厚木市で 相続 の手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続 の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

ここ数年、多くのメディア媒体で「ビットコイン」や「仮想通貨」という言葉を耳にする機会が増えました。

一昔前までは「一部のIT好きな人たちがやっている怪しいもの」というイメージを持たれていた方も多いかもしれません。しかし今では、大手企業が参入したり、資産運用の一部として保有したりと、私たちの生活の中に浸透してきています。

そんなデジタル時代の新資産である仮想通貨ですが、まだまだその仕組みを知らない方も多くいらっしゃいます。そのため、「相続財産に含まれていた場合の扱いがわからない」といった方も多いのです。

「うちは普通の家庭だから関係ない話」と思われるかもしれませんが、実はご家族がこっそり資産運用で始めていた…というケースもあるのです。

いざという時に慌てないために、仮想通貨の相続について知っておくことは大切です。本コラムでは分かりやすく解説していきますので、是非参考にしてください。

 

そもそも「仮想通貨(暗号資産)」とは何か

ざっくり言うと、「インターネットの中だけで取引されるお金」のことです。千円札や硬貨と言った現金のように手で触れることはできませんが、データとして確かに存在する資産です。

代表的なものに、「ビットコイン」や「イーサリアム」があります。今では随分と浸透したので名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

これらは「ブロックチェーン」という仕組みで運用されています。みんなで取引記録を監視し合う特殊な技術が使われており、安全性や透明性が保たれているため、銀行を通さずに個人同士でのやり取りが可能です。

最近では投資目的だけでなく、海外への送金や、ネットショッピングの支払いなど、日常生活での使い道も少しずつ広がっています。

ちなみに、法律上は現在では「暗号資産」という名称になっていますが、中身は昔から言われている「仮想通貨」と同じものです。

 

仮想通貨も「立派な財産」です

ここが一番のポイントですが、仮想通貨は現金や不動産と同じ資産のため、相続税の対象になります

では、その相続時の価値はいくらで計算されるのでしょうか。原則として、所有者が亡くなった日の「市場価格(時価)」で評価します

具体的には、

  • 所有者が利用していた取引所の価格
  • 主要なマーケット価格(複数取引所の平均など)

を基準に、死亡日の終値や平均値を採用します。

 

ここが怖い!「スマホやPCの中」に取り残されるリスク

銀行預金なら「通帳」や「カード」があるので、ご家族が見つけるのは比較的簡単です。しかし、仮想通貨には形がありません。

もし、亡くなられた方が誰にも言わずに仮想通貨を持っていたら……ご家族はその存在に気づけないままになってしまいます。

さらに怖いのが、「パスワード」や「秘密鍵」の問題です。仮想通貨はセキュリティが非常に高いため、専用のパスワード(鍵)が分からないと、相続人であっても中身を取り出すことがほぼ不可能です。

「パスワードが分からないから引き出せない。でも、データ上は資産があるから相続税だけはかかる」なんていうケースも起こり得ます。

 

トラブルを防ぐために今できること

もしご自身が仮想通貨をお持ちだったり、これから始めようと思っている場合は、ぜひ以下の対策をしておいてください。
 

(1)取引所やパスワードの情報をリスト化する

 
「どこの会社(取引所)を使っているか」「ID・パスワード」「ウォレット情報」などをリスト化し、保管しておきましょう。これがあるだけで、遺族の負担はかなり減ります。

 

(2)海外の取引所には注意が必要

 
日本の取引所なら、戸籍謄本などを提出すれば相続手続きができますが、海外の取引所だと英語でのやり取りが必要になり、手続きが困難になります。

ご家族のためにも、資産状況を整理した上で、手続き方法もまとめておくと安心です。

 

(3)遺言書で指定しておく

 
「誰に」「どのコインを」渡すかを遺言書にはっきり書いておくと、さらにスムーズです。

 

価格変動(値動き)に注意

仮想通貨は、1日で価値が大きく変わることがあります。前述したように相続における評価は「亡くなった日の価格」で決まりますが、納税するために仮想通貨を売る(現金化する)時、「相場が暴落していた」という事態になるケースもあります

損失が出るどころか、現金化できないことで相続税の納税ができなくなることもあります。納税資金の確保については、早めの検討が必要です。

 

まとめ

仮想通貨は、目に見えない資産だからこそ、持ち主がいなくなると「なかったこと」になりやすい資産です。しかし、価値がある以上、それは大切なご家族に残すべき財産であり、同時に納税の義務が生じるものでもあります。

仮想通貨が財産に含まれる場合は、所有者もその家族も、後の相続で困らないように対策方法を把握しておきましょう。


 

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