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厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

相続では、各相続人が「遺産をどのように引き継ぐか」を選択することで、その後の手続き方法が変わります。

遺産の引き継ぎ方には下記の三つのパターンがあります。

 
遺産の内容によっては、選択を誤ると大きな損害を被ることになります。

そのため、各パターンの違いを理解しておくことが大切です。

 

遺産引き継ぎの各パターン

(1)単純承認

 
単純承認は相続権をそのまま行使し、全ての財産を取得する方法です。

相続において、最も多い引き継ぎのパターンです。
 

相続人は、現金や預貯金・不動産のプラスの財産に加えて、借入金や住宅ローン・カードローンといったマイナスの財産も引き継がなければなりません

 

(2)限定承認

 
限定承認とは、マイナスの財産をプラス財産の範囲内で取得する方法です。

例えば、相続財産の内容が現金で1,000万円、借金が2,000万円である場合、借金はプラス分の1,000万円までしか負わないことになります。
 

限定承認を選択する場合、手続きに他の相続人の同意を得る必要が出てくるので、少し面倒です。

 

(3)相続放棄

 
相続放棄とは、相続人としての権利を手放すことです。

つまり、一切の財産を引き継がないことになります。
 

被相続人の債務が高額で、プラスの財産を大幅に上回るケースなどに有効活用されます。

 

相続方法はどのように決定するか

(1)単純承認以外は熟慮期間内に手続きをする

 
限定承認や、相続放棄を行う場合は、「熟慮期間内」に手続きをしなければなりません。

熟慮期間とは、相続方法を選択できる期間のことで、 被相続人の死亡もしくは自分が相続人であると知ったときから3カ月以内となっています。
 

もし熟慮期間内を過ぎれば、単純承認を選んだことになります

なお、被相続人が多方面に債務を抱えており財産整理が期限内にできない等、相応の理由がある場合は、熟慮期間の延長もできます。
 

延長も期限内に家庭裁判所に申立てをしなければならないので、注意しましょう。

 

(2)法定単純承認に該当する行為をしたかどうか

 
財産について特定の行為をしてしまうと、熟慮期間内でも単純承認を選んだとみなされます

このルールは「法定単純承認」と言います。
 

特定の行為とは以下の二つを指します。

①相続財産の処分
相続人が相続財産の不動産を売却したり、預貯金を引き出したりした場合は、単純承認が成立します。自動車や骨董品等を勝手に捨てたり、破損させた場合も成立します。

②相続財産の隠匿
相続人が故意に相続財産を隠すと、法定単純承認が成立します。限定承認や相続放棄の手続き完了後に隠匿が発覚しても、同様です。

 

まとめ

遺産の引継ぎには様々な方法があります。

多くのケースでは単純承認が選ばれますが、被相続人の債務が多いことがわかれば、限定承認や相続放棄を選ぶ可能性も出てきます。
 

重要なのは、遺産の調査をしっかりと行うことです。遺産の全容がわからなければ、正しい選択ができないからです。

ただし、熟慮期間が設けられているので、早い時期から準備をしておきましょう。

 

 


 
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贈与とは贈与側と受贈側の双方の合意により成立しますが、とあるケースでは合意が無くても贈与とみなされます

これは「みなし贈与」と言います。
 

みなし贈与は、通常の贈与と同じく贈与税が課税されます。

今回のコラムではみなし贈与の概要や該当する事例を紹介いたします。

 

みなし贈与とは何か

(1)概要

 
みなし贈与とは、言葉通り「通常の贈与と同じとみなす」という意味です。
 

具体的に言えば、通常の贈与のように「双方の合意がなくても、経済的利益があるならば贈与であるとみなされる」のです。

金額によっては、通常の贈与同様に贈与税がかかってしまいます。

 

(2)通常の贈与と何が違うのか

 
通常の贈与は、双方に贈与の認識があり、「あげる・もらう」という合意に基づき、財産が無償で譲渡されます。

しかし、みなし贈与にはそのような認識(合意)はありません。
 

「安く売る」や「負債を肩代わりする」など、実質的に贈与を受けるのと同様の利益を与える行為なのです。

 

