遺言書は残しておくべきか?
こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
遺言書に対する関心が高まっています。
自分の財産の行方や、争族が起きることへの不安等が、その一因と思われます。果たして遺言書は残しておいた方が良いのでしょうか?
残しておくとしたら、どんなケースに有効なのでしょうか?
遺言書を残しておいた方が良いと思われるケースについて考察します。
子供に障害がある場合
子供に障害がある場合は、その子供の将来が、とても不安なことと思います。
ご両親が健在な間は、何かと面倒も見られます。しかし、ご両親に万一のことがあったら、障害の程度にもよるでしょうが、その子供はいったいどうやって暮らして行けば良いのでしょう。
他に健康な子供がおられる場合、遺言書がなければ、障害のある子供も健康な子供も、法律上は同じ相続分になってしまいます。それではあまりに不憫です。
遺言を残すことによって、障害のある子供に、より多くの財産を残すことができます。また、成年後見人を遺言で指定しておくことも可能です。
特定の相続人に財産を多く残したい場合
事情があって入籍していない内縁の妻には、例え何年一緒に暮らしていても、法律上は相続権がありません。なお、親身に自分の身の回りの世話をしてくれている、子供の妻も同様です。
約40年ぶりに相続に関する民法が改正され、特別寄与料として金銭の⽀払いを相続人に請求できるようになるとはいえ、財産を受け取るためには、相続人の合意を得るか、裁判所へ請求しなければならず、心理的な負担は大きいでしょう。しかも、必ずしも認められる保証はなく、認められたとしても、納得できる金額をもらえるとは限りません。
こうした人々に本当に報いたいのであれば、やはり遺言書を残しておくべきでしょう。遺言書を残してさえおけば、内縁の妻にも、世話になった子供の妻にも、あるいは甥や姪でも、友人など親族関係にない人にでも、相応の財産を引き継ぐことができます。
子供も両親もいない夫婦の場合
夫婦の一方が亡くなった場合、子供も両親もおらず、亡くなった方の兄弟姉妹がいる場合は、法律上、残された配偶者が3/4、亡くなった方の兄弟姉妹が1/4を引き継ぐことになります。
夫婦で築いてきた財産を、そのままでは、亡くなった方の兄弟姉妹にも配分しなければなりませんが、遺言書を残しておけば、すべての財産を配偶者に相続させることができます。
兄弟姉妹には、遺留分減殺請求権はありません。
相続人がいない場合
相続人がいない場合は、遺産は国のものになってしまいます。
遺言書を残しておくことで、生前お世話になった方や、例えば介護が必要になった際に世話をしてもらうことなどを前提に、知人や友人に遺産を遺贈することも可能になります。
所在不明の推定相続人がいる場合
連絡が取れない相続人がいると、遺産分割協議ができず、相続手続きを進めることができません。この場合でも、遺言書を残しておけば、その内容に不備がない限り、原則として遺産分割協議は必要ありません。
ただし、すべての遺産の分割について書かれていなかったり、包括遺贈、または遺産の分割割合そのものが定められていなかったりすると、遺産分割協議が必要になりますので注意しましょう。
まとめ
遺言書を残しておいた方が、残された遺族や関係者が、スムーズに相続の手続きを進められると思われるケースについて考察してみました。
しかし、遺言書は形式さえ整えれば良いというものではありません。大切なのは、その遺言書でスムーズに相続の手続きができるのか、遺族や関係者に、わだかまりを残さないかと言う点です。
この本質を忘れないようにしましょう。
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1960年東京生まれ 早稲田大学商学部卒業
1989年税理士登録
相続手続きについての執筆活動もしているエキスパート。
複数の事務所勤務を経験後、1995年厚木市に税理士事務所開業。2015年法人設立、代表就任。
税務や会計にとどまらず、3C(カウンセリング、コーチング、コンサルティング)のスキルを使って、お客様が幸せに成功するお手伝いをしています。
■著書
「儲かる社長がやっている30のこと」(幻冬舎)
■執筆協力
「相続のお金と手続きこれだけ知っていれば安心です」(あさ出版)
「事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」(あさ出版)
その他多数。