こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 
 

相続財産の総額次第では 相続税 が発生します。

相続税を支払う方法には、「分割された相続財産から支払う」方法や、「相続人自身の所有財産から支払う」といった方法があります。

ただし、以下のような状況では、相続税が支払えなくなる可能性もあります。

相続税が課税される財産は現金だけでなく、土地や建物といった不動産、自動車などの動産も該当します。

特に不動産は早急な換金が難しいため、相続財産の中に占める割合が大きいと「高額の相続税が生じるにも関わらず相続税を支払えない」という事態を招きやすいでしょう。

しかし、悲観することはありません。
相続税を支払えない状況に陥っても、救済措置となる制度が用意されているからです。

このコラムでは相続税が支払えなくなった場合の対処法をいくつかご紹介いたします。



相続税を支払わないことで起こるリスク

(1)延滞税が課せられる


相続税を期限内に支払わないと、「延滞税」というペナルティーが発生します。

税金には法定納期限というものがあります。各税法で本来納付すべき期限までに税金を支払っていない場合には、日数に応じて利息に相当する延滞税が課せられます。


相続税の法定納期限は相続税の法定申告期限と同じく「相続開始を知った日(死亡日)の翌日から10ヶ月」です。

この期限を過ぎれば、1日ごとに延滞税が加算されていくことになります。


なお、延滞税の税率は納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までと2か月を経過した日以降で以下のように変わります。

納付期限の翌日から2ヶ月間の延滞で課せられる利息…2.5%
納付期限の翌日から2ヶ月を経過した日以降の延滞で課せられる利息…8.8%


※令和3年1月1日~令和3年12月31日中に適用される割合。
2ヶ月を超えれば、より高い税金を支払うことになります。



(2)加算税が課せられる


期限までに申告も行っていなかった場合や、申告内容が少額だった場合は、延滞税に加えて加算税も負担しなければなりません。

なお、故意に申告しなかったり財産を隠しているなどの悪質なケースでは、さらに高額な重加算税がかけられる可能性もあります。



(3)財産の差し押さえも


相続税を支払わずに、滞納し続けていると、国税庁に財産を差し押さえられる怖れがあります

差し押さえられるのは不動産が多いですが、自動車や骨董品などの動産の場合もあります。


さらに税務当局が納税が不可能と判断した場合には、他の相続人に税金が負担させられることになります

同じ被相続人から相続した遺産の相続税については、「連帯納付義務」といって相続人全員で納付義務が生じるからです。


したがって、相続税が支払えなくなると、他の相続人にも迷惑をかけることになります。




相続税が支払えない場合の対策①延納

相続税を現金一括で期日までに払えない場合、最長で20年の期間にわたり分割で払うことができる「延納」という制度があります。


同制度は申告期限内に申請をする必要があり、申請が認められれば、延納制度を利用できます。

ただし、相続人自身に相続税を支払える資力があると判断された場合、利用はできません。


延納制度の利用には以下の条件をすべて満たします。


担保として認められるものは以下の通りです。


延納制度の利点は相続税を少しずつ納付できる為、支払い負担が軽減される点です。

また、相続税の支払いのために、ほかの財産を売却しなくて良いことも大きなメリットといえます。


しかし、延納をしている期間は、利息としての利子税がプラスされるので、結果的に本来支払うべき相続税よりも高い金額を納付しなければなりません。

また、制度利用には担保の提供が求められますが、担保として認められるかどうかのハードルも高く、そこが難関といえます。




相続税が支払えない場合の対策②物納

延納制度で支払い困難となった場合は、「物納」という選択もあります。


物納制度とは、相続税を相続財産の不動産や株などで納める方法です。

物納が認められるのは相続人が元来所有していた財産ではなく、相続財産に限ります。


物納の利用には、以下の条件全てを満たす必要があります。


物納が利用できるのは、現金納付や延納制度でも納付困難な場合のみです。

審査が厳格な為、利用する条件は非常に厳しいものと言えます。


物納のメリットは、納税資金を用意できなくても、不動産や株など相続財産そのものを納めることができるという点です。

デメリットとしては、物納に充てられる財産の種類や優先順位は決まっており、ご自身の都合で選ぶことができません。


なお、買い手がつかないような不動産だと、物納が認められません。

また、物納する財産は、相続税を計算する評価額ベースで価値が決まるので、市場価値より安い評価にされてしまいます。




相続税が支払えない場合の対策③不動産等の現金化

相続財産に現金や預貯金がなくとも、資産価値が高いものがある場合は、ご自身で売却して現金化し、そのお金で相続税を支払うという方法もあります。


不動産については自身で売却する方が、物納を行うよりも断然お得です。

しかし、すぐに売れない場合は、期限までに納付金を準備できなくなる可能性があったり、想定よりも安くなってしまい、金額が確保できない場合もあります。


不動産を売却する為には、登記の手続きなどに要する時間などを含め、申告期限内に売却が完了できるかどうか慎重に判断する必要があります。

なお、売却して利益が生じると、譲渡所得税がかかることもデメリットです。




相続税が支払えない場合の対策④金融機関から借り入れ

金融機関のローン等を利用して相続税を支払う方法もあります。

資金の借り入れがうまくいけば、期限までに相続税の支払いができますし、手放したくない不動産や財産を売らずに済みます。


ただし、お金の借り入れをする為、利息がかかってしまいます。

条件次第ではかなり高利になる場合もあるので、注意しましょう。




まとめ

相続税が支払えない場合の対策をいくつかご説明いたしましたが、いかがだったでしょうか。

今回ご紹介した対処法の他にも、有効な方法がありますが、それは相続専門の税理士に相談することです。


税理士の役目はいかに税金を抑えるかです。

そのため、相続開始前や開始時に相続税に強い税理士に依頼しておけば、本来の税額よりも大幅に減額できる可能性もあるのです。


また、相続税に強い税理士の場合、ここで述べてきた対処法にも詳しいため、各相続の状況に合わせて最良の選択をアドバイスすることができるでしょう。


どの方法がベストであるかは、ご自身のおかれている状況によって変わります。

対応に迷われている場合は、早急にご相談されることをお勧めいたします。






相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。

行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。

まずはお気軽に初回無料相談をご利用ください。


■お問い合わせフォームから今すぐ初回無料相談をしたい方→こちらをクリック

■お電話で今すぐ初回無料相談をしたい方→046-297-0055(受付時間:平日9:00~17:00)

こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 
 

遺言書は故人の意思を相続に反映するための書類であり、強い効力を持っています。

遺産分割の割合の指定の他、法定相続人以外の方に相続財産を渡す遺贈、戸籍上親子関係ではない子供の認知など、いくつかの事項に対して指定が可能です。

 

具体的には法的な効力がある項目は、大きく分けて以下の三つになります。

 

逆に言えば、上記以外の事項は指定できません

効力の及ばない範囲のことを遺言書に書いてもその部分は無効となります

 

このページでは遺言書に指定できる事項について詳しくご紹介いたします。是非、ご自身やご家族の遺言書作成に役立ててください。


遺言書の効力発生時期

遺言書の効力が生じるのは、原則として遺言者が亡くなった時です。

ただし、例外として、遺言に停止条件が書かれていた場合は、その条件が遺言者の死亡後に成就された時から遺言の効力が発生します

 

遺言書に条件を定めて、その条件が成就した際に財産を渡すことを「停止条件付遺贈」といいます。

例えば遺言書に「孫が結婚すれば財産を渡す」と書けば、お孫さんは婚姻をした時に遺贈を受けられるようになります。




遺言書で指定可能な事項

(1)相続財産の配分指定

 

