こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

著名な作家の死後に、作品に関する著作権を巡って遺族が争うことも珍しくありません。

民法では、相続人は、被相続人の一身に専属する権利を除き、相続開始時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継すると定められています。
 

ここで言う一切の権利には、著作権も含まれるので、著作権も相続財産になります

本コラムでは、この著作権を解説すると共に、相続での扱いについても述べていきます。

 

著作権の概要

著作権とは、個人の思想および感情を創作表現したもので、文芸・学術・美術・音楽などの範囲に属するものに関する権利です。

言い変えれば、著作権とは「作品自体はその作品を作った人のものであり、それを守る権利」なのです。
 

著作権は下記の二つに分かれます。

著作権(財産権)…著作物の使用を許可して、使用料を受け取る権利

著作者人格権…著作物の公表や、名前を表示する権利

 

前者は、一般的に著作権として扱われるものです。

後者の著作者人格権とは、未公表作品の発表時期を決めたり、自分の名前を併せて表示するかを決める権利です。

 

著作権は自動的に生じる

著作権は作品を製作した時に自動的に生じるので、基本的には登録や申請は不要です。

文化庁のシステムには著作権の登録システムがありますが

  • 作成日など著作権に関わる事実関係の証明を容易にすること
  • 著作権の発生・変更などを明確にすること

を目的としており、同システムを使わないと権利が発生しないというわけではありません。
 

ただし、2019年7月1日施行された著作権法改正により、著作権を相続した場合は文化庁に登録をしておかないと第三者への権利の対抗ができなくなっています

様々な要素を考慮すると、登録しておいて損はありません。
 

また、著作権には存続期間があります。

実名の著作物(認知度次第では実名でなくても可)…著者の死後70年

無名や団体の場合…公表や創作より70年

映画…公表や創作より70年

 

存続期間が続いている場合に、著作者が亡くなった場合は、その権利を相続人が引き継ぐことになります。

 

相続における扱い

前述したように、著作権は民法で相続財産として扱われます。

ただし、相続財産となるのは著作権(財産権)のみで、著作者人格権は一身専属権のため相続対象にはなりません。
 

著作権を相続する場合、特定の手続きは不要で、遺言書や遺産分割協議で取得する相続人を決定します。

遺族間のトラブルを避けるためには、遺言書で指定しておくほうが良いでしょう。

 

相続税評価の方法

著作権の相続税評価は、「年平均印税収入額×0.5×評価倍率」で算出します。
 

年平均印税収入とは、相続開始の3年前までにおける印税収入の平均額です。

評価倍率とは、課税時期よりも後の各年の印税収入の額が「年平均印税収入の額」であるものとして、印税収入期間に応じた基準年利率による複利年金原価率を指します。
 

印税収入期間については、その著作物に詳しい専門家(本なら出版社、音楽ならレーベル)などの意見を聞いて見積もります。

相続開始時期と印税収入期間に応じた基準年利率と複利年金現価率は国税庁のホームページで公表されているので、その数値を用います。
 

例えば、年平均印税収入が400万円で、評価倍率が20だった場合、

著作権の評価額は400万円×0.5×20=4,000万円となります。

 

まとめ

著作権も相続財産となるので、引き継いだなら相続税の対象となります。

通常の相続財産とは異なり、独自の評価方法があるので注意してください。
 

よくわからない、計算が面倒だという方は相続税専門の税理士に相談してください。

 

 


 
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