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厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

昨年2020年の7月より実施されている「自筆証書遺言の保管制度」は、法務局で遺言書を保管してもらえる制度です。

前回のコラムでは、同制度の概要やメリット・デメリットについて述べましたが、本コラムでは手続きの流れについて解説いたします。
 

★参考記事:法務局が行う自筆証書遺言書の保管制度について

 

申請の手順

(1)遺言書を作成する

 
保管制度では、自筆証書遺言書のみ保管可能です。

そのため、自筆証書遺言書の形式ルールに従って遺言書を作成しましょう。
 

なお、法務省令で定める様式では通常の作成要件に加えて、

などの要件があります。

様式は担当の事務官によってチェックされますが、スムーズに手続きを進めるためにも、注意して作成しましょう。
 

自筆証書遺言の通常要件は以下を参照してください。

★参考記事:自筆証書遺言の書き方を解説

 

(2)管轄の法務局を調べる

 
申請を行う法務局は以下の三つより選択します。

 
全国の法務局が遺言書の保管をしているわけではありません

手続き可能かどうか、事前に調べておきましょう。
 

★参考:法務省HP 遺言書保管所一覧

 

(3)必要書類を準備

 

 
保管申請書は法務省のHPよりダウンロードできるので、必要事項を記入して作成しましょう。

手書きでも良いですが、パソコンから入力もできます。
 

★参考:法務省HP 自筆証書遺言書保管制度で使用する申請書等

 

(4)申請の予約をする

 
申請には必ず予約が必要です。

法務局の手続案内予約サービスの専用HPを利用するか、申請する法務局へ電話をしましょう。
 

★参考:法務局手続案内予約サービス

 

(5)申請を行う

 
予約した日程で法務局へ行き、手続きをします。

代理申請はできません
 

手数料は収入印紙を手数料納付用紙に貼って提出します。

法務局の多くは印紙売り場を設けているので、購入を忘れても大丈夫です。
 

申請は即日処理となるので、不備がなければ、当日に遺言書の保管証が交付されます。

保管証には、遺言者氏名・出生年月日・遺言書保管所の名称・保管番号が記載されていますので、持ち帰って保管しましょう。

 

申請後の原本閲覧は遺言者のみ

保管された遺言書は、相続開始まで遺言者しか閲覧不可です。

閲覧は法務局内だけとなるので、通うのが難しい場合は、申請前にコピーをとりましょう。
 

ただし、遺言内容を家族などに見られたくない場合はやめておきましょう。

 

保管申請の撤回

預けてある遺言書を撤回したい場合は、再び遺言書保管所にて手続きを行います。

手続きが済めば、遺言書は返還されます。
 

なお、遺言書の保管中に遺言者の住所・氏名・本籍に変更が生じた場合は、届出が必須です。

届出は、どこの法務局でも可能で、郵送もできます。

 

まとめ

自筆証書遺言の保管制度の手続きは遺言者本人が直接、遺言書保管所にて行います。

また、申請できる遺言書保管所は決まっている、通常のものより遺言書の作成要件が増えるなど、細かい注意点があるので、気をつけましょう。

 

 


 
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昨年2020年の7月から法務局で遺言書を保管する制度が始まりました。

同制度は自筆証書遺言書に限り保管が可能ですが、制度の利用によって、紛失や改ざん・形式不備のリスクを回避できるメリットも出てきます。
 

本コラムでは、同制度の概要はもちろん、メリットやデメリットについても解説いたします。

 

自筆証書遺言の保管制度とは

自筆証書遺言の保管制度とは法務局で手続きをすれば、遺言書を保管してもらえる制度です。

保管するのは遺言書の原本とその画像データ等で、法務局が管轄する遺言書保管所にて管理します。
 

制度利用時における、各々の役割は以下の通りです。

 

メリットとデメリット

(1)メリット

 

