厚木市で相続の手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

「親が亡くなったけれど、うちも相続税を払わなければいけないのだろうか……」と不安に思う方も多いかもしれません。

「相続税は一部のお金持ちだけがかかるもの」と思われがちですが、実はそうではありません。平成27年の税制改正によって相続税の仕組みが大きく変わり、現在ではごく一般的な家庭であっても相続税の申告が必要になるケースが珍しくありません。

特に、厚木市や海老名市、伊勢原市といった小田急線沿線にお住まいの方は、土地の価値が思いのほか高く、気づかないうちに税金の対象となっていることがあるため注意が必要です。

結論から言えば、遺産の総額が「基礎控除(きそこうじょ)」と呼ばれる非課税枠を超えなければ、相続税は1円もかかりませんし、税務署への申告も不要です。

今回は、ご自身のケースで相続税がかかるかどうかのボーダーラインとなる「基礎控除」の計算方法や、厚木周辺の地域ならではの不動産評価の注意点について、専門家の視点から分かりやすく解説します。

 

そもそも相続税の「基礎控除」とは?結論から言えばこの金額以下なら申告不要

相続税には、国が定めた「ここまでの金額なら税金をかけません」という一律の免除枠があります。これが「基礎控除」です。

結論から言えば、亡くなった方の遺産総額がこの基礎控除額を下回っていれば、相続税の心配は一切いりません。

基礎控除の金額は一律ではなく、「亡くなった方の法定相続人が何人いるか」によって以下のように計算式が決まっています。

基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

【参考】
No.4102相続税がかかる場合|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4102.htm

 

ここでいう「法定相続人(ほうていそうぞくにん)」とは、法律で定められた遺産を引き継ぐ権利のある親族(配偶者や子どもなど)のことです。

【参考】
遺産を受け取る相続人とは誰か【法定相続人となる人とは】
https://stepup-souzoku.com/2024/10/18/isisiamska/

 

具体的な家族構成ごとのボーダーラインをいくつか見てみましょう。

【具体例】家族構成ごとの基礎控除額(ボーダーライン)

パターンA:相続人が妻(配偶者)1人のみの場合
3,000万円+(600万円×1人)=3,600万円

パターンB:相続人が子ども2人の場合(配偶者は既に他界)
3,000万円+(600万円×2人)=4,200万円

パターンC:相続人が妻と子ども2人(計3人)の場合
3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円

このように、例えばパターンCのご家庭であれば、遺産の合計が4,800万円以下であれば相続税はかかりません。

まずは「我が家の法定相続人は何人か」を確認し、このボーダーラインの金額を把握しておくことが大切です。

 

厚木・海老名エリアの「実家(不動産)」はいくらと評価される?

「うちは普通のサラリーマン家庭だし、預貯金も数千万円もないから大丈夫」と思われる方が非常に多いのですが、ここに大きな落とし穴があります。

相続税を計算するときの「遺産」には、銀行の預貯金や現金だけでなく、「実家の土地や建物(不動産)」も含まれるからです。

特に厚木市や海老名市周辺は、小田急小田原線の利便性の高さや駅周辺の開発によって、土地の価値(地価)が底堅く推移しています。そのため、「古い一戸建てだから価値はないだろう」と思っていても、土地の評価額が思った以上に高額になるケースが多々あります。

 

現金だけじゃない!土地の価値を決める「路線価」の仕組み

相続税を計算する際、土地の価値は固定資産税の通知書に書かれている金額ではなく、国税庁が毎年発表する「路線価(ろせんか)」という基準を使って計算します。

【参考】
上昇傾向の土地価格路線価の将来的な動向と相続税評価への影響
https://stepup-souzoku.com/2026/03/20/wybs678sj0aj2-9/

 

路線価は道路ごとに価格が決められており、本厚木駅や海老名駅に近いエリア、あるいは閑静な住宅街であっても、敷地が広ければ土地の評価額だけで2,000万円〜3,000万円を超えてしまうケースが少なくありません。

もし「実家の土地(3,000万円)」と「預貯金(2,500万円)」があれば、それだけで合計5,500万円となり、先ほどのパターンCの基礎控除額(4,800万円)を簡単に超えてしまうことになるのです。

我が家がボーダーラインを超えているかどうかを知るためには、手元の現金だけでなく、「実家の土地がいくらになるか」を正しく見積もる必要があります。

 

