相続税申告書を出し直したい タイミングによっては注意が必要
厚木市で 相続手続 支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続 の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
相続税の申告には正しい税額計算が不可欠です。とは言っても、相続税の計算は簡単ではありません。各財産に応じて評価方法が異なりますから、専門知識はもちろん、ある程度の経験がなければ、非常に難しい作業です。故に、一般の方が行うと申告額に誤りが生じる可能性は高くなります。
申告を一度した後に間違いに気づくケースも出てきます。この場合、申告の期限内であれば、再度申告書を出し直せば、ペナルティはありません。
ですが、期限がすでに切れてしまっている場合には、事情が変わります。
申告の出し直しは期限内であれば問題なし
相続税の申告期限は相続開始を知ってから10ヶ月以内となっています。
一度提出した申告書の内容が間違っていることに気がついた場合、それが上記の申告期限内であれば、問題ありません。申告書を修正して、もう一度提出すれば良いからです。
相続税法では、申告期限内に相続税の申告書を提出した方が、さらに同期限内にその申告にかかる課税価格、相続税額、もしくは贈与税額を修正した申告書を提出する場合、国税通則法第19条第1項の修正申告書とはされず、期限内申告書として取り扱われるとされています。
申告期限内に、申告書を再度提出する行為は「訂正申告」と呼ばれます。
要するに、期限内であれば後に出した申告書が正式な申告書として扱われます。よって、間違いに気づいた場合は焦らずに修正作業をしましょう。
なお、期限切れにはくれぐれも注意しなければなりません。
期限後の場合は、早急に提出すること
申告期限後に、正しい金額で訂正した申告書を提出する行為は「修正申告」と呼ばれます。こちらは期限後ということで先述の訂正申告とは事情が違います。
相続税の本来の申告と納付期限を破ることになるので、ペナルティとして「過少申告加算税」と「延滞税」が課されるからです。
延滞税は本来の納期限日から修正申告をした日(この日が修正した相続税の納期限となります)までの期間に、年14.6%(2カ月以内の場合には年7.3%)が本来の税金に加算されます。
過少申告加算税とは正しい税額よりも低い金額で申告をした場合に加算されます。過少申告加算税は修正申告をするタイミングで課税率が変わります。
- 税務署の調査を受けた後に修正申告書を提出する場合、追加納付すべき税額の10%(追加納付する税額が期限内申告をした税額または50万円のどちらか多い金額を超える部分に対しては15%)の過少申告加算税が加算
- 修正申告書の提出が、税務調査の通知以前かつ調査による更正を予知してされたものでないときは課されない
- 調査の事前通知の後の場合は、50万円までは5%、50万円を超える部分は10%の割合を乗じた金額の過少申告加算税がかかる
以前では、税務調査前までに修正申告を行えば、加算税の対象外となっていました。しかし、現在では調査通知が来るまでに行わなければ、税金を課せられてしまいます。
修正申告が必要なケースは他にもある
修正申告が必要となるのは、税額計算に間違いがあった場合以外にも必要です。
- 後から新たな遺産が見つかった
- 特例の適用の誤りがあった
新しい相続財産が後になって発見された場合や、特例の適用誤りがあった場合でも、相続税額が変動します。よって、修正申告が必要となります。
修正申告はできる限り早くする
税額が不足していたことがわかった場合、それが申告の期限後であれば税務署に修正申告書を提出します。修正申告書は税務調査で更正を受けるまでであれば、いつでも提出できます。
相続税の修正申告に特に期限は設けられていませんが、前述した通り、後になればなるほど延滞税が課せられていくので、早い段階で手続きを終える必要があります。
申告書や添付書類は国税庁のホームページからダウンロードできます。
提出は、管轄の税務署窓口に必要資料を直接持参するか、郵送でも大丈夫です。e-Taxでの電子申告でもできます。どの方法を選択しても、納税額は変わりませんので、早めに済ませておきましょう。
修正申告は税理士への依頼がお勧め
相続税の修正申告は、税理士に依頼する方が良いでしょう。税理士に依頼することで報酬は発生しますが、適切に申告してもらえるメリットがあります。
冒頭でも述べましたが、相続税は、複雑なプロセスの中でする作業なので、専門知識と経験がないとハードルの高い作業になります。
その点を考慮すると、税金のプロであり、豊富な経験を持つ税理士なら、正確かつ素早い税額計算が可能です。
前述したように延滞税は、遅れれば遅れるほど金額が増えていくものですから、計算に時間をかけなければ無駄な税金を払わなくて済みます。
また、大変な作業を税理士に任せれば、精神的な負担からも解放されます。
まとめ
相続税額の計算は複雑ですから、間違いも起こりやすいと言えます。
誤りに気づいて申告期限内に申告書を出し直すのであれば、問題はありません。期限を守ることに集中して、手続きを終えるようにしましょう。
ご自身で手続きをやり直すのも良いですが、確実性とスピードを求めるのであれば、相続税専門の税理士に手続きを代行してもらうことがお勧めです。
むしろ、最初から税理士に依頼してしまった方が、負担も少なくて済みます。依頼することで様々なメリットがありますから、是非検討してください。
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1960年東京生まれ 早稲田大学商学部卒業
1989年税理士登録
相続手続きについての執筆活動もしているエキスパート。
複数の事務所勤務を経験後、1995年厚木市に税理士事務所開業。2015年法人設立、代表就任。
税務や会計にとどまらず、3C(カウンセリング、コーチング、コンサルティング)のスキルを使って、お客様が幸せに成功するお手伝いをしています。
■著書
「儲かる社長がやっている30のこと」(幻冬舎)
■執筆協力
「相続のお金と手続きこれだけ知っていれば安心です」(あさ出版)
「事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」(あさ出版)
その他多数。