各相続人の財産取得分は、遺言者が自由に決めて構いません。

民法では「法定相続分」と言って相続人の順位や組み合わせによって、割合が決まっていますが、これと異なる配分率を指定できます。子供に多く財産を取得させるようなことでも大丈夫です。

 

しかし、遺留分を侵害するような配分はできません

遺留分とは、法定相続人が最低限の財産を取得できる権利です。例えば、配偶者に1円も渡さないような配分指定をしても、無効となります。

強い効力を持つ遺言書であっても、遺留分は相続人の権利として保障されます。



(2)遺産分割方法と分割禁止の指定

 

遺産分割方法には以下の三つがあります。

 

上記の遺産分割の方法を指定したり、遺言執行者に財産分割を任せることもできます。

なお、遺産分割自体を禁止することもできます。期間は相続開始から五年以下です。


(3)遺贈の決定

 

遺贈とは法定相続人以外の方に相続財産を渡すことです。

例えば、被相続人の友人や介護をしてくれた子供の妻などに財産を渡しても構いません。

 

ただし、遺贈によって遺留分を侵害しないように注意が必要です。

相続でのトラブルに発展しないよう、生前のうちから説明を行うなどしておきましょう。



(4)子供の認知

 

戸籍上で婚姻関係のない方との間にできた子供の認知を遺言書で行うことができます。

 

認知を行えば、その子供は法定相続人となり、相続に参加することができます。

なお、遺言書によって子どもの認知が行われれば、遺言執行者は就任から10日以内に認知の届け出を行う義務があります。



(5)相続廃除等に関する事項

 

相続廃除とは、特定の推定相続人が被相続人に対して虐待や重大な侮辱を行なっていた場合に、相続人資格を剥奪できる制度です。

廃除は遺言執行者が家庭裁判所に「推定相続人廃除審判申立て」を行い、これが受理されれば確定となります。

 

廃除が成立すれば、該当者は相続関係から除外され、財産を受け取れません



(6)後見人・後見監督人の指定

 

未成年者が相続手続きを行うには、代理人を立てる必要があります。

そのため、遺言書で後見人を指定し、該当相続人の手続きを任せることができます。



(7)遺言執行者の指定

 

遺言内容をスムーズに実行するために、遺言執行者を指名し、手続きを委託することができます。



(8)相続人相互の担保責任の指定

 

取得財産が他人のものであったり、欠陥があった場合、他の相続人は担保責任を負います。

遺言者は、この担保責任の負担者の指定や負担の割合を決めることができます。




遺言書の効力が及ばないこと

(1)遺留分の侵害

 

先述したように、民法では、相続人の最低限の権利を保証しています。

これを「遺留分」と言い、遺言によっても侵害することができないことになっています

 

例えば、法定相続人以外の方にすべての財産を遺贈したいと思っても、遺言者の配偶者・子供・父母には最低限の遺産を受け取ることができる権利があるので、その通りにはなりません。

 

もし、遺留分を侵害する内容が記載されていると、その部分は無効になる上、相続人同士の争いを生んでしまうので十分に配慮するべきです。



(2)養子縁組など子供の認知以外に関すること

 

子供の認知以外の身分行為に関しての記載をしても無効です。

例えば、養子縁組に関することや配偶者との婚姻関係の解消等をを記載しても、効力を持ちません。



(3)付言事項

 

付言事項とは、法的効力を持たない事柄について遺言書で付言する事項です。

例えば

などがあります。

 

付言事項は遺言書としては効力がなく、法的な拘束力もないので従う必要はありません。

しかし、故人の思いとしては相続人に伝わるので、付言事項の内容をできるだけ実行しようとする動きが生まれるでしょう。

 

付言事項を書くかどうかは遺言者の自由ですが、自身の思いを残された家族に明確に伝えられるので、利用価値のあるものと言えるでしょう。




遺言と異なる遺産分割はできるのか

遺言書がある場合、原則として相続ではその内容に従うこととなります。

ただし、相続人全員の合意(遺贈が指定されている場合は受遺者の合意も必要)があれば、遺言書で記載された内容と異なる遺産分割をしても構いません

 

遺言の利害関係人全員が遺言内容と異なる遺産分割を希望するのであれば、これを認めることで利害関係人の利益となるからです。

遺産分割協議が既に完了しており、後から遺言書が見つかった場合でも、相続人全員が合意するなら、遺産分割協議で決めた内容通りに財産を取得しても良いのです。

 

ただし、以下のケースでは、相続人全員の合意があっても遺言内容と異なる遺産分割ができないので注意しましょう。




勝手に開けてしまった遺言書は有効か

発見された遺言書は勝手に開けてはいけない決まりがあります。

民法では「封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。」と規定されており、勝手に開けてしまうと5万円以下の過料に処せられるおそれがあります

 

遺言書は偽造防止などの目的で検認手続きをしなければなりません

検認とは、他の相続人に対して遺言の存在とその記載内容を知らせることに加え、遺言書の形状、加除訂正、日付、署名、押印など、遺言書の内容を明確にして偽造や変造を防止するための手続きです。

 

公正証書遺言以外の自筆証書遺言・秘密証書遺言は、遺言者の死後、遺言書を家庭裁判所に提出して検認が必要です。(自筆証書遺言でも法務局の保管制度を活用すれば、検認は不要です。)

 

では、開けてしまった遺言書は無効かというと、そうではありません。

開封してしまった場合でも、その遺言書は有効ですし、開けた方も相続人の資格を失うことはありません。

ただし、検認を受けなければ、相続手続きにおいて遺言書は使用できないので、遺言書の発見者および保管者は早期に裁判所に申し立てを行い、検認手続きを進める必要があります。




まとめ

遺言書も様々な効力を持っていますが、指定できる事項は決まっています。

また効力の及ばない範囲もあるので、よくよく注意して作成してください。

 

なお、遺言書はいくつかの種類があり、各形式のルールに従って作らないと無効になってしまいます。

手間をかけて作成した遺言書も無効になると、効力を持ちません。よって、確実に有効となる遺言書を作成する場合、相続専門の税理士にご相談ください。

   
 

相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。

行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。

まずはお気軽に初回無料相談をご利用ください。

 

■お問い合わせフォームから今すぐ初回無料相談をしたい方→こちらをクリック

■お電話で今すぐ初回無料相談をしたい方→046-297-0055(受付時間:平日9:00~17:00)

厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。



相続が発生したときには、遺言がない場合は遺産分割協議を行なって、誰がどの財産を引き継ぐのかを話し合います。しかし、分割内容を話し合うにも、「どの財産がどれだけあるのか」を明らかにしなければなりません。

また、相続税は相続財産全体にかかってきますから、税額計算をして申告と納付を行うためにも、財産を調べる必要があります。

申告にも期限があるので、調査が遅れると期限に間に合わずに追徴課税を受ける怖れもあります。よって、相続開始からできる限り早期に相続財産の調査をすることが大切です。

 

財産調査の重要性

(1)相続放棄
 

相続が開始した場合、相続人は単純承認、限定承認、相続放棄のいずれかを選択することになります。

単純承認とは、被相続人(亡くなられた方)の現金や預貯金、不動産やローンなど、資産と負債も含めてすべての財産を引き継ぐことです。

限定承認とは、相続財産の範囲内で相続債務も受け継ぐことです。例えば、相続財産が、1,000万円の土地と、1,500万円の借金だった場合、債権者に土地と同額の1,000万円を支払えば、土地を引き継ぐことができます。

相続放棄とは相続権を手放す行為なので、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も含めて一切引き継ぎません。

なお、限定承認と相続放棄は自己のために相続開始を知ったときから3ヶ月以内(熟慮期間内)に家庭裁判所に申述すしなければならないと定められています。そのため、選択をするために、相続財産の内容を明らかにする必要があるのです。

