最終的に相続人全員が不動産と同額に近い財産を得ることもできるので、公平性があります。
ただし、不動産を取得する相続人は金銭を支払うための資力が必要です。支払いが遅れると他の相続人から支払いを求める訴訟を起こされるリスクもあります。
代償金の支払能力がないのであれば、この方法はお勧めできません。
換価分割の特徴
換価分割は不動産を処分し、その売却金を相続人間で分け合う方法です。
手順としては相続人の話し合いにより不動産の名義変更を行う代表者を決定します。代表者は不動産の相続登記と売却を行なった後、お金を分割します。
換価分割は売却後の現金を分けるので、公平性があります。また、代表者が不動産名義変更と売却をするので、手続きもしやすいのです。
ただし、売却により譲渡所得税の納付および種々の手数料が生じます。また、不動産が思った通りの金額で売れるとは限りませんし、売れるまでに時間がかかり、お金の分割が大幅に遅れることもあります。
共有分割の特徴
共有分割は相続人が各人の持分を決めた上で不動産を共有取得する方法です。
共有取得のため、分割に不公平性はありませんが、デメリットが多くあまりオススメできません。
まず、不動産の売却に共有者全員の合意を得る必要があるので、手間がかかります。そして、建物の管理や実際に住む人を誰にするかなどについても、共有者間で話し合いをしなければなりません。
また、共有名義者の内の一人が亡くなると、その子供に不動産の権利が分割相続され、権利関係者が増えていきます。そうなると、複数の利害関係人が出てきてしまい、不動産の管理や処分について意見の収拾が更に困難となります。
最終的には共有状態解消に多大な手間や諸々の費用が発生する怖れがあるので、共有状態は最初から避けた方が良いのです。
状況に応じて最適な選択を
どの分割方法を選択するかは状況に応じて考えなければいけません。
まずは相続人全員で不動産を売っても良いかどうか決めましょう。仮に誰か一人でも売却を拒んだら手続きは進めなくなってしまうので、全員の意思を確認します。
売却が不可能であれば、金銭での精算方法で進めていくことになります。
相続不動産の相続はどの方法が一番適しているか、ケースごとにきちんと検討して進めていきましょう。
相続税の申告と相続登記も忘れずに
相続財産を取得した場合、財産の総額に応じて相続税が生じます。
不動産の評価を行った後、相続財産総額が基礎控除額を超える場合は、相続税の申告と納付をしましょう。期限は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。期限を破った場合、無申告加算税や延滞税などのペナルティを課せられてしまいますので注意してください。
相続税の控除に関する特例制度を適用する場合も、この期限内に申請しなくてはなりません。
(不動産には相続税控除の制度があるので、活用するケースが多いと言えます。)
また、不動産の名義変更(相続登記)も忘れずに手続きしましょう。
2024年には相続登記義務化を含む新法が施行されるため、可能な限り早く行っておきましょう。
まとめ
相続不動産の分割方法について解説しました。不動産は分割が難しい財産であると同時に「相続税の評価方法が違う」「名義変更(相続登記)をしなければならない」など、手続きも面倒です。
よって、財産の中に不動産が含まれる場合は、諸々の手続きを専門家に代行してもらうことも検討しましょう。
専門家に任せることで、手続きもスムーズに進むでしょう。
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厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
相続税の計算では、各財産の評価・各種の控除制度など、注意する点が多くあります。そのため、正しい税額を算出するのは非常に難しく、本来の金額とは違う額で申告してしまう可能性もあります。
もし、少ない金額で申告してしまうと、「過少申告」として後々に追徴されてしまうので注意が必要です。
では、逆に高い金額で申告し、相続税を納め過ぎた場合はどうなるのか。
税金を多く申告・支払うこと自体に問題はありません。期限が迫っている中で、過少申告を避けるためにあえて多めに申告するといったケースもあります。
