【お盆の帰省がチャンス】家族間で「実家のこれから」と「相続」について話し合うべき3つの理由

厚木市で相続の手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。
夏のお盆休みは、実家に帰省して久しぶりにご家族やご親族と顔を合わせる方も多いのではないでしょうか。親の元気な顔を見て安心する一方で、「実家はこの先どうなるのだろう」「もしもの時、相続の手続きはどうすればいいのか」と悩む方も多いかもしれません。
「相続の話はお金のことだし、親の前では縁起が悪いから」と思われがちですが、実はそうではありません。いざという時に慌てないために知っておくことが大切です。家族が顔を揃えるお盆休みこそ、将来のトラブル(争族)を防ぐための第一歩を踏み出す絶好の機会と言えます。
今回は、お盆に家族が集まるタイミングで「実家のこれから」や「相続」について話し合うべき3つの理由と、スムーズな切り出し方について解説いたします。
理由1:親の財産状況や希望を「元気なうちに」確認できる
まず大前提として、相続対策は親御さんの判断能力がしっかりしている「元気なうち」に行うことが何よりも重要です。
「うちには預貯金が少しと実家しかないから、相続税なんて関係ない」と思われる方も多いのですが、ここに落とし穴があります。厚木市や海老名市などにお住まいの場合、ごく一般的な家庭であっても、土地の評価額が思った以上に高く、気づかないうちに相続税の対象となっているケースも珍しくありません。
親御さんがどのような財産(預貯金、有価証券、不動産など)を、どこに、どれくらい所有しているのか。そして、それを「誰にどう引き継いでほしいのか」という本人の希望を確認できるのは、元気な今だけです。もし認知症を発症してしまうと、遺言書の作成や生前贈与といった対策が一切できなくなるというリスクがあります。
【参考】
遺言書とエンディングノート、何が違う? 上手な使い分けとは
https://stepup-souzoku.com/2026/05/01/jihuuuvioi980yhyg/
理由2:「実家をどうするか」の方向性を共有し、将来のトラブル(争族)を防ぐ
親が亡くなり、実家をどう分けるか悩むケースは非常に多いものです。親御さんとしては「長男に実家を継いでほしい」と思っていても、当の長男は「すでに自分の家があるから住めない」と考えているかもしれません。
相続が発生した後、遺産を分けるための話し合いを「遺産分割協議」と呼びます。この協議は法定相続人全員が合意しなければなりませんが、事前になんの話し合いもしていないと、誰が実家を相続するのか、残った現金をどう分けるかで意見が対立し、トラブルに発展してしまう怖れがあります。
- 実家に誰か住む予定があるのか
- 誰も住まないなら、売却して現金で分けるのか
- お墓や仏壇(祭祀財産)は誰が守っていくのか
こういった方向性を事前に家族全員で共有しておくだけで、相続発生後の手続きが格段にスムーズになります。
理由3:もしもの時の「口座凍結」や「手続き」に慌てないための準備ができる
金融機関は、口座名義人が亡くなった事実を知ると、遺産の使い込み等のトラブルを防ぐために口座を凍結します。口座が凍結されると、預金の引き出しはもちろん、公共料金などの引き落としもできなくなります。「親の葬儀代や入院費の支払いが、親の口座から下ろせない!」と慌ててしまうご家族は非常に多いのです。
【参考】
家族が亡くなる前に銀行口座からお金を引き出すのはNG?相続トラブルを防ぐ正しい対処法
https://stepup-souzoku.com/2026/04/03/jiowoedcma/
もちろん「預貯金の仮払い制度」を利用すれば、遺産分割協議の前でも一定額までは引き出すことが可能ですが、手続きには戸籍謄本などの書類が必要で手間がかかります。いざという時に困らないよう、当面の生活費や葬儀代程度の現金は引き出しやすい状態にしておくか、どこの銀行に口座があるのか、通帳や印鑑の保管場所を家族に伝えておくことが大切です。
とはいえ切り出しにくい…話し合いのきっかけを作る上手な方法
「相続について話し合うべきなのは分かったけれど、自分からは切り出しにくい…」と悩む方も多いのではないでしょうか。親御さんに向かって「財産はどれくらいあるの?」と直接聞くのは、相手を警戒させてしまうためお勧めいたしません。
スムーズに話し合いを始めるための、いくつかのきっかけをご紹介します。
- 最近のニュースやテレビ番組を話題にする