早期に正確な相続財産調査を行わないと、相続放棄をすべきなのか単純承認をすべきなのか、正しい判断を行えなくなります。

 
(2)相続税申告
 

相続税の申告には正確な税額が計算が必要です。そのため、遺産の全容を明らかにした上で、不動産や株式などの財産を正しく評価しなければなりません。

不動産や株式の相続税評価方法はそれぞれ決まっています。

不動産については、土地には路線価方式や倍率方式が採用され、建物には固定資産税が評価の基準となります。

★参考:相続によって取得した土地の評価方法

★参考記事:相続によって取得した建物の評価方法
 

株式は上場株式の場合は相続開始日の終値(おわりね)を基準に評価額を算出します。非上々株式の場合、市場価格が存在しないので、評価は少し複雑になります。

何が言いたいかというと、預貯金と違ってこれらの評価には時間も手間もかかるので、早い段階で遺産内容がわかっていないと、相続税申告が遅れてしまうということです。

相続税申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。もし、期限を過ぎてしまうと、加算税などのペナルティーが課せられます。

そのため、早めに財産調査を行うことがとても大切なのです。

 

預貯金の探し方

預貯金の調査ではまず、被相続人がどの銀行を利用していたかを調べます。
 
同じ銀行の場合、全ての支店にある故人の口座を調べてもらえますから、まずは亡くなった方が利用していた金融機関を特定します。
 
通帳、キャッシュカード、金融機関からの被相続人宛の郵便物などから金融機関を特定し、残高証明等を発行してもらいましょう。(通帳がなくても、紛失しているケースがあります。取引の可能性が少しでもあるなら、その金融機関は対象に含めましょう。)

金融機関がわかったら、残高証明書の発行をしましょう。手続きには、被相続人の死亡や請求者(相続人)との関係を示す書類(戸籍や除籍謄本など)が必要です。

金融機関によって必要書類は異なるので、事前確認を行なった方が良いでしょう。

なお、自分でやるのも良いですが、面倒だという場合は専門家への依頼をお勧めします。専門家に代行させた方が、慣れている分手続きがスムーズに進むからです。

 

不動産の探し方

(1)納税通知書で確認
 

土地や建物を持っている場合、「固定資産税」や「都市計画税」といった税金がかかります。

これらの税金の課税対象になっている場合、毎年4月~6月初旬ごろに「納税通知書」が送付されるので、そこに記載されている情報から相続不動産を確認すると良いでしょう。

私道など納税通知書に記載されない不動産の場合は、権利証や登記識別情報通知を探しましょう。どちらの資料も法務局が発行している書類で、大抵は所有者の自宅に保管されています。

 
(2)名寄帳の写しで確認
 

名寄帳(なよせちょう)とは、市区町村が管理している課税台帳です。被相続人が該当地区で不動産を所有していた場合は、その情報が記載されています。

よって、相続不動産の市区町村がわかっている場合は、該当地区の市町村役場で、「名寄帳」の写しを請求すると良いでしょう。

なお、名寄帳には、私道といった非課税不動産が記載されている他、要望を出せば共有名義での名寄帳も出してもらえるので便利です。(共有名義で所有していた不動産でも被相続人の持分は遺産となります。)

名寄帳を取得したら、役場にて「固定資産評価証明書」も請求します。固定資産評価証明書は、不動産の価値の目安を記したものです。不動産の名義変更(相続登記)の際に添付する書類でもあるので、取得しておきましょう。

 
(3)法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)を取得する
 

登記簿謄本には、不動産所有者の名前と住所、取得理由や年月日が記載されています。

そのため、登記簿謄本に被相続人の名前と住所が載っていれば、それをもって所有者であると判断できます。(権利証だけでは、被相続人がその対象不動産を既に売却しているといったケースもあり、所有とは限らないので注意です。)

各方法で不動産の「地番」や「家屋番号」などを特定できたら、法務局で登記簿謄本を取得し、被相続人の所有の有無を明らかにしましょう。

 

株式の調査方法

(1)上場株式
 

株式などの有価証券も相続財産になります。

被相続人が株式取引に利用していた証券会社がわかる場合、その証券会社に問い合わせをすれば、相続財産となる上場株式を確認できます。

相続人であることの証明資料(戸籍謄本等)や身分証明書などの必要書類を送付し、「残高証明書」の開示を、証券会社に請求します。上場株式であれば市場取引価格がわかるので、「被相続人の死亡日現在」の残高を開示してもらえます。

証券会社が不明な場合は、被相続人の遺品から郵便物(取引残高報告書)がないか探しましょう。また、預貯金口座に取引明細がないかもチェックしましょう。

証券会社ではなく信託銀行から株式に関する書類が届いている場合には、その信託銀行が被相続人の株式を管理している可能性がありますので、こちらも問い合わせを行います。

 
(2)非上場株式
 

非上場株式の場合、上場株式とは違って証券会社が管理をしておらず、探すのに手間がかかります。

非上場株式でも株券が発行されている場合がありますので、遺品を探しましょう。株券が発行されていない場合でも、「株主名簿記載事項証明書」という、株主の名前と持っている株式の数が記載された書類が発行されている場合がありますので、書類がないか確認してください。

また、他の株主から株式を買い取る場合には、株式譲渡契約書という、株式の売買のための契約書を結ぶのが一般的ですので、株式を引き受けるための契約書や申込書などがないかも併せてチェックします。

 

美術品や車などの動産の探し方

美術品や車は被相続人の自宅にある場合がほとんどですが、貸金庫等に保管されている場合もあります。貸金庫の存在が確認された場合は、調査を漏らさないよう注意しましょう。

他にも貴金属なども相続財産になります。価値の高いものはリスト化しておき、専門の業者に鑑定を依頼しましょう。

 

債務などのマイナス財産の探し方

借金などのマイナス財産の調査も必須です。マイナス財産の大きさは、相続放棄や限定承認を判断する指標になるからです。

被相続人の自宅に金融機関からの督促状や返済の明細書、消費者金融のキャッシュカードがないか確認します。

また、各信用情報機関(CIC・JICC・JBA)に対して、被相続人の信用情報の情報開示を求めて、過去のローンやキャッシングの契約等を把握する方法もあります。

 

まとめ

相続放棄をするかどうかの判断も相続税申告をするにも、遺産の全容を明らかにした上で、財産評価が大事です。よって、財産調査は最初のスタートであり、とても重要な事項です。

相続財産の調査は、ご自身でも行えますが、多くの手続が必要となるので時間も手間もかかります。「葬儀の準備や仕事で中々時間が取れない」・「正確な調査ができるか不安」という方は、専門家に任せた方が良いでしょう。

 


 
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。

行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。

まずはお気軽に初回無料相談をご利用ください。

■お問い合わせフォームから今すぐ初回無料相談をしたい方→こちらをクリック

■お電話で今すぐ初回無料相談をしたい方→046-297-0055(受付時間:平日9:00~17:00)

こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

相続と言えば、「被相続人の財産を法定相続人である配偶者や子供等が引き継ぐもの」とイメージしがち。

しかしながら、諸々の事情によっては相続人が財産を取得しないケースもあります。
 

相続をしないパターンとしては、相続権を手放す「相続放棄」がありますが、この他にも財産を受け取れないパターンとして「相続廃除」と「相続欠格」の二つがあります。

相続放棄は財産を取得しないことを相続人が選択しますが、相続廃除と相続欠格については、被相続人や他の相続人が問題のある相続人の資格を剥奪するため、大きな違いがあります。

 