ただし、多めに払った相続税は自動的に返ってはこないのです。相続税の還付を受けるには、「更正の請求」をする必要があります。
相続税還付とは
過払いとなった相続税を、税務署から返金してもらうことを相続税還付と言います。
しかし、還付は自動的にされるわけではなく、申告者側が過払い部分を精査して請求する必要があります。
この一連の手続きを「相続税の更正の請求」と言います。
税務署が請求内容を認めれば、納め過ぎた相続税が戻ってくるのです。
この時、納めすぎた分は現金で戻ってきます。(物納で土地を納めた場合も、還付が認められれば現金で戻ってきます。)
相続税の払い過ぎが発生する理由
多く相続税を払いすぎてしまう理由には、様々理由があります。
単純な計算の誤り以外には、下記の理由があります。
(1)遺産に土地が含まれている
過払いが起きるケースで最も多いのは、相続財産に土地がある場合です。
土地評価の方法は大まかな評価額であれば簡単ですが、減額される要素がたくさんあります。
つまり、細かく見ていけば評価額が変わるのです。
査定を行う人間によって評価額が変わってしまう程ですから、相続税を納め過ぎてしまう可能性が高いのです。
(2)税務署から通達されない
相続税を払いすぎても税務署から通達されません。
税務署は税金が足りない場合のみ、税務調査などで指摘します。
そのため、過払い部分は申告者側が申告内容の修正をして、手続きをしないと返ってこないのです。
(3)相続税や不動産評価に不慣れな税理士が見落としてしまう
会計・経理が得意な税理士もいれば、相続税等の資産税を得意とする税理士もいます。
それぞれの業務は異なるので、税金関係はなんでも得意というわけではありません。
還付手続きの方法
相続税還付の手続きの流れは以下の通りになります。
↓
更正の請求書など、必要書類を提出する
↓
税務署側で審査が実施される
↓
更正通知書が届く
↓
指定口座に還付金が振り込まれる
更正の請求手続きに必要な書類は以下のとおりです。
- 修正した相続税申告書
- 更正の請求書
- 修正事実を証明する資料(土地の評価資料一式・遺産分割協議書の写しなど)
土地の評価額を再計算したことで税額が変わる場合は、その証明書類として土地の評価資料を添付します。
更正の請求書を提出してから指定口座に還付金が振り込まれるまでの期間は、更正内容によって前後しますが、大体6ヶ月くらいかかります。
土地の鑑定や、必要書類の準備なども含めると1年近くかかるケースもあります。
還付手続きの期限
相続税申告の期限は、相続開始を知った翌日から10ヶ月以内となっていますが、還付(更正の請求)の手続きにも期限があります。
それは、「相続税の申告期限から5年」です。
相続開始から数えると5年10ヶ月以内となります。期限を過ぎると還付請求はもちろんできません。
前述したように手続きには土地の鑑定や、必要書類の準備にも時間がかかるので、注意しましょう。
なお、還付請求に、他の相続人の同意を得る必要はなく、個々人が単独で行うことができます。他の相続人に知らせる必要もありません。
また、各相続人の取得財産に応じてお金が戻されますので、分割協議をし直す必要もありません。還付金は所得に該当しないので、所得税の確定申告や修正申告も不要です。
過払いに気づいたら、早急に準備を進めるか、税理士に相談しましょう。
まとめ
様々な理由で相続税を払いすぎる場合があります。
ご自身で納付した相続税に疑問がある場合は、相続専門の税理士に相談してみましょう。払いすぎた相続税を返金してもらうには、過去に納めた相続税を見直しの他、財産の再評価をする必要があります。
特に土地の評価は複雑なため、相続税の知識と経験が豊富な税理士への相談がおすすめです。
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相続では被相続人の夫もしくは妻である配偶者が、最も優遇されます。
他の親族は被相続人との関係性から法定相続人になれる順番が決まっていますが、配偶者は必ず相続人となります。
また、配偶者には相続税を大幅に軽減する制度もあるため、ほぼ無税で相続財産を取得することができます。
配偶者は必ず法定相続人となる
