相続税の税務調査で聞かれること
こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
今回は相続税の税務調査において、当日に聞かれやすい事項をご紹介いたします。
当日の調査の流れや、事前に用意しておくべき資料なども紹介いたしますのでご参考ください。
税務調査には事前連絡あり
一般の相続税の税務調査は強制調査ではないので、必ず事前に連絡があります。
連絡の時点では具体的な指摘や確認は行わず、調査の日程のみを決定します。日程について都合が悪い場合は変更をしてもかまいません。
尚、相続税の申告を税理士に依頼している場合は、税務署から税理士に連絡があり、その後税理士から本人に連絡が行きます。
調査の前にチェックしておきたいこと
(1)遺産の把握
相続した遺産について把握しておきます。
(2)生前贈与の記録
生前贈与を行なっていた場合は、贈与契約書等の資料から内容を把握しておきましょう。
税務調査では、贈与税の申告と納付が正確だったかの確認もあります。
(3)遺産分割協議書
どのような方法で遺産を分割したのか遺産分割協議書を再度確認しておきます。
尚、税務調査のことを見据えて遺産分割協議書はできる限り詳細な記録を残した方が良いでしょう。曖昧な記録しかない状態で税務調査が入ると、追徴税が生じることがあります。
準備しておくもの
当日までに準備しておくべき資料は以下の通りです。
- 相続税申告で使用した資料一式
- 被相続人の通帳一式
- 相続人の通帳一式
- 相続人所有の土地の権利証や不動産購入時の資料(資産に関する資料)
- 相続人の認印(当日の確認書に署名・捺印を求められることがあります)
上記の資料を用意しておけば、調査官から求められてもスムーズに対応できます。
資料は積極的に見せる必要はなく、調査官の指示に従って見せるようにしましょう。
税務調査当日の流れ
税務調査の場所は家の取り壊しなどがない限りは被相続人の自宅で行われます。
これは、相続税対象となる財産が残っている可能性があるためです。
立会人は相続人全員が望ましいですが、立ち会えない人がいる場合でも、相続人の代表者は必ず税務調査が行われることを相続人全員に連絡しておきましょう。
10:00頃 調査官(質問係と記録係の2人)が訪問
※午前は調査官によるヒアリング調査が行われます。
12:00頃 休憩
13:00頃 再開
※帳簿や通帳等を見ながら確認を行います。
15:00頃 指摘や質疑応答
17:00頃 終了
17時頃までには完了することが大半ですが、調査内容が多い場合には翌日に続くこともあります。
相続税の税務調査で聞かれる事項
実地調査では、調査官から様々な事項について質問がされます。
中には被相続人の趣味や性格等調査には無関係と思われるような質問もありますが、税務署の調査官はこのような情報から調査の端緒をつかもうとするのです。
質問に回答する時は、提出済みの申告書やあらかじめ用意した資料を見ながらでも問題ありません。
誠実に答えること、聞かれた質問にだけ答えることに気をつけて回答してください。
相続税の税務調査でよく聞かれる質問としては、以下のものがあります。
被相続人の本籍および実家について聞かれます。
生前の被相続人の住所と実家の住所が異なる場合には、実家の近くに土地や家屋等の不動産を持っていなかったか確認されます。
②職業
収入状況とどのように貯蓄を行なっていたのかを確認します。
被相続人が会社を設立していた場合は、運営に家族が協力していたかどうかや役員報酬の金額を聞かれます。
③趣味
骨董品などでも資産形成をすることが可能なため、確認がおこなわれます。
もし、被相続人が絵画等を集めるのが趣味だった場合、それらは遺産に含まれるので現物の提示が求められたりします。
④その他の事項
相続直前に大きな出費がある場合はその用途、財産の管理状況や利用していた金融機関、投資状況、寄付行為、亡くなる前の病状、認識能力の有無、財産管理の状況、などが聞かれます。
申告書の作成時点で税理士に相談している場合
相続税申告書の第1表の右下には税理士の署名捺印欄があり、もし申告書作成時に税理士に作成依頼をしておけば、この欄を埋めることができます。
逆に空欄であれば、個人作成で間違いが起きやすいとみられ、税務調査が入る可能性も高くなります。
署名欄を埋めたからといって税務調査が必ず入らないとは言いきれませんが(申告書が正しくても調査は入ります)、仮に実地調査があっても税理士が同席するため、精神的な負担は少なくなるでしょう。
まとめ
相続税の税務調査は事前にしっかりと対策・準備を行うことが重要です。
また、税務調査の連絡が来たからといって必ず問題が指摘されてしまうというわけではありませんので、落ち着いて対処することも大切です。
どうしても不安な場合は、無理をせず専門の税理士に相談してください。
税理士を同席させることで、当日にグレーな質問を受けても慌てることがないので安心です。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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1960年東京生まれ 早稲田大学商学部卒業
1989年税理士登録
相続手続きについての執筆活動もしているエキスパート。
複数の事務所勤務を経験後、1995年厚木市に税理士事務所開業。2015年法人設立、代表就任。
税務や会計にとどまらず、3C(カウンセリング、コーチング、コンサルティング)のスキルを使って、お客様が幸せに成功するお手伝いをしています。
■著書
「儲かる社長がやっている30のこと」(幻冬舎)
■執筆協力
「相続のお金と手続きこれだけ知っていれば安心です」(あさ出版)
「事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」(あさ出版)
その他多数。