厚木市で相続の手続支援をしている、税理士・相続手続相談士の小川正人です。
相続の際に必要な戸籍集めや口座解約、各種名義変更をお手伝いさせていただいております。

 


 

「私たちには子どもがいないから、もしもの時は配偶者である私(妻)が全て相続できるはず」「うちは夫婦仲も良いし、特に揉めるような親戚もいないから大丈夫」と思う方も多いかもしれません。

結論から言えば、子どもがいないご夫婦の場合、残された配偶者が「すべての財産を無条件で相続できる」わけではありません。法的なルールを知らないまま万が一のことが起きると、疎遠な親族との間で遺産分割の話し合いを強いられ、大きなトラブル(争族)に発展するリスクがあります。

今回は、子どもがいないご夫婦や、身寄りがない「おひとりさま」の相続において、なぜ生前の「遺言書」が絶対に必要になるのか、その理由を分かりやすく解説します。

 

子どもがいない場合、誰が法定相続人になるのか?

まず大前提として、相続財産を受け取る権利を持つ人(法定相続人)は、民法で優先順位が明確に決められています。配偶者は常に相続人となりますが、子どもがいない場合、以下の順番で他の親族も相続の権利を持つことになります。

  • 第1順位(子どもや孫):いない場合は第2順位へ。
  • 第2順位(親や祖父母などの直系尊属):親が健在であれば、「配偶者が3分の2」「親が3分の1」の割合で遺産を分け合います。
  • 第3順位(兄弟姉妹):親も既に他界している場合、「配偶者が4分の3」「兄弟姉妹が4分の1」の割合で遺産を分け合います。もし兄弟姉妹が亡くなっていれば、その子ども(甥や姪)が権利を引き継ぎます(代襲相続)。

このように、子どもがいない夫婦でどちらかが亡くなった場合、「配偶者」と「義理の親」、あるいは「配偶者」と「義理の兄弟姉妹(または甥・姪)」という関係性の中で遺産を分けなければならないのです。

 

疎遠な親族との遺産分割協議で起きやすいトラブル(争族)

配偶者と義理の兄弟姉妹が法定相続人になった場合、銀行口座の解約や厚木市周辺にあるご自宅(不動産)の名義変更を行うには、法定相続人「全員」の実印と印鑑登録証明書が押された「遺産分割協議書」が必要になります。

【参考】
遠方の相続人がいる・連絡が取れない家族がスムーズに口座解約や名義変更を進める方法
https://stepup-souzoku.com/2026/07/03/1/

これが大きな壁となります。「夫の財産は長年連れ添った自分が全てもらえると思っていたのに、何十年も会っていない夫の兄弟から『法定相続分である4分の1の現金を払ってほしい』と要求された」というケースも珍しくありません。実家(不動産)しか目立った財産がない場合、義理の兄弟に現金を支払うために、長年住み慣れた自宅を売却せざるを得なくなるという悲しい事態(争族)に追い込まれる怖れがあるのです。

※民法第900条により、配偶者以外の法定相続分は「直系尊属(親等)がいる場合は配偶者2/3・親1/3」「兄弟姉妹の場合は配偶者3/4・兄弟姉妹1/4」と規定されています。親が存命か他界しているかで割合が変わる点に注意が必要です。

 

兄弟姉妹には「遺留分」がない!全財産を配偶者に残すには生前の遺言書が必須

こうした悲劇やトラブルを防ぐために、元気なうちに行うべき最強の対策が「遺言書の作成」です。

「全財産を妻(または夫)に相続させる」という内容の法的に有効な遺言書(公正証書遺言など)を一つ残しておくだけで、残された配偶者は義理の兄弟姉妹と一切話し合い(遺産分割協議)をすることなく、単独で預金の引き出しや不動産の名義変更をスムーズに行うことができます。

【参考】
01遺言書保管手続の概要:法務局
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page_000001_00015.html
 
我が家は対象?厚木市周辺の一般的な家庭でも相続税がかかる「基礎控除」のボーダーライン
https://stepup-souzoku.com/2026/07/17/2/