相続廃除とは

(1)概要

 
相続廃除とは、 推定相続人が被相続人へ虐待や重大な侮辱を加えるなど、著しい非行をした場合に、相続権を剥奪する制度です。

家庭裁判所へ請求し、申し立てが認められれば相続人の資格は失われます。遺留分(最低限の財産を取得する権利)も当然ありません
 

なお、失う資格は廃除された相続に関する権利のみです。

例えば、父親の相続についての廃除が決定しても、母親の相続については相続権はそのままです。

 

(2)廃除の対象

 
相続廃除は、遺留分権を持つ推定相続人が対象の制度です。

具体的には被相続人の配偶者や子供(孫)・父母(祖父母)のうち推定相続人となる方が対象です。(被相続人の兄弟姉妹は遺留分権がないので、対象ではありません。)
 

なお、推定相続人とは、被相続人が亡くなって相続が始まった時に、相続人になる予定の方を指します。

例えば、ある方の家族構成が、配偶者A、息子B、弟のCがいる場合、将来的に相続が始まった際に相続人となるのは配偶者A、息子Bなので、その二人が推定相続人となります。
 

元々、遺留分権を持たない兄弟姉妹や推定相続人の配偶者などは対象ではありません。

また、 廃除は本人のみに影響するので、廃除された方に子供や孫がいる場合、その代襲相続権には影響がありません。

 

(3)廃除が成立する要件

 
民法892条では遺留分を持つ相続人が被相続人に対して下記の行為を行った時に相続権を剥奪できるとされています。

 
注意したいのは、 これらの行為があっただけでは廃除は成立しない点です。

裁判所は「相続人の非行があったという事実」に加えて、それが「どのレベルのものなのか」を考慮します。
 

推定相続人の非行が顕著な場合には廃除が成立しますが、軽度の場合は認められにくいのが実態のようです。

 

(4)手続き

 
相続人廃除の方法は、被相続人が行います。

手続きは上記のように被相続人が存命中に行う「生前廃除」か、自身の死後に遺言執行者に請求をしてもらう「遺言廃除」があります。

いずれの場合も被相続人の意思のもとに行われます。よって、相続人が他の相続人を廃除するようなことはできないのです。

 

(5)取り消し

 
相続廃除は請求が家庭裁判所に受理された後であっても、取り消すことができます。

相続人廃除は、侮辱や虐待などの非行をした推定相続人の相続権を奪う制度でありますが、申立人(被相続人)の意思が変われば問題ありません。
 

つまり、相手を許す気持ちになれば、相続人の廃除取り消しは成立します

相続人廃除を取り消しを行う場合は、家庭裁判所に対して、「相続人廃除の審判の取消し」を申し立てます。
 

取り消しは通常の廃除の手続きと同様に、生前でも遺言でも行えます。

 

相続欠格とは

(1)概要

 
被相続人の親族はその関係性によって優先順位が決まっており、順位に従って法定相続人の資格が与えられます。

しかし、 一定の事由に該当する場合、法定相続人となっていても、その方は相続人としての資格を剥奪されてしまいます。これは「相続欠格」といいます。
 

相続欠格になれば、遺産分割協議にも参加できませんし、一定の財産を得る遺留分権も失います。

また、遺言による「遺贈」でも財産を取得することができません

 

(2)相続欠格事由

 
相続欠格に該当するかどうかは「相続欠格事由」に当てはまるかで判断します。

相続欠格事由とは相続の秩序を乱すような行為で、以下のようなものになります。

これらの事由に該当すれば、民法で定められている通り「当然に」相続人となることができないため、あらゆる権利を失います。

ただし、失うのは特定の被相続人との関係における相続権であり、他の相続における相続資格は失いません。

 

(3)手続き

 
相続欠格は前述した欠格事由に該当する事実があれば、直ちに相続権を失います。

何らかの手続きが必要となるわけではありません
 

遺産分割協議でも、相続欠格者は相続人ではないので、相続欠格者を外して協議が行われます。

ただし、相続を原因として不動産の名義を変更するときには、相続欠格者であることの証明書を提出しないと法務局が、登記を受け付けてくれません。
 

そのため、相続登記をする際に「相続欠格事由に該当することの証明書」を提出することが必要です。

 

(4)取り消しはできない

 
相続欠格者は欠格事由に該当すれば成立するので、取り消しはできません

ただし、死亡保険金や死亡退職金は受け取ることができるので、被相続人が相続欠格者を受取人に指定していれば、その分の財産を受け取ることは可能です。

 

相続廃除と相続欠格との違い

(1)被相続人の意思

 
大きな違いは被相続人の意思の有無です。

相続欠格は欠格事由に該当すれば、被相続人の意思に関わらず、相続権を失います。
 

対して、相続廃除は、「この相続人に相続をさせたくない」という希望のもとに被相続人もしくは遺言執行者によって手続きが行われます。

被相続人が対象者を許せば、取り消しが可能な点も相続廃除の特徴です。

 

(2)遺贈

 
相続廃除された方は、遺言での遺贈では財産を受け取れます。

ですが、欠格者は遺贈すら受けることも許されません

 

(3)対象

 
相続廃除の対象は遺留分を有する推定相続人のみになります。

ですので、遺留分が認められていない兄弟姉妹には、相続廃除が出来ません。
 

対して、相続欠格では、欠格事由に該当する相続人全てが対象です。

 

税法上の扱い

相続税の各控除額では、法定相続人の人数が計算式に含まれているため、人数によって相続税額が変わってきます。

 
「相続欠格」「相続廃除」はいなかったものとして扱われるので、法定相続人としてカウントされません。

そのため、基礎控除額や非課税枠には影響はないのです。
 

この背景には、被相続人の意思などで基礎控除額や非課税枠の金額などが左右されることは課税の公平の観点から、望ましくないという考えがあります。
 

なお「相続放棄」については、その相続放棄がなかったものとして扱われるので、法定相続人としてカウントされます。

この点はしっかり覚えておきましょう。

 

まとめ

相続廃除や相続欠格について、その特徴や違いについてご説明いたしました。

どちらも税法上の取り扱いは相続放棄と異なりますので、相続税計算の際は注意してください。
 

 


 
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。

行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。

まずはお気軽に初回無料相談をご利用ください。

■お問い合わせフォームから今すぐ初回無料相談をしたい方→こちらをクリック

■お電話で今すぐ初回無料相談をしたい方→046-297-0055(受付時間:平日9:00~17:00)

こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

親が亡くなると、実家などの不動産を相続するケースも多々あります。

不動産の相続は、現金や預貯金のようにはいきません。分割方法も様々ですし、相続税の評価方法も特殊です。
 

複雑な不動産相続をスムーズに行うには、手続きの流れを予め掴んでおくことが大事です

何も知らずにそのまま相続を進めると手続き期限に間に合わなかったり、不都合な事態を起こしてしまいます。
 

本コラムでは不動産相続に関する手続きの流れや、分割方法・評価方法についてまとめています。

是非参考にしてください。

 

不動産相続はどうして面倒なのか

不動産の相続が面倒な理由は以下のとおりです。

 
そもそも、従来の相続の手続きが面倒であるのに、不動産の相続はそれに加えて、手続きが増えたり、分割が難しい面があります。
 

相続税の評価方法でも、現金や預貯金の場合は、相続税評価額はそのままの額ですが、不動産の場合は土地と建物、それぞれの評価額を算出しなければなりません

しかも、その評価は評価者によって変わってしまう程、難しいとされています
 

後で述べますが、土地評価は基本は国税庁が定めた路線価を基準に算出します。

しかし、そこに形状や利用価値といった様々な要素を加味していくので、評価額が人によって異なるのです。

 

