こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
著名な作家の死後に、作品に関する著作権を巡って遺族が争うことも珍しくありません。
民法では、相続人は、被相続人の一身に専属する権利を除き、相続開始時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継すると定められています。
ここで言う一切の権利には、著作権も含まれるので、著作権も相続財産になります。
本コラムでは、この著作権を解説すると共に、相続での扱いについても述べていきます。
著作権の概要
著作権とは、個人の思想および感情を創作表現したもので、文芸・学術・美術・音楽などの範囲に属するものに関する権利です。
言い変えれば、著作権とは「作品自体はその作品を作った人のものであり、それを守る権利」なのです。
著作権は下記の二つに分かれます。
著作者人格権…著作物の公表や、名前を表示する権利
前者は、一般的に著作権として扱われるものです。
後者の著作者人格権とは、未公表作品の発表時期を決めたり、自分の名前を併せて表示するかを決める権利です。
著作権は自動的に生じる
著作権は作品を製作した時に自動的に生じるので、基本的には登録や申請は不要です。
文化庁のシステムには著作権の登録システムがありますが
- 作成日など著作権に関わる事実関係の証明を容易にすること
- 著作権の発生・変更などを明確にすること
を目的としており、同システムを使わないと権利が発生しないというわけではありません。
ただし、2019年7月1日施行された著作権法改正により、著作権を相続した場合は文化庁に登録をしておかないと第三者への権利の対抗ができなくなっています。
様々な要素を考慮すると、登録しておいて損はありません。
また、著作権には存続期間があります。
無名や団体の場合…公表や創作より70年
映画…公表や創作より70年
存続期間が続いている場合に、著作者が亡くなった場合は、その権利を相続人が引き継ぐことになります。
相続における扱い
前述したように、著作権は民法で相続財産として扱われます。
ただし、相続財産となるのは著作権(財産権)のみで、著作者人格権は一身専属権のため相続対象にはなりません。
著作権を相続する場合、特定の手続きは不要で、遺言書や遺産分割協議で取得する相続人を決定します。
遺族間のトラブルを避けるためには、遺言書で指定しておくほうが良いでしょう。
相続税評価の方法
著作権の相続税評価は、「年平均印税収入額×0.5×評価倍率」で算出します。
年平均印税収入とは、相続開始の3年前までにおける印税収入の平均額です。
評価倍率とは、課税時期よりも後の各年の印税収入の額が「年平均印税収入の額」であるものとして、印税収入期間に応じた基準年利率による複利年金原価率を指します。
印税収入期間については、その著作物に詳しい専門家(本なら出版社、音楽ならレーベル)などの意見を聞いて見積もります。
相続開始時期と印税収入期間に応じた基準年利率と複利年金現価率は国税庁のホームページで公表されているので、その数値を用います。
例えば、年平均印税収入が400万円で、評価倍率が20だった場合、
著作権の評価額は400万円×0.5×20=4,000万円となります。
まとめ
著作権も相続財産となるので、引き継いだなら相続税の対象となります。
通常の相続財産とは異なり、独自の評価方法があるので注意してください。
よくわからない、計算が面倒だという方は相続税専門の税理士に相談してください。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。
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厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
不動産を相続すると、評価額に応じて相続税の申告と納付が必要ですが、不動産はそもそも高価なもののため、相続税額が高くなることが大半です。
中には、相続税が高額なことに加えて、相続財産の中に現金や預貯金が少ない場合もあります。
そのような場合、相続税を支払うために相続不動産を売却することもあります。
しかし、農地は相続人の判断で勝手に売ることができません。
前回のコラムでも述べたように、農地は日本政府によって保護・管理されているからです。
農地を売却したり、転用する時は、その地域を管轄する農業委員会や都道府県知事に許可をもらわなければいけません。
では、相続税が高額になり支払いが難しくなった場合はどうすれば良いのでしょうか。
実は農地相続ではそのような状況を見越して特例を設けています。