 
遺言書の保管は非常に重要ですが、同時に難しい問題です

正しく作成しても、保管がずさんであれば失くしたり、相続時に遺族に発見されない可能性があるからです。
 

その点、保管制度を利用すればそれらの心配は無くなります。

自筆証書遺言の難点であった保管の面をクリアできるのは最大のメリットです。
 

また、専門の担当官が遺言書の様式が正しいかどうかを確認してくれます。

そのため、「署名や押印がない」「日付を書いていない」などで、遺言書が無効になることはありません
 

同制度は受遺者や相続人にもメリットがあります。

相続開始後には、遺言書の閲覧が簡単にできることに加え、検認も不要になるので、相続手続きが円滑になるでしょう。

 

(2)デメリット

 

 
保管の手続きは遺言者本人が遺言書保管所にて行います。

代理申請は不可で、出張サービスもやっていません
 

なお、遺言書が保管されている事実が通知されるのは、相続人や受遺者が遺言書の保管の有無の照会や閲覧請求を行ってからです。

つまり、何もしなければ法務局から遺族に通知をすることはありません

そのため、遺言者が家族や遺言執行者に遺言書のことを伝えていなければ、相続時に遺言書が利用されない可能性も出てきます。

 

内容についての確認はない

これも注意ですが、担当官は遺言書の様式は確認しますが、内容まではチェックしません

よって、遺言内容が特定の相続人の遺留分を侵害しているか、財産指定が正しいか等については作成者の自己責任となります。
 

なお、法務局では遺言内容についての質問や相談は一切受けつけていません。

そのため、不安な場合は、相続専門の税理士などを頼った方が良いでしょう。

 

まとめ

自筆証書遺言書の保管制度について説明いたしました。

大変便利な制度ですが、万能というわけでもありません。
 

デメリットも把握した上で、上手に活用しましょう。

 

 


 
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著名な作家の死後に、作品に関する著作権を巡って遺族が争うことも珍しくありません。

民法では、相続人は、被相続人の一身に専属する権利を除き、相続開始時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継すると定められています。
 

ここで言う一切の権利には、著作権も含まれるので、著作権も相続財産になります

本コラムでは、この著作権を解説すると共に、相続での扱いについても述べていきます。

 

著作権の概要

著作権とは、個人の思想および感情を創作表現したもので、文芸・学術・美術・音楽などの範囲に属するものに関する権利です。

言い変えれば、著作権とは「作品自体はその作品を作った人のものであり、それを守る権利」なのです。
 

著作権は下記の二つに分かれます。

著作権(財産権)…著作物の使用を許可して、使用料を受け取る権利

著作者人格権…著作物の公表や、名前を表示する権利

 

前者は、一般的に著作権として扱われるものです。

後者の著作者人格権とは、未公表作品の発表時期を決めたり、自分の名前を併せて表示するかを決める権利です。

 

著作権は自動的に生じる

著作権は作品を製作した時に自動的に生じるので、基本的には登録や申請は不要です。

文化庁のシステムには著作権の登録システムがありますが

を目的としており、同システムを使わないと権利が発生しないというわけではありません。
 

ただし、2019年7月1日施行された著作権法改正により、著作権を相続した場合は文化庁に登録をしておかないと第三者への権利の対抗ができなくなっています

様々な要素を考慮すると、登録しておいて損はありません。
 

また、著作権には存続期間があります。

実名の著作物(認知度次第では実名でなくても可)…著者の死後70年

無名や団体の場合…公表や創作より70年

映画…公表や創作より70年

 

存続期間が続いている場合に、著作者が亡くなった場合は、その権利を相続人が引き継ぐことになります。

 

相続における扱い

前述したように、著作権は民法で相続財産として扱われます。

ただし、相続財産となるのは著作権(財産権)のみで、著作者人格権は一身専属権のため相続対象にはなりません。
 

著作権を相続する場合、特定の手続きは不要で、遺言書や遺産分割協議で取得する相続人を決定します。

遺族間のトラブルを避けるためには、遺言書で指定しておくほうが良いでしょう。

 