不動産が相続財産に含まれる際に行うこと

財産調査の結果、相続財産の中に不動産がある場合は、以下の流れで手続きを進めていきます。
 

STEP1 単純承認か相続放棄かの検討

相続では、借入金等マイナスの財産がプラスの財産を上回る場合もあります。

その場合、相続開始から(厳密には自己のための相続の開始を知ってから)3ヶ月以内に相続放棄の申し立てを行えば、借金を相続しなくてよくなります。
 

ただし、プラスの財産を相続することもできません。

なお、財産を処理した場合、単純承認が成立し、相続放棄はできなくなります。

★参考記事:相続手続き三つのパターン【単純承認・限定承認・相続放棄】

 
また、相続放棄は、他の相続人にも影響が出ることなので、十分に検討した上で行うべきです。

 
STEP2 遺産の分け方を決める

遺言があるかどうかで分割内容は変わります。遺言書がない場合は、遺産分割協議で配分を議論します。

 
STEP3 相続財産の名義変更

分割が決定したら、相続登記を行います。

相続登記とは不動産の所有権移転登記の一種で、相続不動産の名義を被相続人から、相続人に変える手続きです。

 
STEP4 相続税の申告・納付をする

不動産の評価を行った後、相続税の申告と納付を行います。期限は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。

期限を過ぎた場合、無申告加算税や延滞税などのペナルティを課せられてしまいます
 

相続税の控除に関する特例制度を適用する場合も、この期限内に申請しなくてはなりません。

 

不動産の分割方法

不動産分割は現金と違って容易に分けられません。

分割方法は以下の4種から決定します。

 

(1)現物分割

 
そのままの形=現物で分割する方法です。

例えば、相続人が二人の場合、片方が不動産をまるまる取得し、もう一人がそれと同額の現金を相続するといったケースが該当します。
 

遺産をそのままの形で取得できるので、相続登記や後の売却でも余計な手間がかかりません。

ただし、不動産と同等の現金や預貯金が財産にない場合は、分割が不公平になってしまう懸念があります

 

(2)代償分割

 
不動産を特定の相続人が取得し、代償として他の相続人に現金等を渡す方法です。

調整がしやすいので公平性がある上、不動産もそのままの形で相続できるメリットがあります。
 

ただし、代償として渡せる資産がない場合、成立しません

 

(3)換価分割

 
不動産を売却して得たお金を分ける方法です。

代償分割と違って、代償の資産を用意しなくて良いことがメリットです。
 

ただし、買い手が見つからない場合もあるので、分割完了まで時間がかかる可能性もあります

 

(4)共有分割

 
複数の相続人の共有名義で不動産を相続する方法です。

公平性はありますが、多くのデメリットがあるので、あまりお勧めしません
 

例えば、売却等の手続がスムーズに行えない点があります。

不動産の売却には名義者全員の同意が必要なので、共同所有者が遠方に住んでいる場合や、売却に反対した場合は、売る機会を逃す可能性が出てきます。
 

詳しくは、下記のコラムをお読みください。

不動産の共有分割における問題点について解説しています。

★参考記事:不動産を共有で相続することの問題点

 

不動産の評価方法

(1)土地の計算方法

 
相続不動産の土地評価には、「路線価方式」か「倍率方式」を用います。
 

路線価とは、国税庁が毎年1月1日に定める土地の価格で、同年の8月頃に発表されます。

倍率方式は路線価が設定されていない地域の土地評価に使う計算方式です。
 

それぞれの計算式は以下の通りです。

路線化方式による土地評価=正面路線価×土地の面積(×奥行価格補正率など)

倍率方式による土地評価=固定資産税評価額×倍率

 
計算で使う路線価や評価倍率は国税庁のホームページで確認することが可能です

★参考:国税庁HP 路線価図・評価倍率表

 

計算式からも分かるとおり、土地評価には補正率を加味します

土地も角地だったり、四角ではない歪な形をしている場合があり、利用価値が異なります。
 

そのため、補正率によっては、土地評価額が下がり、相続税を抑えることも可能になります。

もし、評価者に土地補正率に対する知識がないと、本来は節約できる税金を納めることになりかねません

 

(2)建物の計算方法

 
建物の相続税評価額は「固定資産税評価額×1.0」であり、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。

固定資産税評価額は都税事務所や役場の固定資産税課などの固定資産税台帳、自宅に郵送される固定資産税課税明細書で確認することができます。
 

建物が建設中の場合は評価額は「建設費用原価×0.7」で計算されます。

建設費用原価は工事の進捗率で決まるので、工事担当の建設会社から証明書を発行してもらいます。

 

相続登記

相続登記とは、不動産名義を被相続人から相続人に変更する手続きです。

期限は設けられていませんし、罰則もありませんが、権利を確定させておかないと、トラブルの元になるので、早めに手続きをしたほうがよいと言えます

相続登記をしないと起こる弊害には以下のものが考えられます。

 
相続登記は、所有者の権利が移ったことを第三者に証明するためのものです。
 

手続きをしていなければ、不動産の売買や譲渡はもちろん、担保への設定もできません。

その上、他の相続人に勝手に不動産を処分される可能性もあります。
 

また、何世代にも渡って手続きを放置していると、不動産の権利関係者がどんどん増えていきます。

そうなれば、いざ相続登記を行おうと思っても、手続きが複雑になってしまいます
 

なお、今は義務ではない相続登記も、「土地」に関しては義務化される見通しになっています

現在では長い間名義変更がされない「持ち主不明の土地」が国内に多くあり、行政側で買取をしようにも、持ち主を探す労力がかかるため、処分が遅れているという弊害が生じています。
 

そのため、今年の4月に「民法等の一部を改正する法律」及び「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が可決されました。

実際に新制度が開始されるまでにはもう少し期間がありますが、2024年の施行を目処にしています
 

申請を怠った場合、10万円以下の過料に処せられるという罰則も設定されるので、相続登記は早めにしておくべきでしょう。

 

まとめ

遺産の分割や登記、相続税評価や申告など、不動産相続では行わなければならないことがたくさんあります。

中には期限付きのものもあるので、遅れないように各種の手続きをこなしていかなくてはなりません。
 
ご自身で行う場合が困難な場合は、相続専門の税理士に手続きを代行してもらいましょう。

専門の税理士であれば、手続きがスムーズに進むだけでなく、節税に必要なアドバイスももらえてお得です。
 

 


 
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。

行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。

まずはお気軽に初回無料相談をご利用ください。

■お問い合わせフォームから今すぐ初回無料相談をしたい方→こちらをクリック

■お電話で今すぐ初回無料相談をしたい方→046-297-0055(受付時間:平日9:00~17:00)

こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

フリーランスや自営業などの個人事業主で、一定の事業収入がある人は毎年、「確定申告」をしなければなりません。

確定申告とは、年間の売上から経費を差し引いた儲け(所得)にかかる税金を計算し、税務署に報告する手続きです。
 

この確定申告は、生きている方だけでなく、亡くなった方にも求められる場合があります

亡くなった方に所得税がかかっているかどうかはケースバイケースですが、もし申告が必要であるならば本人に代わって、相続人が行います。
 

この手続きは「準確定申告」といいますが、通常の確定申告と同様に期限が設けられています

相続における税務署への手続きといえば、おおよそ「相続税申告」が先に思い浮かぶので、そちらに気を取られがちですが、実はこの準確定申告の方が期限が早いので、注意が必要です。

 

申告者は誰か

納税者である本人は既に亡くなっているので、準確定申告を行うのは相続人と包括受遺者です。

包括受遺者とは、遺言によって一定割合の遺産を受け取る方です。
 

準確定申告のための申告書は、通常の様式とほぼ同じで、税額計算も変わりません。

しかし、準確定申告は「原則として相続人全員で行う」という点があります。
 

つまり、相続人や包括受遺者が二人以上いる場合は、「相続人等がそれぞれ個別で準確定申告の手続きをする」か、「準確定申告書の付表に相続人全員が署名と押印をして代表者が申告書を提出する」必要があるということです。
 