具体的には「一定の金額について納税を猶予もしくは免除する」というものです。
農地における相続税の納税猶予の特例とは
農地にかかる相続税については諸条件を満たすことによって、納税が猶予されたり免除される特例があります。
通常の相続税の延納制度とは違って、農地だけにしか認められません。
農地は貴重な食料供給源ですが、農業従事者も同様に大切な労働資産です。
そのため、このような特例を設けて、資源資産を減らさないようにしているのです。
猶予金額の算出方法
本制度によって猶予される金額の算出方法は以下の通りです。
↓
②農業相続人が相続する農地を農業投資価格で評価した場合の相続税額を計算
↓
③①の価格から②の価格を差し引いた額が、猶予される税額
それぞれの農地の評価方法は前回のコラムを参考にしてください。
農業投資価格とは、長く農業を行う条件で売買が成立する土地価格です。
価格の決定は国税局長が行います。
価格は通常の宅地評価額と比較してかなり低いです。
そのため、猶予される相続税額も高くなります。
適用要件
(1)被相続人
以下の条件のいずれかに該当すれば大丈夫です。
- 死亡日まで農業を経営している
- 死亡日まで営農困難時貸付や特定貸付をしている
- 生前に農地の一括贈与をしていた
(2)相続人
以下の条件のいずれかに該当すれば大丈夫です。
- 相続税の申告期限までに被相続人が行なっていた農業の経営を継ぐ
- 被相続人の生前に農地を一括贈与されて、贈与税納税猶予の特例を適用している
- 相続税申告期限までに特定貸付をしている
(3)農地
前提として被相続人が農業を行なっているか、特定貸付をしている必要があります。
その上で、下記のいずれかに該当すればOKです。
- 遺産分割が完了している
- 贈与税の納税猶予の特例を適用している
- 相続があった年に被相続人から一括贈与されている農地
注意点
- 農地を相続した相続人が亡くなる
- 相続後、農業を継続して20年経った
- すべての農地および農業を受け継いでくれる後継者に、一括で生前贈与し、その贈与税について納税猶予の特例を受けた場合
上記事項のいずれかに該当すると猶予された相続税は免除されます。
つまり、農業を継続して行なっていくのであれば、かなりの税額が控除されることになります。
しかしながら、途中でやめてしまったり、農地を譲渡すると、特例は適用できません。
適用不可になれば、猶予されていた税金を支払うだけでなく、猶予していた期間に応じて利子税を支払わなければなりません。
お得である分、適用不可になった場合のペナルティは重いということです。
まとめ
農地における相続税の納税猶予の特例は、農地法によって守られている農地特有の制度です。
農業を相続後も続けていけるのであれば、納税猶予はとても得な選択となるのでお勧めです。是非利用しましょう。
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農業における就業人口は年々減少していますが、日本にはまだまだ沢山の農地があります。
神奈川県にも小田原市や相模原市、厚木市にも多くの農地が残っています。
農地の保有者が亡くなった場合、通常の土地と同じように、家族や親族に相続財産として引き継がれますが、手続きは同じではありません。
日本にとって、農地は重要な食料供給源です。そのため、長く存続させるための措置がとられているのです。
農業委員会へ必ず届け出る
普通の土地は、相続で取得する際は相続登記を行なって名義変更をします。
農地相続では、それに加えて「農業委員会」への届け出をしなければなりません。
農業委員会は農地法に基づいて農地の売買・貸借の許可、転用の意見具申、遊休農地の調査・指導など、に関する事務を行なっている団体です。
農地の相続についても管理しているので、相続の際にはこの組織へ
- 農地法の規定による届出書
- 相続登記後の登記事項証明書
を提出します。
期限は相続税の申告期限同様「相続開始を知った翌日から10ヶ月以内」です。
期限を破ると10万円以下の過料が科されますので注意が必要です。
農地の相続税計算方法
(1)農地の種類
農地には様々な種類があります。種類によって相続税評価が変わります。
- 純農地…農業地区域内の農地や第一種農地、甲種農地などが該当
中間農地…第二種農地やそれに準ずる農地が該当
市街地周辺農地…第三種農地やそれに準ずる農地が該当
市街地農地…転用許可を受けた農地や市街化区域内にある農地、各都道府県知事より転用許可を要しないとされた農地が該当
(2)相続税計算方法
種類によって下記の通り計算方法が変わります。
- 純農地…倍率方式
中間農地…倍率方式
市街地周辺農地…該当地が市街地農地である場合の80%相当額
