遺贈とは?【意味や種類を解説】
こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
遺贈とは、遺言によって財産の全部もしくは一部を、受遺者に無償で譲与することです。
この受遺者は遺贈する側が自由に決められるので、法定相続人である必要もありません。
つまり、相続が被相続人の財産を相続人に取得させることに対し、遺贈は遺言によって財産を相続人以外にも取得させることをいいます。
遺贈の種類
(1)包括遺贈
包括遺贈とは相続財産の全部もしくは一定の割合を指定する方法です。
具体的には「相続財産の1/5をAさんに遺贈する」といった内容を遺言書に書くものです。
この場合、受遺者は実質的には相続人と同一の権利義務を有します。
よって、遺贈者に借金などのマイナス財産がある場合は、遺贈された割合に従ってそれら負の遺産も引き受けなければなりません。
(2)特定遺贈
特定遺贈とは相続財産の中で特定の財産を指定して譲る方法です。
具体的には「〇〇市の土地をAさんに遺贈する」「〇〇社の株式をBさんに譲る」といったものです。
この場合、受遺者はその特定された財産のみを取得し、借入などのマイナス財産を引き受ける必要はありません。
ただし、指定がある場合は債務を負担します。
遺贈をする際の注意点
(1)基礎控除は増えない
相続税における基礎控除は「3000万円+600万円×法定相続人の数」で算出されます。
そのため、法定相続人以外が財産を取得しても控除枠が増えることはありません。
(2)死亡保険金の非課税枠もない
死亡保険金はみなし相続財産として相続税が課されますが、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。
しかし、相続人以外が保険金を取得した場合は全額が相続税の課税対象になります。
(3)相続税2割加算の対象になる
相続税には配偶者や一親等の血族、代襲相続人以外の方が相続財産を取得した場合、相続税が2割増となるルールがあります。
そのため、状況によっては受遺者が重い税負担に苦しむ可能性もあります。
(4)トラブルのきっかけになる可能性も
法定相続人からしてみれば、遺贈は自身の取り分が減る行為ですし、受遺者が全く知らない人間であれば、好ましい状況とはならないでしょう。
また、配偶者や子どもなどの法的相続人は、遺産に対して一定の割合で最低限の取り分をもらう「遺留分」が法律で保障されています。
その遺留分が遺贈によって侵害されることもあります。
遺留分が侵害されれば、遺留分侵害額請求をして財産を取り戻す必要があるので、相続人の手間が増えてしまいます。
そうなれば、心情的にも良いものでもないでしょう。
まとめ
遺贈について解説いたしました。
相続と遺贈はどちらも遺言者が死亡した場合に特定の者が財産を取得する点では似ていますが、異なる点も多数あります。
遺贈はやり方によっては、トラブルの元になってしまいます。
遺贈を行う場合は、生前のうちにご家族にきちんと説明するなど工夫しましょう。
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1960年東京生まれ 早稲田大学商学部卒業
1989年税理士登録
相続手続きについての執筆活動もしているエキスパート。
複数の事務所勤務を経験後、1995年厚木市に税理士事務所開業。2015年法人設立、代表就任。
税務や会計にとどまらず、3C(カウンセリング、コーチング、コンサルティング)のスキルを使って、お客様が幸せに成功するお手伝いをしています。
■著書
「儲かる社長がやっている30のこと」(幻冬舎)
■執筆協力
「相続のお金と手続きこれだけ知っていれば安心です」(あさ出版)
「事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」(あさ出版)
その他多数。