みなし贈与に当たる具体例

(1)低額譲渡

 
例えば、父親が所有する不動産を息子へ大幅に安い価格で売却した場合は、みなし贈与に該当します。

時価5,000万円の住宅を1,000万円で売ったのであれば、息子は差額の4,000万円について贈与を受けたことと同じだとみなされるのです。
 

この時、時価とどれくらい離れているとみなし贈与になるかについて、明確な定義はありません。

時価の約2割引きくらいであれば大丈夫ですが、目安でしかないので注意が必要です。

 

(2)債務の肩代わり

 
息子の借金を親が肩代わりしたような場合も、みなし贈与です。

奨学金の返済を代わりに行った場合も該当します。
 

ただし、債務者が資力を喪失しており明らかに債務の弁済が困難である場合は、みなし贈与であっても贈与税が免除となります。

 

(3)無利息での金銭の貸し借り

 
無利息の融資も、みなし贈与の対象です。

国税庁では、少額の融資の場合は贈与税の対象にならないとしていますが、具体的な金額については公表されていません。
 

贈与税の非課税枠が110万円までなので、これを超える融資である場合には、みなし贈与とされるケースが高いと言えます。

 

(4)子供が生命保険金満期時の受取人

 
父親が支払った保険料で子供が満期時の保険金をもらう場合は、みなし贈与です。

保険金を受け取る=利益を受けているため、金額に応じて贈与税が生じます。

 

(5)無償で不動産の名義変更をした場合

 
親の持っている不動産や株式の名義人を無償で子供へ変更した場合等もみなし贈与となります。

子供は無償で株式や不動産の所有者になるので、贈与されたことと同じになるわけです。
 

当然ながら、評価額分に応じて贈与税を支払う必要があります。

 

まとめ

贈与という認識が無くても、贈与とされてしまう部分が、みなし贈与の怖いところです。

該当する事例を知らずに、贈与税を課税されてしまうケースが多いのです。
 

みなし贈与となる行為をした後に専門家に相談しても、贈与税の支払いを回避することは困難です。

そのため、現金や不動産など財産の移動がある場合には、必ず事前に相続税や贈与税に詳しい税理士に相談することをお勧めします。

 

 


 
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年間110万円まで無税で財産を渡せる生前贈与ですが、贈与の際には内容を明記した「贈与契約書」を作成することが大切になります。

贈与契約書とは、双方に合意があったこと・贈与があったことを第三者や税務署に証明できる書面だからです。
 

税務署から贈与を否定される可能性も少なくなり、様々なリスクを回避できるようになります

 

なぜ贈与契約書が必要なのか

生前贈与が認められるには下記の事項を満たさなければなりません。

 
満たされない場合には税務署から贈与行為を否定されます。

贈与が無効となった場合、渡された財産の扱いは贈与者の死亡後に「遺贈された財産」となり、相続税が課税されてしまいます
 

実は贈与契約における合意は口約束でも成立します

それでも贈与契約書の作成をするべき理由は、それが客観的に契約行為を証明できるからです。
 

贈与に関する調査は、相続税の税務調査をきっかけに起こることが大半です。

相続税の調査の時点では、贈与者(=被相続人)はすでに亡くなっているので、贈与契約書がなければ贈与の証明ができません

 

贈与契約書の作成方法

生前贈与の契約書に決まった様式はありませんが、記載が必須の項目があります。

 
財産の内容は誰が見てもわかるように書きます。

例えば、不動産を贈与する場合は登記事項証明書に書かれてある情報を記載します。
 

必須項目の他にも、以下の点を忘れないようにしましょう。

署名は自筆で行いましょう。パソコンで書いてしまうと、信用度は低くなってしまいます。
 

確定日付とは、その日に文書が存在したことを証明するもので、公証役場で手続きをすれば押印してもらえます。
(一件、700円ほどの手数料がかかります。)

文書の信用度も上がるものなので、可能な場合は押印してもらいましょう。

 