市街地農地…宅地批准方式か倍率方式
倍率方式は固定資産税額に対して定められた倍率をかける方法です。
通常の土地でも路線価方式で評価されない(路線価が定められていない)土地を評価する際に使われます。
宅地批准方式は計算式が決まっています。
評価額=該当農地が宅地だった場合の評価額−造成費
造成費とは農地を宅地に変える費用のことで、地域ごとに金額が違います。
まとめ
農地は政府によって保護されているため、他の土地と相続での手続きが違います。
相続税評価においても、より高度な専門知識がないと扱いが難しいと言えます。
詳しくない税理士だと、土地の評価額を間違えることもあるので、相続税や手続きでの相談をする場合は、相続専門で土地評価に詳しい税理士に依頼しましょう。
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年間110万円まで無税で財産を譲渡可能な生前贈与。
この生前贈与を行う際は、内容を記した「贈与契約書」を用意しておくことが大切です。
何故なら、贈与契約書は、双方の合意や贈与の事実を第三者に証明できるものだからです。
契約書があれば、いろいろなリスクを回避できるようにもなります。
生前贈与に贈与契約書は必須
贈与は契約行為なので、下記の要件を満たさないといけません。
- 贈与者と受贈者の双方の合意がある
- 受贈者側が財産を自由に使える
- 贈与がされた証明ができる
要件が一つでも欠けた場合は税務署から否認されてしまいます。
そうなれば、贈与自体が無効になってしまいます。
贈与が無かったことになれば、譲渡したはずの財産は相続時に遺贈されたものとして相続税が課税されてしまいます。
無税で渡したはずの財産に税金を支払わなければならないのです。
贈与契約書があれば贈与の証明となるので、そのようなリスクを回避することができます。
贈与契約書の作成方法
贈与契約書に記載すべき項目は以下です。
- 贈与の日付(契約締結日)
- 贈与者と受贈者の名前および住所
- 贈与財産の内容
また、
- 同意したことを示す署名と押印
- 受贈者が未成年の場合は受贈者名と受贈者の親権者名を書く
- 押せるなら確定日付を押す
という点も大切です。
確定日付とは、その日に文書が存在したことを証明するもので、公証役場で手続きをすれば押印してもらえます。(一件、700円ほどの手数料がかかります。)
文書の信用度が上がるので、押印してもらいましょう。
作成上の注意点
(1)不動産を贈与する場合
土地や建物といった不動産を贈与する場合、収入印紙を貼ります。
印紙代は、契約金額によって異なります。
また、土地なら番地・地目・地積、建物なら家屋番号・種類・構造・床面積など、不動産に関する情報を詳細に記載しましょう。
受贈者が複数人となる場合、それぞれの持分についてもきちんと記載します。
(2)署名は自筆で
契約書の署名は必ず自筆で行います。
PC等で名前を入力してしまうと、本人以外が作成した疑いが出てきてしまい、信用度は低くなってしまいます。
定期贈与への対策
定期贈与とは、毎年一定の金額を渡すことがあらかじめ決まっている贈与のことです。
定期贈与とみなされると一括財産とみなされ、金額に応じた贈与税が課せられてしまいます。
贈与の度に契約書を作成することで、定期贈与とみなされるリスクは減りますが、
- 毎年の贈与月日を同じにしない
- 可能であれば金額も毎年同じにしない
などの対策も行なっておくと安心です。
まとめ
贈与契約書は贈与行為があったことを第三者に証明するための大事なものです。
作成の手間はかかりますが、作成しておいて損はありません。
余計な税金を取られないためにも、贈与の際にはしっかりと用意しておきましょう。
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生前贈与は年間110万円までの贈与を無税にできる制度で、相続税対策の一つとして広く利用されています。
この生前贈与の中には、「連年贈与」と「定期贈与」となるものもあります。
二つは似た特徴をしていますが、内容は全く異なります。
連年贈与とは
連年贈与とは、生前贈与を毎年連続で行うことを言います。
1年間の贈与の合計額が110万円以下であるなら、5年10年と贈与を行ったとしても、贈与税はかかりません。
しかし、毎年200万円ずつ贈与を行うのであれば、
- 特例贈与の場合…(200万円−110万円)×0.1=9万円
- 一般贈与の場合…(200万円−110万円)×0.1=9万円
が贈与税として毎年課税されます。
定期贈与とは
定期贈与は、決まった金額を毎年贈与するものです。
例えば、1100万円を毎年110万円ずつ計10年に渡って贈与する契約をしている場合は定期贈与になります。
