公正証書遺言の証人は誰に頼めば良いのか
こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
遺言書には様々な種類がありますが、中でも確実に遺言を残す方法として、多く利用されているのが「公正証書遺言」です。
この公正証書遺言は、二名の証人を必要としますが、証人は家族や友人など誰でも良いというわけにはいきません。
証人になれない人が決まっているのです。
公正証書遺言とは
公正証書遺言とは、自分で作成をするのではなく、公証役場にて公証人に作成を代行してもらう遺言書です。
また、冒頭でも述べたように、二名の証人の立ち合いが必要です。
特徴をまとめると以下の通りになります。
- 公証役場で公証人と内容について打ち合わせをした後、公証人が代理で作成する
- 公証人が作成するので、様式不備によって遺言書が無効にならない
- 相続開始後の検認も不要
- 二名以上の証人の立会いが必要
- 遺言書の原本は公証役場にて保管される
- 遺言書の作成費用がかかる
公正証書遺言のメリットは公証人が作成をするので、形式不備によって遺言書が無効になる可能性はありません。
また、原本が公証役場にて保管されるので、遺言書の紛失、第三者の改ざんも起こりません。
このような点から、遺族に確実に渡せる遺言書として広く利用されているのです。
ただし、公証人との打ち合わせや証人の用意など作成の手間がかかってしまいます。
作成費用も当然かかりますので、良いことばかりではありません。
証人になれない人
公正証書遺言の作成には「二名以上の証人」が必要です。
この証人は民法によって欠格事由が定められており、それに該当する方は証人になれません。
- 証人の欠格事由に該当する方
- 未成年である方
- 推定相続人や受遺者、またはこれらの配偶者や直系血族に当たる方
- 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人の方
欠格事由に該当する方が証人になっていた場合、その公正証書遺言は無効です。
よって、証人の選定は慎重に検討してください。
適切な人物が見当たらない場合
証人が見つからない場合は、公証役場に相談すれば人材を紹介してもらえます。
証人への日当は発生しますが、身内や友人に頼むよりも気を使わなくてよいという利点がありますので、利用してみても良いでしょう。
遺言執行者に証人を頼んでも大丈夫
遺言執行者とは、遺言者の死後に遺言書の内容に従って遺産分割の手続きをする方です。
遺言者が指定するか、相続開始後に家庭裁判所によって選任してもらうこともできます。
この遺言執行者に公正証書遺言の証人をお願いしても大丈夫です。
ただし、前述の証人の欠格事由と、遺言執行者の欠格事由の両方に該当しない方に限ります。
- 遺言執行者の欠格事由
- 未成年者
- 破産者
執行者の年齢は遺言者が亡くなった時点で成年になっていれば大丈夫です。
破産者かどうかの判断も、遺言者が死亡した時点になります。
まとめ
公正証書遺言の証人は誰でも良いというわけには行きません。
欠格事由に該当しない方にお願いしましょう。
遺言書の内容を身内に知られたくない場合は、公証役場に人材を紹介してもらえば良いでしょう。
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1960年東京生まれ 早稲田大学商学部卒業
1989年税理士登録
相続手続きについての執筆活動もしているエキスパート。
複数の事務所勤務を経験後、1995年厚木市に税理士事務所開業。2015年法人設立、代表就任。
税務や会計にとどまらず、3C(カウンセリング、コーチング、コンサルティング)のスキルを使って、お客様が幸せに成功するお手伝いをしています。
■著書
「儲かる社長がやっている30のこと」(幻冬舎)
■執筆協力
「相続のお金と手続きこれだけ知っていれば安心です」(あさ出版)
「事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」(あさ出版)
その他多数。