相続税評価の方法

著作権の相続税評価は、「年平均印税収入額×0.5×評価倍率」で算出します。
 

年平均印税収入とは、相続開始の3年前までにおける印税収入の平均額です。

評価倍率とは、課税時期よりも後の各年の印税収入の額が「年平均印税収入の額」であるものとして、印税収入期間に応じた基準年利率による複利年金原価率を指します。
 

印税収入期間については、その著作物に詳しい専門家(本なら出版社、音楽ならレーベル)などの意見を聞いて見積もります。

相続開始時期と印税収入期間に応じた基準年利率と複利年金現価率は国税庁のホームページで公表されているので、その数値を用います。
 

例えば、年平均印税収入が400万円で、評価倍率が20だった場合、

著作権の評価額は400万円×0.5×20=4,000万円となります。

 

まとめ

著作権も相続財産となるので、引き継いだなら相続税の対象となります。

通常の相続財産とは異なり、独自の評価方法があるので注意してください。
 

よくわからない、計算が面倒だという方は相続税専門の税理士に相談してください。

 

 


 
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不動産を相続すると、評価額に応じて相続税の申告と納付が必要ですが、不動産はそもそも高価なもののため、相続税額が高くなることが大半です。

中には、相続税が高額なことに加えて、相続財産の中に現金や預貯金が少ない場合もあります。

そのような場合、相続税を支払うために相続不動産を売却することもあります。
 

しかし、農地は相続人の判断で勝手に売ることができません

前回のコラムでも述べたように、農地は日本政府によって保護・管理されているからです。
 

農地を売却したり、転用する時は、その地域を管轄する農業委員会や都道府県知事に許可をもらわなければいけません。

では、相続税が高額になり支払いが難しくなった場合はどうすれば良いのでしょうか。
 

実は農地相続ではそのような状況を見越して特例を設けています。

具体的には「一定の金額について納税を猶予もしくは免除する」というものです。

 

農地における相続税の納税猶予の特例とは

農地にかかる相続税については諸条件を満たすことによって、納税が猶予されたり免除される特例があります。

通常の相続税の延納制度とは違って、農地だけにしか認められません。
 

農地は貴重な食料供給源ですが、農業従事者も同様に大切な労働資産です。

そのため、このような特例を設けて、資源資産を減らさないようにしているのです。

 

猶予金額の算出方法

本制度によって猶予される金額の算出方法は以下の通りです。

①各農地の種類に応じて相続税額を計算

②農業相続人が相続する農地を農業投資価格で評価した場合の相続税額を計算

③①の価格から②の価格を差し引いた額が、猶予される税額

 

それぞれの農地の評価方法は前回のコラムを参考にしてください。

★参考記事:通常の土地相続とは違う「農地の相続」について

 

農業投資価格とは、長く農業を行う条件で売買が成立する土地価格です。

価格の決定は国税局長が行います。
 

価格は通常の宅地評価額と比較してかなり低いです。

そのため、猶予される相続税額も高くなります。

 

適用要件

(1)被相続人

 
以下の条件のいずれかに該当すれば大丈夫です。

 

(2)相続人

 
以下の条件のいずれかに該当すれば大丈夫です。

 

(3)農地

 
前提として被相続人が農業を行なっているか、特定貸付をしている必要があります。

その上で、下記のいずれかに該当すればOKです。

 

注意点

 
上記事項のいずれかに該当すると猶予された相続税は免除されます。

つまり、農業を継続して行なっていくのであれば、かなりの税額が控除されることになります
 

しかしながら、途中でやめてしまったり、農地を譲渡すると、特例は適用できません

適用不可になれば、猶予されていた税金を支払うだけでなく、猶予していた期間に応じて利子税を支払わなければなりません。
 

お得である分、適用不可になった場合のペナルティは重いということです。

 

まとめ

農地における相続税の納税猶予の特例は、農地法によって守られている農地特有の制度です。

農業を相続後も続けていけるのであれば、納税猶予はとても得な選択となるのでお勧めです。是非利用しましょう。

 

 


 
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農業における就業人口は年々減少していますが、日本にはまだまだ沢山の農地があります。