通常の生前贈与とは違い、年間の贈与合計額が110万円以下でも、贈与税が課税されます。
これは、贈与契約を結んだ年に「定期金に関する権利」の贈与を受けたとみなされるからです。
そのため、契約した贈与額の合計額に贈与税が課税されるのです。
前述の例で言うと
- 特例贈与の場合…(1,100万円−110万円)×0.3−90万円=207万円
- 一般贈与の場合…(1,100万円−110万円)×0.4−125万円=271万円
が、贈与契約年に課税されます。
連年贈与と定期贈与の違い
連年贈与と定期贈与は「贈与を毎年行う」部分は同じですが、大きな違いがあります。
それは、「あらかじめ合計額を決めているかどうか」です。
1年単位で贈与契約を行い、贈与を毎年行うのであれば連年贈与です。
しかし、「合計1,100万円を毎年110万円ずつ渡す」など事前に合計額に関しての契約があって贈与を行う場合は、定期贈与です。
前述したように、定期贈与では贈与契約を結んだ年に「定期金に関する権利」の贈与を受けたとみなされるので、贈与税に大きな違いが生じます。
定期贈与への対策
連年贈与のつもりが、税務署に定期贈与とみなされて予想外の贈与税を支払わされることがあります。
定期贈与とみなされないためには、各贈与が別途のものである事実を証明しなければなりません。
そこでおすすめなのが贈与の契約書を作成することです。
贈与契約書は贈与行為を証明する大事な書類です。
もし、数年間に渡って一定額の贈与を行う場合は、贈与の度に契約書を作成していれば連年贈与である証明になるからです。
また、贈与を行う日程や金額についても、できるだけ変更すると良いでしょう。
まとめ
連年贈与と定期贈与の違いについて説明いたしました。
生前贈与で相続税対策を行う場合は、特に定期贈与に注意しましょう。
相続税を抑えるための生前贈与で高額の贈与税を支払わされることがあっては、本末転倒になってしまいます。
不安な場合は適切な方法について専門家にアドバイスをもらうのも良いでしょう。
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こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
前回のコラムで説明しましたが、養子は実子と同じく相続権を持ちます。
そのため、養子縁組を上手く活用して、節税に繋げることもできます。
ただし、その場合は様々なリスクに注意しなければなりません。
法定相続人になれる養子の数には限りがありますし、場合によっては相続税の加算対象になってしまうケースもあるからです。
もちろん、相続人が増えることによって遺族間トラブルを起こす可能性もあります。
本コラムでは、養子を利用した節税対策についての解説の他、注意点も説明いたします。
是非参考にしてください。
養子を利用した節税効果
(1)基礎控除額のアップ
相続税には基礎控除という非課税枠があります。
控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人」で算出されますが、計算式からもわかる通り、法定相続人の数に応じて金額が高くなります。
養子は、実子と同じく法定相続人となるので、基礎控除額が増えて相続税が軽減されるのです。
(2)死亡保険金や死亡退職金の非課税枠アップ
死亡保険金や死亡退職金は本来相続財産ではありませんが、本人(被相続人)の死亡後に対象者にお金が支払われる点から、「みなし相続財産」として相続税が課税されます。
しかし、通常の相続財産とは違って「500万円×法定相続人の数」という一定の非課税枠も設けられています。
この非課税枠は基礎控除と同じように、法定人数の数に応じて金額が増えていきます。
そのため、養子がいればその分お得になるのです。
注意点
(1)法定相続人になれる養子の人数は決まっている
前回も述べましたが、養子として法定相続人になれる人数には上限があります。
- 実子がいる場合は1人まで
- 実子がいない場合には2人まで
そのため、基礎控除額や死亡保険金の非課税枠を無限に増やせるわけではありません。
(2)相続税が2割増しになる
相続税には税金を公平に負担させる目的で、配偶者や親、実子、代襲相続した孫以外の人が遺産を取得すると、相続税が2割加算されるルールがあります。
例えば、子どもがいるケースで孫を養子にした場合、子供がいない場合は問題ありませんが、子供がいる場合は世代飛ばしをして不当に税金を安くしようとしているとみなされ、相続税2割加算の対象になってしまいます。
財産内容によっては2割増しとなっても得をするケースもありますが、多くの場合は重い負担となるので、注意が必要です。
(3)他の相続人の取り分が減るのでトラブルとなりやすい