注意すべき事項

(1)不動産を贈与する場合は収入印紙が必要

 
現金や株式などの贈与の契約書には、収入印紙を貼る必要はありません。

しかし、不動産の場合、200円の収入印紙を貼る必要があります。
 

印紙代は、契約内容によって金額が決まるので、ケースによっては200円以上の印紙が必要となります。

また、不動産の名義変更にかかる登録免許税不動産取得税がかかることも覚えておきましょう。
登録免許税の税率は相続時よりも高くなりますし、不動産取得税は相続ではかかりません。)

 

(2)定期贈与に注意する

 
定期贈与とみなされると一括財産とみなされ、金額に応じた贈与税が課せられてしまいます。
 

などの対策をしましょう。
 

★参考記事:連年贈与と定期贈与の違いとは

 

まとめ

贈与契約書に決まった様式はありませんが、今回説明した事項を記載していれば契約書として認められます。

必要事項の抜け漏れがないようにしっかり確認し、正しい契約書で贈与を行ってください。

 

 


 
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相続にもいろんな形があります。

財産を配偶者や子供が相続するケースが大半ですが、孫や内縁の妻、知人などに財産を相続させたいケースもあるでしょう。
 

ただし、民法では「相続人が配偶者や近い血族でない場合は、相続税が多めにかかる」というルールがあります。

数字でいうと、実に2割増しの税金が課されます
 

そのため、相続財産の内容次第では、税金の支払いが重い負担となってしまう可能性もあります

 

相続税の2割加算とは

冒頭で説明した民法の取り決めは「相続税の2割加算」と呼ばれます。

この取り決めは、相続における遺産の取得者が配偶者や一親等の血族(被相続人にとって子供もしくは親)以外だと、相続税が2割増しとなる制度です。

 

加算対象者

加算対象者は以下の通りです。

【対象】
・孫やひ孫
・兄弟姉妹
・甥姪
・子供の配偶者
・内縁の夫や妻
・知人

 

【対象外】
・配偶者
・子供
・父母
・養子(孫を養子にした場合を除く)
・子供が亡くなっている場合の代襲相続人(=被相続人の孫)
・親が亡くなっている場合の代襲相続人(=被相続人の祖父母)

 

孫が相続するケースでも、子供(孫にとっては親)が亡くなる等して代襲相続人となっている場合は加算対象になりません。
 

代襲相続とは、本来相続人になる予定の人が相続人となれない場合に、その子供が相続権を得る制度です。

代襲相続は元々の相続人が相続欠格や相続廃除で相続資格を失った場合でも認められます。

 

なぜ2割加算となるのか

この取り決めが設けられている理由は、「相続税額の負担調整」です。

加算対象者になるのは被相続人の配偶者や一親等の血族以外の「近しくない方」です。
 

その方々が相続財産を得ることは偶然性が高いことであり、被相続人が亡くなっても生活に大きな影響はありません

そのため、相続税を多めに払える(税負担を軽減しなくて良い)となるわけです。
 

また、孫については世代飛ばしを避ける目的があります。

相続税は、相続ごとに発生するので、被相続人の子供が財産を受け取っても相続税はかかりますし、その子供が亡くなって孫が相続した場合も同様です。
 

そのため、最初の相続で孫が相続財産を取得してしまうと、本来であれば二世代分かかるはずの税金が、一世代分払わなくて良いことになってしまいます

そうなれば、税金が公平に負担されているとはならないので、2割増しとなるのです。
 

養子であっても孫を養子にした場合は、加算の対象者となってしまうのはこのためです。

 

孫などへの財産譲渡は生前贈与も活用する

加算対象者に該当すると、多くの税金を支払うことになります。

もし、財産にほとんど現金がなく、不動産が多い場合などは、相続税が支払えなくなる怖れもあります
 

そのため、加算対象者に財産を渡したいなら、節税を考えて生前贈与も利用すると良いでしょう。

生前贈与では年間110万円までの非課税枠もありますし、贈与税がかかるとしても2割加算のような制度はありません

 

まとめ

孫や内縁の妻など、一親等の血族以外に相続財産を取得させる場合は、税金が多くかかることにくれぐれも注意しましょう。

良かれと思って財産を相続させたつもりが、重い税負担に苦しむようであれば本末転倒です。

 