神奈川県にも小田原市や相模原市、厚木市にも多くの農地が残っています。
 

農地の保有者が亡くなった場合、通常の土地と同じように、家族や親族に相続財産として引き継がれますが、手続きは同じではありません

日本にとって、農地は重要な食料供給源です。そのため、長く存続させるための措置がとられているのです。

 

農業委員会へ必ず届け出る

普通の土地は、相続で取得する際は相続登記を行なって名義変更をします。

農地相続では、それに加えて「農業委員会」への届け出をしなければなりません。
 

農業委員会は農地法に基づいて農地の売買・貸借の許可、転用の意見具申、遊休農地の調査・指導など、に関する事務を行なっている団体です。

農地の相続についても管理しているので、相続の際にはこの組織へ

を提出します。
 

期限は相続税の申告期限同様「相続開始を知った翌日から10ヶ月以内」です。

期限を破ると10万円以下の過料が科されますので注意が必要です。

 

農地の相続税計算方法

(1)農地の種類

 
農地には様々な種類があります。種類によって相続税評価が変わります。

 

(2)相続税計算方法

 
種類によって下記の通り計算方法が変わります。

 
倍率方式は固定資産税額に対して定められた倍率をかける方法です。

通常の土地でも路線価方式で評価されない(路線価が定められていない)土地を評価する際に使われます。
 

宅地批准方式は計算式が決まっています。

評価額=該当農地が宅地だった場合の評価額−造成費
 

造成費とは農地を宅地に変える費用のことで、地域ごとに金額が違います。

 

まとめ

農地は政府によって保護されているため、他の土地と相続での手続きが違います。

相続税評価においても、より高度な専門知識がないと扱いが難しいと言えます。
 

詳しくない税理士だと、土地の評価額を間違えることもあるので、相続税や手続きでの相談をする場合は、相続専門で土地評価に詳しい税理士に依頼しましょう。

 

 


 
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年間110万円まで無税で財産を譲渡可能な生前贈与。

この生前贈与を行う際は、内容を記した「贈与契約書」を用意しておくことが大切です。
 

何故なら、贈与契約書は、双方の合意や贈与の事実を第三者に証明できるものだからです。

契約書があれば、いろいろなリスクを回避できるようにもなります。

 

生前贈与に贈与契約書は必須

贈与は契約行為なので、下記の要件を満たさないといけません。

 
要件が一つでも欠けた場合は税務署から否認されてしまいます。

そうなれば、贈与自体が無効になってしまいます
 

贈与が無かったことになれば、譲渡したはずの財産は相続時に遺贈されたものとして相続税が課税されてしまいます

無税で渡したはずの財産に税金を支払わなければならないのです。
 

贈与契約書があれば贈与の証明となるので、そのようなリスクを回避することができます。

 

贈与契約書の作成方法

贈与契約書に記載すべき項目は以下です。

また、

という点も大切です。
 

確定日付とは、その日に文書が存在したことを証明するもので、公証役場で手続きをすれば押印してもらえます。(一件、700円ほどの手数料がかかります。)

文書の信用度が上がるので、押印してもらいましょう。

 

作成上の注意点

(1)不動産を贈与する場合

 
土地や建物といった不動産を贈与する場合、収入印紙を貼ります。

印紙代は、契約金額によって異なります。
 

また、土地なら番地・地目・地積、建物なら家屋番号・種類・構造・床面積など、不動産に関する情報を詳細に記載しましょう。

受贈者が複数人となる場合、それぞれの持分についてもきちんと記載します。

 

(2)署名は自筆で

 
契約書の署名は必ず自筆で行います。

PC等で名前を入力してしまうと、本人以外が作成した疑いが出てきてしまい、信用度は低くなってしまいます。

 

定期贈与への対策

定期贈与とは、毎年一定の金額を渡すことがあらかじめ決まっている贈与のことです。

定期贈与とみなされると一括財産とみなされ、金額に応じた贈与税が課せられてしまいます
 

贈与の度に契約書を作成することで、定期贈与とみなされるリスクは減りますが、

などの対策も行なっておくと安心です。

 

