2020年以降に義務化する相続登記【前編】
こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
昨年の2019年2月に法務省より、民法と不動産登記法の見直しが発表されました。
その中では、相続登記を義務化する話も出ています。
この流れの根底にあるのは、所有者不明の土地や建物の問題です。
過去に起きた東日本大震災でも、所有者不明の土地が多いせいで復興事業の用地買収の妨げになったそうです。
所有者の調査は相当な労力とお金を要しますし、それが複数ともなると目もあてられません。
日本政府としてはこのような状況を放置するわけにもいかないので、相続登記義務化によって課題の解決を図ろうとしているのです。
相続登記とは
そもそも登記とは、個人や法人・不動産・物権・債権など法的に重要な権利や義務を保護すると共に、公にすることで第三者との円滑な取引を実現するシステムです。
登記にも種類がありますが、代表的なのは不動産登記と相続登記です。
前者は、不動産の状況や持ち主を記載する手続きです。
後者は、不動産登記の一種で、所有者が亡くなった際に、登記の名義を亡くなった方=被相続人から相続人へ変更する手続きです。
現在(2020年5月段階)、不動産登記で義務となっているのは物理的公示(土地の番地等の基本情報)のみで、権利関係の登記は任意です。
要するに、譲渡や相続で所有権が移った後に、登記を変更しなくてもペナルティはありません。
そのため、手間を嫌って変更手続きをしないケースが多いのです。
何代も登記名義の変更をしないままだと、当然ながら最終的には所有者が分からなくなってしまいます。
義務化の主な理由
日本国内では、手間を嫌って登記変更を行わないケースが多いせいで、持ち主不明の土地や建物が増え続けています。
土地だけで換算すれば、九州と同じ面積の410万ヘクタールにもなるそうです。
これらの何が問題かと言うと、冒頭でも触れましたが、復興事業の用地買収の妨げになる=再活用や再開発が困難になることです。
土地を活用するには所有者の同意を得なくてはなりません。
しかし、所有者不明の場合は、それを探す費用がかかる上、もし危険な建築物や違法投棄があれば処理費用もかかります。
九州と同じ面積の土地を全て再活用するとなると莫大な資金が必要になってしまいます。
相続登記義務化の流れは、これらの問題を大きくしないための対策と言えます。
相続登記の義務化はいつから
義務化についての詳細な日程は決定していません。
あくまで、『2020年までに必要な制度改正の実現を目指す。』に止まっています。
とは言っても、今年中の実施が予想されるので、相続で取得した不動産の登記変更を終えていなかったり、将来的に相続が行われる場合は、今のうちから準備をするべきです。
相続登記は個人でもできますが、 税率の計算等、専門的な知識を有するので手間がかかります。
確実性とスピードを求めるなら、専門家に依頼しても良いでしょう。
まとめ
相続登記の概要や、相続登記の義務化の背景について説明いたしました。
次回も同問題について取り扱います。
相続登記をしておいた方が良い点や、義務化に伴って予想される罰則等について触れていきますので、是非ご一読ください。
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1960年東京生まれ 早稲田大学商学部卒業
1989年税理士登録
相続手続きについての執筆活動もしているエキスパート。
複数の事務所勤務を経験後、1995年厚木市に税理士事務所開業。2015年法人設立、代表就任。
税務や会計にとどまらず、3C(カウンセリング、コーチング、コンサルティング)のスキルを使って、お客様が幸せに成功するお手伝いをしています。
■著書
「儲かる社長がやっている30のこと」(幻冬舎)
■執筆協力
「相続のお金と手続きこれだけ知っていれば安心です」(あさ出版)
「事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」(あさ出版)
その他多数。