どちらの方法を取るにしろ、申告者および他相続人のマイナンバー関係書類の添付が必須です。

そのため、通常の確定申告よりは手間がかかることは覚えておきましょう。

 

準確定申告が必要なケースとは

(1)必要なケース

 
準確定申告が必要かどうかの判断は、基本的に確定申告が必要かどうかの条件と同じです。

いくつかのパターンを見てみましょう。

よくあるケースは故人が生前に自営業者やフリーランスなどで、事業収入を得ていた場合です。

この場合は準確定申告が必要ですが、所得が48万円未満の場合は不要となります。
 

つまり、売り上げが少なかったり、経費が多すぎる場合には、申告の対象ではないのです。

不動産所得や株取引などの売却収入も、48万円に届かなければ申告しなくても構いません。
 

会社に所属して給与をもらっていた場合、通常であれば申告は不要ですが、給与収入額が大きかったり、副業で収入を得ていると、申告の対象になります

特に副業に関しては、近年はインターネットサービスの進化によって、行う方も増えているので要注意です。

 

(2)しておいた方が良い方ケース

 
申告が不要でも、「しておいた方が良い」ケースもあります。

何故なら、準確定申告をすることによって、税金の還付を受けられる可能性があるからです。

 
会社に所属している方が途中で亡くなった場合、年末調整がまだなので源泉徴収によって税金を納め過ぎていることがよくあります。

その場合は、準確定申告をすれば税金が還付されるので、是非手続きをしましょう。
 

また、亡くなった年に医療費が高額になっていた場合も、申告によって医療費控除を受けることができます

高齢者は特に、病院の検査費用や薬代がかかるものなので、領収書が残っているのであれば、医療費を計算してみましょう。
 

配偶者や扶養家族がいる場合も、各種の控除を受けられるので、申請を行うべきです。

 

期限は4カ月以内

確定申告では、前年の1月1日から12月31日までの所得に関する税金を、毎年2月16日から3月15日の間に申告します。

しかし、準確定申告の期限は、相続の開始があったことを知った日から4ヶ月以内です。
 

相続税の申告は10ヶ月以内なので、準確定申告の期限の方が短いのです。

期限を過ぎてしまうと、相続税と同じように以下のペナルティーが課されることになります。
 

加算税…申告が適正にされなかった場合などに課される税金。「過少申告加算税」「無申告加算税」等があり、それぞれ税率が異なる。

延滞税…期限までに税金を納付していない場合に課税される税金。期限の翌日から納付の日数分、課せられる。

 
通夜や葬儀で忙しい中、申告の準備をしなければならないので、ついつい無申告となってしまうケースもあります。

申告期限を破れば、本来よりも高い税金を払う羽目になってしまうので、申告期限内に準確定申告書の提出を行えるように準備しておきましょう。
 

なお、準確定申告は、2年分をまとめて提出する場合もあります。

例えば、毎年確定申告をしている方が年の最初に亡くなると、多くの場合、前年分の確定申告が済んでいない状態です。

さらに、当年に生じた所得についても申告していないので、2年分の準確定申告を相続人が行わなければなりません。
 

もし、亡くなる前に前年分の確定申告を完了していたのであれば、提出するのは当年の1年分だけです。

 

手続きに必要な書類

準確定申告の必要書類は、通常の確定申告とほぼほぼ同じで、亡くなった方の源泉徴収票や保険料等の支払証明書などを用意します。

年金受給者の場合は、死亡届提出の時点で年金の源泉徴収票が送付されます。
 

事業所得がある場合、申告内容に合わせて青色申告決算書や収支内訳書などを提出しなければなりません。

準確定申告で必要な書類は次の6種類です。

確定申告書付表は相続人が複数いて、代表者が申告を行う場合に必要です。

付表には、各相続人が署名と押印をしなければなりません。
 

また、相続人全員のマイナンバー記入や、本人確認書類を添付も必須なので、相続人同士がスムーズに連署、必要書類を揃えるように、進行しなければなりません。

なお、準確定申告は、今まで電子申告ができませんでしたが、令和2年度以降に「e-Tax」システムが利用できるようになりました。
 

これにより、パソコンやスマホがあれば、わざわざ税務署に出向く必要はありません。

ただし、ソフトのダウンロードや電子証明書の取得を要するので、慣れていないと難しく感じる場合もあります。

 

手続きをスムーズに行うためのポイント

述べたとおり、準確定申告は期限も早いので、段取り良く進めていかなくてはなりません

ここでは、準確定申告をスムーズに行うためのポイントをご紹介いたします。
 

(1)他の相続人への理解

 
相続人が複数人いる場合は、準確定申告に手間がかかることや期限が短いことを事前に理解してもらっておきましょう。

代表者が申告を行う場合、確定申告付表には、相続人全員の連署・押印が必要ですし、各相続人の本人確認書類も揃えなくてはならないからです。
 

また、医療費除控や国民年金控除の証明書類など各種の申請に必要な資料を相続人がバラバラに保管している可能性もあります。

そのため、早い段階で代表者の元に書類が集まるように、相続人同士で連絡を取り合っておきましょう。

 

(2)必要書類の発行元と所要時間を把握する

 
確定申告と準確定申告ではかかる手間も違います。

必要書類などが手元に届くまでの所要時間はしっかりと把握しておくべきです。
 

「申告の締切り直前に必要書類が手元にない」という事態を避けるためにも、大切なことです。

 

(3)税理士に依頼する

 
仕事をしている場合などは、申告が必要なのかを調べたり、必要書類をそろえたりする時間が取りづらいでしょう。

ましてや、準確定申告の期限は、相続税の申告期限より半年も短いため、焦りや不安も募ります。
 

よって、忙しかったりや不安を抱えている場合は、相続専門の税理士に手続きを代行してもらう方が良いでしょう。

報酬はかかってしまいますが、プロに任せることによって煩わしい手続きから解放されるメリットがあります。
 

また税理士であれば、相続税申告の代行もできますし、節税に関するアドバイスももらえます。

税金を抑えることができれば、報酬以上の効果が期待できます。
 

なお、相続人が準確定申告の手続きを税理士に委任する場合は、税務代理権限証書が必要です。

税理士は同書類がないと、正式な代理人としては扱われないからです。

 

まとめ

亡くなった方の所得税申告を相続人が代わりに行うのが、「準確定申告」です。

気をつけるべき点は以下の通りです。

準確定申告の厄介なところは期限が早く、スピードを求められることです。

そのため、事前準備や相続人同士で理解を深めておくことが大切になってきます。
 

もし、自身での手続きが難しい場合には早めに税理士に相談しましょう。

 

 


 
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。

行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。

まずはお気軽に初回無料相談をご利用ください。

■お問い合わせフォームから今すぐ初回無料相談をしたい方→こちらをクリック

■お電話で今すぐ初回無料相談をしたい方→046-297-0055(受付時間:平日9:00~17:00)

こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

被相続人が多額の借金をしていた場合、その支払い義務は相続人が引き継ぎます。

もし、負債額がプラスの財産よりも高い場合、そのまま財産を相続してしまうと損になりますから、一切の相続権を手放す「相続放棄」を選ぶ方法もあります。
 

ただ、相続放棄をすると財産が他の相続人に分配されることとなるので、相続税の計算にも影響が出てきます。

本コラムでは相続放棄によって相続税にどのように影響するのか、詳しく解説していきます。

 