 


 
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昨年2020年の7月より実施されている「自筆証書遺言の保管制度」は、法務局で遺言書を保管してもらえる制度です。

前回のコラムでは、同制度の概要やメリット・デメリットについて述べましたが、本コラムでは手続きの流れについて解説いたします。
 

★参考記事:法務局が行う自筆証書遺言書の保管制度について

 

申請の手順

(1)遺言書を作成する

 
保管制度では、自筆証書遺言書のみ保管可能です。

そのため、自筆証書遺言書の形式ルールに従って遺言書を作成しましょう。
 

なお、法務省令で定める様式では通常の作成要件に加えて、

などの要件があります。

様式は担当の事務官によってチェックされますが、スムーズに手続きを進めるためにも、注意して作成しましょう。
 

自筆証書遺言の通常要件は以下を参照してください。

★参考記事:自筆証書遺言の書き方を解説

 

(2)管轄の法務局を調べる

 
申請を行う法務局は以下の三つより選択します。

 
全国の法務局が遺言書の保管をしているわけではありません

手続き可能かどうか、事前に調べておきましょう。
 

★参考:法務省HP 遺言書保管所一覧

 

(3)必要書類を準備

 

 
保管申請書は法務省のHPよりダウンロードできるので、必要事項を記入して作成しましょう。

手書きでも良いですが、パソコンから入力もできます。
 

★参考:法務省HP 自筆証書遺言書保管制度で使用する申請書等

 

(4)申請の予約をする

 
申請には必ず予約が必要です。

法務局の手続案内予約サービスの専用HPを利用するか、申請する法務局へ電話をしましょう。
 

★参考:法務局手続案内予約サービス

 

(5)申請を行う

 
予約した日程で法務局へ行き、手続きをします。

代理申請はできません
 

手数料は収入印紙を手数料納付用紙に貼って提出します。

法務局の多くは印紙売り場を設けているので、購入を忘れても大丈夫です。
 

申請は即日処理となるので、不備がなければ、当日に遺言書の保管証が交付されます。

保管証には、遺言者氏名・出生年月日・遺言書保管所の名称・保管番号が記載されていますので、持ち帰って保管しましょう。

 

申請後の原本閲覧は遺言者のみ

保管された遺言書は、相続開始まで遺言者しか閲覧不可です。

閲覧は法務局内だけとなるので、通うのが難しい場合は、申請前にコピーをとりましょう。
 

ただし、遺言内容を家族などに見られたくない場合はやめておきましょう。

 

保管申請の撤回

預けてある遺言書を撤回したい場合は、再び遺言書保管所にて手続きを行います。

手続きが済めば、遺言書は返還されます。
 

なお、遺言書の保管中に遺言者の住所・氏名・本籍に変更が生じた場合は、届出が必須です。

届出は、どこの法務局でも可能で、郵送もできます。

 

まとめ

自筆証書遺言の保管制度の手続きは遺言者本人が直接、遺言書保管所にて行います。

また、申請できる遺言書保管所は決まっている、通常のものより遺言書の作成要件が増えるなど、細かい注意点があるので、気をつけましょう。

 

 


 
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昨年2020年の7月から法務局で遺言書を保管する制度が始まりました。

同制度は自筆証書遺言書に限り保管が可能ですが、制度の利用によって、紛失や改ざん・形式不備のリスクを回避できるメリットも出てきます。
 

本コラムでは、同制度の概要はもちろん、メリットやデメリットについても解説いたします。

 

自筆証書遺言の保管制度とは

自筆証書遺言の保管制度とは法務局で手続きをすれば、遺言書を保管してもらえる制度です。

保管するのは遺言書の原本とその画像データ等で、法務局が管轄する遺言書保管所にて管理します。
 

制度利用時における、各々の役割は以下の通りです。

 

メリットとデメリット

(1)メリット

 