もし基礎控除を超えそうなら?知っておくべき2大「減税特例」

「計算してみたら、基礎控除のボーダーラインを超えてしまいそう……」と不安になった方もご安心ください。

日本の相続税法には、残されたご家族が生活に困らないよう、税金を大幅に安くするための強力な「特例」が用意されています。代表的な2つの特例をご紹介します。

 

(1)配偶者控除(配偶者の税額軽減)
亡くなった方の配偶者(妻や夫)が遺産を引き継ぐ場合、「1億6,000万円」または「法定相続分」のどちらか多い金額までは、相続税が一切かからないという非常に手厚い制度です。
これにより、大半のケースで配偶者に相続税はかかりません。

 

(2)小規模宅地等(しょうきぼたくちとう)の特例
亡くなった方と一緒に住んでいた実家の土地を、同居していた配偶者や子どもが引き継ぐ場合、土地の相続税評価額を「最大80%」も減額してくれる制度です。
例えば、路線価で3,000万円と評価された実家の土地が、この特例を適用できれば「600万円」まで下がることになります。これにより、遺産総額が基礎控除以下に収まり、税金がかからなくなるケースが非常に多いです。

【参考】
No.4124相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm

 

【非常に重要な注意点】特例を使うには「税務署への申告」が必須

ここで絶対に注意しなければならないのは、「これらの特例は、自分で勝手に使って終わりにしてはいけない」ということです。

特例を使った結果、最終的な税金が0円になる場合であっても、期限内(亡くなってから10ヶ月以内)に「特例を使います」という相続税の申告書を税務署に提出しなければ、この割引を受けることはできません。

もし申告を忘れて放置してしまうと、後から税務署に見つかった際、特例が使えない本来の高い税率で課税されるだけでなく、ペナルティの税金(加算税や延滞税)を支払うリスクがあります。

 

まとめ:相続税がかかるかどうかの「シミュレーション」は専門家へ

相続税の基礎控除や各種特例は、正しく知って活用すれば決して怖いものではありません。

しかし、「我が家の法定相続人の数え方はこれで合っているか」「実家の土地の路線価はどう計算すればいいか」「小規模宅地等の特例の条件を満たしているか」を一般の方がご自身だけで判断するのは、非常に難易度が高いと言えます。

「うちは申告が必要なのかな?」と少しでも不安に思われたら、まずは一人で悩まずに、私たち相続専門の税理士にご相談ください。

厚木相続相談センターでは、親身にお話を伺いながら、ご家族の財産が基礎控除を超えるかどうかの正確なシミュレーションを実施いたします。

早めに専門家を頼ることで、払わなくてもよい税金を抑え、いざという時に家族間で揉めないためのスムーズな遺産分割協議を進めることができます。まずはお気軽に、当センターの初回無料相談をご利用ください。

 

 

よくある質問

Q:相続税がゼロになる場合も、税務署に申告が必要なのですか?

A:遺産総額が基礎控除以下であれば申告は不要です。ただし、配偶者控除や小規模宅地等の特例を使って税額がゼロになる場合は、申告が必須です。特例を使わなければ本来課税されるためです。申告なしに特例は受けられません。

 

Q:小規模宅地等の特例は、同居していない子どもでも使えますか?

A:原則として同居が要件ですが、「家なき子特例」という制度を使えば、一定の条件(自分の持ち家を持っていない等)を満たす非同居の子どもも適用できる場合があります。条件が複雑なため、適用可否は必ず税理士に確認してください。

 

Q:相続税の申告期限(10ヶ月)を過ぎてしまった場合はどうなりますか?

A:申告期限を過ぎると、本来の税額に加えて無申告加算税(15〜20%)や延滞税が課せられます。さらに、配偶者控除・小規模宅地等の特例が原則として使えなくなるため、税負担が大幅に増加するリスクがあります。気づいた時点で早急に専門家へ相談してください。

 

Q:配偶者が全財産を相続すれば相続税がかからないと聞きましたが、それで問題ないですか?

A:配偶者控除により一次相続(夫婦間)では税がゼロになりやすいですが、配偶者が相続する財産が多いほど、その後の二次相続(配偶者が亡くなったときの子どもへの相続)で税負担が大きくなります。一次・二次を合わせた税額シミュレーションを専門家と行うことをお勧めします。


 

相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。

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