相続開始日とはいつか?
こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
相続手続きでは「相続開始日」を起算として期限設定がされているものも多いですが、経験のない人にとっては「相続開始日とは一体いつからなのか」困惑することでしょう。
本コラムではこの相続開始日についての基準を詳しく説明いたします。
基準を正しく理解して諸々の期限を破らないようにしましょう。
相続開始日とは被相続人の死亡日
民法によると「相続は、死亡によって開始する」と決められています。死亡=被相続人が亡くなるということなので、相続開始日は被相続人の亡くなった日となります。
死亡届の提出や準確定申告等、各種の手続きも被相続人が亡くなってからできるようになります。
各手続きには相続開始日を起算とした期限が設けられているものもあるので、親族への連絡や通夜・葬儀の準備で気を取られすぎて手続きを怠らないようにしましょう。
相続開始日の決め方
大抵の場合、被相続人の死亡は老衰で亡くなる自然死や、病気で亡くなる病死となります。これらは、医学的に死亡したとみなされるパターンです。
死亡後に医師から死亡診断書が出され、死亡日=相続開始日が決定します。
しかし、中には地震・台風等の災害に巻き込まれて遺体が見つからない場合や、長期間音信不通の失踪状態にある場合など、医学的に死亡を証明できないパターンもあります。
このような場合は、然るべき手順を踏んだ後、法的に死亡が認められ相続が開始されます。
よって、死亡判定=相続開始判定は以下の3つと言えます。
- 自然死亡
- 認定死亡
- 擬制死亡
(1)自然死亡
遺体があり、医学的に死亡とみなされるパターンです。
医師が死亡確認の後、死亡診断書や死亡検案書を作成し、その中に死亡日時が記載されます。
死亡日時はそのまま相続開始日となります。
(2)認定死亡
地震や台風等の災害に巻き込まれて、長期間行方不明となるケースがあります。
そのような状況で、生存の可能性が低いと判断された場合は、取調官公署が死亡を認定することがあります。
遺体はないものの、死亡を推定した上で、戸籍に死亡日が記載されます。
後に生きていることが分かった場合は、取り消しもできます。
(3)擬制死亡
擬制死亡とは、法的に死亡を認めることです。
例えば、長い間音信不通で生死が分からず長期間失踪している人に対しては、家庭裁判所が「失踪宣告」をして戸籍から除籍する措置があります。
この失踪宣告は要件によって「普通失踪」と「特別失踪」に分かれ、それぞれ死亡日の規程が異なります。
本人が行方不明になってから7年経った後、家庭裁判所に申し立てを行いこれが受理されると死亡が認定されます。行方不明から7年経った日=死亡日であり相続開始日です。
死亡日は行方不明日から起算されるので、例えば、2010年より10年間行方不明だった場合でも、死亡日は2017年となります。
②特別失踪
自然災害や、船舶沈没などの危難に見舞われた後、1年以上生死不明な場合は家庭裁判所の失踪宣言により死亡が認定されます。危難が去った日を起算日とするので、注意しましょう。
もし本人が生きていた場合は家庭裁判所に失踪宣言の取り消し審判を申し立てます。
まとめ
相続開始日とは、被相続人の亡くなった日です。
大抵の場合、死亡日は医学的に決定されますが、イレギュラーがあることも理解しておきましょう。
相続開始が決まれば、各種の手続き期限も決まるので、それらを破らないように手順や日程をしっかり把握しておくことも重要です。
期限を過ぎると罰則を科せられる場合もあるので注意しましょう。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。
まずはお気軽に初回無料相談をご利用ください。
■お問い合わせフォームから今すぐ初回無料相談をしたい方→こちらをクリック
■お電話で今すぐ初回無料相談をしたい方→046-297-0055(受付時間:平日9:00~17:00)
1960年東京生まれ 早稲田大学商学部卒業
1989年税理士登録
相続手続きについての執筆活動もしているエキスパート。
複数の事務所勤務を経験後、1995年厚木市に税理士事務所開業。2015年法人設立、代表就任。
税務や会計にとどまらず、3C(カウンセリング、コーチング、コンサルティング)のスキルを使って、お客様が幸せに成功するお手伝いをしています。
■著書
「儲かる社長がやっている30のこと」(幻冬舎)
■執筆協力
「相続のお金と手続きこれだけ知っていれば安心です」(あさ出版)
「事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」(あさ出版)
その他多数。