養子によって法定相続人が増えれば、各相続人の取り分は減ってしまうので、争いに発展する可能性も出てきます。
養子縁組を行うのであれば他の相続人としっかりと話し合うなど、十分なケアをしておきましょう。
(4)亡くなる寸前の養子は認められない可能性も
相続税法に規定された「相続税の不当減少」の観点から、相続税目的での養子縁組は税務署から認められない可能性もあります。
どのケースが不当かを定義するのは難しいですが、被相続人が亡くなる直前に急いで養子縁組をし、法定相続人を増やすようなやり方であれば、認められない可能性が高いでしょう。
2017年に相続税の節税目的で行われた養子縁組の是非を問う裁判で最高裁が「有効」の判決を下した例もありますが、「全てのケースで節税目的の養子縁組が有効になるわけではない」ことに十分注意しましょう。
まとめ
養子での相続税対策もメリットの他にデメリットがあります。
このデメリット部分を十分理解していないと、節税に失敗してしまう怖れがあります。
そもそも、相続税対策は家族状況や遺産内容によって取るべき手段が変わるので絶対的な正解がありません。
確実な節税を実施するには、やはり専門知識と経験が豊富なプロの税理士に相談することが一番です。
初回無料相談を行なっている事務所も多いので、是非検討してください。
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日本には養子縁組という制度があり、具体的な血縁関係にない人同士を法律上で親子関係とすることが可能です。
古くから家系の存続等を目的に行われてきており、現在でも子供がいない夫婦や、再婚相手の連れ子など、様々な形で利用されています。
養子縁組は財産継承の手段としても利用されます。
何故なら、養子縁組で養子となった方は法定相続人の権利を持つことになるからです。
つまり、相続においてはほぼ実子と同じ扱いとなるわけです。
養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類があり、それぞれ違う特徴を持っています。
普通養子縁組とは
(1)概要
普通養子縁組は、実親との親子関係を残したまま、養子先の親子関係も認めるものです。
実親との親子関係が消えないので、相続においては養親と実親がそれぞれ亡くなった時の二回分の相続権を保有することになります。
養子としての相続権は、実子とほぼ同じ扱いになります。
- 法定相続分は実子と同じ
- 法定相続人としてカウントされるので基礎控除額が上がる
- 遺留分についても実子と同じ
(2)普通養子縁組の要件
普通養子縁組を結ぶには以下の要件があります。
- 養親よりも養子の年齢が下であること
- 養親が20歳以上で婚歴があること
- 養子が養親の叔父や叔母といった尊属でないこと
- 養親と養子共に養子縁組をする意思がある
- 後見人が被後見人を養子にする場合や養子が未成年者の場合は家庭裁判所の許可を得ていること
- 結婚している場合で未成年者を養子にする場合、夫婦共に養親になること
- 養親や養子が結婚している場合はそれぞれの配偶者の同意を得ていること
養子縁組の手続きは、「養子縁組届出」を、市町村役場に提出します。
提出は、養親と養子の双方で行いますが、養子が15歳未満の場合、法定代理人が代行します。
特別養子縁組とは
(1)概要
特別養子縁組の場合、実親との親子関係はなくなるので、相続人としての権利は養親が亡くなった時だけになります。
普通養子の相続における法的な扱いは、実子と全く同じです。
この制度は育児放棄や虐待など実親に育児ができない事情がある状況で子どもを保護するためのものです。
養子と養親の同意だけでは成立せず、「家事審判」と言われる裁判所の許可を得ることで可能となります。
(2)特別養子縁組の要件
特別養子縁組を結ぶには以下の要件があります。
- 実親の同意がある(意思表示が不可能である場合や、養子の利益を著しく害する事由がある場合は不要)
- 実親が子供を監護するにあたって著しい問題があるか不可能な状態にある
- 夫婦共に養親になること(連れ子の場合は養親となるのは夫婦のもう一方のみ)
- 養子が6歳未満
- 養親のうち一人が25歳以上で、もう一人が20歳以上
- 特別養子縁組を請求して6ヵ月経過し、家庭裁判所に認められる
普通養子縁組よりも条件が限定的であることが特徴です。
児童相談所や養子縁組斡旋機関から斡旋を受けた子供であれば、実親からの養育が期待できないケースが多いので、要件を満たす可能性が高いと言えます。
養子による基礎控除は人数制限がある
養子は相続においてはほぼ実子と同じ扱いとなると述べましたが、違う点もあります。