相続では被相続人と法的に婚姻関係にある配偶者は無条件で法定相続人になります。
他の親族は下記の順位に従って、法定相続人となります。
第2順位:直系尊属(両親や祖父母)
第3順位:兄弟姉妹
配偶者は自動的に法定相続人となりますが、配偶者でも相続欠格事由に該当した場合は、相続人になれません。
相続欠格事由とは詐欺や脅迫によって遺言変更を妨げる場合や、被相続人や他の相続人を死亡させる等です。
また、相続放棄をしていた場合も相続人にはなれません。
配偶者は法定相続分が多い
配偶者の法定相続分は「法定相続人が配偶者のみの場合は全額」、「法定相続人が配偶者と子供なら1/2」、「配偶者と直系尊属なら2/3」、「配偶者と兄弟姉妹の場合3/4」になります。
相続割合が100%から最低でも半分のため、他の相続人と同等かそれ以上となっています。
(最低限の財産取得を保障される権利として遺留分がありますが、配偶者遺留分も他の相続人よりも同等かそれ以上に設定されています。)
なお、相続割合は、相続人全員が合意すれば自由に変更可能ですし、遺言者が割合を指定することもできます。
配偶者控除が使える
相続税には要件を満たせば相続税額が軽減される制度がいくつかあります。
「配偶者控除制度」はその一つです。
これは配偶者が取得する遺産が「1億6,000万円」か「配偶者の法定相続分額」まで非課税となるものです。
控除額は高い方を適用します。
仮に法定相続人が被相続人の配偶者と息子なら、配偶者の法定相続分は総遺産の半分なので、遺産総額が3億円であれば、配偶者法定相続分は1億5,000万円となり、控除額は1億6,000万円の方が適用されます。遺産が5億円の場合、配偶者法定相続分は2億5,000万円のため、控除額は2億5,000万円が適用されます。
ケースにもよりますが、この制度によって配偶者が支払う相続税はほぼ0円になります。
配偶者控除を適用する場合、以下の要件全てを満たします。
- 相続人が戸籍上の配偶者にあたる…内縁関係は不可
- 相続税申告期限までに遺産分割が完了済み…相続税計算のために配偶者の財産取得額を決定させなければなりません
- 相続税申告書の提出…相続税が0円であっても、制度適用のために申告書の提出が必須
- 相続財産の隠蔽をしていない…故意の財産隠蔽は重加算税が課せられる恐れがあります
もし相続税が0円でも、申告は必須条件です。
申告期限は申告者が相続開始を知った翌日から10ヶ月以内です。
小規模宅地等の特例が適用できる
小規模宅地等の特例は被相続人の自宅に使われていた土地、事業利用されていた土地、貸していた土地に対して、一定の要件を満たす場合、土地評価額が最大80%減額される制度です。
不動産としては土地のみが対象で、建物は対象外です。
制度適用には細かな条件がありますが、被相続人の自宅に使われていた土地を配偶者が引き継ぐ場合は、無条件で適用されます。
その土地の住宅に同居していたケースだけでなく、別居していたケースでも適用されます。
また、相続後にそのまま住み続けている場合でも、相続後にすぐ売った場合でも適用されます。
配偶者居住権で自宅に住み続けられる
配偶者は配偶者居住権が認められています。
建物の権利を「所有権」と「居住権」に分け、配偶者は建物の所有権がなくても、居住権を取得することで相続後でも被相続人の自宅に住み続けられます。所有者に家賃を払う必要もありません。
ただし、配偶者居住権取得には、以下の条件に該当しなければなりません。
- 配偶者居住権取得の条件
- 被相続人の配偶者である
- 相続財産に当たる不動産に相続開始前から住んでいた
- 遺言書に配偶者居住権を与える記述がある、もしくは遺産分割協議での決定がある
まとめ
配偶者は被相続人に最も近しい存在として、相続税軽減の他、優遇措置が多く設けられています。
これらの優遇措置を適用するには、配偶者であること以外にも適用条件があるので注意が必要です。
制度利用を考えている場合は、よく調べた上で適用条件をクリアできるようにしておきましょう。
不安な場合は相続専門の税理士に相談してください。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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