相続放棄とは

相続放棄とは、相続人としての権利を全て手放す行為です。

手続きを行えば、被相続人の預貯金や不動産など、一切の遺産を取得できなくなります。
 

しかし、借金や滞納した税金といったマイナスの財産も取得しなくて良くなるので、「遺産が債務超過になりそうなケース」において有効な対策と言えます。

また相続人ではなくなることから、遺産分割協議にも参加しなくてよくなります。

よって、「遺族同士の遺産争いに巻き込まれたくない」場合にも有効です。
 

なお、相続放棄ができるのは「熟慮期間」中です。

これは、自己のために相続開始を知った時から3ヶ月以内です。
 

期限を過ぎたり、遺産の一部を処分したりすれば「単純承認」が成立し、相続放棄はできません

家庭裁判所に申請すれば、期限を延長することもできますが、相応の事由がないと申請が認められません。
 

また、一度、相続放棄の手続きをすると、原則的に取り消しができません

そのため、財産調査が不十分で、後から遺産が債務超過ではなかったことが発覚して、損をするケースもあります。
 

よって、相続放棄には、慎重な判断が求められます

 

相続放棄をした本人や周りへの影響

(1)本人に対して

 
相続放棄をすると、本人は相続財産を取得しないので、相続税の申告もしなくて良くなります。

ただし、遺贈によって特定の財産を得る場合や、死亡保険金や死亡退職金を受け取る場合は話が変わってきます
 

まず遺贈による財産取得ですが、「相続放棄による相続人としての権利放棄」と「受遺者としての財産放棄」は法律上、別の問題です。

遺贈自体も受けたくないのであれば、遺贈の放棄をする必要があります。(放棄の方法は法律上、特に決まりはなく、本人が意思表示をすれば大丈夫です。)
 

よって、相続放棄をしても、遺言によって指定された財産は受け取れるわけなので、受け取った財産分の相続税を負担しなければなりません
 

そして、死亡保険金についても同様です。

相続放棄があった場合でも死亡保険金は取得できるので、財産に応じて相続税額を算出し、金額によっては申告と納付をする必要があります

 

(2)他の相続人に対して

 
相続放棄をした方の財産は他の相続人が取得するため、その分、負担する相続税自体は増えることになります

相続税の計算に当たっては、相続放棄をした相続人がいても、その放棄がなかったものとして計算します
 

例えば、基礎控除額などは算定に法定相続人数を用いますが、相続放棄をした人もカウントします。

よって、相続放棄があってもなくても相続税の総額は変わりません。
 

 

基礎控除額への影響

相続放棄をすると、その相続人は「いなかった」ものとなります。

しかし、基礎控除の計算については、「放棄はなかった」ものとして、相続放棄した人を法定相続人に加えて良いのです。
 

相続税の基礎控除は下記の計算式で算出します。

「3,000万円+600万円×法定相続人の数」

 

法定相続人が被相続人の配偶者と子供二人の計三人で、子供の一人が相続放棄したとすると、基礎控除額は3,000万円+600万円×3=4,800万円となり、相続放棄がある前と同じ金額になります。

こうみると、特定の遺族が相続放棄を行っても基礎控除は同じなので、相続税額が不当に増えることはないという話になります。

 

死亡保険金への影響

被保険者が亡くなった後に保険会社から支払われる「死亡保険金」は受取人の固有財産です。

そのため、通常の相続財産とは違い、相続放棄をしていても受け取りが可能です。
 

ただし、死亡保険金は「みなし相続財産」とされ、通常の遺産と同じように相続税が課税されます

※保険料の負担者および被保険者の設定によっては、課税される税金の種類は異なります。
 

なお、死亡保険金には非課税枠があります。金額は下記の通りです。

「500万円×法定相続人の数」

 
これも、基礎控除と同じように、相続放棄をした方も法定相続人の数に加えて良いのです。

そのため、相続放棄による相続税への影響はありません。
 

ただし、受取人が相続放棄をした方だった場合、非課税枠の適用ができません
 

前述した例と同じく、配偶者と子供二人の計三人で、子供の一人が相続放棄するケースで考えると、

配偶者:保険金を受け取れる上、非課税枠の適用が可能。
子供A:配偶者と同じ条件。
子供B(相続放棄):保険金は受け取れるが、非課税の適用はなし

 
非課税枠は「500万円×3人=1,500万円」となりますが、これは受取人の配偶者と子供Aで按分します。

もし保険金総額が5,000万円で配偶者が3,000万円、子供Aが2,000万円受け取る場合、

配偶者:1,500万円×(3,000万円/5,000万円)=900万円
子供A:1,500万円×(2,000万円/5,000万円)=600万円

が非課税額となります。
 

★参考記事:相続放棄しても死亡保険金は受け取れる

 

未成年者控除・障害者控除への影響

相続人が未成年者や障害者である場合、特定要件を満たせば、相続税を控除できます。

未成年者控除=(20歳−相続人の年齢)×10万円

障害者控除(一般障害者)=(85歳-相続開始時の満年齢)×10万円
障害者控除(特別障害者)=(85歳-相続開始時の満年齢)×20万円

 
これらの控除についても同様で、相続人が相続放棄をしていても相続税の計算上はなかったものとして考えます。

したがって、遺贈による財産や死亡保険金取得にかかる相続税については、未成年者控除を組み入れられることになります
 

★参考記事:相続における未成年者控除【概要】

★参考記事:相続税の障害者控除について

 

配偶者控除への影響

配偶者が相続人の場合、「1億6,000万円か配偶者の法定相続分額」のうちどちらか大きい金額までを非課税とする配偶者控除を適用できます。

金額を超える場合は、控除分を差し引いて相続税が課税されます。
 

配偶者が相続放棄をして、死亡保険金などのみなし相続財産や遺贈による財産を受け取った場合、この税額軽減を適用することができます。

これは相続放棄をしても被相続人の配偶者である事実は変わらないためです。
 

★参考記事:1億6千万円以上が非課税!相続税の配偶者控除とは

 

債務控除への影響

被相続人の借金や未払いの固定資産税など、いわゆるマイナスの財産は通常、債務控除として相続財産の金額から差し引きます。

相続放棄をした場合、債務控除の対象となりません。(相続放棄をした時点でプラスの財産もマイナスの財産も引き継がないからです。)
 

ただし、葬儀などの社会通念上相当な費用を負担していた場合には、相続放棄をしていても、相続財産からその葬式費用分を差し引くことができます

 

相次相続控除への影響

相次相続とは10年以内に立て続けに起きる相続のことで、相次相続控除とは2次以降の相続で課税される相続税から一定額を控除するものです。

相次相続控除は適用が相続人に限定されるので、相続放棄をした場合は適用することができません
 

★参考記事:複数の相続が起きた場合の控除制度【相次相続控除】

 

まとめ

基本的には、相続放棄をすることで相続税の計算方法には大きな影響は出ません

基礎控除や死亡保険金の非課税枠などについては、「相続放棄がなかったものとして計算される」ことを覚えておきましょう。
 

もし、税額計算で不明な点があれば、相続を専門とする税理士に相談しましょう。

相続税のプロに相談すれば、相続時における税額のシミュレーションもできますし、節税対策のアドバイスも受けることができます。
 

面倒な相続税の申告も代行してくれるので、お勧めです。

 

 


 
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。

行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。

まずはお気軽に初回無料相談をご利用ください。

■お問い合わせフォームから今すぐ初回無料相談をしたい方→こちらをクリック

■お電話で今すぐ初回無料相談をしたい方→046-297-0055(受付時間:平日9:00~17:00)

 

こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

相続税には他の税金と同様に「時効」があります。

時効を迎えれば、申告額が不足していたとしても、不足分を払わずに済むことになります。
 

ただし、時効が適用されるケースは稀です

申告額の誤りや申告漏れがわかっている場合、そのままにしておくと、後々、多額の税金を支払わなくてはならないリスクを負います。

 