それは、相続税法上で認められる養子の人数には制限があることです。
相続税法では実子がいない場合には養子は2人まで、実子がいる場合は1人までしか養子を法定相続人に含めることができません。
相続税における基礎控除は「3,000万円+法定相続人の数×600万円」で算出しますが、養子は人数が限られるので、養子をとればとるほど基礎控除が増えてお得というわけではないのです。
まとめ
養子となった子供にも相続権はありますが、実子と全く同じ扱いにはならないので注意してください。
また、実子がいる場合には、両者の間で相続トラブルが起きないよう遺言書内容にも十分配慮することをお勧めいたします。
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生きているうちに次の世代に財産を移転することができる「生前贈与」。
渡す相手は友人やお世話になった人でも良く、自由度が高いことが特徴の一つです。
この生前贈与は、生きている間に財産を渡すことが大半ですが、実は「自身の死後に財産を渡すことが可能」なものもあります。
これを「死因贈与」と言います。
『死後に財産を渡すのであれば遺贈では?』と思うかもしれませんが、全く異なります。
どのような部分が違うのか、本コラムで解説いたします。
死因贈与とは
死因贈与は贈与行為の一つで、贈与者が死亡した際に財産の譲渡が行われるものです。
贈与なのに、受贈者が取得する財産には相続税が課税されます。
死因贈与には下記二つの特殊なものもあります。
(1)負担付死因贈与
贈与の条件として、贈与者の生前に受贈者へ何らかの負担を課すものです。
具体的には「贈与者が生きている間の身の回りの世話をする」といったような契約を結ぶと、負担付死因贈与となります。
(2)始期付所有権移転仮登記
譲渡する財産が不動産の場合、贈与者の承諾があれば「始期付所有権移転仮登記」を受贈者が単独で申請できます。
仮登記すれば、不動産が勝手に売却されるのを防ぐ事が可能です。
なお、死因贈与契約書を公正証書で作成することと、証書の中に「仮登記申請ついての贈与者の承諾」と「受贈者を死因贈与契約の執行者に指定する旨」を記載しておく必要があります。
遺贈とは
遺贈とは、遺言書によって自身の財産を、相続人もしくは相続人以外に取得させることです。
相続が被相続人の財産を相続人に取得させることに対し、遺贈は遺言によって財産を相続人以外にも取得させることをいいます。
死因贈与と遺贈の違いとは
- 死因贈与
- 契約行為のため、お互いの同意が必須
- 契約書の作成が望ましいが、口頭でも契約は成立する
- ケースによっては撤回が簡単でない場合もある
- 遺贈
- 受遺者の合意は不要
- 遺言書の内容に遺贈の旨を記す
- 撤回が簡単(受遺者も受け取り拒否ができる)
大きな違いは死因贈与はあくまで贈与であり、契約行為ということです。
つまり、双方の合意がなくては成立しないのです。
しかし、遺贈は受け取る側の合意を必要としません。
遺書作成者の独断によって誰に自身の相続財産を渡すか、自身の意思のみで決定できるのです。
また、遺贈は遺言書を書きなおせば良いので撤回が簡単です。
対して死因贈与の場合、通常の契約なら撤回は容易ですが、負担付き死因贈与で受贈者が特定の負担を課されていて、一部を履行してしまっている状態だと、撤回は難しくなります。
まとめ
死因贈与と遺贈はあげる側が死亡してから、財産が譲り渡される点は同じですが、死因贈与はあくまで契約関係があるかないかが大きく異なる点です。
双方の合意がなければ成立しないことに十分注意してください。
どちらの方法で財産を譲渡するかは自由ですが、各方法の特性や注意点を理解した上で行いましょう。
不安な場合は、専門の税理士に相談することをお勧めいたします。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
遺贈とは、遺言によって財産の全部もしくは一部を、受遺者に無償で譲与することです。
この受遺者は遺贈する側が自由に決められるので、法定相続人である必要もありません。
つまり、相続が被相続人の財産を相続人に取得させることに対し、遺贈は遺言によって財産を相続人以外にも取得させることをいいます。
遺贈の種類
(1)包括遺贈
包括遺贈とは相続財産の全部もしくは一定の割合を指定する方法です。
具体的には「相続財産の1/5をAさんに遺贈する」といった内容を遺言書に書くものです。
この場合、受遺者は実質的には相続人と同一の権利義務を有します。
よって、遺贈者に借金などのマイナス財産がある場合は、遺贈された割合に従ってそれら負の遺産も引き受けなければなりません。
(2)特定遺贈
特定遺贈とは相続財産の中で特定の財産を指定して譲る方法です。