まとめ

贈与契約書は贈与行為があったことを第三者に証明するための大事なものです。

作成の手間はかかりますが、作成しておいて損はありません。
 

余計な税金を取られないためにも、贈与の際にはしっかりと用意しておきましょう。

 

 


 
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生前贈与は年間110万円までの贈与を無税にできる制度で、相続税対策の一つとして広く利用されています。
 

この生前贈与の中には、「連年贈与」と「定期贈与」となるものもあります。

二つは似た特徴をしていますが、内容は全く異なります。

 

連年贈与とは

連年贈与とは、生前贈与を毎年連続で行うことを言います。
 

1年間の贈与の合計額が110万円以下であるなら、5年10年と贈与を行ったとしても、贈与税はかかりません。

しかし、毎年200万円ずつ贈与を行うのであれば、

が贈与税として毎年課税されます。

 

定期贈与とは

定期贈与は、決まった金額を毎年贈与するものです。

例えば、1100万円を毎年110万円ずつ計10年に渡って贈与する契約をしている場合は定期贈与になります。
 

通常の生前贈与とは違い、年間の贈与合計額が110万円以下でも、贈与税が課税されます
 

これは、贈与契約を結んだ年に「定期金に関する権利」の贈与を受けたとみなされるからです。

そのため、契約した贈与額の合計額に贈与税が課税されるのです。
 

前述の例で言うと

が、贈与契約年に課税されます。

 

連年贈与と定期贈与の違い

連年贈与と定期贈与は「贈与を毎年行う」部分は同じですが、大きな違いがあります。

それは、「あらかじめ合計額を決めているかどうか」です。
 

1年単位で贈与契約を行い、贈与を毎年行うのであれば連年贈与です。

しかし、「合計1,100万円を毎年110万円ずつ渡す」など事前に合計額に関しての契約があって贈与を行う場合は、定期贈与です。

前述したように、定期贈与では贈与契約を結んだ年に「定期金に関する権利」の贈与を受けたとみなされるので、贈与税に大きな違いが生じます。

 

定期贈与への対策

連年贈与のつもりが、税務署に定期贈与とみなされて予想外の贈与税を支払わされることがあります
 

定期贈与とみなされないためには、各贈与が別途のものである事実を証明しなければなりません。

そこでおすすめなのが贈与の契約書を作成することです。
 

贈与契約書は贈与行為を証明する大事な書類です。

もし、数年間に渡って一定額の贈与を行う場合は、贈与の度に契約書を作成していれば連年贈与である証明になるからです。
 

また、贈与を行う日程や金額についても、できるだけ変更すると良いでしょう。

 

まとめ

連年贈与と定期贈与の違いについて説明いたしました。

生前贈与で相続税対策を行う場合は、特に定期贈与に注意しましょう。
 

相続税を抑えるための生前贈与で高額の贈与税を支払わされることがあっては、本末転倒になってしまいます。

不安な場合は適切な方法について専門家にアドバイスをもらうのも良いでしょう。

 

 


 
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前回のコラムで説明しましたが、養子は実子と同じく相続権を持ちます。

★参考記事:養子も相続権を持つ?

 

そのため、養子縁組を上手く活用して、節税に繋げることもできます。

ただし、その場合は様々なリスクに注意しなければなりません。
 

法定相続人になれる養子の数には限りがありますし、場合によっては相続税の加算対象になってしまうケースもあるからです。

もちろん、相続人が増えることによって遺族間トラブルを起こす可能性もあります
 

本コラムでは、養子を利用した節税対策についての解説の他、注意点も説明いたします。

是非参考にしてください。

 

養子を利用した節税効果

(1)基礎控除額のアップ

 
相続税には基礎控除という非課税枠があります。
 

控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人」で算出されますが、計算式からもわかる通り、法定相続人の数に応じて金額が高くなります。

養子は、実子と同じく法定相続人となるので、基礎控除額が増えて相続税が軽減されるのです。

 

