こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

口座の名義人が亡くなった事実を金融機関側が知ると、その口座は凍結されてしまいます。

凍結されれば、預金をおろしたり、引き落としでの支払いもできなくなります。
 

★参考記事:知っておきたい銀行口座の凍結【手続きや相続前の対策も】

 
相続では、葬儀費用や相続税など、支払いの機会は意外に多いものです。

もし、手元に現金がない場合は、困った事態になります。
 

そこで民法では、「預貯金の仮払い制度」が2019年より創設されました。

この制度を利用すれば、凍結解除の手続きをしなくても、遺族が口座からお金を引き出すことができます。

 

預貯金の仮払い制度とは

故人の口座は相続財産のため、トラブル防止の目的で金融機関側が凍結を行います。

凍結口座からは、出金および振込や引き落としができません
 

もし生活資金を被相続人の口座にまとめていた場合、相続開始後の遺族の生活に影響が出る可能性もあります。

そのため、日本政府は「預貯金の仮払い制度」を創設し、遺産分割が完了していなくても、法定相続人であれば一定の金額を引き出せるようにしたのです。
 

引き出せるのは、以下の二項目のうち低い金額に該当するものです。

  • 被相続人死亡時の預貯金残高×法定相続分×3分の1まで
  • 150万円まで

なお、上限額は金融機関単位なので、金融機関を跨って複数の口座がある場合は、出金可能な金額も増えます。

 

払戻しに必要な書類

各金融機関ごとに手続きの内容や必要書類は変わってきますが、以下の書類はおおよそ必須です。(必ず事前確認をしてください。)

  • 被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本もしくは法定相続情報一覧図
  • 相続人の身分証明書、印鑑証明書
  • 引き出しの申請書

 

引き出しの金額が足りない場合

先に述べた引き出しの上限額は、「遺族がおよそ1年分暮らすための生活費、葬式およびその他の必要経費」を根拠に決定されています。
 

ですが、この金額ではお金が足りないという遺族もいることでしょう。

そんな時は、家庭裁判所で「仮処分」という手続きを行なえば、出金の上限額を増やせます。
 

ただし、裁判所の認可をもらうには、必要性や妥当性を示さなければなりません

仮処分の決定を受けるまでのハードルは高いので、現実的ではないでしょう

 

注意事項

故人の口座から預貯金を引き出して使用すれば、相続財産を処理したことになり、「単純承認」が成立します。

単純承認は財産を相続したことになるので、相続放棄はできません。
 

ただし、預貯金の仮払い制度を利用して払い戻したお金の使用先が葬儀代等であれば単純承認とはなりません。

生活費など自身のために使用した場合に、成立します
 

もし、相続放棄を検討しているなら、安易に預金の仮払いを利用するのは避けたほうが良いでしょう。

また、制度利用には他の相続人の同意を得る必要はありませんが、遺産分割協議時にもめごとにならないよう、できる限り利用前に事前に連絡をしておくべきでしょう。

 

まとめ

預貯金の仮払い制度について解説いたしました。

スムーズに凍結口座から預貯金が引き出せるのは良いことのように思えますが、相続放棄や他の相続人との関係を考えると、活用には慎重な対応が必要です。
 

不安な場合は、相続手続きの専門家に相談してください。

 

 


 
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