こんにちは。
厚木市で相続手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。

相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

人が亡くなった時、所有されていた財産はその方の遺族=相続人同士で分割されて引き継がれます。

しかし、中には「独身で兄弟もいない」、「両親も既に他界している」等、相続人が全くいないケースもあり得ます。
 

そのような場合は、遺産は一体どうなるのでしょうか。

 

相続人が存在しないケース

(1)身寄りが全くいない

 
法定相続人となる親族の範囲と順位は民法で決まっています。

ですが、被相続人が独身者で、兄弟姉妹もおらず、両親も他界しているなら、法定相続人はいないことになります。

 

(2)法定相続人が全員相続放棄をした

 
相続放棄をすればその相続人は最初からいなかったことになります。

また、相続放棄をすると、その相続人の子供に相続権が移る代襲相続はできません。
 

よって、法定相続人となれる範囲の方全員が相続放棄をした場合、相続人は不在となります。

 

遺産は最終的に国庫に帰属

相続人が全くいないことが確認されると、相続財産を管理するために「相続財産管理人」が選定されます。

これは家庭裁判所によって選定されますが、大抵は地域の弁護士が担当します。
 

この相続財産管理人が相続人や相続債権者が本当にいないのか改めて捜索しますが、一定期間見つからなければ、相続財産は最終的に国庫に帰属することとなります

もし、捜索中に相続人が名乗り出た場合は、手続き後に財産が引き継がれます。

 

故人の遺体は市区町村で埋葬

故人の遺体は住所を管轄する市区町村が引き取って、埋葬を行います。

法務局長の許可を得た後に、戸籍に死亡の記載が行われます。
 


諸々の費用は、遺産の一部から割当てられますが、不足分は市区町村が一時的に立て替え、最終的に都道府県が負担します。

 

遺言書の必要性

法定相続人がいない場合、基本的に遺産は国庫のものとなります。

そのため、身寄りがいなくても友人やお世話になった方に財産を渡したいと考えるなら、遺言書の作成が必須です。
 

遺言書があれば、親族でなくても受遺者として財産を受け取れるからです。

被相続人の療養看護に務めていた「特別縁故者」であれば、財産を受け取れなくもないですが、遺言書がある方が手続きは遥かにスムーズです。

 

まとめ

現代では少子高齢化やライフスタイルの多様化によって、相続人不存在となるケースも増えていくように思われます。

自身が亡くなったときの財産を誰かに譲渡したい場合は、生前に遺言を書いておきましょう。

 

 


 
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