(2)死亡保険金や死亡退職金の非課税枠アップ

 
死亡保険金や死亡退職金は本来相続財産ではありませんが、本人(被相続人)の死亡後に対象者にお金が支払われる点から、「みなし相続財産」として相続税が課税されます。

しかし、通常の相続財産とは違って「500万円×法定相続人の数」という一定の非課税枠も設けられています。
 

この非課税枠は基礎控除と同じように、法定人数の数に応じて金額が増えていきます。

そのため、養子がいればその分お得になるのです。

 

注意点

(1)法定相続人になれる養子の人数は決まっている

 
前回も述べましたが、養子として法定相続人になれる人数には上限があります

 
そのため、基礎控除額や死亡保険金の非課税枠を無限に増やせるわけではありません

 

(2)相続税が2割増しになる

 
相続税には税金を公平に負担させる目的で、配偶者や親、実子、代襲相続した孫以外の人が遺産を取得すると、相続税が2割加算されるルールがあります。
 

例えば、子どもがいるケースで孫を養子にした場合、子供がいない場合は問題ありませんが、子供がいる場合は世代飛ばしをして不当に税金を安くしようとしているとみなされ、相続税2割加算の対象になってしまいます

財産内容によっては2割増しとなっても得をするケースもありますが、多くの場合は重い負担となるので、注意が必要です。

 

(3)他の相続人の取り分が減るのでトラブルとなりやすい

 
養子によって法定相続人が増えれば、各相続人の取り分は減ってしまうので、争いに発展する可能性も出てきます

養子縁組を行うのであれば他の相続人としっかりと話し合うなど、十分なケアをしておきましょう。

 

(4)亡くなる寸前の養子は認められない可能性も

 
相続税法に規定された「相続税の不当減少」の観点から、相続税目的での養子縁組は税務署から認められない可能性もあります

どのケースが不当かを定義するのは難しいですが、被相続人が亡くなる直前に急いで養子縁組をし、法定相続人を増やすようなやり方であれば、認められない可能性が高いでしょう。
 

2017年に相続税の節税目的で行われた養子縁組の是非を問う裁判で最高裁が「有効」の判決を下した例もありますが、「全てのケースで節税目的の養子縁組が有効になるわけではない」ことに十分注意しましょう。

 

まとめ

養子での相続税対策もメリットの他にデメリットがあります。

このデメリット部分を十分理解していないと、節税に失敗してしまう怖れがあります。
 

そもそも、相続税対策は家族状況や遺産内容によって取るべき手段が変わるので絶対的な正解がありません。
 

確実な節税を実施するには、やはり専門知識と経験が豊富なプロの税理士に相談することが一番です。

初回無料相談を行なっている事務所も多いので、是非検討してください。

 

 


 
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日本には養子縁組という制度があり、具体的な血縁関係にない人同士を法律上で親子関係とすることが可能です。

古くから家系の存続等を目的に行われてきており、現在でも子供がいない夫婦や、再婚相手の連れ子など、様々な形で利用されています。
 

養子縁組は財産継承の手段としても利用されます。

何故なら、養子縁組で養子となった方は法定相続人の権利を持つことになるからです。

つまり、相続においてはほぼ実子と同じ扱いとなるわけです。
 

養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類があり、それぞれ違う特徴を持っています。

 

普通養子縁組とは

(1)概要

 
普通養子縁組は、実親との親子関係を残したまま、養子先の親子関係も認めるものです。

実親との親子関係が消えないので、相続においては養親と実親がそれぞれ亡くなった時の二回分の相続権を保有することになります
 

養子としての相続権は、実子とほぼ同じ扱いになります。

 

(2)普通養子縁組の要件

 
普通養子縁組を結ぶには以下の要件があります。

 
養子縁組の手続きは、「養子縁組届出」を、市町村役場に提出します。

提出は、養親と養子の双方で行いますが、養子が15歳未満の場合、法定代理人が代行します。

 

特別養子縁組とは

(1)概要

 
特別養子縁組の場合、実親との親子関係はなくなるので、相続人としての権利は養親が亡くなった時だけになります。

普通養子の相続における法的な扱いは、実子と全く同じです。
 

この制度は育児放棄や虐待など実親に育児ができない事情がある状況で子どもを保護するためのものです。

養子と養親の同意だけでは成立せず、「家事審判」と言われる裁判所の許可を得ることで可能となります。

 