具体的には「〇〇市の土地をAさんに遺贈する」「〇〇社の株式をBさんに譲る」といったものです。
この場合、受遺者はその特定された財産のみを取得し、借入などのマイナス財産を引き受ける必要はありません。
ただし、指定がある場合は債務を負担します。
遺贈をする際の注意点
(1)基礎控除は増えない
相続税における基礎控除は「3000万円+600万円×法定相続人の数」で算出されます。
そのため、法定相続人以外が財産を取得しても控除枠が増えることはありません。
(2)死亡保険金の非課税枠もない
死亡保険金はみなし相続財産として相続税が課されますが、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。
しかし、相続人以外が保険金を取得した場合は全額が相続税の課税対象になります。
(3)相続税2割加算の対象になる
相続税には配偶者や一親等の血族、代襲相続人以外の方が相続財産を取得した場合、相続税が2割増となるルールがあります。
そのため、状況によっては受遺者が重い税負担に苦しむ可能性もあります。
(4)トラブルのきっかけになる可能性も
法定相続人からしてみれば、遺贈は自身の取り分が減る行為ですし、受遺者が全く知らない人間であれば、好ましい状況とはならないでしょう。
また、配偶者や子どもなどの法的相続人は、遺産に対して一定の割合で最低限の取り分をもらう「遺留分」が法律で保障されています。
その遺留分が遺贈によって侵害されることもあります。
遺留分が侵害されれば、遺留分侵害額請求をして財産を取り戻す必要があるので、相続人の手間が増えてしまいます。
そうなれば、心情的にも良いものでもないでしょう。
まとめ
遺贈について解説いたしました。
相続と遺贈はどちらも遺言者が死亡した場合に特定の者が財産を取得する点では似ていますが、異なる点も多数あります。
遺贈はやり方によっては、トラブルの元になってしまいます。
遺贈を行う場合は、生前のうちにご家族にきちんと説明するなど工夫しましょう。
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こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
ご家族が亡くなられてから3ヶ月程経った時に、税務署から「相続税についてのお知らせ」が送付されることがあります。
この書類は「相続税申告の必要がある可能性の人」に送られるものです。
そのため、書類が届いた場合、相続税の申告が必要かどうかについて確認しなければなりません。
「相続税についてのお知らせ」は誰に送られるのか
この「相続税についてのお知らせ」は全ての人に届くわけではなく、税務署の一定の判断の下、相続税の申告が必要だとされる方に送付されます。
送付対象の選別は、「故人の不動産情報」と「生前の所得情報」をベースに行われます。
各地方自治体は個人保有の土地や建物を把握しており、税金徴収のために情報を税務署に提供しています。
故人の生前所得も同様です。
これら二つの情報をもとに、相続税が発生しそうな対象を選んでいるというわけです。
「相続税についてのお知らせ」が送られてきたら
まずは自身が相続税の申告対象かどうか確認しましょう。
相続税申告は「相続財産の総額が基礎控除額を超えた場合」に必要です。
基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の人数」で算出されますが、相続財産の総額がこの金額を超えなければ、何もしなくて大丈夫です。
なお、一部の特例制度を活用する場合にも相続税申告は必要なので注意しましょう。
「相続税の申告等についてのご案内」が来たら
税務署からの通知には「相続税の申告等についてのご案内」もありますが、こちらは「相続税についてのお知らせ」よりも緊急度が高いものです。
そのため、付属の資料も相続税のあらまし・申告要否検討表・チェックシートなど、多くなっています。
この通知が届いた場合は、相続税申告の期限日を確認すると共に、早急に対処してください。
期限が迫りすぎて対応しきれない場合は、相続専門の税理士に相談されることをお勧め致します。
まとめ
税務署から相続税申告に関する「お知らせ」や「ご案内」が届いたら、放置せずに対応しましょう。
特に、ご案内が届いた場合は急ぐ必要があります。
相続財産の情報を整理して相続税申告が必要かどうか再確認しましょう。
その上で、気がかりな点があれば、相続専門の税理士に相談してください。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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