 
遺言書の保管は非常に重要ですが、同時に難しい問題です

正しく作成しても、保管がずさんであれば失くしたり、相続時に遺族に発見されない可能性があるからです。
 

その点、保管制度を利用すればそれらの心配は無くなります。

自筆証書遺言の難点であった保管の面をクリアできるのは最大のメリットです。
 

また、専門の担当官が遺言書の様式が正しいかどうかを確認してくれます。

そのため、「署名や押印がない」「日付を書いていない」などで、遺言書が無効になることはありません
 

同制度は受遺者や相続人にもメリットがあります。

相続開始後には、遺言書の閲覧が簡単にできることに加え、検認も不要になるので、相続手続きが円滑になるでしょう。

 

(2)デメリット

 

 
保管の手続きは遺言者本人が遺言書保管所にて行います。

代理申請は不可で、出張サービスもやっていません
 

なお、遺言書が保管されている事実が通知されるのは、相続人や受遺者が遺言書の保管の有無の照会や閲覧請求を行ってからです。

つまり、何もしなければ法務局から遺族に通知をすることはありません

そのため、遺言者が家族や遺言執行者に遺言書のことを伝えていなければ、相続時に遺言書が利用されない可能性も出てきます。

 

内容についての確認はない

これも注意ですが、担当官は遺言書の様式は確認しますが、内容まではチェックしません

よって、遺言内容が特定の相続人の遺留分を侵害しているか、財産指定が正しいか等については作成者の自己責任となります。
 

なお、法務局では遺言内容についての質問や相談は一切受けつけていません。

そのため、不安な場合は、相続専門の税理士などを頼った方が良いでしょう。

 

まとめ

自筆証書遺言書の保管制度について説明いたしました。

大変便利な制度ですが、万能というわけでもありません。
 

デメリットも把握した上で、上手に活用しましょう。

 

 


 
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著名な作家の死後に、作品に関する著作権を巡って遺族が争うことも珍しくありません。

民法では、相続人は、被相続人の一身に専属する権利を除き、相続開始時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継すると定められています。
 

ここで言う一切の権利には、著作権も含まれるので、著作権も相続財産になります

本コラムでは、この著作権を解説すると共に、相続での扱いについても述べていきます。

 

著作権の概要

著作権とは、個人の思想および感情を創作表現したもので、文芸・学術・美術・音楽などの範囲に属するものに関する権利です。

言い変えれば、著作権とは「作品自体はその作品を作った人のものであり、それを守る権利」なのです。
 

著作権は下記の二つに分かれます。

著作権(財産権)…著作物の使用を許可して、使用料を受け取る権利

著作者人格権…著作物の公表や、名前を表示する権利

 

前者は、一般的に著作権として扱われるものです。

後者の著作者人格権とは、未公表作品の発表時期を決めたり、自分の名前を併せて表示するかを決める権利です。

 

著作権は自動的に生じる

著作権は作品を製作した時に自動的に生じるので、基本的には登録や申請は不要です。

文化庁のシステムには著作権の登録システムがありますが

を目的としており、同システムを使わないと権利が発生しないというわけではありません。
 

ただし、2019年7月1日施行された著作権法改正により、著作権を相続した場合は文化庁に登録をしておかないと第三者への権利の対抗ができなくなっています

様々な要素を考慮すると、登録しておいて損はありません。
 

また、著作権には存続期間があります。

実名の著作物(認知度次第では実名でなくても可)…著者の死後70年

無名や団体の場合…公表や創作より70年

映画…公表や創作より70年

 

存続期間が続いている場合に、著作者が亡くなった場合は、その権利を相続人が引き継ぐことになります。

 

相続における扱い

前述したように、著作権は民法で相続財産として扱われます。

ただし、相続財産となるのは著作権(財産権)のみで、著作者人格権は一身専属権のため相続対象にはなりません。
 

著作権を相続する場合、特定の手続きは不要で、遺言書や遺産分割協議で取得する相続人を決定します。

遺族間のトラブルを避けるためには、遺言書で指定しておくほうが良いでしょう。

 

