こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

せっかく遺言書を作成しても、遺言によって財産を渡す相手(=受遺者)が先に亡くなってしまうケースがあります。

年齢が近いご夫婦だと特に起こりうることです。
 

亡くなった方は財産を取得できないので、その受遺者が関連する項目は当然無効になってしまいます

受遺者が亡くなった時点で、関連する項目を書き換えればよいと考えますが、この書き換えも中々に面倒です。
 

というのも下記のような問題が出てくる可能性があるからです。

  • 公正証書遺言を選択していた場合は、公証役場に行って再作成となるので、手間がかかる
  • 遺言者が病気や高齢で遺言能力を喪失していると、書き換えができなくなる

 
ではどうすれば良いのでしょうか?
 

このようなケースでお勧めなのは「予備的遺言」の活用です。

予備的遺言は、遺言者より先に受遺者が亡くなっても、別に指定した人物に財産を遺贈できるからです。

 

受遺者が先に亡くなるとどうなるか

冒頭で述べた通り、受遺者が遺言者よりも先に亡くなった場合、遺言書に記載された遺贈等の効力は生じません

その際、受遺者が得るはずの財産は、他の相続人に帰属します
 

例えば、子供のいない夫婦(両親も既に他界)で旦那さんが「全財産を妻に相続させる」といった内容の遺言を残したとします。

この場合の相続開始後の法定相続人は奥さんのみですが、もし奥さんが旦那さんよりも先に亡くなった場合、財産は第3順位の兄弟姉妹に相続されます。
 

奥さんに遺産が相続されないなら、関係が薄い兄弟姉妹よりお世話になった方やよくしてくれた友人に財産をあげたいと考えても、それは通りません。

 

予備的遺言とは

遺言書を作成してから、相続が発生するまでには時間差があるので、受遺者が先に亡くなるなどの出来事が生じる可能性は十分にあります。

そのような状況を見越して、遺言書に受遺者が先に亡くなった場合に代わりの受遺者を指定することが可能です。
 

この方法は「予備的遺言」と言います。

予備的遺言を書いておけば、遺言書を書き直す必要もなくなるのです。

 

予備的遺言の活用法

予備的遺言の書き方は至ってシンプルです。

例えば、財産を渡すはずの奥さんが亡くなってしまった場合に、財産を友人に渡したい場合は、以下のように書きます。
 

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遺言者は、全ての財産を妻 相続継子(〇年〇月〇日生)に相続させる。
上記の相続継子が、遺言者が亡くなる前に死亡した場合は、財産の全てを以下のものに遺贈する。

名前:遺贈太郎
生年月日:〇年〇月〇日生
住所:〇〇県〇〇市〇〇町〇-〇-〇

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※奥さんが亡くなって、遺留分権を持つ法定相続人が出てくる場合は、遺留分を侵害しないようにしましょう。遺留分は第2順位まで認められています。
 

予備的遺言をしておけば、受遺者が先に亡くなっても遺言書を書き直す必要はありません

遺言者が高齢や病気で、遺言書を書き直せなくなる可能性が高い場合は、是非やっておくべきでしょう。
 

予備的遺言は受遺者が先に亡くなるケースのほかに、以下の場合にも有効です。

  • 遺言執行者に指定した方が就任しなかった場合
  • 未成年後見人に指定した方が就任しなかった場合

 
相続では、想定していなかった事態が起こるものです。

予備的遺言を活用することによって、様々な出来事にも対応できるようになりますので、覚えておきましょう。

 

まとめ

遺言書の指定通りに相続手続きが行われるように、できる限り穴の無い遺言書を書きたいものです。

様式不備に注意することももちろんですが、あらゆる事態を想定して予備的遺言を入れておくのも大切です。
 

 


 
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