厚木市で 相続手続 支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続 の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

高齢になると、介護が必要になる可能性は高くなります。老人ホームに入居するケースもありますが、自宅での介護となった場合は、家族の誰かにお願いすることになるでしょう。

一番想定されるのは、本人の配偶者や、子供ですが、「子供の奥さん」が介護をされるケースもあります。場合によっては、献身的に面倒を見てくれる場合もあるでしょう。

介護を頑張ってくれた分、恩返しという形で遺産をあげたいと思うのも当然です。しかしながら、子供の配偶者は法定相続人ではないので、遺産を相続できません。財産を渡したいのであれば何かしらのアクションが必要です。

 

子供の配偶者は相続人ではない

息子さんの奥さんは被相続人にとっての法定相続人ではありません。そのため、何もしなければ通常は遺産を受け取ることができません

そもそも相続では誰が法定相続人になるかは、被相続人との関係性で決まります。

法定相続人の範囲は「配偶者相続人」と「血族相続人」の二種類に区分され、被相続人の配偶者は必ず法定相続人となります。血族相続人は以下の順位により相続権を取得します。

  • 第1順位…被相続人の子供(直系卑属)
  • 第2順位…被相続人の親(直系尊属)
  • 第3順位…被相続人の兄弟姉妹

もしも、上の順位の方がいない場合、次の順位の人が法定相続人になります。子供のいない夫婦の場合、夫が亡くなった時の法定相続人は妻と夫の両親です。両親が他界しているのであれば、第3順位の兄弟姉妹が法定相続人となります。

 

法定相続人以外に遺産を渡すには遺言で指定する

息子の奥さんは、法定相続人にはなれないことがわかったと思いますが、だからといって遺産が全くもらえないかというとそうでもありません。

法定相続人以外に遺産を渡す方法として、「遺言書で指定する」という方法があります。

法定相続人以外の人にも、財産を渡すことを遺贈と言いますが、遺贈は遺言書で指定することによりその効力が生じます。遺贈する相手は遺言者が自由に選べます。

遺産の受け渡しを指定された方は「受遺者」と言います。

受遺者に指定された方は遺産をどう受け取るかによって「特定受遺者」か「包括受遺者」かに区分されます。包括受遺者はさらに細かく四つに分類されます。

 

遺留分に注意する

遺言書で遺贈をする場合、「遺留分」に注意しなければなりません。遺留分とは、被相続人の兄弟姉妹を除く法定相続人が「最低限の遺産を取得できる」権利のことです。

遺留分の金額は、「(相続手続き開始時の遺産+生前贈与された財産−債務)×割合」で算出します。

相続人:被相続人の子供2人
遺産総額:6,000万円
生前贈与:4,000万円
債務:1,000万円

上記の場合のケースだと

基礎となる財産:6,000万円+4,000万円-1,000万円=9,000万円
子ども全員の遺留分:9,000万円×1/2=4,500万円
子供1人あたりの遺留分:4,500万円×1/2(法定相続分割合)=2,250万円

となります。

 
遺留分がある以上、被相続人の配偶者や子供は、必ず遺産を受け取れるわけであり、その最低限の取り分を侵害するような「偏りのある遺贈はできない」ということです。

つまり、「妻も子供も介護を全くしてくれなかったので、遺産は全て息子の奥さんに渡す」といった内容の遺言は基本的にはできないということです。

ただし、遺留分は自動的に保証されるわけではなく、遺留分の権利者が遺留分の返還を請求しなければなりません。(この請求は「遺留分侵害額請求」と言います。)

 

遺留分侵害額請求には時効がある

  • 相続の開始および遺留分を侵害する贈与や遺贈について知った時から1年間
  • 相続開始から10年

いずれかを過ぎると請求ができなくなります。
よって、厳密に言えば、他の相続人が何もしない場合に限り、偏った遺贈も通ります。

しかしながら、遺留分を侵害するような遺贈は確実にトラブルの原因になるので、避けるべきです。そもそも、法定相続人以外に遺贈すること自体が争いの火種になり得る事項なので、事前に家族に話をして、納得してもらっておくべきです。

 

遺贈は相続税が高くなる

遺贈によって受け取った財産も相続税の対象となります。そのため、相続財産の総額が基礎控除よりも大きくなる場合、受けとった遺産について相続税を負担しなければなりません。

受遺者が払う相続税額は通常よりも多くなります。これは、配偶者や一親等の血族、代襲相続人以外の方が相続財産を得た場合、相続税が2割増となるルールがあるからです。

従って、受遺者が高額の相続税を負う可能性もあります。

 

生前贈与という手段も

生前贈与とは生きているうちに財産を贈与する方法です。贈与する相手は、贈与者が自由に選べます。

そのため、遺贈でなくとも子供の配偶者に財産を渡すことは可能です。

また、生前贈与では年間110万円までの贈与が非課税で行えるので、節税としても有効です。

 

まとめ

子供の配偶者に遺産を渡したい場合には、遺贈か生前贈与が良いでしょう。遺贈は遺言で指定するだけで良いですが、相続税が2割増になる点に注意です。また、他の相続人と揉めないように事前に話し合いをしておくのも大事です。

生前贈与では年間110万円までの贈与が非課税となるので、うまく活用すれば無税で財産を渡せます。

今回、解説した以外にも方法はありますので、詳しく聞きたい方は、弊所までご相談ください。
 


 

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