相続税評価の方法

著作権の相続税評価は、「年平均印税収入額×0.5×評価倍率」で算出します。
 

年平均印税収入とは、相続開始の3年前までにおける印税収入の平均額です。

評価倍率とは、課税時期よりも後の各年の印税収入の額が「年平均印税収入の額」であるものとして、印税収入期間に応じた基準年利率による複利年金原価率を指します。
 

印税収入期間については、その著作物に詳しい専門家(本なら出版社、音楽ならレーベル)などの意見を聞いて見積もります。

相続開始時期と印税収入期間に応じた基準年利率と複利年金現価率は国税庁のホームページで公表されているので、その数値を用います。
 

例えば、年平均印税収入が400万円で、評価倍率が20だった場合、

著作権の評価額は400万円×0.5×20=4,000万円となります。

 

まとめ

著作権も相続財産となるので、引き継いだなら相続税の対象となります。

通常の相続財産とは異なり、独自の評価方法があるので注意してください。
 

よくわからない、計算が面倒だという方は相続税専門の税理士に相談してください。

 

 


 
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不動産を相続すると、評価額に応じて相続税の申告と納付が必要ですが、不動産はそもそも高価なもののため、相続税額が高くなることが大半です。

中には、相続税が高額なことに加えて、相続財産の中に現金や預貯金が少ない場合もあります。

そのような場合、相続税を支払うために相続不動産を売却することもあります。
 

しかし、農地は相続人の判断で勝手に売ることができません

前回のコラムでも述べたように、農地は日本政府によって保護・管理されているからです。
 

農地を売却したり、転用する時は、その地域を管轄する農業委員会や都道府県知事に許可をもらわなければいけません。

では、相続税が高額になり支払いが難しくなった場合はどうすれば良いのでしょうか。
 

実は農地相続ではそのような状況を見越して特例を設けています。

具体的には「一定の金額について納税を猶予もしくは免除する」というものです。

 

農地における相続税の納税猶予の特例とは

農地にかかる相続税については諸条件を満たすことによって、納税が猶予されたり免除される特例があります。

通常の相続税の延納制度とは違って、農地だけにしか認められません。
 

農地は貴重な食料供給源ですが、農業従事者も同様に大切な労働資産です。

そのため、このような特例を設けて、資源資産を減らさないようにしているのです。

 

猶予金額の算出方法

本制度によって猶予される金額の算出方法は以下の通りです。

①各農地の種類に応じて相続税額を計算

②農業相続人が相続する農地を農業投資価格で評価した場合の相続税額を計算

③①の価格から②の価格を差し引いた額が、猶予される税額

 

それぞれの農地の評価方法は前回のコラムを参考にしてください。

★参考記事:通常の土地相続とは違う「農地の相続」について

 

農業投資価格とは、長く農業を行う条件で売買が成立する土地価格です。

価格の決定は国税局長が行います。
 

価格は通常の宅地評価額と比較してかなり低いです。

そのため、猶予される相続税額も高くなります。

 

適用要件

(1)被相続人

 
以下の条件のいずれかに該当すれば大丈夫です。

 

(2)相続人

 
以下の条件のいずれかに該当すれば大丈夫です。

 

(3)農地

 
前提として被相続人が農業を行なっているか、特定貸付をしている必要があります。

その上で、下記のいずれかに該当すればOKです。

 

注意点

 
上記事項のいずれかに該当すると猶予された相続税は免除されます。

つまり、農業を継続して行なっていくのであれば、かなりの税額が控除されることになります
 

しかしながら、途中でやめてしまったり、農地を譲渡すると、特例は適用できません

適用不可になれば、猶予されていた税金を支払うだけでなく、猶予していた期間に応じて利子税を支払わなければなりません。
 

お得である分、適用不可になった場合のペナルティは重いということです。

 

まとめ

農地における相続税の納税猶予の特例は、農地法によって守られている農地特有の制度です。

農業を相続後も続けていけるのであれば、納税猶予はとても得な選択となるのでお勧めです。是非利用しましょう。

 

 


 
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。

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こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

農業における就業人口は年々減少していますが、日本にはまだまだ沢山の農地があります。

神奈川県にも小田原市や相模原市、厚木市にも多くの農地が残っています。
 

農地の保有者が亡くなった場合、通常の土地と同じように、家族や親族に相続財産として引き継がれますが、手続きは同じではありません

日本にとって、農地は重要な食料供給源です。そのため、長く存続させるための措置がとられているのです。

 

