相続不動産にはどのような税金や費用がかかるのか【相続税・登録免許税他】
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
相続財産は相続税の課税対象です。
現金や預金、有価証券、換価価値のある骨董品などが対象であり、総額が基礎控除額を超えると相続税が生じます。
土地や建物といった不動産も相続財産のため、相続税の課税対象です。
ただし、不動産の場合は相続税の他にも登録免許税や名義変更のための費用がかかります。
相続税
不動産は相続財産なので、相続税の課税対象となります。
ただし、相続税は全ての場合に生じるのではなく、相続財産総額が「基礎控除額」を超えた場合のみ発生します。
基礎控除額は「3000万円+(法定相続人の数×600万円)」で算出するので、法定相続人の数が多ければ控除額も高くなります。
不動産は、土地・建物共に相続税の評価方法が定められており、それぞれの計算方法で評価額を出します。
①土地の評価方法
土地は「路線価」に面積をかけて価格を計算する「路線価方式」を使用します。路線価が設定されていない場合、土地の固定資産税評価額に一定倍率をかけて価格を算出する「倍率方式」を使用します。
路線価は国税庁HPの路線価図から該当年分のものを用いますが、その年の路線価発表は7月なので、2月や3月に所有者が亡くなった場合は、7月まで待たなくてはなりません。
倍率も国税庁が定めたもので、評価倍率表に記載があります。
②建物の評価方法
固定資産税評価額が計算のベースとなります。
被相続人の住宅であれば、相続税評価額は固定資産税評価額とイコールになり、賃貸物件であれば、借家権割合が考慮され、評価額は下がります。
固定資産税評価額は、各市区町村(東京都23区の場合は都)が決定します。
3年ごとに見直され、公示価格のおよそ70%になるように調整されています。
固定資産税評価額を調べたいのであれば、市区町村から毎年届く固定資産税の納税通知書を確認しましょう。通知書がない場合、市区町村役場で固定資産税台帳を閲覧すると良いでしょう。(東京23区の場合は、該当区の都税事務所で閲覧可能。)
登録免許税
登録免許税とは、不動産を登記・登録する際に課される税金です。
登記とは、権利関係などを公にする制度で、不動産登記は土地や建物の所有者を明確にする手続きです。
相続によって不動産を取得した場合も、不動産登記が必要(この場合、相続登記と言われます)で、同時に登録免許税も納める必要があります。もし、登録免許税を納付しなければ、登記申請は却下されてしまいます。
相続登記における登録免許税率は、「不動産の固定資産税評価額の0.4%」です。
固定資産税評価額が1,000万円の土地を相続登記する場合の登録免許税額は、
1,000万円×0.4%=4万円です。
固定資産税評価額は前述した方法で確認すると良いでしょう。
相続登記にかかる費用
相続登記申請には、申請書のほかに、以下の書類も必要です。
- 被相続人の出生時から死亡時までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
- 相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書
- 相続人全員の住民票の写し
- 遺産分割協議書(遺言書がない場合)
- 遺言書
- 不動産取得者の住民票
- 固定資産評価証明書
- 収入印紙
戸籍謄本の取得や住民票の写しの発行には、数百円程度の費用がかかります。
相続人が少なかったり、各自が戸籍謄本等を取得すれば、まとまったお金はかかりませんが、被相続人の転籍が多かったり、代表者が全て用意する場合には、金額は高くなります。
なお、相続登記の申請手続きを専門家に代行してもらった場合、その報酬費用が生じます。報酬金額は手続きの数や依頼内容によって変わるので、一度問い合わせをして、見積もってもらいましょう。
専門家に手続きをお願いする場合、他の相続手続きも合わせて依頼した方が手間が掛からないのでお勧めです。できれば、相続税の申告も代行してもらうと良いでしょう。
ただし、相続税の申告代行は税理士のみできますので、注意してください。
まとめ
相続不動産を取得すると、相続税だけではなく、登録免許税や相続登記にかかる費用などもかかってきます。
相続税には申告期限もあるので、期限を破らないように手続きを済ませておくことが大切です。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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1960年東京生まれ 早稲田大学商学部卒業
1989年税理士登録
相続手続きについての執筆活動もしているエキスパート。
複数の事務所勤務を経験後、1995年厚木市に税理士事務所開業。2015年法人設立、代表就任。
税務や会計にとどまらず、3C(カウンセリング、コーチング、コンサルティング)のスキルを使って、お客様が幸せに成功するお手伝いをしています。
■著書
「儲かる社長がやっている30のこと」(幻冬舎)
■執筆協力
「相続のお金と手続きこれだけ知っていれば安心です」(あさ出版)
「事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」(あさ出版)
その他多数。