厚木市で 相続手続き 支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。


遺言書は、相続財産の分割内容や方法等について故人の意思を反映したものです。多くの法的効力があり、相続では原則、遺言内容に従って手続きを進めていくことになります

しかしながら、遺言書の力は絶対的なものではありません

遺言書は場合によっては、特定の相続人のみを優遇するような、他の相続人は納得できない内容のものが作成されます。そのような遺言に従ってしまうと、他の相続人の権利や公平性が失われてしまうからです。



強い効力を持つ 遺言書

遺言書とは、被相続人(=故人)が亡くなった後で効力が生じる書類です。

下記の通り、財産の配分割合や分割方法の指定、子供の認知等について、自身の意思を反映できます。

  • 相続分の指定
  • 遺産分割方法の指定と分割の禁止
  • 相続人の廃除
  • 遺贈の指定
  • 子供の認知
  • 後見人の指定
  • 相続人相互の担保責任の指定
  • 遺言執行者の指定


遺言書に上記の指定がされている場合は、相続では原則としてその内容に従って、各手続きをしていくことになります。

例えば、配偶者と子供以外(法定相続人以外)の第三者への遺贈が指定されていた場合、家族としては少し納得できないかもしれませんが、従わざるを得ないのです。

しかし、もし遺贈の内容が「特定の人物だけに遺産を全額渡す」という偏りのあるものだった場合、従う必要はありません。民法上、相続人には一定の権利が認められており、遺言書の効力でも侵害できないからです

他にも、相続人全員(遺贈の受遺者も含む)が望まない内容であった場合も同様です



遺言書の撤回

(1)遺留分の侵害があった時


遺留分とは、法定相続人が相続財産の一定額分を取得できる権利です。

遺留分の割合は各相続人によって以下のように定められています。

遺留分の配分

もし、相続財産が全くもらえない、もしくは上記通りの配分の金額が取得できない場合は、権利を侵害されたことになります。その場合は、「遺留分侵害額請求権」を行使して他の相続人から財産を取り戻すことができます。

ただし、遺留分をもらうためには相続人自身が請求を行わなければいけません。つまり、主張しなければ、遺留分はもらえないのです。

また、遺留分侵害額請求権は、遺留分の権利者が相続の開始および遺留分侵害の事実を知った時から1年で時効となります。葬儀や相続税の申告などに気を取られて、時効とならないように注意しましょう。(相続開始時から10年を経過したときも、同様に時効となります。)

なお、遺留分は被相続人の配偶者・子供(代襲相続人)・両親等の直系尊属のみに認められています。被相続人の兄弟姉妹は法定相続人であっても、遺留分がありません。



(2)相続人全員の合意があった時


全ての相続人の合意がある場合、遺言内容に従わなくて構いません。
相続財産の分割については、遺産分割協議によって決めることになります。

ただし、遺言書に遺言執行者が指定されている場合は、執行者の同意も必要です

遺言執行者とは、遺言書内容を実現させるために各種の手続きを進める役割を持ちます。執行者は血縁者の他に、友人や税理士・弁護士なども指定することができます。

遺言執行者は遺言書に従った遺産分配が責務のため、遺言書とは異なる遺産分割を行うためには同意が欠かせません。

また、遺言書によって遺贈が指定されている場合、遺言と異なる遺産分割をする際には、受遺者の同意も得なければなりません

受遺者が遺贈を放棄すれば、同意を得なくても遺産分割をすることができます。



揉め事を避ける遺言書作成を

遺言書は故人の思いを次の世代へ伝えるものであり、相続手続きを円滑にするものでもあります。しかし、その書き方によっては、家族間にトラブルを起こす可能性があり、争いの火種になり得ることを十分認識しましょう

残された家族が良い関係を続けて行けるよう、内容については慎重に検討するべきなのです。



まとめ

遺言書の力は絶対的なものではありません。特定の相続人のみを優遇するような、公平性さを欠く内容であった場合は従わなくても良いのです。

遺言を残す場合も、相続人の権利を侵害しないような内容にしましょう。偏りが出てしまう場合には、できれば遺言書を書く前に、家族とその分割方法について話し合いをしておくと良いでしょう。






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