「でも、兄弟姉妹から『自分にも遺産をもらう権利がある』と文句を言われないか?」と不安になるかもしれません。実は、兄弟姉妹には「遺留分」がありません。遺留分とは、配偶者や子ども、親に最低限保障されている遺産の取得割合のことですが、兄弟姉妹にはこの権利が認められていないのです。つまり、「妻に全て譲る」という遺言書さえあれば、兄弟姉妹は1円も財産を請求できなくなり、配偶者のその後の生活を完璧に守ることができるのです。だからこそ、子どもがいないご夫婦には遺言書の作成が「必須」と言えます。

※遺言書を作成する際は、自分で保管して紛失や改ざんのリスクがある自筆証書遺言よりも、公証人が作成する「公正証書遺言」や、法務局で保管できる「自筆証書遺言書保管制度」の活用を強く推奨します。検認手続きが不要となり、残された配偶者の負担を最小限に抑えられます。

 

おひとりさまが安心できる「死後事務委任契約」の活用

また、配偶者も子どももいない「おひとりさま」の場合も事前の対策が重要です。「自分が亡くなった後、誰が葬儀や納骨をしてくれるのか」「賃貸アパートの退去手続きや未払い費用の精算はどうなるのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。

おひとりさまの場合、財産の行方を決める「遺言書」に加えて、生前に信頼できる専門家や法人と「死後事務委任契約」を結んでおくことが有効です。これにより、ご自身が亡くなった後の細々とした役所の手続きや葬儀の主宰などを、希望通りに代行してもらうことが可能になり、いざという時に慌てないための安心感を得ることができます。

 

まとめ:複雑な戸籍集めや遺言書の作成は、早めに専門家へご相談を

子どもがいないご夫婦の相続において、遺言書がない場合の戸籍集めは非常に複雑になります。夫の兄弟姉妹、さらには代襲相続人である甥や姪まで遡って膨大な戸籍謄本を集めなければならないため、一般の方には大きな負担となります。

「配偶者に確実に財産を残したい」「遺言書の書き方がわからない」と判断が難しい場合は一人で悩まず、相続専門の税理士にご相談ください。

厚木相続相談センターでは、ご夫婦の状況に合わせた遺言書の作成サポートから、将来の相続税のシミュレーション、さらには相続発生後の面倒な戸籍集めや遺産分割の調整まで、窓口一つでトータルにサポートいたします。手遅れになる前に、早めに専門家を頼ることを推奨いたします。まずはお気軽に、当センターの初回無料相談をご利用ください。

 


 

相続の手続きでお困りのことがございましたら、相続手続の専門家・相続手続相談士のいる厚木相続相談センターまでお気軽にご連絡ください。

行政書士、司法書士、弁護士、不動産鑑定士との強いネットワークを活かして、あなたの相続の悩みをサポートいたします。

まずはお気軽に初回無料相談をご利用ください。

 

■お問い合わせフォームから今すぐ初回無料相談をしたい方→こちらをクリック

■お電話で今すぐ初回無料相談をしたい方→046-297-0055(受付時間:平日9:00~17:00)

 

よくある質問

Q:遺言書を作らないまま夫が亡くなり、義理の兄弟と疎遠で連絡が取れません。どうすればいいですか?

A:連絡が取れなくても勝手に手続きは進められません。戸籍を追って現住所を調査し、遺産分割協議書への署名捺印を依頼する必要があります。行方不明の場合は家庭裁判所へ「不在者財産支配人」の選任を申し立てるなど複雑な手続きが必要になるため専門家へご相談ください。

 

Q:長年連れ添った妻に「居住権」を無償で保証する制度があると聞きましたが本当ですか?

A:はい、「配偶者居住権」という制度があります。万が一、遺言書がなく義理の兄弟から遺産分割を求められた場合でも、妻が住み慣れた自宅に一生無償で住み続けられる権利を保護できます。ただし、遺言書で自宅そのものを相続させる方がトラブルを防ぐ確実な方法です。

 

Q:兄弟姉妹が既に亡くなっている場合、その子供(甥や姪)にも相続権は引き継がれますか?

A:はい、引き継がれます(代襲相続)。甥や姪が複数いる場合、関係性がさらに希薄になり協議が難航しやすくなります。なお、代襲相続人である甥や姪にも遺留分はありませんので、遺言書を作成しておけば配偶者に全財産を残すことができます。