(2)特別養子縁組の要件

 
特別養子縁組を結ぶには以下の要件があります。

 
普通養子縁組よりも条件が限定的であることが特徴です。

児童相談所や養子縁組斡旋機関から斡旋を受けた子供であれば、実親からの養育が期待できないケースが多いので、要件を満たす可能性が高いと言えます。

 

養子による基礎控除は人数制限がある

養子は相続においてはほぼ実子と同じ扱いとなると述べましたが、違う点もあります。

それは、相続税法上で認められる養子の人数には制限があることです。
 

相続税法では実子がいない場合には養子は2人まで実子がいる場合は1人までしか養子を法定相続人に含めることができません。

相続税における基礎控除は「3,000万円+法定相続人の数×600万円」で算出しますが、養子は人数が限られるので、養子をとればとるほど基礎控除が増えてお得というわけではないのです。

 

まとめ

養子となった子供にも相続権はありますが、実子と全く同じ扱いにはならないので注意してください。

また、実子がいる場合には、両者の間で相続トラブルが起きないよう遺言書内容にも十分配慮することをお勧めいたします。

 

 


 
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厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

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生きているうちに次の世代に財産を移転することができる「生前贈与」。

渡す相手は友人やお世話になった人でも良く、自由度が高いことが特徴の一つです。
 

この生前贈与は、生きている間に財産を渡すことが大半ですが、実は「自身の死後に財産を渡すことが可能」なものもあります。

これを「死因贈与」と言います。
 

『死後に財産を渡すのであれば遺贈では?』と思うかもしれませんが、全く異なります。

どのような部分が違うのか、本コラムで解説いたします。

 

死因贈与とは

死因贈与は贈与行為の一つで、贈与者が死亡した際に財産の譲渡が行われるものです。

贈与なのに、受贈者が取得する財産には相続税が課税されます
 

死因贈与には下記二つの特殊なものもあります。
 

(1)負担付死因贈与

 
贈与の条件として、贈与者の生前に受贈者へ何らかの負担を課すものです。

具体的には「贈与者が生きている間の身の回りの世話をする」といったような契約を結ぶと、負担付死因贈与となります。

 

(2)始期付所有権移転仮登記

 
譲渡する財産が不動産の場合、贈与者の承諾があれば「始期付所有権移転仮登記」を受贈者が単独で申請できます。

仮登記すれば、不動産が勝手に売却されるのを防ぐ事が可能です。
 

なお、死因贈与契約書を公正証書で作成することと、証書の中に「仮登記申請ついての贈与者の承諾」と「受贈者を死因贈与契約の執行者に指定する旨」を記載しておく必要があります。

 

遺贈とは

遺贈とは、遺言書によって自身の財産を、相続人もしくは相続人以外に取得させることです。

相続が被相続人の財産を相続人に取得させることに対し、遺贈は遺言によって財産を相続人以外にも取得させることをいいます。

 

死因贈与と遺贈の違いとは

 
大きな違いは死因贈与はあくまで贈与であり、契約行為ということです。

つまり、双方の合意がなくては成立しないのです。
 

しかし、遺贈は受け取る側の合意を必要としません。

遺書作成者の独断によって誰に自身の相続財産を渡すか、自身の意思のみで決定できるのです。
 

また、遺贈は遺言書を書きなおせば良いので撤回が簡単です。

対して死因贈与の場合、通常の契約なら撤回は容易ですが、負担付き死因贈与で受贈者が特定の負担を課されていて、一部を履行してしまっている状態だと、撤回は難しくなります

 

まとめ

死因贈与と遺贈はあげる側が死亡してから、財産が譲り渡される点は同じですが、死因贈与はあくまで契約関係があるかないかが大きく異なる点です。

双方の合意がなければ成立しないことに十分注意してください。
 

どちらの方法で財産を譲渡するかは自由ですが、各方法の特性や注意点を理解した上で行いましょう。

不安な場合は、専門の税理士に相談することをお勧めいたします。

 

 


 
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