農業委員会へ必ず届け出る

普通の土地は、相続で取得する際は相続登記を行なって名義変更をします。

農地相続では、それに加えて「農業委員会」への届け出をしなければなりません。
 

農業委員会は農地法に基づいて農地の売買・貸借の許可、転用の意見具申、遊休農地の調査・指導など、に関する事務を行なっている団体です。

農地の相続についても管理しているので、相続の際にはこの組織へ

を提出します。
 

期限は相続税の申告期限同様「相続開始を知った翌日から10ヶ月以内」です。

期限を破ると10万円以下の過料が科されますので注意が必要です。

 

農地の相続税計算方法

(1)農地の種類

 
農地には様々な種類があります。種類によって相続税評価が変わります。

 

(2)相続税計算方法

 
種類によって下記の通り計算方法が変わります。

 
倍率方式は固定資産税額に対して定められた倍率をかける方法です。

通常の土地でも路線価方式で評価されない(路線価が定められていない)土地を評価する際に使われます。
 

宅地批准方式は計算式が決まっています。

評価額=該当農地が宅地だった場合の評価額−造成費
 

造成費とは農地を宅地に変える費用のことで、地域ごとに金額が違います。

 

まとめ

農地は政府によって保護されているため、他の土地と相続での手続きが違います。

相続税評価においても、より高度な専門知識がないと扱いが難しいと言えます。
 

詳しくない税理士だと、土地の評価額を間違えることもあるので、相続税や手続きでの相談をする場合は、相続専門で土地評価に詳しい税理士に依頼しましょう。

 

 


 
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年間110万円まで無税で財産を譲渡可能な生前贈与。

この生前贈与を行う際は、内容を記した「贈与契約書」を用意しておくことが大切です。
 

何故なら、贈与契約書は、双方の合意や贈与の事実を第三者に証明できるものだからです。

契約書があれば、いろいろなリスクを回避できるようにもなります。

 

生前贈与に贈与契約書は必須

贈与は契約行為なので、下記の要件を満たさないといけません。

 
要件が一つでも欠けた場合は税務署から否認されてしまいます。

そうなれば、贈与自体が無効になってしまいます
 

贈与が無かったことになれば、譲渡したはずの財産は相続時に遺贈されたものとして相続税が課税されてしまいます

無税で渡したはずの財産に税金を支払わなければならないのです。
 

贈与契約書があれば贈与の証明となるので、そのようなリスクを回避することができます。

 

贈与契約書の作成方法

贈与契約書に記載すべき項目は以下です。

また、

という点も大切です。
 

確定日付とは、その日に文書が存在したことを証明するもので、公証役場で手続きをすれば押印してもらえます。(一件、700円ほどの手数料がかかります。)

文書の信用度が上がるので、押印してもらいましょう。

 

作成上の注意点

(1)不動産を贈与する場合

 
土地や建物といった不動産を贈与する場合、収入印紙を貼ります。

印紙代は、契約金額によって異なります。
 

また、土地なら番地・地目・地積、建物なら家屋番号・種類・構造・床面積など、不動産に関する情報を詳細に記載しましょう。

受贈者が複数人となる場合、それぞれの持分についてもきちんと記載します。

 

(2)署名は自筆で

 
契約書の署名は必ず自筆で行います。

PC等で名前を入力してしまうと、本人以外が作成した疑いが出てきてしまい、信用度は低くなってしまいます。

 

定期贈与への対策

定期贈与とは、毎年一定の金額を渡すことがあらかじめ決まっている贈与のことです。

定期贈与とみなされると一括財産とみなされ、金額に応じた贈与税が課せられてしまいます
 

贈与の度に契約書を作成することで、定期贈与とみなされるリスクは減りますが、

などの対策も行なっておくと安心です。

 

まとめ

贈与契約書は贈与行為があったことを第三者に証明するための大事なものです。

作成の手間はかかりますが、作成しておいて損はありません。
 

余計な税金を取られないためにも、贈与の際にはしっかりと用意しておきましょう。

 

 


 
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