期限切れや過少申告に注意!相続税申告における罰則
こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
納税が日本国民の義務であるように、相続によって財産を取得した場合にも相続税の申告と納付が必須となります。
もし、期限内に申告と納付をしなかった場合や、申告の金額を間違えたり、故意に申告をしなかった際には様々な罰則が科せられます。
中にはかなり重いペナルティもあるので注意が必要です。
本コラムではどのような場合にどんな罰則が科せられるのか詳しく解説いたします。
相続税の申告と納付の期限
まず、相続税の申告および納付の期限は、相続の開始を知った日の翌日から10ヵ月以内です。
例えば、被相続人が1月10日に死亡した場合は10ヵ月後の応当日である11月10日が期限となります。
もし、該当期限日が土曜日、日曜日、祝日など税務署が休みの日に当たるなら、翌日が期限となります。
また、期限日は「相続の開始を知った日」からカウントされます。
これは、被相続人と離れて暮らしていて長年連絡も取り合っていない場合は、被相続人の死亡日とその事実を実際に知った日がズレることがあるからです。
被相続人が1月10日に亡くなると、いっしょに暮らしていた配偶者は死亡日と相続開始日が同じになり期限は11月10日になりますが、外国に住んでいた息子は死亡の事実を1月15日に知った場合、期限は11月15日となり、相続人それぞれで申告期限が別々となります。
罰則が科されるケース
罰則のパターンは大きく分けて4つとなります。
②期限内に申告と納税をしたが、財産の申告漏れがあった→「過少申告加算税」
③正当な理由がなく申告・納税を行わなかった→「無申告加算税」
④故意に申告内容を偽った(隠蔽や偽装があった)→「重加算税」
各ペナルティの内容は次章を参考ください。
罰則1-延滞税-
延滞税は期限までに相続税が納付されなかったときに発生します。
税率は2段階方式で「納期限の翌日から2か月まで」か「2ヶ月を超える」かで税率が変わってきます。
納付期限から2ヶ月を超えている…原則年14.6%もしくは「特例基準割合+7.3%(平成30年1月1日から令和2年12月31日までの期間は年8.9%)」のいずれか低い割合
罰則2-過少申告加算税-
期限を守ったものの、申告の金額が少なかった場合(=財産の申告漏れがあった場合等)に発生します。
修正の申告をするタイミングで、罰則の度合いが下記のように変わります。
事前通知後から調査前までの期間に修正申告…不足税額に5%課税(当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えた場合は超過分について10%)
税務調査後に修正申告…不足税額に10%課税(当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えた場合は超過分について15%)
罰則3-無申告加算税-
正当な理由がなく、期限までに申告および納税をしないと発生します。
過少申告税同様、自主申告のタイミングによって罰則のレベルが変わります。
事前通知後から調査前までの期間に修正申告…納付すべき税額のうち、50万円までは10%、50万円を超える部分は15%が課税
税務調査後に修正申告…納付すべき税額の50万円までは15%、50万円を超える部分は20%が課税
罰則4-重加算税-
詐欺や隠蔽といった悪質なケースに科されます。
言ってみれば、税金を隠す=脱税です。
意図的に申告しなかった場合…無申告加算税に代わって40%
高額の脱税なら刑事罰になるので、絶対に行わないでください。
まとめ
相続税申告は期間内に正しい金額で行う必要がありますが、意図しなくても、期限を過ぎてしまったり金額を間違えてしまうこともあります。
きっちりとした申告には、被相続人の生前からの準備をしておくことや知識を身につけておくことが大切です。
不安な場合は相続税の申告を専門の税理士に代行してもらうこともお勧めです。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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1960年東京生まれ 早稲田大学商学部卒業
1989年税理士登録
相続手続きについての執筆活動もしているエキスパート。
複数の事務所勤務を経験後、1995年厚木市に税理士事務所開業。2015年法人設立、代表就任。
税務や会計にとどまらず、3C(カウンセリング、コーチング、コンサルティング)のスキルを使って、お客様が幸せに成功するお手伝いをしています。
■著書
「儲かる社長がやっている30のこと」(幻冬舎)
■執筆協力
「相続のお金と手続きこれだけ知っていれば安心です」(あさ出版)
「事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」(あさ出版)
その他多数。