相続税の時効は原則5年

相続税の時効は「除斥期間」といいます。

税務署は相続税の申告義務があるにも関わらず無申告だった方、申告漏れがあった方などに対して、課税処分を行いますが、それはこの除斥期間内のみ可能です。
 

法定申告期限から一定年数が経過し、除斥期間を過ぎてしまうと税務署は課税処分を行えません

つまり、時効が成立するのです。
 

除斥期間は相続税の法定申告期限の翌日から、原則「5年」となります。

ただし、「偽りその他不正の行為」があった場合、除斥期間は「7年」に延びます。
 

偽りその他不正の行為とは、虚偽の回答をしたり、相続財産を隠すといったものです。

意図的に申告をしないような場合も、期間は長くなるのです。

 

時効の起算日

時効の起算日は、相続税の申告期限の翌日となります。


相続税の法定申告期限は、相続人が相続開始を知った翌日から10ヶ月なので、その時点から5年(悪意のある場合は7年)が時効の期間となります。
 

例えば、相続開始が令和2年1月10日の場合は、法定申告期限は同年11月10日です。

時効はそこを基準とするので令和7年11月10日(もしくは令和9年11月10日)となります。

 

時効成立の可能性は低い

税務署もプロですから、独自のルートで被相続人や相続人に関する情報を持っています。

かなりの年月を遡った範囲まで確認するので、故人の財産をおおよそ把握していると考えて良いでしょう。
 

よって、時効を迎えて逃げ切れるということはほぼありません。

ほとんどが税務署にバレて、高額のペナルティーを支払わされるという結果になります

 

申告期限が遅れればペナルティは大きくなる

申告期限を破った場合、延滞税、無申告加算税、過少申告加算税、重加算税といったペナルティーが発生します。

ペナルティーを受ければ、本来よりも多くの税金を納めなければなりません。
 

そのため、申告額の誤りや申告漏れに気づいた場合は、1日でも早く納付しましょう。

 

まとめ

相続税には時効がありますが、時効を迎えるケースはほぼありません。

「このくらいなら申告しなくても大丈夫」という考えは通用しません。高額のペナルティーを受ける前に一刻でも早く申告を済ませましょう。

 

 


 
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。

行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。

まずはお気軽に初回無料相談をご利用ください。

■お問い合わせフォームから今すぐ初回無料相談をしたい方→こちらをクリック

■お電話で今すぐ初回無料相談をしたい方→046-297-0055(受付時間:平日9:00~17:00)

こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

「両親が借金の肩代わりをしてくれた」「知人が貸してくれていたお金を無しにしてくれた」というケースは世間ではよくあることです。

しかし、これらの行為には贈与税がかかってきます
 

というのも、贈与は「双方の合意があって成立する契約」と民法では定義されますが、税法上では双方の合意がなくても特定のケースを「贈与と同じ行為」と考えるのです。

 

みなし贈与とは

贈与は契約行為です。よって、贈与者と受贈者共に贈与の認識があって成立します。

しかし、相続税法では贈与の認識がない場合であっても、特定の行為を贈与と同じだとみなし、贈与税を課税することになっています。
 

これは「みなし贈与」といいますが、該当するケースに以下のものがあります。

 

債務免除益とは

債務免除とは、無償もしくは低い対価で債権が放棄され、債務が免除されることです。
 

本来であれば自分で支払うはずだった金額が無しになったりすれば、贈与によって利益を受けたことと同じになります。

よって、みなし贈与として贈与税が課税されるのです。
 

みなし贈与の対象となる債務免除益は以下になります。

 
借金を親や配偶者に代わりに支払ってもらう場合もみなし贈与に該当します。

また、支払い義務のある税金を払ってもらった場合も同じです。
 

一時的な立て替えである場合は当てはまりませんが、その際は後の返済について当事者間で合意があった事実を示すための証書が必須です。

証書がなければ、税務署に指摘された場合にみなし贈与扱いになる可能性が高くなります。

 

課税対象外の債務免除益とは

債務免除には例外的に課税の対象外となるものがあります。

それは、債務者が極度の貧困や病気などにある場合に債務が免除される場合です。
 

債務者の状態が「明らかに返済困難」な場合は、みなし贈与とはなりません。

同条件であれば、債務者の扶養義務者が債務を肩代わりしても非課税です。
 

弁済が困難かどうかについては、債務者の信用による借り換えや労務状況、今後の収入などもあわせて判定されます。

 

まとめ

生前贈与は相続税対策として有効な手段ですが、活用する場合はみなし贈与にも十分注意しておく必要があります。

判断に困る場合は、専門家に相談するとよいでしょう。

 

 


 
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。

行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。

まずはお気軽に初回無料相談をご利用ください。

■お問い合わせフォームから今すぐ初回無料相談をしたい方→こちらをクリック

■お電話で今すぐ初回無料相談をしたい方→046-297-0055(受付時間:平日9:00~17:00)

こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

遺言書はせっかく書いても、遺族の方が相続開始後に発見しなければ効力を持ちません。

遺言書が見つからなければ、遺族は遺産分割協議で分割内容や方法を話し合うことになります。
 

相続の中には、苦労して分割協議をまとめた後に遺言書が出てくるというタイミングの悪いケースもあります。

この時、遺言内容は協議結果と異なるものである可能性が高いですが、そうなった場合一体どうすれば良いのか、本コラムで解説いたします。

 

遺産分割協議と遺言書の優先度

相続において遺産分割協議が開かれるのは以下の2ケースです。

 
遺言書は遺言者の最終意思なので最大限尊重されるものです。

そのため、法定相続分や遺産分割協議結果よりも優先度は高くなります

 

どちらに従うかは合意次第

遺言書内容は遺産分割協議結果よりも優先されるため、分割協議後に遺言書が見つかった場合、原則として遺言書に従います。

ただし、遺言書内容を相続人全員で確認の上、合意が取れた場合は従う必要はありません
 

遺産は分割協議で決めた内容に従って分配することになります。

 

相続人の数が変わるケースに注意

遺言書には遺産の分割内容や方法の指定以外にも様々な効力があります。

その中には、法定相続人以外に財産を渡す「遺贈」、法律的に自分の子供とする「認知」、特定の相続人の資格を剥奪する「相続廃除」があります。
 

これらは、相続人(遺産を受け取れる権利者)の数を変動させる要素を持ちますが、もし記載されている場合は注意が必要です。
 

というのも、既に遺産分割協議が完了している場合、遺言書によって加わった受遺者や相続人を交えた上で同意を得なければなりません

遺言執行者が指定されている場合は、執行者の同意も必要です
 

合意が取れなければ、分割協議の結果は無効となり、遺言書に従って遺産分配を行うことになります。

 

遺言書は早急に発見されるように工夫を

遺言書は遺言者が亡くなった後、遺族に早く発見されるのが理想です。

発見が遅れれば、相続手続きの手間も余計にかかってしまい、遺族の負担となります。
 

証人が必要な公正証書遺言を選択する、自筆証書遺言の法務局保管制度を利用する、遺言執行者に遺言保管の事実を伝えておくなど、相続開始時に遺族がすぐに内容を確認できるよう工夫しましょう。

 

まとめ

遺産分割協議完了後に遺言書が見つかった場合、原則として遺言内容に従いますが、ケースによっては、再分配をしなくても大丈夫です。

相続人全員の合意を得ることも大事ですが、遺言内容に受遺者・相続人の増減に関わる事項がないかの確認も大切です。

 

 


 
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。

行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。

まずはお気軽に初回無料相談をご利用ください。

■お問い合わせフォームから今すぐ初回無料相談をしたい方→こちらをクリック

■お電話で今すぐ初回無料相談をしたい方→046-297-0055(受付時間:平日9:00~17:00)