「最近、相続登記が義務化されたってテレビで見たんだけど、うちの実家の名義ってどうなってる?」といったように、世間のニュースをフックにするのが自然です。 - 自分の「終活」の話として切り出す
「自分も年齢的に、そろそろエンディングノートを書いてみようと思うんだけど、お父さんたちはどうしてる?」と、自分ごととして相談を持ちかけると、親御さんも心を開きやすくなります。 - 実家の片付け(生前整理)を一緒に手伝う
「お盆で時間があるから、少し家の片付けを手伝おうか?」と一緒に作業を進める中で、重要な書類の保管場所をさりげなく確認するのも有効です。
【参考】
相続で残される家族の負担を減らすためにできることとは【相続対策】
https://stepup-souzoku.com/2025/09/19/jiok8911lkk0kks-skn/
相続登記の申請義務化に関するQ&A|法務省
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html
まとめ:一人で悩まず、まずは相続専門の税理士にご相談ください
相続対策は、「何から手を付ければいいのか分からない」と後回しにされがちですが、早めに行動することで多くの選択肢を残すことができます。
「我が家の場合は相続税がかかるのだろうか」「遺言書を書いた方がいいのか」と少しでも不安に思われたら、一人で悩まず、私たち相続専門の税理士にご相談ください。厚木相続相談センターでは、ご家族の状況に合わせた相続税のシミュレーションから、争族を防ぐための遺言書作成のアドバイスまで、親身になってサポートいたします。
早めに専門家を頼ることをお勧めいたします。まずはお気軽に、当センターの初回無料相談をご利用ください。
相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。
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よくある質問
Q:親と相続の話をしたいのですが、財産のことを直接聞くのは失礼でしょうか?
A:直接「財産はいくらある?」と聞くと警戒されることがあります。「最近、相続登記が義務化されたと聞いたんだけど実家の名義はどうなってる?」や「自分もエンディングノートを書こうと思って」と自分ごととして切り出すのが自然です。
Q:親が認知症になってしまった後でも、遺言書を書いてもらうことはできますか?
A:判断能力を欠く状態では、法律上有効な遺言書の作成はできません。ただし、認知症の程度によっては医師の立ち会いのもとで作成できる場合もあり、個別に弁護士や公証役場へ相談することをお勧めします。元気なうちの準備が最善です。
Q:銀行口座が凍結されたとき、葬儀代はどうやって用意すればいいですか?
A:「預貯金の仮払い制度」を利用すれば、遺産分割協議前でも1金融機関あたり最大150万円まで引き出せます。ただし戸籍謄本など必要書類の準備に時間がかかるため、日常の生活費・葬儀代程度は別途現金で用意しておくと安心です。
Q:相続登記が義務化されたと聞きましたが、いつまでに手続きすればいいですか?
A:2024年4月1日以降に相続で取得した不動産は、「知った日から3年以内」に登記が必要です。2024年4月より前に相続していた未登記の不動産も2027年3月31日までに申請が必要です。怠ると10万円以下の過料となる場合があります。
Q:実家を相続したものの誰も住まない場合、どのような選択肢がありますか?
A:①売却して現金を相続人で分ける ②賃貸に出す ③空き家のまま維持管理する という選択肢があります。売却・賃貸いずれも相続登記(名義変更)が先決です。空き家のまま放置すると固定資産税の増加や老朽化リスクがあります。

1960年東京生まれ 早稲田大学商学部卒業
1989年税理士登録
相続手続きについての執筆活動もしているエキスパート。
複数の事務所勤務を経験後、1995年厚木市に税理士事務所開業。2015年法人設立、代表就任。
税務や会計にとどまらず、3C(カウンセリング、コーチング、コンサルティング)のスキルを使って、お客様が幸せに成功するお手伝いをしています。
■著書
「儲かる社長がやっている30のこと」(幻冬舎)
■執筆協力
「相続のお金と手続きこれだけ知っていれば安心です」(あさ出版)
「事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」(あさ出版)
その他多数。
